BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 1 情報システム開発のための ビジネスプロセスモデリング技術につ いて 専修大学 ネットワーク情報学部 小林 隆 BPM
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 2 1.インターネットによる直販 2. BTO (注文生産) 3.サプライヤーとの戦略的提携 注文処理 サプライヤー 物流 センター 物流 センター 工場 顧客 注文 納品 生産依頼 出荷情報 完全受注生産 ・調達見通しをリア ルタイム公開 ・部品サプライヤ倉 庫(在庫日数は数日 分) ・ホームページによる 注文受付 ・注文、問合せに基づ く顧客リレーション管 理 物流 参考資料: 週刊東洋経済 2000 年 4 月 1 日号 「eビジネス勝利の手法」 物流予約 <ダイレクトモデル> ビジネスプロセスの事例
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 3 購買 担当 R/3 各種マス タ 発注残 現在在庫 生産計画 ( Oracle ) 生産計画 Oracle 欠品情報 R/3 購買依頼 登録 AP 起動 SCPLAN 入力ファイル R/3 購買発注 登録 R/3 在庫管理 Detector R/3 ラッパー 調達所要量 展開 所要量展開BP 調達手配 依頼受付 発注内容 作成 着荷登録調達手配 依頼 発注手配BP MRP 実行 入力ファイル 作成 出力データ 格納 SCP実行BP データ トランスフォーマ データ トランスフォーマ 変換制御部変換制御部 データ トランスフォーマ < ERP 統合> ビジネスプロセスの事例
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 4 ・ビジネスプロセス管理 ・イベントフロー制御 ビジネスプロセス管理 既存システム (手配管理) 既存システム (在庫管理) 新規導入 ( SCM パッケージ) 既存DB (生産管理) 既存DB (調達管理) データ交換 アプリケーション 開始 データ 作成 調達計画在庫あり ? 在庫引当 発注指示 生産指示 終了開始 データ 作成 調達計画在庫あり ? 在庫引当 発注指示 生産指示 終了開始 データ 作成 調達計画在庫あり ? 在庫引当 発注指示 生産指示 終了 EAI ミドルウェア I/F ・データフロー制御 ・データ変換 プロセスに着目したアーキテクチャ
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 5 ビジネス環 境の変化 1. 製品ライフサイクルの短縮 コンカレントエンジニアリング、アライア ンスによるコンセプト・トゥー・キャッ シュの短縮 1. 製品ライフサイクルの短縮 コンカレントエンジニアリング、アライア ンスによるコンセプト・トゥー・キャッ シュの短縮 2. 製品のバリエーション増大 → 顧客 個別仕様の提供 見込み生産(プッシュ) → 注文生産(プ ル) 2. 製品のバリエーション増大 → 顧客 個別仕様の提供 見込み生産(プッシュ) → 注文生産(プ ル) 3. 物理的製品 → サービス製品 ハードウェアは新たな情報とサービスを提 供する手段 3. 物理的製品 → サービス製品 ハードウェアは新たな情報とサービスを提 供する手段 4. 交通や通信技術の発展 → 企業間の 競争と協調 海外拠点、アライアンス、仮想企業、 M&A 4. 交通や通信技術の発展 → 企業間の 競争と協調 海外拠点、アライアンス、仮想企業、 M&A ビジネス環境の変化
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 6 顧客ニーズにすばやく 対応する Zero Latency Enterprise : 無遅延型企業 D. S. Linthicum SAGA Software CTO ニーズの変化に柔軟に 対応する IT 予算の3割がシステ ム保守に費やされる Forester Research リアルタイムレスポンスフレキシビリティ いかにして顧客ニーズに合った商品を提供するか 企業システムの課題 ビジネスプロセスをベースとした情報システム開発
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 7 (1) 顧客指向:顧客の視点に立ち、組織が顧客に 対して価値を創造することを目的とする。 (2) 成果物重視:どのような成果物をいつ提供す るかを明確に定義し、評価指標とする。 (3) システム指向:職能組織ごとの個別業務を与 えられた目標の実現のために統合する。 ビジネスプロセスとは・・・顧客 (1) に対して価値を 提供 (2) するために実行される一連の活動 (3) 。 Michael Hammer, Reengineering the Corporation ビジネスプロセスとは・・・顧客 (1) に対して価値を 提供 (2) するために実行される一連の活動 (3) 。 Michael Hammer, Reengineering the Corporation ビジネスプロセスの考え方
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 8 ビジネスプロセスムーブメントの変遷 BPRBPM ERPEAIWF プロセス指向の提案 バックオフィスの統合 ホワイトカラーの効率化 全社システムの統合 柔軟性の追求
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 9 ビジネスプロセス設計のための5要素 目標:顧客満足の源泉。 関与者:誰が顧客で誰が実行者か。 入出力:顧客要求と成果物。 イベント:顧客と実行者の相互作用。 活動系列:具体的な処理手順。 ビジネスプロセス設計のための5要素 目標:顧客満足の源泉。 関与者:誰が顧客で誰が実行者か。 入出力:顧客要求と成果物。 イベント:顧客と実行者の相互作用。 活動系列:具体的な処理手順。 ビジネスプロセスモデリングの要素 ビジネスプロセスは、顧客に対して価値を提供 するために実行される一連の活動。
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 10 販売会社 目標0 目標 11 目標 12 目標 ビジネスプロセスモデリングの要素 販売プロセス出荷プロセス 発注プロセス 顧客 物流 業者 物流 業者 生産 業者 生産 業者 引合 注文 出荷 発注 引合い 見積書 注文書 出荷完了報告 商品、請求書 出荷指示書 発注依頼書 納品書 関与者 入出力 イベント 目標 22 目標 21 目標 23 活動系列 見積 納品 報告 入庫
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 11 モデリングアプローチの変遷 BPRBPM TQM 活動系列モデリング 相互作用モデリング 目標指向モデリング IDEF 、データフロー、 フローチャート 拡張 UML 、 GED ユースケース、 CN モデル
