Claim Report 電気的・機械的事故不担保特別約款 事故!! 貨物運送賠償責任保険では、特別約款(「電気的・機械的事故不担保特別約款」)や証券上の注意書きの中で、包装に明らかな損傷が確認できない電気的、機械的事故は保険の対象にならないことを明確にしています。 被保険貨物自体あるいはその包装に明らかな外部損傷が存在しない限り、本保険証券では電気的、機械的事故に起因する損害について責任を負いません。 電気的・機械的事故不担保特別約款 注意書き: 保険期間中に発生したことが明らかでない機械、電子製品および家電製品等の電気的、機械的事故については保険対象外となります。 事故!! 保険上の取り扱い: 上記のような事例では、パソコンの故障が保険期間内に発生した事故によるものか否かが明らかでないため、保険対象となりません。 機械や電子製品の不具合については、原因が電気的な故障によるものか、保険期間中の事故によるものかの判別が困難なため、特別約款や注意書きの形で保険上の取扱いを明確にしている背景があります。 お客さま(運送人)の賠償責任についても同様のことが言えますので、運送の受託に当たっては受託貨物の内容の確認(機械や電子機器の有無)を行い、外装上異常のない電気的、機械的な不具合が発生した場合の取扱いについて、荷主との間で明確にしておくことが重要です。 事例: 運送業者A社は貨物運送賠償責任保険に加入しており、この保険には「電気的・機械的事故不担保特別約款」が付帯されている。 A社は上海から北京へ貨物の運送を受託した。目的地に到着した際、貨物の包装に異常はなく、受荷主に貨物を引き渡した。後日受荷主から貨物の中のパソコン1台が起動しないとの連絡を受けた。パソコン本体にも損傷はなかった。
Claim Report 冬季雪道の輸送事故と防止対策!! 事故例: 防止対策! 雪道の安全運転のポイント: 今冬は全国的に厳冬と言われ、地域によっては大雪も発生しているようです。貴州地区では大雪による高速道路の閉鎖により千台以上の車両渋滞が発生しました。降雪は輸送リスクを増加させ、事故が発生しやすくなります。今回は雪道での事故例と事故防止ポイントをまとめてみました。 事故例: 事故概要 貨物損害額(見込) A社 雪道を走行中、スリップにより積載貨物が損傷。 RMB100,000 B社 雪道の高速道路を走行中ブレーキが間に合わず、前方車に衝突。 防止対策! 雪道の安全運転のポイント: 覚えておこう!降雪の際、特に事故が発生しやすいポイントとは・・・ ①雪道ではスピードを十分落とす。(凍結路面では、時速 40kmのときの停止距離は73m) ②車間距離を十分とる。雪道で最も多い事故パターンは 「追突」 ③カーブでは手前で十分減速する。カーブの途中でブレ ーキをかけると車はバランスを崩しやすい。 ④下り坂ではエンジンブレーキを活用する。ブレーキやシ フトダウンはスリップの原因になりやすい。 ⑤ブレーキはソフトに踏む。急ブレーキを踏むとタイヤが ロックします。 ⑥わだちのある道路では慎重に走行する。わだちに入る 前に減速するとともに、わだちの状態をよく観察して、 わだちに逆らわずに走行するよう注意。 ⑦急のつく運転をしないこと。急ハンドル、急ブレーキは 厳禁ですが、急発進、急加速、急激なシフトチェンジも 避ける必要があります。 ⑧吹雪などで前方が見えない時には一時待機する。 ①橋やトンネルの出入り口 朝晩や山間部は特に凍結しやすいので注意が必要。トンネルの中も湿度 が高く凍結しやすいため、気を抜かないことが大切。 ②路肩の雪が死角を作る。 除雪などで路肩に雪が高く積まれている場合、死角に歩行者がいる場合 がいることに注意。 ③センターラインが積もった雪で見えない。 対向車線にはみ出して対向車と正面衝突しないように注意。左カーブは特 にセンターラインをはみ出しやすい。 ④ブラックアイスバーン 濡れたアスファルト路面のように見えても実際は凍結しアイスバーンになっ ていることがあります。特に朝晩や山間部は要注意。 ⑤地吹雪 降雪だけでなく、降り積もった雪が強風で舞い上がり、視界が失われること があります。ハザードを点灯させ十分速度を落とす必要があります。 ⑥雪の付着による視界悪化 フロントガラスに付着した雪でワイパーのふき取り性能が悪化したり、ドア ウインドウやサイドミラーに雪が付着して視界が悪化することがあります。と きどき安全な場所に停車して雪を取り除くことが必要。
