パルサーアストロメトリー観測について 亀谷 收 (国立天文台水沢 VERA 観測 所) Radio Pulsars ~1700 SMC 1 LMC 4 Supernova Remnant ~20 Globular Cluster 5 “Recycled” 15 Binary 6 Planets 1 1 49 76 1 1 1 Duncan R. Lorimer “Binary and Millisecond Pulsars ” 、 2005 Lyne &Graham-Smith, 1998, Pulsar Astronomy, Cambridge Univ. Press より Dispersion Measure DM=A(t1-t2)(1/ ν / ν 2 2 ) –1, A=2.410× cm -3 pc パルサー位置天文学の 何が面白いか ・銀河系内のパルサーの分布が分かる。 パルサー位置天文学の発展 ・パルサーの距離を求めると、パルサー の物理量が求まる。理論への貢献 ・視線方向に垂直な実速度が分かる。 ・パルサーまでの平均電子密度が分かる。 DM= d・n DM から求めた距離による銀河面分布 パルサーの銀経銀緯分布 銀河系中心 水メーザー分布 Tylor, Manchester, and Lyne, ApJ Supple, 88, 529, 1993 銀河系中心 Duncan R. Lorimer “Binary and Millisecond Pulsars ” 、 4 yr 10 5 yr 10 6 yr . P/2P=10 7 yr 10 3 yr パルサーの P と dP/dt の関係 Lyne &Graham-Smith, 1998, Pulsar Astronomy, Cambridge Univ. Press より Duncan R. Lorimer “Binary and Millisecond Pulsars ” 、 2005 τc = P/ ( 2dP/dt ) B ∝( P ( dP/dt )) 1/2 距離が分かれば、 DM から推定 される星間物質密度 Lyne &Graham-Smith, 1998, Pulsar Astronomy, Cambridge Univ. Press より パルサーまでの平 均電子密度が分 かる。 DM= d・n n d Gwinn et al Arecibo, North American VLBI 1.66GHz PSR (0.8)mas PSR (0.6)mas 相対 VLBI の原理 視差測定の原理 PSR J (0.6)mas Lommen et al PSR B (0.11)mas Brisken et al <1.5mas Chatterjee et al PSR B (0.16)mas Chatterjee et al PSR B (0.36)mas Brisken et al Golden et al PSR B (0.04)mas Brisken et al PSR B (0.4)mas Gwinn (0.6)mas Gwinn et al VELA pulsar 3.4(0.7)mas Caraveo et al HUBBLE 3.5(0.2)mas Dodson et al PSR B (0.14)mas Fomalont et al (0.13)mas Chatterjee et al PSR B (0.8)mas Gwinn et al (0.3)mas Brisken et al (0.07)mas Brisken et al PSR B (0.16)mas Brisken et al PSR B (0.08)mas Brisken et al PSR B (0.3)mas Bailes et al PSR B (0.037)mas Chatterjee et al PSR B (0.13)mas Stairs et al PSR J (0.08)mas Splaver et al timing PSR J (0.3)mas Toscano et al timing PSR B (0.6)mas Fomalont et al PSR B (8.0)mas Salter et al. 1979, <4mas Backer & Sramek (0.09)mas Brisken et al (0.07)mas Chatterjee et al PSR B (0.10)mas Brisken et al PSR B (0.12)mas Brisken et al PSR B (0.37)mas Campbell et al (0.07)mas Brisken et al PSR J (0.6)mas Loehmer et al timing 2006 年 2 月までに 23 個のパルサーの視差 ・ Brisken が 10 個 Chatterjee が 5 個 の天体の視差測定を行っている。 ・ 100μ 秒を切る観測精度は 7 天体 例: Brisken et al の結果 視差を基に書いたパルサーの位置(左)、 平均密度 (右) G.C. 太陽系 ローカル腕 いて座腕 これまでの全てのデータによる結果 パルサーの位置と電子密度分布 (Left), Y VS Z (Upper Right) X VS Z (Lower Right) G.C. 太陽系 ne<0.01cm <ne< <ne< <ne G.C. Local Arm Perseus Arm Sagittarius Arm? VERA ・大学連携 VLBI の S 帯(または X 帯)でのパルサー観測 VERA のみ スイッチング相対VLBIが可能(数分周 期) 2.2GHz帯1ビーム 4局設置 フリンジ間隔 12mas>>位相3度で0. 1mas 開口能率= 30% 、 Tsys=200K 、 48MHz 、1h r >>ノイズレベル25mJ y VERA +大学連携 VLBI 臼田 64m 、 34m 級アンテナの参加 >>ノイズレベル7mJy パルサーゲーティング (相関器ソフト開発 必要) パルサーゲーティング使用 >>ノイズレベル2mJ y? 25mJy 以上 19 @ 10(14 @ 6) B mJy 1d 250mJy B d 120mJy B d 130mJy B d 280mJy B mJy 3d 600mJy B d 380mJy B d 200mJy B mJy 2d 150mJy B d 360mJy B mJy 1d 240mJy B mJy 1d 240mJy B mJy 1d 150mJy VERA+大学連携 VLBI で 観測可能なパルサー( S 帯) @印:視差報告無し 色:全局で観測可能( δ > -41 度) 80mJy 以上 7 @4 B mJy 2d 250mJy J d ICRF B d 200mJy B mJy 1d ICRF B mJy 2d 100mJy B d ICRF B d 400mJy 1 0mJy 以上 47@34( 37 @ 25 ) まとめ 1.パルサーの観測により、銀河系内のパルサーの距離と 速 度が求まり、パルサーのみならず、星間プラズマ等研 究が 非常に進むであろう。 2.VERA・大学連携 VLBI の拡張の機能を持たせて、 まずは、 東アジアに展開する。次に南半球に設置すると、 VERA 等 で残される我々の銀河系の立体地図(24-36%) が完成 する。 VERA ・大学連携 VLBI は北半球にあるので、全域が見えるわけではな い。 4 分の1から 3 分の1が 観測できない。 1. VERA で観測不可能な銀経:( 260~345 度) 2.銀経( 2 4 0 ~ 10 度)の質の高い銀河系地図作 成 要約 パルサーのアストロメトリー観測によって、パルサー自体の距離が 求まるだけでなく、銀河系内の電離ガスの平均密度分布が判明す る。そのために、 VERA と国内の VLBI 網を使用した観測は有効で ある。