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 12 モデリングアプローチの変遷 アプローチ 活動系列 モデリング 相互作用 モデリング 目標指向 モデリング 狙い部門内プロセスを対 象とした改善活動。 部門横断プロセスを 対象とした BPR 。 経営上の戦略的プロ セスの開発。 モデリング要素モデリング要素 目標 ×× ○ 関与者 × ○○ イベント × ○○ 入出力 ○○○ 活動系列 ○○○ ビジネスプロ セスの捉え方 仕事を実行するため のステップ。 依頼者と実行者の相 互作用。 経営目標達成のため の手段。 関連する 技術分野 生産工学、品質管理ソフトウェア工学、 認知科学 経営学、システム論 代表的 モデリング技 法 IDEF 、データフロー、 フローチャート。 ユースケース、 CN モデル。 Eriksson&Penker の拡 張 UML 、 GED 。
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 13 IDEFのダイアグラム
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 14 ユースケース図 販売システム 顧客 配送業者 メーカ 注文 仕入 問合せ マーケティング
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 15 収益を2倍に上 げる 売上を 1.5 倍に 向上する 経費を20%削 減する 販売量を 100 件 /月に上げる 新商品を開発す る 余剰人員を削減 する 休眠設備を処理 する 営業活動を効率よ くこなすことがで きない 専門スキルをもっ た販売員が不足し ている 専門スキル教育の 実施 教育費用の確保 {完全} {不完全}{完全} 《原因》《問題》《行動》《必要条件》 拡張UMLの ゴール図
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 16 情報システム開発プロセス 要求分析 システム 設計 システム 設計 プログラ ミング プログラ ミング テスト (結合) テスト (結合) テスト (システム、運用) テスト (システム、運用) 運用保守 ユーザ SE プログラマ 上流工程 下流工程
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 17 目標 イベント 関与者 活動系列 Step 1 目標設計 Step 2 インタフェース設計 Step 3 プロセス設計 経営ニーズ 制約条件 規則 組織 資源 : 業務目標と設計 すべきビジネス プロセスを決め る。 ビジネスプロセ スの外部仕様を 設計する。 ビジネスプロセ スの内部仕様を 設計する。 入出力 ビジネスプロセス設計手順 業務レベルの目標 設計対象プロセス 実行者と依頼者 要求と成果物 業務イベント 活動の実行順序 活動の機能 活動の担当者
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 18 Step1 :目標設計 目標モデリング – 目標同士の関係(因果関係、包含関 係、等)を明らかにできる。 – 目標とビジネスプロセスとの関連付 けを容易化する。 現行プロセス分析モデリング – 対象業務を理解するための最低限の 情報を獲得できる。 – プロセス上の問題点を顕在化できる。 与えられた経営目標をブレイクダウンして業務レベルのサ ブ目標を明らかにし、設計すべきビジネスプロセスを決定 する。 課題 目標 Step 1 目標設計 業務目標と設計 すべきビジネス プロセスを決め る。
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 19 Step2 :インタフェース設計 ビジネスプロセスの目標を実現するための外部仕様(関与 者、入出力、イベント)を設計する。 改革案の考案方法 – ビジネスプロセスの設計目標のパ ターン化。 – パターンごとの改革案の提示。 代替案の評価方式 – 改革の代替案の評価モデル ( 効果とコ スト ) 。 課題 イベント 関与者 Step 2 インタフェース設計 ビジネスプロセ スの外部仕様を 設計する。 入出力
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 20 Step3 :プロセス設計 ビジネスプロセスの目標を実現するための内部仕様(活動 系列の詳細)を設計する。 階層化モデリング – 目標の達成に関わるメインプロセス と、組織や設備に関わるサブプロセ スを明確に分離して設計する。 効率化モデリング – インタフェース設計で決められたイ ベント系列を遵守する範囲内で、活 動の並列化、統合、自動化、等を検 討する。 課題 活動系列 Step 3 プロセス設計 ビジネスプロセ スの内部仕様を 設計する。
BPModel All Rights Reserved, Copyright © 2003, Kobayashi 21 参考文献 1.Peter G. W. Keen: The Process Edge: Creating Value Where It Counts, Harvard Business School Pr 2. ピーター・キーン, マーク・マクドナルド : バリュー・ネットワーク 戦略 ― 顧客価値創造の e リレーションシップ, ダイヤモンド社 3.Peter G. W. Keen, Ellen M. Knapp: Every Manager's Guide to Business Processes: A Glossary of Key Terms & Concepts for Today's Business Leader, Harvard Business School Pr 4. 戸田保一, 飯島淳一 : ビジネスプロセスモデリング, 日科技連出版社 5. 電気学会ワークフロー調査専門委員会 : ワークフローの実際, 日科技 連出版社 6.Kobayashi, T., Tamaki, M., and Komoda, N.: Business Process Integration as a Solution to the Implementation of Supply Chain Management Systems, Information & Management, Vol. 40, No. 8, pp. 769/780, Elsevier Science (2003) 7.Kobayashi, T., Onoda, S., and Komoda, N.: Workflow Business Template for Application Process in Administration Department, Information Technology & Management, No. 3, pp. 43/66, Kluwer Academic Publishers (2002) 8. 小林隆, 薦田憲久 : 高メンテナンス性を指向したワークフローシステ ム設計技法, 電気学会論文誌, Vol. 118-C, No. 7, pp. 1130/1137 (1998.7)