小学校における英語教育実践 英語に親しむ環境への試行世田谷区立千歳小学校 教諭坂井 岳志
本校の特徴 約830人、24学級で世田谷区でも最大 帰国子女学級の存在・約60人前後 留学生会館があるため外国国籍の児童が多 い 運動会、国際理解集会、日常の授業、給食 等に外国の方が参加されることが多い 英語教育は特に行っていなかった
世田谷でも有数の大規模校
講師中心の英語教育の始まり 4年前に、ボランティアの申し出 総合的な学習の中に入れることを確認 講師は、大学の先生方2名 3学期から試行 3年前から隔週1回の授業開始 3、4年・5、6年に分かれて2コマの 授業
講師の方の英語実践の内容 内容は、日常会話、物語、ゲーム、歌 手作りの絵カード、紙芝居を使用 英語中心で、日本語はなるべく少なく 簡単な会話、動作化、物語や絵カードを組 み合わせて一時間を構成 各担任は、 TT として授業に参加 他にも申し出、どの方にお願いするか検討
講師の先生の授業の様子 講師が絵カードを使って 絵カードを使って 講師が絵カードを使って 絵カードを使って 講師が歌を使って 歌を使って
自分たちの実態 私たちは英語については非専門家 特に話す、聞くに弱点 発音に問題ありと考える教員が多い 体系的に教える見通しがもてない 児童の実態については担任が把握 日々の指導法は多くの手持ち
学校として考えたこと 英語を嫌いにしてはいけない 間違えを覚えさせてはいけない 最初は子どもたちと講師の授業の様子を見 学し、自立していく参考にしていこう 初期段階のカリキュラムは講師の先生方の 考えを中心に立案 英語教育ではなく、英語に親しむ時間とし て
私たちにできることは? 英語に親しめる環境を作る 使いやすい教材・教具を用意する 外国の方と関わる場を作る 地域で英語に堪能な方を生かす方法を考え る 教員の英語への動機を作る 教員への研修会や講座の紹介をする
でも、現実の教員の英語力 は・・・ 外国の方がくると、子 どもたちに通訳 メールはインターネッ トで翻訳 一言が出ない ニコニコ笑って 日本語で通します
サンフランシスコの 姉妹校との交流 サンフランシスコ、クラレンドン小との交 流 姉妹校の申し出(ホームページを見て) PTA 会長の来日 アメリカの公立校だが、日本語教育を実践 日本語コーディネータを配置(予算3千 万) 多くのクラスで日本語教育の実践 向こうは日本語、こちらは英語の学習に
日本語コーディネータの来校
姉妹校との交流の内容 先生方とメールでのやりとり 交流対象を一対一にして、名簿を交換する 対象の児童宛に手紙を書く 相手からの手紙に返事を書く 夏休みや冬休みに先生方が来日し児童の家 庭にホームステイ 今後はこちらの先生方が渡米の予定
1,2年生の講師は トルコ人ボランティア 昨年度、トルコ人夫妻が英語講師の申し出 ホームページを見て、ボランティアに! 2学期から、1,2年生を対象に授業開始 内容は簡単な会話、基本単語 教材はオックスフォード 低学年はコントロールするだけで難しい 報酬は確保
今年度は・・・・ 今年度から毎週1回の英語の時間 講師の方と担任で、隔週交互に授業 教材は・・・バーコードリピータ、絵カー ド、紙芝居、テープ、プリント、パソコン 教材はそろってきたが、学習計画が不十分 学校全体の年間学習計画が未確定 だれがどのように内容を決めるのか
今年、変わったことは・・・ 1,2年はトルコの方からリトミックの専 門家に変更。音大出身で外国育ち。鮮やか な授業展開。一年生は楽しみに。 3,4年生は、担当の先生、ご病気のため、 保護者のお母さんに変更。イタリアで育っ て、オーストラリア人と結婚した外国語の 名手 ALT は、小さいうちに親しませることを考 え、1,2年生に配当 留学生会館の方と交流給食
担任の授業内容 講師の先生が立てた計画を基礎として バーコードリピータやテープ、 CD を活用 絵カードを活用 物語を活用 歌を活用 パソコンを活用 ネイティブな児童や保護者を活用
こんな感じで使っています
では、動画と音声で 実践1 実践1 実践2 実践2 実践3 実践3 実践4 実践4 実践5 実践5 実践6 実践6 実践7 実践7 実践8 実践8 実践9 実践9
物語、絵カード、歌の活用 テープや CD で物語を聴く 絵カードで単語練習をする 絵カードでカルタ取り 絵カードで買い物ゲーム 絵カードでビンゴゲーム 体を使いながら歌を歌う ゲームをしながら歌を歌う
パソコンを活用して 1000語の英単語 絵と文字と音声が同時 に それぞれの分野の単語 自分のペースで学習 課題は、パソコンルー ムの割り当て時間が足 りないこと
しかし、現実は・・・ 多くの担任が、自分の英語の時間を有効に 使っていない・・・別の教科の時間不足の 穴埋めに使ってしまう 子どもたちは、相変わらず2週間に一度の 英語の時間 苦手意識が強い でも自分から勉強しようとはしない
課題1 機器は有効だが、台数や部屋が足りない 体を動かすのは大好きだが、いったん始ま ると指示の声が通らない 低学年には音楽が好評、でも高学年には音 楽やゲームの内容が幼児向けと感じる 一つの教材では集中が続かない 高学年は音楽やゲームだけでは不満足、文 字を欲しがる
課題2 理解に時間のかかる児童は落ち着かない 聞き取れずにいる児童はイライラしてくる 動機がうすく、自ら学ぼうとする児童がま だ少ない クラスの人数が多く、一人一人の英語を話 す時間が少ない 児童の反応に素早く返すことができない
今後の授業の工夫 その日の目標を明確に スピード感のある授業構成 お互いのやりとりにリズム感が必要 10分前後の短い単位の学習時間の設定 歌や体を使った活動を増やす 聞くだけではない参加型の授業展開 児童が機器を活用しやすい環境の設定
大切にしたいこと 動機なくして学習なし! 明るく、元気に、楽しくやろう! 相手の見える交流を作ろう! 手紙やメールも活用しよう! 音楽や映画、動作を組み合わせよう! 先生方は恥じる気持ちを捨てて大胆に!
おわり