会社のロゴ 未来予想図Ⅲ~ポ・ス・ド・クのサイ ン~ 山本健介、中井大介、菊池朋之. 目次 Ⅰ テロリズムの起源 Ⅱ マルクスとレーニン ― 現代的テロリズムの萌芽 ― Ⅲ 国際テロリズム(前期) ― 国際テロリズムの発展 ― Ⅳ 国際テロリズム(後期) ― ポスト冷戦期のテロリズム ― Ⅴ ポスト.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
Puchinationalism in Japan 若者のぷちナショナリズム. 目次 ニッポンニッポン!! 日本が好き? 「日本」を知らない - 政治に関心がない - 日本の文化を知らない - 憲法を知らない - 正しい日本語がわからない.
Advertisements

制度経済学Ⅰ ①. 制度経済学とは何か 制度 institutions 最も根本的な制度は・・・・ 言語、法、貨幣 いずれも経済、そして経済学に関係する それらなしに、経済は成立しない.
イラクにおける政党支持構造とその変容 山尾大(九州大学) 浜中新吾(山形大学).
第9回(11/20)  立憲制度と戦争.
21世紀の東アジアと日本 柿澤弘治 大阪市立大学国際シンポジウム 
ASEAN共同体の是非 藤代 高松 矢崎 山田 山本.
政治思想の説明 ~右翼ってなに??~.
大阪大学法学部 国際公共政策学科3回 山下汐莉
ユートピアはディストピアなのか 指導教官 北村賢介准教授 1DS04205N 村上英峻.
アジア開発銀行(ADB)の 融資による途上国の経済成長への影響
第8回 記憶研究とテレビ 1.集合的記憶とは 2.社会的出来事に関する集合的記憶 3.外国の社会的出来事に関する集合的記憶
アップルの成功要因と課題 あああああ H22.07.08 経営学科 李ミヌ.
情報は人の行為に どのような影響を与えるか
トルコ及び中欧からの人の移動とそのEU加盟問題に与える影響
米ソ 冷戦       ~今現在とのつながり~       11-3      福島 愛巳.
情報社会とガバナンス 歴史的経緯から 吉田寛.
In larger Freedom 平和構築・人権擁護・開発援助 日本から国際社会へ
平和研究Ⅰ 第2回 積極的平和と消極的平和 2007年4月18日 広島平和研究所 水本和実.
現代の経済学B 伊東光晴「ケインズ」第3回 一般理論の骨組み(ii) 現代資本主義とケインズ経済学 京大 経済学研究科 依田高典.
4 第3次障害者基本計画の特徴 障害者基本計画 経緯等 概要(特徴) 障害者基本法に基づき政府が策定する障害者施策に関する基本計画
銃社会アメリカ 銃規制をめぐる対立.
第12章 現在のグローバル化を考える.
現代のグローバル化を考える 冷戦体制解体 民主主義とグローバル化.
イラク戦争2 イラク-アメリカの絡み合い.
アジア恊働大学院(AUI)構想 AUI推進機構/設立趣意書
失われた10年 日本経済の現状と課題 日本の平和への貢献
長須ゼミ・チーム長須 柄川真穂・金樹延・日野陽子 藤澤里佳子・堀口安奈
戦争と平和 戦争は不可避か 正義の戦争はあるか.
地政学2 「新しい地政学」の登場 政治地理学の理論と方法論 第3週.
第2回 ジャーナリズムとは何か ( ) 担当:野原仁(地域構造講座)
2004年度入門経済学2A 担当教員:奥井克美.
日本のODA 現状と展望                     滝澤諒.
日本の安全保障 c 橋本彩香.
2017現代文明論 7 近代化=西欧化(16-18世紀)←1492年に始まる世界システム(前回の講義参照)
浜中 新吾(山形大学) イスラーム地域研究 東京大学拠点グループ2 パレスチナ研究班 研究会
公共政策大学院 鈴木一人 第10回 各国比較:アメリカ 公共政策大学院 鈴木一人
対北朝鮮「最大限の圧力へ」.
公共政策大学院 鈴木一人 第7回 政治と経済の関係 公共政策大学院 鈴木一人
社会主義の教育理論.
フィールドセンシング最終課題 Google技術のデータの問題点 総合二年・三崎悠樹・
選抜と教育・人生選択 選抜のメッセージ.
ピアジェの発生的認識論 ジャン・ピアジェ( ) 人間の適応 日本広く普及する 認知の発達過程の理論
国際的な情報セキュリティへの取り組み 各国の対応とサイバー犯罪条約 インターネット時代のセキュリティ管理.
教育行政組織(1) 指導助言と監督命令.
§7. 平和主義 2007年7月3日・10日 社会科学部 憲法.
§5. 平和主義 人間科学部 憲法.
第9条改正について考える c 谷央輔 2012年1月23日.
1.報道の意義 2.ニュースと現実の関係 3.マス・メディアと民主主義
ベトナム戦争 戦争の正義・勝者の苦悩.
世界の食糧問題 ~国際社会という視点から慢性的飢餓に どう立ち向かうか~
ソーシャルワークの価値と倫理 ~国際ソーシャルワーカー連盟の議論を踏まえて~
国家.
日本政治の第一歩 第1章 戦後の日本政治.
民主主義ってどういうこと? 1、始まり 2、見方 3、政治 4、課題 5、これから.
社会主義の教育理論.
総合政策学部3年 鋤先麻美 環境情報学部3年 生田目啓
地球温暖化と京都議定書 E020303 豊川 拓生.
新聞(3) 新聞記者の仕事 1.新聞に求められる社会的役割 2.新聞記者の基本的な仕事 3.新聞記者向きの人
グローバリゼーションは 国際的画一化なのか
グローバリゼーションは 国際的画一化なのか
討議テーマ① 現行憲法に緊急事態条項を 創設すべきという意見がありますが どう思いますか?
NPO教育の現状と課題 山内直人.
人権とは.
戦争と平和 正義の戦争は 戦争で利益を得る者は.
POST-CAPITALIST SOCIETY
討議テーマ② 現行憲法9条に自衛隊について 明記すべきという意見がありますが どう思いますか?
新しい日本の安全保障戦略ー多層協調的安全保障戦略
平成から「令和」へ 日本の針路 情報パック4月号.
現代資本主義分析 資本主義という見方.
公共政策大学院 鈴木一人 第9回 各国比較:アメリカ 公共政策大学院 鈴木一人
Presentation transcript:

