1変数の関数と微分
数について 解析の教科書は数から始まることが多い 頭を慣らしがてら、スタート
数の種類 鉛筆が一本 10 円で、 5 本買うと、 10 円/本 ×5 本= 50 円になる 鉛筆が一本 p 円で、 x 本買うと、 p x 円 鉛筆の例では、 p と x は、自然数 (Natural Number)(1 や 10 や 32) マイナスも入れると整数 (Integer) – マイナスの経済変数は、すべて正の変数の差 ?
分数で書けるのが有理数 (rational number) 有理数の代数的性質 (Field Property) – 和と積が定義 –0 と 1 があり、すべての a に対し、0+ a=1×a=a – -と逆数の存在 – 交換則・結合則・分配則 これらから 他に大小関係がある
無理数と実数 分数で書けないのが無理数 (irrational number) ここまでが実数 (real number) ・・経済学で主 に使う 実数は連続である、極限について閉じている 解析概論 ( 高木貞二「解析概論」岩波書店 ) では 、 Dedekind 切断を用いた連続性の話で始まる ・・大学生の教養
複素数 経済学で出てくることがある。 だいたい三角関数と一緒にでてくる
上界と下界
数列の収束
コ-シー列 実数のコーシー列は収束する ( 実数の連続 性 ) コ-シ-列は収束先が定義できなくても 定義できる コ-シ-列が収束する空間は、完備空間 で実数空間は、その例 実数空間は、有理数空間の完備化空間 = 有 理数空間のコ-シ-列の空間
上極限と下極限
上極限と下極限 ( 続き ) a より少しでも大きい a に対しては、それより小さい a n は、有限しか ないが、 a より少しでも小さい a に対しては、それより大きい a n は、無限にあ る。 対称的に定義
上極限と下極限 ( 続き 2) 1 より大きい a n は一つもない、 1 より大きい b n は、無限にある。
上極限と下極限 ( 続き 3)
一変数の ( 実 ( 数値 )) 関数 実数を一つ決めたとき、実数が一つ決ま る – 例 x x –x : 変数 (variable)
線形関数 鉛筆が一本 p 円で、 x 本買うと、 p x 円 x : 変数 (variable) とすると線形関数 a x と同じ 原点を通り傾きが p の直線 アフィン関数 (1 次関数 ) 最初 b 円持っていて、 p 円の鉛筆、 x 本買うと、 残りは b p x 円 切片が b で傾きが p の直線
変数とパラメータ 鉛筆が一本 p 円で、 x 本買うと、 p x 円 p を変えると様々な関数になる。 このとき、 x が変数だと p はパラメータ 何が変数で何がパラメータかは、文脈で 決まる 推測統計学のパラメータとは異なる。
1変数の関数の例 線形関数 、 アフィン関数 、 多項式 有理関数
べき ( 冪 ) 関数 (power function)
べき関数 ( つづき ) x の m 乗根 の n 乗 極限を取る x>0, は実数
べき関数のグラフ x>0, 右上がり、下に凸 ( 凸 関数 ) x>0, 1 右上がり、上に凸 ( 凹関数 )
反比例と直角双曲線 x>0, 右下がり、下に凸・・直角双曲線 ( と似た形 反比例 グラフは直角双曲線
指数関数
指数関数 のグラフ a>1, 右上がり、下に凸 1>a>0, 右さがり、下に凸
普通の指数関数 (exponential function) にとる ( 自然対数の底・ネピア数 ) 微分しても不変
対数関数 (logarithmic function) 普通の対数関数 ( 自然対数 ) は a=e 微分すると
指数関数と対数関数の定義 1つ定義すると残りは出る – ネピア数の指数関数 – ネピア数が底の対数関数
片対数のグラフ 水準に関係なく、二倍になるのが同程度難し い経済変数 ( 例 物価 ) の長期変動は、縦軸を 対数にとったほうが分かりやすい 消費者物価指数 (CPI)CPI の対数
対数関数の和と指数関数の積 自信がなくなったら、 2 とか 3 を入れて確認
逆関数 (inverse function) が厳密に増加的あるいは厳密に減少的な関数 の逆関数
三角関数 (0,1) から円周上に計った弧の長さ 必要に応じて説明