Claim Report 夏季雨天走行時の自動車事故防止対策!! 運送会社 事故例: 雨の日の事故の主な原因 参考 夏の到来と共に雨の多い季節となってきました。雨の日は見通しが悪くなり、障害物の発見も遅れがちになることから車の運転中のスリップ事故も頻発します。 事故例: 事故概要 損害額(概算) 運送会社 雨の日に貨物輸送中、カーブでスリップし積載貨物が損傷。 RMB50,000 雨の日の事故の主な原因 1.スリップによる事故 濡れた路面は滑りやすくスリップしやすくなります。スリップ事故の75%は速 度超過が原因といわれ、特に曲がり角を曲がる時、水溜り通過時、前方の障害物を 避けようと急回避する時にスリップ事故が起こりやすくなります。 2.視界不良による事故 雨の日は視界が悪い為、交差点左折時に横断する歩行者を見落としやすくなります。また窓ガラスのくもりによって前方衝突が起こりやすくなります。 参考 運転者が危険を察知してブレーキを踏む判断をした地点から車が停止する地点までの距離を「停止距離」といいます。晴天時の停止距離(概算)は「走行速度の2乗/100」とも言われており、雨の日は約2倍になります。参考図のように雨の日のスピードの出しすぎが事故を招きやすいことが分かります。 防止対策! 雨天時の安全運転注意点 1.晴天時より速度を落として運転 2.十分な車間距離を保持 3.急ブレーキ、急なハンドル操作をしない 4.曲がり角を曲がる時は十分減速 5.下り坂ではエンジンブレーキを活用 6.自車を目立たせる為に昼間でもヘッドライトを使用する 7.くもり止めの為デフロスターを使用、窓を少し開ける 8.定期的な車両点検・整備 (タイヤの磨り減り、タイヤ空気圧の検査、ワイパーの掃除・交換)
Claim Report 輸出貨物荷受時に損害を発見した場合 保険金のご請求・お支払の流れ: 中国国内から中国国外に輸出する輸送貨物に損害が発生した場合、当社は現地の代理人に委託して理賠を進めます。当社は各国に代理人を設けておりますが、ここでは中国からの輸出貨物の損害が日本で発見された場合の保険金のご請求・お支払の流れについてご紹介いたします。 貿易取引条件がCIFの貨物を中国国内から日本に輸出し、日本での荷受時に損害を発見した場合、中国国内で理賠関連証明を収集するには一定の手間と時間がかかります(貨物が日本にあるので、日本の空港、船会社による証明等が必要となります)。この場合、迅速な保険金のお支払をするために、当社は日本の代理人に委託し関連資料の収集、現物調査等の手続きを進めます。関連資料の収集後、代理業者は収集資料を当社まで郵送し、当社にて審査後に保険金をお支払いたします。 保険金のご請求・お支払の流れ: 荷受人(荷主) 資料を提供 日本の代理人 資料を郵送 当社 保険金のお支払 荷受人(荷主) *中国国内の被保険者または日本の荷受人は、当社の日本の代理人に直接連絡して保険金をご請求ください。もちろん弊社理賠部に直接連絡していただくことも可能です。 尚、迅速な保険金のお支払の為に、連絡時には以下の資料をご用意ください。 1.被害貨物の販売発票 (INVOICE) 2.パッキングリスト (PACKING LIST) 3.ウェイビル(WAY BILL) 4.被害貨物の写真 当社の日本の代理人の連絡先: -------------------------------------------------- Asai & Ichikawa, Average Adjusters Adress:5-16 Kanda Nishiki-cho2-chome, 4th Floor, Nakoji New Building, Chiyoda-ku, Tokyo, JAPAN Postal Code:101-0054 TEL:(+81) 03-3233-3621 FAX:03-3233-3624 Mail:ueno@asai-ichikawa.co.jp
