1 マネジメント・ストラテジ 最適化 / グラフと図解による分 析 基本情報技術概論 II ( 第6回 ) 埼玉大学 理工学研究科 堀山 貴史 中間試験 12/7 ( 月 ) 1,2 限 工 -11
2 中間試験 12/7 ( 月 ) 1, 2 限 工 -11 教室 ( 要確認 ) 試験範囲 : 11/30 の講義分まで ソフトウェア ( 第 4 部 12 ~ 14) システム開発技術 ( 第 5 部 ) マネジメント・ストラテジ ( 第 9 部 ) 持ち込み不可 荷物はイスの下に。 机の上 や 机の棚に 物がある場合は、 不正行為とみなします。 問題用紙や解答用紙の配布を始めたら、 私語厳禁。(私語も不正行為とみなします。) 情報処理技術者試験の過去問 ※ 配布資料のみで説明 した部分についても、 出題範囲である
3 最適化 日程計画 ( アローダイアグラム ) (→ 第5回資 料 ) 線形計画法 ゲーム理論 / マキシミン戦略 組合せ問題 在庫管理 (ABC 分析、定量発注、定期発注 ) …
線形計画問題 (LP, Linear Programming) 制約条件を満たしつつ、 目的関数を最大 ( または 最小 ) とする 例 ) 線形計画法 線形計画問題で最適解を求める手法 図を描いて解く他に、 単体法 ( シンプレックス法 ) や 内点法 がある 4 線形計画問題 と 線形計画法 目的関数 最大化: x + y 制約条件: 3 x + 2 y ≦ 12 x + 2 y ≦ 6 x ≧ 0, y ≧ 0 目的関数や 制約条件は 線形 ( 1次 式 ) テキスト p.432 例題 4 のように、 x, y が整数のみを取る場 合は、 整数計画問題と呼ばれ、 ( 本当は ) 本質的な難しさが上がる __________
原料 A, B を使って、製品 X, Y を生産する。 製品 X, Y を販売した時の利益は、 共に 1 トンあたり 1 億円。 製品 X, Y 各 1 トンの生産に 必要な原料は、表の通り。 原料 A, B の在庫は、それぞれ 12 トン、 6 トン。 5 線形計画問題 と 線形計画法 製品 X, Y の生産量を、それぞれ x, y とす る 最大化 : x + y 制約条件: 3 x + 2 y ≦ 12 … 原料 A x + 2 y ≦ 6 … 原料 B x ≧ 0, y ≧ 0 製品 X 製品 Y 原料 A 32 原料 B 12
線形計画問題 と 線形計画法 6 最大化: x + y 制約条件: 3 x + 2 y ≦ 12 x + 2 y ≦ 6 x ≧ 0 y ≧ x + 2 y = 12 x + 2 y = 6 x y ( 3, 3/2 ) … x + y の最大値は 3 + 3/2 = 9/2
マキシミン戦略 7
ゲーム理論 複数のプレイヤーが、 それぞれ自分の利得が大きくなるように行動 する 合理的な意思決定方法は ? 経済学、経営学、政治学、数学などの 様々な分野でに影響を与えている マキシミン戦略 複数の選択肢がある時に、最悪の場合の 利得を最大にする選択肢を選ぶ戦略 8 例 ) 選択肢 1 : 利益 100 ~ 5,000 選択肢 2 : 利益 500 ~ 1,000
在庫管理 9
在庫 販売業では、仕入れてきた商品 製造業では、材料、仕掛品、製品 在庫の過不足 在庫不足 → 商品を売り逃す ( 販売機会の損 失 ) 在庫過多 → 在庫の維持費用がかさむ 会社の資金がモノに形を変えている → 商品を販売するまでは、利益を生まない 発注費用 ( 発注回数に比例、発注量に反比例 ) と 在庫維持費用 ( 発注量に費用 ) のバランスを考える 10 もう少し広い視野から、サプライチェーン・マネジメント (SCM) をする ことが多い
パレート図による ABC 分析 在庫の重要度を分析し、適切な管理法を用いる パレート図 在庫金額の大きい順に商品を並べた棒グラフ + 累積在庫金額の折れ線グラフ 11 A クラス 累積在庫金額の割合 A クラス 在庫の 約 80 % B クラス C クラス B クラス 在庫の 約 15 % C クラス ________________
パレート図による ABC 分 析 A クラス 在庫の約 80 % を占める品目 少しの品目で、在庫に占める割合が大きい 定期発注方式 ( きめ細かな在庫管理 ) B クラス 在庫の約 15 % を占める品目 定量発注方式 (A クラスより緩やかな管理 ) C クラス 在庫の約 5 % を占める品目 品数が多いが、在庫に占める割合が小さい 定量発注方式 or 2ビン法 ( ニ棚法 ) 12 A クラス、 B クラス、 C クラスの割合は目安なので、場合によって多少 増減する
