保健統計演習 ( 教科書 ) 橋本. 序論 第1章第1章 はじめに 臨床研究 Clinical Study 治験 Clinical Trial EBM ( Evidence Based Medicine) ← 根拠に基づいた医療 EBN ( Evidence Based Nursing)

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東京大学医学系研究科 特任助教 倉橋一成 1.  背理法を使った理論展開 1. 帰無仮説( H0 、差がない)が真であると仮定 2. H0 の下で「今回得られたデータ」以上の値が観測でき る確率( P 値)を計算 3. P 値が 5% 未満:「 H0 の下で今回のデータが得られる可 能性が低い」
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5 章 標本と統計量の分布 湯浅 直弘. 5-1 母集団と標本 ■ 母集合 今までは確率的なこと これからは,確率や割合がわかっていないとき に, 推定することが目標. 個体:実験や観測を行う 1 つの対象 母集団:個体全部の集合  ・有限な場合:有限母集合 → 1つの箱に入っているねじ.  ・無限な場合:無限母集合.
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保健統計演習 橋本.
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統計的仮説検定の考え方 (1)母集団におけるパラメータに仮説を設定する → 帰無仮説 (2)仮説を前提とした時の、標本統計量の分布を考える
統計学 11/30(木).
疫学概論 母集団と標本集団 Lesson 10. 標本抽出 §A. 母集団と標本集団 S.Harano,MD,PhD,MPH.
統計的仮説検定 治験データから判断する際の過誤 検定結果 真実 仮説Hoを採用 仮説Hoを棄却 第一種の過誤(α) (アワテモノの誤り)
本時の目標 標本調査の意味を知り、全数調査と標本調査の違いを理解する。
統計的推論 正規分布,二項分布などを仮定 検定 統計から行う推論には統計的( )と統計的( )がある 推定
疫学(Epidemiology) 第4回 標本抽出法 誤差やバイアスの制御 中澤 港(内線1453)
疫学概論 無作為化比較対照試験 Lesson 14. 無作為化臨床試験 §A. 無作為化比較対照試験 S.Harano,MD,PhD,MPH.
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疫学概論 診療ガイドライン Lesson 22. 健康政策への応用 §B. 診療ガイドライン S.Harano, MD,PhD,MPH.
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行動計量分析 Behavioral Analysis
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ホーエル『初等統計学』 第8章4節~6節 仮説の検定(2)
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橋本 保健統計演習への準備.
正規性の検定 ● χ2分布を用いる適合度検定 ●コルモゴロフ‐スミノルフ検定
母集団と標本調査の関係 母集団 標本抽出 標本 推定 標本調査   (誤差あり)査 全数調査   (誤差なし)査.
Study Design and Statistical Analysis
疫学概論 患者対照研究 Lesson 13. 患者対照研究 §A. 患者対照研究 S.Harano,MD,PhD,MPH.
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疫学概論 患者対照研究 Lesson 13. 患者対照研究 §A. 患者対照研究 S.Harano,MD,PhD,MPH.
疫学(Epidemiology) 第3回 疫学研究のデザイン 中澤 港(内線1453)
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母集団と標本:基本概念 母集団パラメーターと標本統計量 標本比率の標本分布
Evidence-based Practice とは何か
Evidence-based Health Care とは何か
第2日目第4時限の学習目標 平均値の差の検定について学ぶ。 (1)平均値の差の検定の具体例を知る。
疫学概論 標本抽出法 Lesson 10. 標本抽出 §B. 標本抽出法 S.Harano,MD,PhD,MPH.
疫学概論 交絡 Lesson 17. バイアスと交絡 §A. 交絡 S.Harano, MD,PhD,MPH.
第11回授業(12/11)の学習目標 第8章 分散分析 (ANOVA) の学習 分散分析の例からその目的を理解する 分散分析の各種のデザイン
食中毒と疫学調査の統計 ~2×2表~ 岡山理科大学 山本英二 2002/02/20.
統計学 西 山.
ゲノム科学概論 ~ゲノム科学における統計学の役割~ (遺伝統計学)
疫学概論 疾病の自然史と予後の測定 Lesson 6. 疾病の自然史と 予後の測定 S.Harano,MD,PhD,MPH.
疫学概論 バイアス Lesson 17. バイアスと交絡 §A. バイアス S.Harano, MD,PhD,MPH.
確率と統計 年1月12日(木)講義資料B Version 4.
藤田保健衛生大学医学部 公衆衛生学 柿崎 真沙子
早稲田大学大学院商学研究科 2014年12月10日 大塚忠義
疫学初級者研修  ~2×2表~ 平成12年2月14日(月) 13:00~ 岡山理科大学情報処理センター.
統計的検定   1.検定の考え方 2.母集団平均の検定.
「アルゴリズムとプログラム」 結果を統計的に正しく判断 三学期 第7回 袖高の生徒ってどうよ調査(3)
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疫学概論 方法論的問題点(患者対照研究) Lesson 13. 患者対照研究 §B. 方法論的問題点 S.Harano,MD,PhD,MPH.
確率と統計2007(最終回) 平成20年1月17日(木) 東京工科大学 亀田弘之.
臨床統計入門(1) 箕面市立病院小児科  山本威久 平成23年10月11日.
疫学概論 §C. スクリーニングのバイアスと 要件
確率と統計 年1月7日(木) Version 3.
疫学概論 臨床試験の種類 Lesson 14. 無作為化臨床試験 §B. 臨床試験の種類 S.Harano,MD,PhD,MPH.
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保健統計演習 ( 教科書 ) 橋本

