著作権管理のための 関係の地図の記述について 200702887 市川 俊介
研究背景 コンピューターやネットワーク機器の開発に より、文書や図面をネットワーク上で公開し たりすることが多くなる。 どんな著作物があるのかを知らずに公開し、 著作権を侵害したとされる例もあり、そのよ うな問題をどうすれば防ぐことができるのか 考えた。
1次的著作物と2次的著作物 1次的著作物:アレンジの元となる原著 作物 のこと. 2次的著作物:原著作物をもとにしてア レンジ を加えて創作され た著作物の こと. 翻訳 編曲 ↓ 変形 脚 色・映画化
1次的著 作物 2次的著 作物 3次的著 作物 使用 許可
目的 1次的著作物と思い引用した引用元が2 次的著作物かもしれない可能性があり, 引用元が何次的著作物なのかわかる地図 誰がどの著作物を持っているのかなどの 関係性がわかる地図をつくること.
著作権の地図を作るために、著作権につ いての記述言語である XrML を RDF に加えて 表現し、その RDF グラフを繋げることに よって、著作権の関係図である地図を作 成しようと試みた。
XrML 拡張著作権マークアップ言語のこと. デジタル・コンテンツやサービスの利用、 保護に関する権利と条件を規定する共通 の手段を提供するもの. 汎用性の高い著作権管理言語として注目 を浴びている. MPEG‐ 21の著作権表示のためのベースと して利用されている.
記述例 XrML による記述例を示す 例えば、特定 の人(許諾される実体)が、特定の URL に おかれた電子ブック(許諾対象のリソー ス)を、 2010 年 11 月 27 日まで(許諾条 件)、印刷する権利(許諾される権利) が与えられる、というライセンスが表現 できる.
T23:59:59 許諾される実体 許諾対象のリソー ス 許諾条件 印刷する権利(許諾される権 利)
XrML で記述した文を RDF グラフとして表した。 例文「ハリー・ポッターの著者は J ・ K ・ローリングである. 」 主語「ハリー・ポッター」- URI 表現を urn:books:Harry Potter とし た 述語「著者」- URI 表現を the writer とした 目的語「 J.K.Rowling 」 「ハリー・ポッターの著者は J ・ K ・ローリングである」 <rdf:RDF xmlns:rdf=“ syntax-ns#” xmlns:dcterms=“ J.K.Rowling 述語「著 者」 主語「ハリー・ポッ ター」 目的語「 J ・ K ・ローリン グ」
このように関係性を表すグラフを何個も作り,最終的に作った グラフを繋げようと考えた. urn:books:Ha rry Potter J.K.Rowling dcterms: the writer 「ハリー・ポッターの著者は J ・ K ・ローリングである」の RDF グラフ
オントロジーを使用しての地図作 成 RDF グラフを多く作り、それを後で繋げること で地図にしようと考えた ↓ その関係が、オントロジーの概念に似ていると 思い、オントロジーを利用しての地図作成に いきついた。 先ほどの例であるハリー・ポッターの場合、 「 J ・ K ・ローリング」に作者という概念を与 え、そこに下位概念として「ハリー・ポッ ター」を繋げるようにした。 「ハリー・ポッター」には著作物や映画名、役 者自身の名前などを記述した。
先ほどの例であるハリー・ポッターの場 合では、「 J ・ K ・ローリング」に作者とい う概念を与え、そこに下位概念として 「ハリー・ポッター」を繋げるようにし た。「ハリー・ポッター」には著作物や 映画名、役者自身の名前などを記述した。 図.ハリー・ポッターの役者についての概 念
著作物すべてを記述することは出来ない ので、上位概念に著作権所持、その下に 主な著作権を持つ人物(作曲者や芸術家 など)、その下にそれぞれの著作物とい う概念を作り、記述した。
結論 著作物を持つ人の数は膨大 ↓ すべてを把握し記述することは不可能に近い そのため、その職業の人物がどのような著作物 を主に持つかを記述するという結果に落ち着い た。 課題 これからはオントロジーをさらに細かく定義す る XrML での記述を行う インターネット上の著作物の関係の地図をオン トロジーと照らし合わせて記述する