RHIC-PHENIX 実験におけるシ リコン崩壊点検出器 (VTX) の アライメント 浅野秀光 ( 京大理) for the PHENIX collaboration 1 日本物理学会 2011 秋.

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RHIC-PHENIX 実験におけるシ リコン崩壊点検出器 (VTX) の アライメント 浅野秀光 ( 京大理) for the PHENIX collaboration 1 日本物理学会 2011 秋

DCA(Distance of Closest Approach) と要 求される精度 2 e DCA -D メソンと B メソン、どちらに由来する電 子であるかを識別するために、 VTX によっ て、 DCA を計測 - 要求精度 : σ(DCA)~100μm (for Pt>2GeV) Primary vertex D,B secondary vertex - アライメントが完璧な場合 : σ(DCA) ~ 48μm (pt= 2GeV) -VTX の各センサーは数十 μm の精度でアラ イメントすることが要求される。 日本物理学会 2011 秋

Pixel Full Ladder 上でのセンサーのアライメント 精度 3 日本物理学会 2011 秋 Four sensors are aligned within 10  m accuracy. x y センサー - センサー実装時に、センサーのボンディン グパッドを3次元測定器で測定。 - ラダー上での全てのセンサーの図面からの ずれは 10μm 以内 - 以降、ラダー単位でのアライメントを考え ればよい

各レイヤー組み立て後のサーベイ Pre-survey 4 日本物理学会 2011 秋 - 各レイヤーが組みあがった段階で、ラ ダーごとのサーベイを実施。 - 図面と比較すると、各ラダーの設置精 度は数百 μm 。 - サーベイの精度 <80μm 。ビームによる アライメントを行う前に、ソフトウェ ア上の各センサーの位置情報に、サー ベイ結果を反映させている。 (pixel ラ ダーのみ)

ビームによるアライメントの流れ 1. ビーム中心からの DCA 分布を使ってのアライメント (Pixel) 2.Pixel ラダーとのヒット相関を使っての Stripixel ラダーの アライメント 3.Track residual による細かいアライメント 4.Global Tracking によるドリフトチェンバーとのアライメ ント 日本物理学会 2011 秋 5 VTX 内部でのアライメン ト PHENIX 座標系内でのアライメン ト

ビーム中心からの DCA 分布を使ってのア ライメント (Pixel layer) 日本物理学会 2011 秋 6 -Pixel レイヤーのみを使ってビーム中心 の相対位置を求める。 - ビーム中心からの DCA を計算 -DCA 分布のラダーによるパラつきを補正 Layer0 Layer1 ビーム中心 DCA (cm) phi (radian) DCA (cm) DCA 分布を Layer 0 のラダーに ついて色分けした図 DCA 分布を Layer 1 のラダーに ついて色分けした図

ビーム中心位置の計算 7 vtxy = yoffset+xoffset * tanΦ b X Y vtxy vtxy: projection of track at y=0 vtxy = y0 – x0*(y1-y0)/(x1-x0) (x0,y0)hit at L0 (pixel) (x1,y1)hit at L1 (pixel) Beam center (xoffset,yoffset) 日本物理学会 2011 秋 - ラダーは円筒形に配置されてい るので、 x=0 の平面のヒット分布 ビーム方向の相関が生まれる。 ビームの中心位置を測定可能

ビーム中心からの DCA 分布による pixel ladder のアライメント ( 補正後 ) 8 8 日本物理学会 2011 秋 DCA 分布を Layer 0 のラダーに ついて色分けした図 DCA 分布を Layer 1 のラダーに ついて色分けした図 -VTX 内部での Pixel ladder のアライメントの第 1 バージョンが完了。 - 実際の解析では磁場によって粒子が曲がる効果も考慮しているので、 stripixel のアライメントを行った後に、さらに詳細なアライメントを行う必 要がある。

Stripixel ラダーのアライメント 9 B0 B1 B2 dproj2 v 12 θ v 01 日本物理学会 2011 秋 -Stripixel レイヤー ( 第 2 層 r=11.76cm 、第 3 層 r=16.69cm) では、電荷の違い により、 ヒット位置が2つに分かれる。 -pixel ラダーから延長した点との相関を調べ、無限の運動量を持つ粒子が 通った場合の、 stripixel ラダー上でのヒット位置を算出。 B

Residual によるアライメント 10 日本物理学会 2011 秋 Primary vertex L0 L1 L2 L3 Residual = ( 飛跡とセンサーの交点 ) – ( 実際のクラスター位置 ) - 単純なシフト (Φ 方向、 Z 方向 ) 、及びラダーの長 手方向の回転については各々補正できるアルゴ リズムを開発。シミュレーション上アライメン トできることを確認。 - 複雑なシフト、回転が競合する場合での、アラ イメントアルゴリズムを開発中。

Global tracking によるアライメント 11 日本物理学会 2011 秋 Global Tracking -VTX で構成される飛跡と、 外側のドリフトチェンバー のヒットとつなげる。 ( 詳細 は蜂谷さん) -VTX 内部で定義される座標 系でアライメントを行い、 ドリフトチェンバーとの ヒット相関を見ることによ り、 PHENIX 全体の座標系 (global coordinate) でのアラ イメントを行う。

まとめ RUN11 のデータを用いて、 VTX 内部の pixel ladder からの アライメントを行っている。 最終的に DCA の分解能 ~100μm (pt>2GeV) を目指す。 12 日本物理学会 2011 秋

ビームによるアライメント 座標系の定義 13 iZ iX R= Local coordinate Translation vector PHENIX 座標系の原点 Global coordinate Local X (iX) を軸とした回転は効かない と仮定している。 日本物理学会 2011 秋

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15 DCA resolution is determined by the pixel For perfect alignment, DCA resolution is ≈ 48  m Survey resolution is ≈ 35  m  Total DCA resolution  m should be achieved by survey  Further improvement with alignment using beam data. Expected DCA resolution for pT>2 GeV/c from simulation w ideal alignment Expected DCA resolution as a function of pT 日本物理学会 2011 秋

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17 日本物理学会 2011 秋 DCA の分解能

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