Claim Report 貨物輸送中の車両管理について 事故! 具体的事故例: 貨物をトラックで輸送中、高速道路のサービスエリアや一時帰宅をして車から離れている間に、貨物の盗難事故が盗難される事故が多く発生しています。 今回は、貨物保険の「無人管理運送用具特約」について解説します。 「無人管理運送用具特約」 本会社は積載輸送中無人管理により引き起こされた被保険対象/利益損失につき支払いの責めを負わない。積載用具の窓、扉、荷物カバー又は保護カバー、屋根、風防ガラスが完全に閉鎖されていた場合はその限りではない。 上記の規定において、積載用具が安全に閉鎖されており、監視された状態で客先の倉庫(香港或いは中国地域内)に置かれ、その上被保険対象/利益が保管目的で管理されていた場合、この約款は無効である。 規定に一致しない場合、無人管理の積載輸送用具の窓、扉、荷物カバー、防護カバー、屋根、風防ガラスが完全に閉鎖され施錠されていた事を賠償請求者は証明せねばならない。 事故! 具体的事故例: ●お客さまA社は貨物運送賠償責任保険(無人管理運送用具特約付き)を契約。 【事故/損害状況】 ●運転手は長距離輸送の途中、トラックを自宅の入り口に停め、家に帰って数時間休憩。翌朝、荷台の貨物が盗難されているのを発見した。運転手は、荷台の施錠をしていなかった。 【保険対応の可否】 ●特約条項により、この事故はお支払いの対象とはなりません。 通常の輸送工程から外れた状況での盗難事故や交通事故が多く発生しています。輸送工程の管理や、駐車、施錠等の車両管理ルールを徹底することにより、盗難事故の多くを防ぐことが出来ます。
Claim Report 輸送車両のタイヤバースト事故と防止対策!! 事故! 最近、当社では輸送途中の輸送車両タイヤバーストによる貨物損失事故を立て続けに受付しました。 暑さも本格化してきています。例年、これからの季節にタイヤのバースト事故が発生する傾向にあります。 事故! 事故概要 物損損失額(概算) A会社 輸送途中にタイヤバーストによる貨物損傷 RMB300,000 B会社 輸送途中にタイヤバーストした路肩でタイヤ交換した時に後ろのトラックに追突されて、貨物損傷 RMB400,000 C会社 RMB200,000 このような事故を防止するために、下記にご注意いただき、安全運転を心がけてください。 タイヤがバーストする原因とは ①高速走行時のタイヤの低圧(空気圧が少ない) ②タイヤのミゾが少ない。タイヤにキズがある。 スタンディングウェーブ現象を起こしやすくなり危険!! スタンディングウェーブ現象とは タイヤが高速回転する時、空気圧が低いと接地面でたわみが生じ、タイヤのどこかにふくらみが発生することにより、転がり抵抗が増し高熱を生み、トレッドがちぎれてバーストの原因になる現象。特に夏場の路面は熱くなっており空気圧不足のタイヤは異常に熱くなるので要注意。 万が一走行中にタイヤがバーストしたときは・・・ ①ブレーキを踏まず、ハンドルを真っ直ぐしっかり握って アクセルを徐々に緩め減速する。 ②安全な場所に停車する。 ③停止表示器材を出し、救援を待つ。 空気圧が低いとどうなる? バーストの危険性が増すだけでなく・・・ ①操縦性の悪化・・・ハンドルが取られたり、重くなったりする。 ②タイヤの寿命低下・・・タイヤがつぶれた状態で走行することで磨耗が進む。 タイヤの安全対策 ① 出発時のタイヤの状態をチェックする。 ② 定期的に空気圧が適正かチェックする。 ③ 高速道路での長距離走行前に空気圧をチェックする。
貨物輸送中に第三者への賠償責任が生じる事故が報告されております。今回は貨物運輸賠償責任保険の第三者賠償責任担保特約について紹介します。 Claim Report 第三者賠償責任担保特約 貨物輸送中に第三者への賠償責任が生じる事故が報告されております。今回は貨物運輸賠償責任保険の第三者賠償責任担保特約について紹介します。 事故例 輸送会社A社が貨物運輸賠償責任保険を契約し、第三者賠償責任担保特約を付帯した。A社はB社の貨物輸送を引受け、その出荷積み込み作業中にA社社員の不注意で倉庫内のC社の貨物を破損。C社はA社に貨物損害の賠償を請求した。 第三者賠償責任担保特約 約款より:(日本語参考訳) 本契約に明記した保険期間中に被保険者が貨物輸送業務および関連する貨物引取り、包装、荷解き、装着等本契約で明記している業務(本契約が保管リスク者を引受ける場合はこの保管期間の関連業務を含む)過程において、突発事故により第三者に人身傷害もしくは第三者の財物に損害を与えた場合の法的賠償については、保険会社は賠償の責任を負う。 (結果) この事故は第三者賠償責任担保特約で規定する保険責任に該当するので、保険金をお支払します。 C社の貨物についてA社は運送を請け負っていない為、第三者賠償責任特約の付帯がない場合は保険カバーの対象になりません。 本特約の第三条 除外責任(二)3.4 規定より:(日本語参考訳) 飛行機または自動車所有者、使用者および管理者が飛行機または自動車を使用または管理中に生じた賠償責任。但し、貨物の積み卸し中に生じた事故はこの限りではない。 従って、A社が車両で貨物輸送中に事故が発生し、第三者に人身傷害もしくは第三者の財物に損害を与えた場合、本特約上では免責事故となり、保険会社は賠償責任を負いません。このような状況の場合は、輸送車両の自動車第三者責任保険を使用してください。
