六本木ヒルズ回転扉 2005.3.30
回転扉の事故 2004 年 3 月 26 日 男児( 6 歳)が頭を回転ドアに挟まれ、 死亡 より
経過 以前の事故 11 月 25 日女児 (2 歳)足をドア中央の回転部の下 に挟まれ、右足首を打ち身 ⇒ 注意喚起のサ インを追加、非常停止ボタンの表示拡大 12 月 7 日女児 (6 歳 ) 体を回転ドアに挟まれる耳後 ろに裂傷、左ひざ打撲 ⇒ サイン表示拡大、 駆け込み防止フェンスを設置 3 月 26 日男児( 6 歳)が頭を回転ドアに挟まれ、 死亡
製造物責任 設計 製造 警告表示 – この三つが人工物の欠陥には関わる – 警告表示は、エンジニアの正規の仕事とは 見えないかもしれないが、危ない人工物を 使用者が使うために必要となる
メンテナンス 長期間使い続ける – どろくさい品質管理 防御物を置くだけで、どの程度の安全が守れ るか どの程度のリスクに、どの程度のコストで対 処しようとするのか 警告表示をして、あとはユーザに任せる、の ではない 大規模な設備は管理が必要となる
ヒューマン・インタフェース 子どもが使う人工物 これは、子どもの動き、予期し難い行 動を考慮する必要がある 子どもは、自己決定ができないことに なっているので、保護する仕組みをつ くる必要がある
回転扉の利点 利点:スライド式自動ドアに比べて気 密性に優れている。高層ビルに特有の ビル風の吹込みを防ぎ、空調管理もし やすい。 – 実際、病院や福祉施設ではアルミ製の回転 ドアが使われている。これは、床にレーン がいらないという意味で、バリアフリー。 しかも、風やちりの吹き込みを防ぐ。
機構 中央に置いた軸にドアが取り付けられ るタイプ ⇒ 人が外枠とドアに挟ま れると、ドアが反動で回転方向と逆に 動き、衝撃を緩和する 「シレノス」タイプ;中央部分に自動 ドアを組み込んでいる、回転するドア が天井に固定
重さ、速度、センサー センサーの位置を変えたことによる副 作用 駆け込み防止フェンスの高さが 1m 風で吹かれて、センサーが誤動作 重さ2.7t 速度 80cm/s 停止までに 25cm 動く(慣 性)
エンジニアと法律 見方の違いがある 法律家では、責任追及が基本である – 現在の被害に対して、サポートしようとう する エンジニアでは、原因追求、事故調査 が重要になる – 人工物の未来の安全、将来の人に対する責 任を考える
変更の管理 設計の変更が行われる これらは、その時点、その場面での最 適化を目指すことになる しかし、その最適化が、全体的に見て、 正しい設計変更になっているか、を見 直す必要がある
組織とエンジニア 三和シャッターは表に出る、森ビルも 出る – しかし、その中のエンジニア、実際にもの づくりをした人、設計をした人は、余り注 目されない 失敗に関しても、成功に関しても、組 織の中で評価されることが多い 専門家としての責任が分かり難い
事故の報告 モーターで動く、エレベーターやエスカレー ター、自動ドア、機械式駐車場、ジェット コースターなどの遊戯施設について – 自治体への設置の届出義務はある – 事故の届出義務はなかった 医師の診断を要する人身事故が発生した場合、軽症で あっても 7 日以内の報告を求める 立ち入り検査、管理や構造の問題の検討、再発防止策の 勧告、業界団体や府民にホームページで知らせる。報告 を怠った場合には、施設名を公表 大阪府条例「特定設備安全確保条例」 読売