第4回 サービスマーケティング論 サービス消費の3ステージ・モデル(2) 接遇ステージ
第4回 サービスマーケティング論 サービス消費の3ステージ・モデル 購入前ステージ 接遇ステージ 購入後ステージ 2012
サービス購入の意思決定 購入前ステージ
購入前ステージ サービスの評価は難しい 知覚リスクを低減させる属性 探索属性 経験属性 信頼属性 購入前ステージにおいて顧客期待が形成
サービス組織と顧客のコンタクト 接遇ステージ
サービス・エンカウンター サービス・エンカウンターとは顧客がサービス提供側と直接コンタクトを持つ場面 真実の瞬間 顧客とサービス提供組織の関係が決定づけられる瞬間 ※ 本授業では「接遇」という意味で使用
真実の瞬間 もとは、闘牛における言葉 闘牛士が牛にとどめをさす一瞬 顧客とサービス組織の関係が決定づけられてしまう瞬間 第4回 サービスマーケティング論 真実の瞬間 もとは、闘牛における言葉 闘牛士が牛にとどめをさす一瞬 顧客とサービス組織の関係が決定づけられてしまう瞬間 真実の瞬間には顧客とサービス提供者しか存在しない サービス提供者と顧客が出会うことでサービス提供プロセスが誕生する リチャード・ノーマンは闘牛で使われる「真実の瞬間」という言葉で顧客とサービス組織との接点の重要性を表現した。 もとは、闘牛における言葉 闘牛士が牛にとどめをさす一瞬をさす 顧客とサービス組織の関係が決定づけられてしまう瞬間 サービス品質は「真実の瞬間」に決まる。そこには顧客とサービス提供者しか存在しない。サービス提供側の技術やモチベーションおよびサービス手段と、顧客の期待や行動が出会うことでサービス提供プロセスが誕生するのである。 2012
コンタクト・レベルの違い 「サービスの4カテゴリ」ごとにサービス提供組織と顧客間の接触の程度は異なる 第4回 サービスマーケティング論 コンタクト・レベルの違い 「サービスの4カテゴリ」ごとにサービス提供組織と顧客間の接触の程度は異なる 「モノ(設備)」とのコンタクトを重視するか、「ヒト(スタッフ)」とのコンタクトを重視するか 銀行サービスを例とすると窓口・電話・インターネットではコンタクトレベルが異なる サービス組織と顧客との接触のレベルは多様 2012
顧客とサービス組織の接触レベル 高 「モノ」との接触を重視 高級レストラン 航空サービス 窓口による銀行サービス ファーストフード店 第4回 サービスマーケティング論 顧客とサービス組織の接触レベル 高 「モノ」との接触を重視 高級レストラン 航空サービス 窓口による銀行サービス ファーストフード店 特別養護施設 美容院 四つ星ホテル 「ヒト」との接触を重視 クリーニング店 映画館 地下鉄 経営コンサルティング 電話による銀行取引 車の修理 インターネット・バンキング 郵送による修理サービス インターネットによるサービス 保険 ケーブル・テレビ 低 ハイ・コンタクト・サービス ミディアム・コンタクト・サービス ロー・コンタクト・サービス 2012
ハイ・コンタクト・サービス 顧客はサービスが提供される間、継続してサービス組織と接触を持つ サービス提供の場は「サービス工場」 第4回 サービスマーケティング論 ハイ・コンタクト・サービス 顧客はサービスが提供される間、継続してサービス組織と接触を持つ サービス提供の場は「サービス工場」 多くの場合「ヒト」を対象 サービス提供プロセスでサービス組織を評価する要素に接触することが多い ハイ・コンタクト・サービスでは顧客はサービスを提供される間、継続してサービス組織と接触を持つ 顧客はサービス提供者から直接具体的なサービスを受け、サービス施設を訪れてサービスを受ける際には「サービス工場」に入ることとなる。 「モノ」よりも「ヒト」をサービス対象としていることが多く、物理的環境だけでなく、サービス・スタッフとの関わり方も顧客に印象深いものとすることが重要である。 顧客はサービス提供プロセスでサービス組織を評価するきっかけとなる要素に接することが多い。 2012
ロー・コンタクト・サービス 直接接触を持たないか、持ったとしても極めて限定的 物的チャネル、オンライン・チャネルを使って接触 顧客がセルフ・サービスを行う
サーバクション・システム サービス業とはマーケティングとオペレーションと顧客自身が作り出すシステム 第4回 サービスマーケティング論 サーバクション・システム サービス業とはマーケティングとオペレーションと顧客自身が作り出すシステム Service+Productionを組み合わせた造語 有形要素、サービス・スタッフ、他の顧客、顧客自身により成立 サービス・オペレーション サービス提供システム その他の接触ポイント ピエール・エグリエとエリック・ランジュアール 「サービス業とはマーケティングとオペレーションと顧客自身が作り出すシステムである」 サービス・オペレーション インプットからサービスプロダクトが生まれるという考え サービス提供システム サービスプロダクトの最終的な組み立て作業実施するプロセス 他の顧客がいる場合が多い その他の接触ポイント 広告、請求書、市場調査など 2012