会社のロゴ 未来予想図Ⅲ~ポ・ス・ド・クのサイ ン~ 山本健介、中井大介、菊池朋之

目次 Ⅰ テロリズムの起源 Ⅱ マルクスとレーニン ― 現代的テロリズムの萌芽 ― Ⅲ 国際テロリズム(前期) ― 国際テロリズムの発展 ― Ⅳ 国際テロリズム(後期) ― ポスト冷戦期のテロリズム ― Ⅴ ポスト 9.11 時代のテロリズムへの対応 ― テロリズムの展望 ―

テロリズムの起源

テロリズムとは ・テロリズムの語源 ⇒ジャコバン派「恐怖政治 (regime de la Terreur) 」 ・テロリズムの誕生(フランス革命末期) ⇒民主的社会獲得のためには恐怖(テロ)が必要 ・フランス革命末期におけるテロリズム ⇒体制側による恐怖をともなった秩序維持・強化

マルクスとレーニン ― 現代的テロリズムの萌芽 ―

マルクスの分類 ・テロリズムを「白色/赤色テロ」に区別 ・白色テロ ⇒ジャコバン的、体制側による恐怖政治 ・赤色テロ ⇒共産主義革命的、体制側への暴力行使

レーニンと赤色テロ ・レーニンの革命政策 ①テロリズムを採用 ②マルクスの革命理論(赤色/白色)を採用 「労農政府の敵による白色テロに対しては、労働者農民は、ブルジョアジー およびその手先に対する大量の赤色テロをもって応えるであろう。」 ( 1918 年 9 月、ロシア中央委員会) ⇒「テロリズム=赤色テロ」へ認識が変化

国際テロリズム(前期) ― 国際テロリズムの発展 ―

国際テロリズム(前期) PFLP :エルアル航空ハイジャック事件( 1968 ) → エスノナショナリズムの雛形へ グローバル化黎明期 (1)技術革新 → 迅速かつ容易な国際移動 (2)国際報道 → ニュース画像の質的向上 ⇒「観客」としての国際社会 Military photos.net ( &attachmentid=95569)

