マスメディアの歴史と場所 小島龍一 五十嵐香織 碇真季江 岩佐友

なぜ、マスメディアは集中するのか？ 新聞社・通信社の本社所在地 NHK ・民放テレビ局の本社所在 地

第一章 新聞社とその場所性 担当：小島龍一

戦前・戦後の新聞街 ― 銀座・有楽町 明治時代、有楽町・銀座に大小約 30 の新聞社が乱 立 当時開設された新橋駅と近く、海外の最新ニュー スを入手することが容易だった 東側の築地には外国人居留地があり、文化学術面 で貴重な情報源となる教会やミッション系学校が あった 京橋の北側は江戸時代以来の経済中心地であり、 経済情報の迅速な入手も可能 外堀川西岸には新政府官庁街があった → 銀座・有楽町は、政治・経済・海外情報・学術文 化の多くを入手しやすい土地だった

戦前・戦後の朝日新聞社の移転 1. 京橋区元数寄屋町社 屋 (1889) 2. 京橋区滝山町社屋 ( 現中央区 銀座 6 丁目 ) 3. 麹町区有楽町 3 丁目社 屋 ( 現千代 田区有楽町 2 丁目 ) 4. 築地社屋 (1980- 現在 ) 北から、 の順番 朝日新聞の本社移転の経緯

戦前・戦後の読売新聞社の移転 1. 虎ノ門社屋 ( ) 2. 銀座 1 丁目社屋 ( ) 3. 京橋区西紺屋町社屋 ( 現中央 区銀座 3 丁目 ) 4. 大手町社屋 ( 工事中 ) 5. 銀座仮社屋 ( 現在 ) 北から、 4-2( 右 )-3( 左 )-1-5 の順番 読売新聞の本社移転の経緯

社屋移転の理由 社屋が手狭になった 戦前・戦後 ― 老朽化、従業員増加、設備増強 戦後 ― コンピューターシステムの導入 銀座・有楽町では交通渋滞のために新聞製作が困 難 ( トラックの駐停車が困難 ) → 情報が入手しやすい都市部でなおかつ、新聞製作 に支障をきたす商業地ではない場所に移転した

新聞社本社の散策からわかること オフィスビル街大手町の成り立ちと新聞社 ― 払い下げで国有地を得る新聞社 ( 読売・日経・産経 ) 商業地として利用される元本社 朝日 ― 有楽町マリオン 読売 ― プランタン銀座 東新橋・汐留・築地において、新たなメディアの 集積が起こっている 朝日、読売 ( 仮社屋 ) 、共同、時事、日本テレビ

オフィスビル街 大手町 オフィスビル街にある読売新聞 日経本社の裏にはこのような施設 もある

現在、商業施設になっている元本社 有楽町マリオン ( 朝日新聞 ) プランタン銀座 ( 読売新聞 )

新たなメディア街と化した 東新橋・汐留・築地 このエリアには 5 つのメディアの 本社がある 読売新聞 銀座仮社屋

記者インタビューから考える 新聞社の今後 アナログからデジタルへの変化 本社一極集中の時代の終わり → 本社は、記事制作の指令塔機能や記事制作以外 の機能が中心になっている では、なぜ新聞社は都心部に本社を置き続けるの か？ → 新聞独自の理由 ( 取材先の近さ、版 ) と見栄

第二章 NHK の場所の変遷 担当：五十嵐香織

民放＝港区に集中 ＮＨＫだけ渋谷 Ｗｈｙ？

ＮＨＫの歴史 参考文献： 正井泰夫「地図で暮らしを読む・東京の昭和」青春出版社 アイランズ「地図から消えた東京物語」東京地図出版 佐藤洋一「あの日の銀座」武揚堂編集部 参考サイト フィールドワーク 10 月 14 日：岩佐・小島・五十嵐 六本木～神谷町 ＮＨＫ放送博物館

ＮＨＫ＝日本放送協会 １９２５年 3 月にラジオ放送から スタート（まだ仮放送） 東京高等工芸高校 （現在の東京工業大学附属科学技術 高等学校） 田町駅のすぐ目の前 場所

1925 年７月 愛宕山に新局舎が完成 なぜ愛宕山だったのか → 東京２３区内で天然の山としては 標高がもっとも高かったから（ 25.7 ｍ）

1926 年 社団法人日本放送協会となる。 三局合同 + 東京オリンピック （ 1940 年） 愛宕放送局は手狭に

1939 年 5 月 東京放送会館 （現在の日比谷シティー：内幸町） へ完全移転

1945 年 終戦 渋谷がＧＨＱに接収される 一帯が ワシントンハイツに

1963 年 ワシントンハイツ返還 オリンピック開催のため オリンピックの放送センター を設立 1973 年 日比谷から渋谷に 本拠地を完全移転

第三章 民放テレビ局・場所の変遷 担当・碇 真李江

１. 日本テレビ 千代田区二番町 14 番地 港区新橋一丁目 6 番 1 号

２． TBS 港区赤坂五丁目 3 番 6 号 ＊場所変更なし

３．フジテレビ 新宿区市ヶ谷河田町 7 番地 港区台場２丁目４ − ８

４．テレビ朝日 港区六本木六丁目 9 番 1 号 ＊一時、港区六本木のアーク ヒルズに、本社位置を移転 している

５．テレビ東京 港区虎ノ門 ＊前身・・科学技術学園 工業高等学校 （世田谷区）

第四章 記者クラブ 担当：岩佐 友

記者クラブとは 記者クラブは、公的機関などを継続的に取材するジャー ナリストたちによって構成される『取材・報道のための 自主的な組織』 （記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解 2002 年 1 月 17 日 第 610 回編集委員会）

記者クラブへの批判 会見での発表などをそのまま流すだけの「発表 ジャーナリズム」である 権力者と親密になることで、権力批判ができなく なる これらにより国民の「知る権利」が奪われる 記者クラブに加盟していないメディアが会見に参 加できないなどの差別を受けることがある 記者クラブの部屋など公共施設を無償で独占的に 利用している

記者クラブの役割 ①公的情報の迅速・的確な報道 ②公権力の監視と情報公開の促進 ③誘拐報道協定など人命・人権にかかわる取材・報 道上の調整 ④市民からの情報提供の共同の窓口 （ 2002 年日本新聞協 会）

樋口氏（時事通信社）の経歴 ０３年 ４月 入社 ０３年 ５月～ 司法記者クラブ（東京・司法担当） １０月～ 警視庁クラブ（東京・警察） ときわクラブ（東京・鉄道） ０４年 ４月～ 大阪府警記者クラブ（大阪・警察） ０５年 ４月～ 関西金融記者クラブ（大阪・金融） 青灯クラブ（大阪・鉄道） ０６年 ４月～ 大阪司法記者クラブ（大阪・司法） ０７年 ５月～ 大阪市政クラブ（大阪・行政） １０月～ 兜クラブ（東京・証券） ０８年 ４月～ 日銀記者クラブ（東京・金融） １０年 ７月～ －（東京・電機） ※電機の記者クラ ブは現在、存在しない

インタビュー 記者クラブとは 加盟する条件 記者クラブ批判に対して 記者クラブ批判＝大手メディア批判のすり替え 記者クラブが存在しなかったら 今後の記者クラブ

今後の展望 ・メディア テレビ・新聞 → インターネット ＝情報公開が進む ・記者クラブなどメディアの集団性の意味は薄れる 可能性もある ・マスメディアの存在意義がなくなるのか？

ご清聴ありがとうございまし た