序論 第1章第1章

はじめに 臨床研究 Clinical Study 治験 Clinical Trial EBM ( Evidence Based Medicine) ← 根拠に基づいた医療 EBN ( Evidence Based Nursing)

根拠の質と量 米国医学の流れ –Decision Theory – 処置を行う場合の明確な数量的根 拠とリスク 心房細動 抗凝固剤 ( Warfarin ) 効果 副作用 塞栓(そくせ ん) の防止 出血のリスク

参考 心房細動 心臓の動き 参考

褥瘡 (Pressure ulcer ) National Institute for Clinical Excellence ( UK) 参考

褥瘡 (Pressure ulcer ) DESIGN 参考

過去の処置 Dr. Kanu ChatterjeeDr. Kanu Chatterjee 頭部に出血が見られるまで抗凝固 療法続け⇒停止 卒中が現れたら再度抗凝固療法 ⇒失敗もあった ⇒これでいいのか?

ワルファリンとアスピリン assn.org/content/288/19/2441.full.pdf+html?sid=786a4a0c-35c7- 4b cfbb42a9e9e5

2 つの処置群 データの出典: van Walraven, C., et al. Oral anticoagulants versus aspirin in nonvalvular atrial fibrillation: an individual patient meta-analysis. J. Am. Med. Assoc. 2002; 228: 超重要 マッチド処置群 非発作性心房細動 TIA 一過性脳乏血発作 狭心症 心筋梗塞

マッチドコントロール RCT :無作為化比較対照試験 アウトカムに関係する要因を 2 群 で揃えておく

処置の結果 p18 表 1.3 データの出典: van Walraven, C., et al. Oral anticoagulants versus aspirin in nonvalvular atrial fibrillation: an individual patient meta-analysis. J. Am. Med. Assoc. 2002; 228:

なぜ 多くの発症まで? 注目している 脳の出血だけでない!

データからの知見 多くのデータ 長い期間 ⇒処置の優劣を定量的に知ること

判断基準 硬貨投げ – 表( Head) 50% – 裏( Tail) 50 % 仮説 –50% で均等 –50% の均等でない

検定 STATISTICAL TESTING 科学的な判断基準 仮説検定

判断基準

カットオフの確率 0.05 (5%)を採択することが多い 5% 以下の確率で起きることが観測 されたら⇒仮定 ( 仮説)を疑う この場合は、 仮説 裏表が出る確率は 50% で均等であ る

実験回数が大きくなると

実験回数が少ない場合

統計的仮説検定 帰無仮説 ( Null Hypothis) H 0 A=B 対立仮説( Altanative Hypothis) H 1 A≠B 帰無仮説が正しいとして、観測した 事象の確率を計算⇒ 0.05 以下なら帰 無仮説を疑い、対立仮説を採択

統計学では

用語 アウトカム OUTCOME 転帰 臨床経過の結末内容(臨床転帰) 結果・成果という意味。

用語 標本( Sample) 母集団( Population)

無作為抽出 母集団のどの構成要素も等しい確 率 ( 確かさで)標本に選ばれる抽 出方法

用語の注意 標本( Sample) は集合名詞です。 家族( Family) も集合名詞 標本数( Number of Sample) ⇒ NG 標本の大きさ( Sample Size) ⇒正し い

因子と転帰 因子、要因(ファクター Factor) 転帰 ( アウトカム Outcome) 要因 放射線 転帰 がんによる死 転帰 がんの発症 転帰 DNA 損傷 転帰 即死

つまり転帰として 感度の良い物を選ぶことが看護研 究を成功させることになる 感度の悪い例 –YES 、 NO 生 死 感度の良い例 – 数値として計測できるもの –5 段階、 7 段階等の順序があるもの

虫垂炎の小児 虫垂破裂と健康保険の有無との関連

推測統計 母集団から抽出されたサンプル (標本)に基づいて,その母集団 に関する結論を引き出すことに用 いる. 母集団 標本

バイアス 研究計画における不備あるいは研 究実施における観測,測定上の体 系的なエラー 無保険者の子供たちは有保険者の 子供らに比べある特定の病院に搬 送される可能性が高い

バイアスの種類 選択バイアス( selection bias ) 手術・処置が成功しやすい患者に処置が増える 疾患罹患期間の長い症例 (= 予後良好例 ) が 研究対象になりやすい 情報バイアス ( information bias ) 交絡( confounding ) 母集 団 標本標本

結論に対する一般化! 標本が得られた母集団以外の他の 母集団に関しても,同じ結論が拡 張できると考える ← 間違い 無作為抽出の対象の母集団だけ

抽出方法 作為抽出 ⇒対象の集団だけ 無作為抽出 – 抽出対象となった集団