Claim Report 輸送車両の被追突事故と防止対策!! 被追突事故の主な原因 防止対策 輸送中は様々な要因で車両衝突事故が発生します。その中でも、特に高速道路での被追突事故が数多く報告されています。 高リスク! 高ロス! 同様の事故を防止し皆様の安全輸送のお役に立てるよう、事故防止対策を提案させていただきます! 事故概要 損害額(概算) A社 高速道路で前方渋滞中、後続車に追突され貨物が損失 RMB250,000 B社 高速道路で三車追突事故により貨物が損失 RMB400,000 C社 高速道路で隣のトラックを避けようとブレーキし、後続車に追突された RMB200,000 被追突事故の主な原因 ①天候: 天候悪化による視界不良(濃霧、降雨等) ②進路変更: 進路変更により道路状況を把握できない ③前方の異常(工事・事故・前方車両の急ブレーキ) : 前方の異変に気づき、あわてて急ブレーキをかけたところ、後続車に追突される 防止対策 「後ろからぶつかってくる車は避けようがない」という考え方を脱し、「防衛運転」を心がけることが重要です。 出発前に 減速するときは 対策①ブレーキランプ、ハザードランプが正常かを確認。球切れだけでなく照度の確保(レンズ清掃)にも注意! 対策②三角反射板の準備を確認(万一の時すぐに取り出せる場所に) 対策①右左折のため減速するときは、ブレーキより先に方向指示器を出す 対策②渋滞を見つけたら即座にハザードランプを点灯する→その後、徐々にブレーキを 対策③ポンピングブレーキ、ハザードランプ点滅などで自車の存在をアピール(防衛運転) 運転中は 対策①後続車を含めた周囲の状況をしっかり確認して運転 →後続車との車間距離が不十分な場合は追越しさせるように 対策②強引な割り込み、スピードの出し過ぎを避けて、ゆとりある運転を 対策③夕暮れ時、悪天候時は早めのライト点灯 対策④駐停車は、道幅が広く、明るく、見通しの良い場所に
野積みの在庫品や貨物に対する保険適応について Claim Report 野積みの在庫品や貨物に対する保険適応について 財産保険や貨物保険において、野積みの状態で保管されている在庫品や貨物に対する保険適用に可否や事故に関するお問い合わせを多くいただきます。今月は、各保険における対応につきまとめました。 財産一切保険 貨物運送保険 保険金のお支払い可否 雨濡れや洪水、風災などの自然災害による事故はカバー対象外となります。 「貨物が野積みされている間に生じた損害」はオールリスクではなく、「特定危険担保」条件に条件が縮小されます。保管中の貨物に対しては「火災・爆発のみ担保」となります。よって、雨濡れや洪水、風災による事故や盗難などほとんどの事故はカバー対象外となります。 約款の記載内容 【財産一切保険約款 第3条】(免責条項) 以下の各項については当社は保険金支払の責めを負いません。 (8)野積の財産、及びムシロ、布、チガヤ、アスファルトフェルト、ビニールシート、ナイロン等で覆われた財産が、風、霜、極寒、雨、雪、洪水、雹、ちり等によって被った損害。 【運送保険普通保険約款 第9条】 「当会社は、本条を適用しない旨の特約がある場合を除き、次の損害に対しては「特定危険担保」条件のみで保険に付けられたものとみなして保険金を支払います。」 (1) 貨物が野積みされている間に生じた損害 野積みの定義 ①屋根などが全く無いところに保管されている在庫品/貨物 ②建築物の軒先や軒下に保管されている在庫品/貨物 ③屋根と壁、扉に覆われていない建物に保管されている在庫品/貨物(例:庇や建物間の簡易的な屋根の下、仮設テントや仮設建物内等) まとめ 野積みや簡易的な屋根の下で在庫品や貨物を保管することは、自然災害や盗難による損害発生のリスクが大変高くなります。上記一覧表の通り、財産保険や運送保険ではこのような保管状況における事故はお支払い対象外とさせていただいております。特に台風や集中豪雨による洪水や水濡れ事故が多発する季節です。在庫品や貨物の保管につきましては、十分に事故発生防止策をご検討下さい。