関数の微分 関数 (function) 実数を一つ決めると、実数が一つ決まる 写像 (mapping) と同じ f(x),g(x) など 経済学では、 D(p) : 需要関数 定義域 (domain) 有理式では、分母が 0 でない領域 対数関数やベキ関数では、正の実数 値の範囲が値域
連続関数 ε ー δ 式の定義
ε ー δ 式の定義の例
開区間と閉区間 a<b の (a,b) a と b を含まない [a,b] a と b を含む ( ,b) b より厳密に小さい実数の集合 Exteded real number と を含む 測度論で出てくる ) や は、 のように定義できないようにすれ ばいい
区間での連続 f (x) が (a,b) の各点で連続のとき f (x) は (a,b) で連続 (a,b] などのときは、片側の区間でいい
一様連続 評価点に依存しないで、区間で一定に取れ れば一様連続 普通の連続は ε ー δ 式で、 δ が評価点に依存
区間のいたるところ不連続な関 数の例 有理数で 1 無理数で 0 をとる関数
(ii) 関数の微分 (differentiation)
導関数 (derivative) 区間の各点で微分可能なら区間で微分可能 中に何が入っているか文脈で判断
より一般的な議論 は ∞ 、- ∞ を入れれば必ず存在 両者が一致して有限のとき 中括弧の中は、単調減少なので必ず極限があ る
微分可能性と連続性 微分可能な関数は連続 導関数が連続な関数は連続微分可能 導関数が微分可能なときその微分が二階 微分 二階微分が連続のとき二階連続微分可能 連続なのは、微分 ( 導関数 ) のほう このあたりだと、微分と積分が逆になる など、だいたい都合のいい性質を持つ
主な微分公式 導くのは難しくないが略 これと、積と合成関数の公式をくみあわ せれば、いくらでも練習問題ができる。
積の微分 定理 f(x) と g(x) がある区間 (a,b) で微分可能であるとする。 h(x)= f(x)g(x) とすると h(x) は (a,b) で微分可能で h’(x)= f’(x) g(x)+ f(x)g’(x) 「数学者の仕事は、定理 (theorem) を証明する (prove) こ とである」 定義 (definition) を作ること ? 命題 (proposition) ・・定理とほとんど同じ 補題 (lemma) ・・・主要な定理・命題の証明に使う小定 理 系 ( Corollary ) ・・・定理や命題からすぐに出る命題
積の微分の説明
積の公式の応用例
(v) 合成関数の微分 合成関数 h(x)= f(g(x)) x の値 ⇒ g(x) の値 ⇒ h(x)= f(g(x)) の値 合成関数の微分の公式 h’(x)= f’(g(x)) g’(x) f’(g(x)) : 導関数 f’( ・ ) に g(x) の値を入れる
合成関数の微分公式の説明
微分公式を使った例
商の微分の公式
対数微分
逆関数の微分
平均費用と限界費用 あるものを x 作るのに必要な ( 総 ) 費用 平均費用 限界費用
平均費用と限界費用 ( 続き )
平均費用と限界費用 ( 続き 2) 限界費用が平均費用より 大きい ( 小さい ) ときは、 平均費用が右上がり ( 右下がり ) 、 限界費用と平均費用が等しいとき は、 平均費用の傾きが 0 x 生産量
中間値の定理、 [a b] a b で f (x) が連続、 min[f (a), f (b)] c max[f (a), f (b)] なら f (z) c がスパッと成り立つ z が一つとは限らないが存在する。
関数の極大極小 極大
Rolle の定理
平均値の定理 f は微分可能
平均値の定理 ( 序 ) a の近くでの f (x) の近似
平均値の定理 f は微分可能
平均値の定理 ( 積分型 )
平均値の定理 ( 積分型・続き ) より一般に以下の命題が成立す る・・
テーラー展開 (2 次 ) a の近くでの f (x) の 2 次の近 似 二回連続微分可能なら ある でスパッと成り立 つ
テーラー展開 (n 次 ) n 回連続微分可能なら ある でスパッと成り立 つ
テーラー級数 これが成立するのが整関数 a=0 のテーラー展開を無限の伸ばす
指数関数のテーラー展開 複素数まで入れたときの指数関数の定 義
正弦関数のマクローリン展開 複素数まで入れたときの sin(x) の定義
余弦関数のマクローリン展開 複素数まで入れたときの cos(x) の定義
オイラーの公式
三角関数の加法定理