実践編 次のような処方箋と簡単な患者情報とともに在宅訪問依頼が来 た。 さて、何を準備し、何をチェックし、どのように多職種と連携 をとることが求められるか。 ワークシートを参考に考えてみましょう。

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MSW の役割について 広島大学病院 薬剤部 藤田啓子. MSW の仕事とは? ・主に医療機関や老人保健施設、在宅介護支援センター等 に勤務し、医師・看護婦・理学療法士などと共に、 医療チームの一員として、患者さんとその家族への相談 やさまざまな援助を行っています。 ・社会福祉の専門家として、患者さんに関わる経済的、
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在宅医療をご存じですか? 編集:○○○○○ 訪 問 診 療 往 診 在宅医療を利用できる方(例) 在宅医療で受けられる主なサービス
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実践編 次のような処方箋と簡単な患者情報とともに在宅訪問依頼が来 た。 さて、何を準備し、何をチェックし、どのように多職種と連携 をとることが求められるか。 ワークシートを参考に考えてみましょう。

1) プラビックス錠 25mg 2 錠 アリセプトD錠 10mg 1 錠 メマリー錠 20mg 1 錠 分 1 朝食後 14 日分 2) マグラックス錠 250mg 2 錠 分 2 朝・夕食後 14 日分 3) マイスリー錠 5mg 1 錠 分 1 就寝前 14 日分 4) アローゼン顆粒 0.5g 分 1 朝食後(月・水・金に服 用) 7 日分 5) ツムラ抑肝散エキス顆粒 2.5g 分 1 朝食後 14 日分 1) プラビックス錠 25mg 2 錠 アリセプトD錠 10mg 1 錠 メマリー錠 20mg 1 錠 分 1 朝食後 14 日分 2) マグラックス錠 250mg 2 錠 分 2 朝・夕食後 14 日分 3) マイスリー錠 5mg 1 錠 分 1 就寝前 14 日分 4) アローゼン顆粒 0.5g 分 1 朝食後(月・水・金に服 用) 7 日分 5) ツムラ抑肝散エキス顆粒 2.5g 分 1 朝食後 14 日分 【診断:アルツハイマー型認知症】 日中の生活援助により日常生活を維持している。最近は夜間の徘徊が数回 報告されるなど症状が進んでおり、薬の管理がさらに困難になっている。 【利用サービス】 訪問診療(月 2 回)、訪問介護(週 4 回)、訪問看護(隔週 1 回)、認知症 対応型通所介護(週 3 回) 【診断:アルツハイマー型認知症】 日中の生活援助により日常生活を維持している。最近は夜間の徘徊が数回 報告されるなど症状が進んでおり、薬の管理がさらに困難になっている。 【利用サービス】 訪問診療(月 2 回)、訪問介護(週 4 回)、訪問看護(隔週 1 回)、認知症 対応型通所介護(週 3 回) 76 歳 女性 独居 要介護2 診断名:アルツハイマー型認知症

訪問前の準備 ★本人への連絡・ケアマネジャーへの連絡 訪問時間の確認、訪問時の注意点、調剤方法、住 所の確認など ★保険の確認(介護保険、医療保険) ★持ち物 モノ:名札、連絡先(名刺や案内など)、筆記用 具(マジック、はさみ、他)カメラ、お薬カレン ダーなど 書類:居宅療養管理指導契約書、重要事項説明書、 個人情報の同意書、薬歴、など

予想される生活背景と患者の状態 ★食事 ・食事の不規則(栄養の偏り) ・水分の不足 ・食欲 ・食事の摂取量 ・配膳状況 ・口腔ケア ・摂食嚥下状態

予想される生活背景と患者の状態 ★排泄 ・排尿(失禁など) ・排便(便秘、下痢など)、オムツの 有無 ・マイスリー服用後の排尿状況(回数、 間隔)、就寝時間 ★睡眠 ・マイスリーの服用時間、追加服用の 有無 ・中途覚醒の有無

予想される生活背景と患者の状態 ★運動(転倒) ・転倒の有無 ・住宅改修の有無 ・トイレの様式(和式、洋式) ・就寝場所(家屋 →2 階建てなど) ・マイスリー服用後の転倒

予想される生活背景と患者の状態 ★認知機能(中核&周辺症状) ・冷蔵庫の中身 ・火の不始末 ・徘徊する可能性がある時間、範囲 ・近所づきあい ・メマリー服用によるめまい、眠気 ★その他 ・家族との距離 (実際の距離と関わり度合い) ・入浴の不規則

早急に必要な対応 ★服薬/残薬/保管状況 コンプライアンス、 管理方法;一包化の必要性

訪問服薬指導計画にとり入れたい中長期的な対応 (訪問時に確認したい事項) ★服薬状況:コンプライアンス ★食事・排泄・睡眠の安定化 ★起こりうる副作用の確認: 薬剤(マイスリーやメマリー)服用後 の転倒リスク ★その他 声かけ・介助を他職種で!

想定される多職種連携の職種と、それら職種と共有したい情報 ★医師・・・効果、副作用 ★介護支援専門員:認知症の状況、服薬状況、 民生委員とのつなぎ ★看護師:体調、口腔ケア、 ★ヘルパー:服薬確認・声かけ、摂食状況、 排便状況 ★歯科医師、歯科衛生士:口腔ケア ★栄養士:食事内容 ※これらすべての職種と薬剤師が直接連携をとるこ とも少ないが、介護支援専門員などを介して連携を とることはある。