定量発注方式 ( 発注点方式 ) 在庫が発注点まで減ったら、発注 1回の発注量を決めておく ( 発注量は一定 ) 消費量の変動が大きいと、在庫切れの可能性 あり 13 発注点 時間 発注量 ここ で 発注 ここ で 届い た 発注間隔はバラバ ラ
定期発注方式 ( きめ細かな在庫管理ができ る ) 一定の発注間隔ごとに、消費量を予測、発注量を決 定 安全在庫を下回らないように、発注量を決める 14 時間 発注間隔は一定 安全在庫 現在の在庫量 + 発注残 + 発注量 – ( 予測消費量 + 引当て済み在庫 ) ≧ 安全在庫
定期発注方式で、印刷用紙を毎月初めに購入してい る。納期は、3か月である。今月の発注量は、何千 枚か。 練習: 定期発注方式 15 当月初在庫量 180 月間平均使用量 60 発注残 50 安全在庫量 30 ( 単位 千円 )
グラフと図解による分析と表現 16
グラフの種 類 折れ線グラフ 時系列にしたがった変化などを表す 棒グラフ データの大小関係を表す ヒストグラム ( 度数分布図 ) 度数・頻度を表す 帯グラフ、円グラフ 割合、構成比を表す レーダーチャート 複数項目の大きさや バランスを比較する 17
グラフの種類: 散布図 2種類のデータの分布・相関関係を表す 18 相関係数 正の相関 弱い 正の相関 無相関 弱い 負の相関 負の相関 10 回帰直線 : データとの距離の2乗和が最小の 直線 ________________
QC ( 品質管理 ) 19
QC ( 品質管理、 Quality Control) QC ( 品質管理 ) あらかじめ決めた要求基準を満たした 製品 / サービスを提供するため、 作業工程の問題点を洗い出し、改善する PDCA サイクルで改善 (Plan, Do, Check, Action) QC 七つ道具 品質管理のために収集したデータを分析し、 改善のための情報を得るための図表 主に、 数値による定量的な分析 新 QC 七つ道具 … 主に、 言語による定性的な分 析 20 日本規格協会 / 品質管理検定
QC 七つ道具 特性要因図 特性 ( 結果 ) とその要因 ( 原因 ) の関係を 系統的に表す ( 魚の骨のような図 ) ブレーンストーミングにより、要因を出しつ くす 21 問題点 要因 1 要因 2 要因 4 要因 3 要因 1-1 要因 1-3 要因 1-2 要因 3-1 要因 3-3 要因 3-2 要因 3-4 要因 2-1 要因 2-3 要因 2-2 要因 4-1 要因 4-2 要因 4-3
散布図 (→ p.18) 2種類のデータの分布・相関関係を表す パレート図 (→ p.11) 度数順に並べた棒グラフ + 累積度数の折れ線グ ラフ ヒストグラム … 度数・頻度を表す チェック表 … 正常稼働の確認 / 問題の原因調査 層別 母集団を ( 作業者ごと、日ごとなど ) いくつかの 層に分け、各集団に偏りがないか分析する 管理図 時系列の測定値をプロットした折れ線グラフ 中心線、上側 / 下側管理限界線を引いて、管理す る 22 QC 七つ道具
連関図法 問題点に対する要因を列挙し、原因と結果の論理的 な関係を矢印で結ぶことで、全体構造を把握する 親和図法 (KJ 法も、この一種 ) ブレーンストーミングで得た言語データを、 関連事項ごとにグループにまとめて整理・分析する 系統図法 目的達成のための手段を列挙し、各手段を実現する ための手順を列挙しと系統的に順次展開する PDPC (Process Decision Program Chart) 目的達成へのあらゆる方策を挙げ、事態の進展や時 間の推移に従った過程の変遷をまとめ、最適過程を 決める アローダイヤグラム (→ 第5回資料 p.3 ~ 7) マトリックス図法 マトリックスデータ解析 ( 多次元主成分分析 ) 23 新 QC 七つ道具
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練習: 定期発注方式 定期発注方式で、印刷用紙を毎月初めに購入してい る。納期は、3か月である。今月の発注量は、何千 枚か。 25 当月初在庫量 180 月間平均使用量 60 発注残 50 安全在庫量 30 ( 単位 千円 ) 安全在庫 発注量 – 60 x 4 ≧ x 3 60
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配布場所 この powerpoint ファイルの著作者 堀山 貴史 改変等を加えられた場合は、お名前等を追加してください 図の著作者 p. 6 ~ 21 堀山 貴史 29 この教材のご利用について