口径合成によるメーザー源の 時間変動の観測 SKA に向けて 岐阜大学 高羽 浩
東アジア VLBI 網の 22GHz 日本 野辺山 45m 、鹿島 34m 、 高萩、日立、つくば、山口 32m 、 VERA20m× 4 北大、岐阜大 11m 、水沢 10m 韓国 KVN20m× 3+測地 20m 中国 上海 65m + 25m 、ウルムチ 25m =>有効開口面積は 16,000m 2 => 130mφ クラス VLBA25m×10 ~ 79mφ より上、 VLA25m×27 ~ 130mφ に匹敵!
メーザー電波源 OH ( 1.6GHz ) 星形成領域、晩期型星、銀河中心 CH 3 OH ( 6.7GHz 、 13GHz ) 星形成領域 H 2 O ( 22GHz ) 星形成領域、晩期型星、銀河中心 SiO ( 43GHz 、 86GHz ) 星形成領域、晩期型星
水メーザー電波源 星生成領域の濃いガス 質量放出している晩期型星 銀河中心核の回転ガス円盤 1)水素分子との衝突で励起 2)同じ視線方向に運動しているガスで増 幅
晩期型星の進化 1)ミラ型変光星 光で見える 2) IRC/AFGL 天体 近赤外、中間赤外線で検 出 3) OH/IR 天体 遠赤外線、 OH メーザー で検出 => 進化過程を反映 質量放出率増大、長周期化
IRAS の2色図で見る晩期型星の進 化 低温 高温 Mira IRC/AFGL OH/IR
メーザースペクトルの速度 SiO メーザーは星の数倍半径の乱流雲から放射 ガスが多いシェル方向にビーミング、星の速度を 反映 水メーザーは密度一定の領域で励起され、星の進化 と共により遠くから放射されるようになり、 IRC 天体以降ではビーミング効果で2つに分かれる
メーザー放射領域 OH H 2 O SiO 星
晩期型星 水メーザースペクトルの進化 ミラ型星 IRC/AFGL OH/IR
ダブルピークのスペクトルの特 徴 統計的に調べると、ブルーシフト成分が 強い天体が多い! Red shift excess Blue shift excess Takaba et al., 1994 PASJ
Red Shift 成分が弱い理由は? Blue Shit 成分は星の電波を増幅? Red Shift 成分は星の向こうからやってくる 星によるブロッキングで弱くなる? =>脈動による長時間変動は? 星周ガスによる散乱で弱くなる? =>短時間変動は? => VLBI ではシンチレーションで分 解?
6 ヶ月で Red Shift 成分が大きく変化 =>星の脈動によるブロッキングの効果? 鹿島 34m 鏡による観測 長時間変動の例 six
短時間変動の例 10分間で Red Shift 成分が変化? ベースラインのゆがみ?
Blue シフト成分で自己相関と相互相関を合わせると Red Shift 成分は相関強度が低い =>構造が分解?シンチレーションで強度低下? VLBI による観測例(鹿島ー野辺 山)
開発すべきソフト VLBI :シンチレーションの影響の評価ソフ ト 積分時間による相関強度の変化を見る 基線ごとの分解の違い 単一鏡:口径合成と時間変動の表示ソフト 1)多数の望遠鏡データの口径合成ソフト S/N に応じた重みづけで加算平均 キャリブレーションをしっかり! 2)速度成分毎の時間変動を見るソフト ダイナミックスペクトラムの表示 VLBA,VLA,VERA のアーカイブデータで?
SETI へ メーザー電波源は背景の電波を増幅する 近くにメーザー電波源があったら? SKA で!
東アジア望遠鏡を使うと VLBI で晩期型星水メーザー源を調べる => Blue Shift 成分の増幅は? Red Shift 成分の穴は? シンチレーションの影響は? 自己相関を合成し、口径 130m の望遠鏡を作 る => メーザースペクトルの時間変動の検 出 星周ガスの物理の解明へ
星形成領域では 短時間変動の検出 Interstellar Scintillation の検出 =>星間ガスの物理(電離度、速度等 ) 長時間変動の検出 VLBI によるマッピングと並行して観測 =>高密度ガスの3次元運動の検出