ここまでのまとめ 基本方程式 基本方程式に対しスケールアナリシスの“心眼”を使って どの項を無視し、どの項を残すのかを決めてあげる、

Slides:



Advertisements
Similar presentations
Absolute Orientation. Absolute Orientation の問題 二つの座標系の間における剛体 (rigid body) 変換を復元す る問題である。 例えば: 2 台のステレオカメラから得られた3次元情報の間の関 係を推定する問題。 2 台のステレオカメラから得られた3次元情報の間の関.
Advertisements

ケルビン波( Kelvin Wave ) 境界が無い場合、回転を感じる重力波(慣性重力波)の 最大振動周期は慣性周期であった。つまり、慣性周期 以上の時間スケールを持つ重力波は、 “ 境界が無い場合 ” には存在しない。 “ 境界があれば ” 、どうなるのであろう か? 境界があれば、慣性周期以上の時間スケールを持つ重力.
海洋流体力学 2014 海洋流体力学とは、海洋に関する流体力学。本講義では、 海洋のみならず、大気も含めた地球流体力学について学ぶ。 Fluid Dynamics( 流体力学 ) Geophysical Fluid Dynamics (地球流体力学) 目標 海洋・大気大循環のイメージを描けるようにする。
ヤマセ海域の SST 変動と 海洋内部構造の関係 ー2011年の事例解析ー 理工学部 地球環境学科 気象学研究室 4 年 08 S 4025 佐々木 実紀.
熊野灘海流予測システム開発 進捗状況報告 (株)三菱総合研究所. 熊野灘海流予測システム 内容 – 熊野灘で作業中である、地球深部探査船「ち きゅう」のために海流予測を行う 黒潮の変動を数キロメートルのオーダーで予測 –JCOPE をネスティング » 日本近海 1/36 度モデル(同化あり)
不安定論(波の共鳴) 大気大循環 特に中緯度の高低気圧の発生 傾圧不安定とフェレル循環 人工衛星データの見方 流れの不安定論 担当:島田浩二 9 号館 501
1 運動方程式の例2:重力. 2 x 軸、 y 軸、 z 軸方向の単位ベクトル(長さ1)。 x y z O 基本ベクトルの復習 もし軸が動かない場合は、座標で書くと、 参考:動く電車の中で基本ベクトルを考える場合は、 基本ベクトルは時間の関数になるので、 時間で微分して0にならない場合がある。
海洋流体力学(地球流体力学) 担当:島田 予習復習用教材置き場:   
電磁気学C Electromagnetics C 7/27講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
自己重力多体系の 1次元シミュレーション 物理学科4年 宇宙物理学研究室  丸山典宏.
・力のモーメント ・角運動量 ・力のモーメントと角運動量の関係
伝達事項 皆さんに数学と物理の全国統一テストを受けても らいましたが、この時の試験をまた受けていただ きます。
復習.
コリオリ力の復習資料 見延 庄士郎(海洋気候物理学研究室)
確率・統計Ⅰ 第11回 i.i.d.の和と大数の法則 ここです! 確率論とは 確率変数、確率分布 確率変数の独立性 / 確率変数の平均
Korteweg-de Vries 方程式のソリトン解に関する考察
スペクトル法による数値計算の原理 -一次元線形・非線形移流問題の場合-
数楽(微分方程式を使おう!) ~第5章 ラプラス変換と総仕上げ~
成層圏突然昇温の 再現実験に向けて 佐伯 拓郎 神戸大学 理学部 地球惑星科学科 4 回生 地球および惑星大気科学研究室.
大阪工業大学 情報科学部 情報システム学科 宇宙物理研究室 B 木村悠哉
渦位(Potential Vorticity)と角運動量の保存
次に 円筒座標系で、 速度ベクトルと加速度ベクトルを 求める.
5.アンテナの基礎 線状アンテナからの電波の放射 アンテナの諸定数
酒井哲郎:海岸工学入門,森北出版 第3章(pp.27-36)
風成海洋大循環 (準地衡流渦位方程式+エクマン層の力学)
伝達事項 試験は6/6 (土) 1限目の予定です。.
電磁気学C Electromagnetics C 7/13講義分 電磁波の電気双極子放射 山田 博仁.
流体のラグランジアンカオスとカオス混合 1.ラグランジアンカオス 定常流や時間周期流のような層流の下での流体の微小部分のカオス的運動
川崎浩司:沿岸域工学,コロナ社 第4章(pp.58-68)
通信情報システム専攻 津田研究室 M1 佐藤陽介
2.伝送線路の基礎 2.1 分布定数線路 2.1.1 伝送線路と分布定数線路 集中定数回路:fが低い場合に適用
原子核物理学 第4講 原子核の液滴模型.