国際テロリズム(前期)の目的 「非イスラエルを目標にした、ある種の作戦をきっぱり放棄 したことがたびたびあった。」(ホフマン [1999 : 141]) <国際テロリズム(前期)> 政治的目標を達成するための手段としての国際テロリズム BBC Witness (

国際テロリズム(後期) ― ポスト冷戦期のテロリズム ―

国際テロリズム(後期) アル・カーイダ (al-Qaeda) : 9.11 アメリカ同時多発テロ (2001) → 自爆テロの隆盛 グローバル化円熟期 (1)グローバル化と「対象」 (2)人的移動の拡大 ⇒グローバルな「敵」とグローバルな「味方」 BBC(

国際テロリズム(後期)の「目的」 人生の希望や生きる目的を無くし「浮動」する若者 ⇒自爆という「目的」と「手段」による動員 <国際テロリズム(後期)> 目的達成のための手段であると同時に自己目的となる Jihad Watch Organization ( qaeda-calls-for-jihad-against-apostate-regimes-in-north-africa.html)

テロリズムの系譜図 フランス革命レーニン グローバル 黎明期 グローバル 円熟期 主体主体 体制側反体制側 非国家 アクター 非国家 アクター 動機動機 政治目的 手段の自己 目的化 範囲範囲 ローカル グローバル 概念概念 恐怖政治 ↓ 政治目的が内在 白色/赤色の区別 ↓ 共産主義への組み 込み 脱共産主義化脱政治化

ポスト 9.11 時代のテロリズムへの対応 ― テロリズムの展望 ―

ポスト 9.11 テロリズムと国家 現代のテロリズムが国家安全保障に与える影響 ・グローバル化 ⇒国民国家の相対化、統治困難な領域の出現 ・安全保障政策への影響 ⇒対内的要素の重要性の高まり

国家の対応 ①対外的なテロ掃討作戦の展開 →9.11 後の対テロ戦争 ( アフガニスタン、イラク ) ・・テロ根絶の限界 ②国際協力 → 外的に発生するテロリズムの封じ込め ③対内的な対テロ政策 → 国家領域内秩序の強化 (Ex. 国境管理、警察権の強化、被害管理、国民再統合 ) ⇒体制維持目的による行為の正当化

国家テロリズムへの回帰 ジャコバン的テロリズムと現代対テロ政策の類似 ・主体 → 体制側(国家)によって行われる ・範囲 → 国民に対して行われる(ローカル) ・動機 → 「維持」を政治目的とした行為 ・状況 → 国民国家の形成と再形成 米国:愛国者法の制定、国土安全保障省の創設 → 司法権限の著しい拡大 ( 米国愛国者法:令状無しの身柄拘束・家宅捜索、盗聴 etc..) BBC(

テロリズムの未来予想図 国際テロリズム(後期)=グローバル化進展の副産物 ↓ 国家は国内のテロ要素を積極的に排除し続けなければならない ↓ 「自由」維持のための抑圧的政策 ↓ 抑圧への対抗として反体制的要素の増加 テロリズム対策のディレンマ 世界は 国際テロリズムと国家テロリズムの併存 となる

ご静聴ありがとうございました 参考文献・資料 イーグルトン [2011] 『テロリズム』岩波書店 猪口孝ほか [2000] 『政治学事典』弘文堂 E.H. カー [1967] 『ボリシェヴィキ革命(一)』みすず書房 ギデンズ [1999] 『第三の道』日本経済新聞社 関下稔 [2010] 『国際政治経済学要論』晃洋書房 保坂修司 [2011] 『新版 オサマ・ビンラディンの生涯と聖戦』朝日新聞出版 ―――― [2012] 『イラク戦争と変貌する中東世界』山川出版社 ホフマン [1999] 『テロリズム』原書房 宮坂直史 [2006] 「テロリズムとテロ対策」『平和政策』有斐閣 ユルゲンスマイアー [2004] 『グローバル時代の宗教とテロリズム』明石書店 Cha, Victor D[2000] ‘Globalization and the Study of International Security’, Journal of Peace Research 37/3, Dalacoura, Katerina[2011] Islamist terrorism and democracy in the Middle East, New York: Cambridge University Press 外務省 HP 「日本の国際テロ対策協力」 (最終閲覧日 11 月 10 日)