サービス・オペレーション 見える要素 見えない要素 スタッフ 設備や機器 裏方のスタッフ システム 第4回 サービスマーケティング論 請求・注文・帳簿 ハイ・コンタクト・サービスでは「見える要素」がかなり多くなる 2012
サービス提供システム いつ・どこで・どのように顧客にサービスを提供するかが重要 「見える要素」とともに顧客とのかかわりあいも含まれる 第4回 サービスマーケティング論 サービス提供システム いつ・どこで・どのように顧客にサービスを提供するかが重要 「見える要素」とともに顧客とのかかわりあいも含まれる ロー・コンタクト・サービスでは 「サービス工場」を目にすることはない 電話のつながりやすさや担当者の声や態度を評価 ハイ・コンタクト・サービスでは劇場のライブ ロー・コンタクト・サービスではテレビやDVD 2012
その他の接触ポイント サービス提供システム以外にサービスに対する印象を左右するもの 広告 営業部門によるコミュニケーション 第4回 サービスマーケティング論 その他の接触ポイント サービス提供システム以外にサービスに対する印象を左右するもの 広告 営業部門によるコミュニケーション サービス・スタッフによる連絡(手紙・電話) 請求書 報道・論評 くちコミ 市場調査 2012
サービス・マーケティング・システム サービス・マーケティング・システムの要素 サービスは経験的な製品 第4回 サービスマーケティング論 サービス・マーケティング・システム サービス・マーケティング・システムの要素 顧客に見える要素 サービス提供システム その他の接触ポイント サービスは経験的な製品 様々な要素からサービスの特定や品質を認識 一貫性が欠けると信頼性が低下 サービス・マーケティング・システム 顧客に見える要素 サービス提供システム その他の接触ポイント 2012
サービス・マーケティング・システム (ハイ・コンタクト・サービス) サービス提供システム 他の顧客 その他の 接触ポイント 技術的コア 施設の外観・ 内装 広告 請求書・文書 メール・電話 ウェブ・サイト スタッフとの 偶然の接触 くちコミ 顧客 機器 サービス・ スタッフ 見えない要素 見える要素 サービス・オペレーション・システム
サービス・マーケティング・システム (ロー・コンタクト・サービス) サービス提供システム その他の 接触ポイント 技術的コア 郵便 広告 請求書・文書 メール・電話 ウェブ・サイト スタッフとの偶然の接触 くちコミ 顧客 セルフ・ サービス機器 電話 ウェブサイト 見えない要素 見える要素 サービス・オペレーション・システム
役割 経験やコミュニケーションを通じて体験する一連の行動パターンであり、最大の効果を上げるための社会における一人ひとりの行動である 第4回 サービスマーケティング論 役割 経験やコミュニケーションを通じて体験する一連の行動パターンであり、最大の効果を上げるための社会における一人ひとりの行動である 特定の場所や状況での行動指針となるもの サービス提供時ではスタッフと顧客にはそれぞれ役割がある 役割を十分果たせるかが顧客満足度やサービスの生産性に影響する 2012
台本 あらかじめ決められた行動手順 サービス・スタッフと顧客はその通りに行動しなくてはならない 第4回 サービスマーケティング論 台本 あらかじめ決められた行動手順 サービス・スタッフと顧客はその通りに行動しなくてはならない サービス・スタッフは訓練を受ける 顧客は経験やスタッフからの説明、他の顧客とのコミュニケーションを通じて手順を学ぶ 台本は厳密に決められたものもあれば柔軟に変更できるものもある 細部にわたり詳細に決めた台本がある場合がある 柔軟な対応を必要とする場合は顧客に合わせて随時変更 2012
芝居に例えた説明 サービス施設が「舞台」 移動に伴い、「幕」が変わる 設備、機器、調度品は「小道具」「舞台装置」 第4回 サービスマーケティング論 芝居に例えた説明 サービス施設が「舞台」 移動に伴い、「幕」が変わる 設備、機器、調度品は「小道具」「舞台装置」 サービス手順が「台本」と「演出」 他の客が「共演者」であり「観客」 サービス・スタッフは「役者」 その他のスタッフは「裏方」 医療・教育・レストランなどのハイ・コンタクト・サービスとエンターテイメント、スポーツ、病院などで特に役立つ 2012
顧客が参加することの影響 顧客が共同生産者であるため、「最高のサービス成果」を上げるためには顧客の行動が重要な要因 情報提供が重要な要因 新たなサービスであれば、多様なメディアを利用 セルフ・サービス機器においては、多言語対応、音声によるスタッフからのアドバイスなど 他の顧客からのアドバイス 情報を提供する場合は本物に近い情報を提供
第4回 サービスマーケティング論 サービスの評価 購入後ステージ 2012
購入後ステージ 成果の評価を行うステージ 期待と成果の比較 今後のサービス利用について検討 満足・不満・歓喜 第3回 サービス・マーケティング論 購入後ステージ 成果の評価を行うステージ 期待と成果の比較 今後のサービス利用について検討 満足・不満・歓喜 2012