物理学セミナー 2004 May20 林田 清 ・ 常深 博.
ロスビー波( Rossby wave) 渦度 (vorticity) 順圧非発散流(絶対渦度の保存) ポテンシャル渦度(渦位)
第1章  開水路の等流(Uniform flow of open channel)
中越沖地震で発生した 津波のシミュレーション  環境・建設系 犬飼 直之 助教.
分布定数回路(伝送線路)とは 電圧(電界)、電流(磁界)は回路内の位置に依存 立体回路 TE, TM波
横磁化成分と歳差運動 M0 横磁化Mxy 回転座標系 90°RFパルスにより、縦磁化成分Moはxy平面に倒れる(横磁化生成)
電磁気学C Electromagnetics C 5/28講義分 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
中性子干渉実験 2008/3/10 A4SB2068 鈴木 善明.
YT2003 論文紹介 荻原弘尭.
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 6/30講義分 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
川崎浩司:沿岸域工学,コロナ社 第2章(pp.12-22)
電磁気学C Electromagnetics C 7/17講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
物理学Ⅰ - 第 11 回 - 前回のまとめ 回転軸の方向が変化しない運動 回転運動のエネルギーとその応用 剛体の回転運動の方程式
渦位(Potential Vorticity)と角運動量の保存
2009年秋の北極海ラジオゾンデ観測によって観測された 大気の順圧不安定とメソ渦列
4章 開水路における不等流(2) 漸変流 4-1漸変流とは ① 断面形状や底面形状が緩やかに変わる流れ。
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 8/4講義分 電気双極子による電磁波の放射 山田 博仁.
連続体とは 連続体(continuum) 密度*が連続関数として定義できる場合
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 6/9講義分 電磁場の波動方程式 山田 博仁.
流氷運動の数値予測における氷の初速度の算定法について
平面波 ・・・ 平面状に一様な電磁界が一群となって伝搬する波
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 8/11講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
2.3 津波の基礎.
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
川崎浩司:沿岸域工学,コロナ社 第4章(pp.58-68)
河川工学 -洪水流(洪水波の伝播)- 昼間コース 選択一群 2単位 朝位
宇 宙 その進化.
潮流によって形成される海底境界層の不安定とその混合効果
落下水膜の振動特性に関する実験的研究 3m 理工学研究科   中村 亮.
ラジオゾンデで観測された 千島列島周辺の 激しいSST勾配が駆動する大気循環
ヤマセ海域のSST変動と 海洋内部構造の関係 ー2011年の事例解析ー
大阪工業大学 情報科学部 情報システム学科 学生番号 B02-014 伊藤 誠
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
電磁気学C Electromagnetics C 5/20講義分 電磁場の波動方程式 山田 博仁.
卒論中間発表 2001/12/21 赤道の波動力学の基礎 北海道大学理学部 地球科学科 4年 山田 由貴子.
波動力学 不安定論(波の共鳴) 大気大循環 特に中緯度の高低気圧の発生 傾圧不安定とフェレル循環 人工衛星データの見方 流れの不安定論
電磁気学C Electromagnetics C 7/10講義分 電気双極子による電磁波の放射 山田 博仁.
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 6/7講義分 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
Presentation transcript:

ここまでのまとめ 基本方程式 基本方程式に対しスケールアナリシスの“心眼”を使って どの項を無視し、どの項を残すのかを決めてあげる、 すると、見たい現象を記述できる方程式になる。

ちょっとだけコリオリ力の復習 運動の軌跡 ある瞬間の速度 コリオリ力 コリオリ項を右辺に持ってゆく さらに、ラグランジュ形式で記述 v>0、即ち、北向きの速度であれば、 東向き流速uが増加する 東向き作用する力になっている。 流れの進行方向に対して右手方向に動かす力になっている。 コリオリ・シュート! コリオリ力

地衡流 浅水方程式近似 したときの地衡流 (後ろの浅水近似 を参照) 時間スケールTが大きく、 空間スケールLが大きいこと 具体的には、 慣性周期よりも長く、慣性周期の間に流体が進む距離よりも大きなスケールを対象とする場合の近似になっている 条件:

慣性振動  地衡流について考えたとき、時間変化項、移流項は小さいとして「無視」していた。「無視」の意味を考えよう。例えば、宇宙から地球を眺めるとしよう。地球を巡る雲の動きから大規模な風のパターンが分かるだろう。しかし、ビルの谷間に吹く風は認知できない。「認知できないこと」=「無視」である。大局的には、ビルの谷間の風が、大気大循環に大きな影響を及ぼすことはない。  しかし、ビルの谷間の風もなんとか分かるし、大規模な風も感じ取れるような微妙なスケールではどうなるのだろう? 時間微分項が無視できるかどうかは、 の大小関係で決まっており、

とエイヤと判断し、方程式を単純化してバランスのエッセンスを取り出した。  ぐらいのときにどうなるのだろう? どれの項も無視できないじゃないかと考えるだろう。こんな時は、物事を2つに分けて考える。どう考えるのかと言うと、    などの変数を地衡流バランスしている成分と、していない成分に分けるのである。 gの付いているものは、地衡流バランスしている成分であり、 iのついていつものは、地衡流バランスしていない成分である。 ここで、地衡流バランスする圧力pgが支配的で、piは無視できる(認知できない)とすれば、

変形すると、 これを地衡流以外の式に代入すると、 となる。この微分方程式の解は、 これは、よくみると、 等速円運動になっている! 等速円運動になっている!  回転台でボール転がしをしている動画を思い出してほしい。回転台に乗ってみれば、円運動していたよね。しかし、回転台の外から見ると単なる直線運動だった。これは、等速直線運動(慣性の法則:ニュートンの第一法則)を自転する地球に乗った人が見ていることに他ならない。コリオリ力が加わっているのに加速しない!ニュートンの第二法則(F=m×α)に反する! おかしい or 不思議だと思うでしょう。これは意味深で、加速しないからコリオリ力は見かけの力なのです。

孫の手 2階微分項と微分しない項があり、微分しない項の係数がプラスの場合、振動方程式になる。 三角関数は2階微分すると符号が変わる! 一般的には、微分の階の差が2であるとき、 三角関数解(振動)になる。

実際の 観測例1 (海洋) 北極海: 北緯74.5度 西経158度 水深138m の流速 ★ 138m深の流速; 黒:東西流速、灰:南北流速 2002年10月 平均流を差し引いた流速 ★ 生の流速 地衡流

実際の観測例2(海氷)2003年8月16日~21日 慣性振動は流体でなくとも起こる。 海氷の場合、圧力勾配は掛からない。 従って、慣性振動は、“隣接する氷が押し合いへし合いしていなければ(自由に動ければ)”必ず起こる。 u0, v0 (u-u0 ), (v-v0) u, v + = 11.1km 11.5km

夏(2003年8月16日~21日) 慣性振動あり 冬(2003年1月19日~20日) 慣性振動なし 2003年8月16日 の海氷密接度

慣性振動のまとめ(カラクリ) コリオリ力だけを考えると、どのような運動をするのか考えてみよう! 初速度が与えられたあと、圧力勾配が無いような場合 圧力勾配項をカット! uだけの方程式、 vだけの方程式 にする 振動方程式 慣性振動の解(等速円運動)

温度風の式(地衡流の変形) 地衡流の式 静水圧近似 温度風の式 ある深さの流速が分かっている場合、密度の空間分布が分かれば、 流速場は分かるという意味。CTD観測により水温、塩分を計測し、 密度を求めれば、流速計を使わずに流れが求められる。

温度風関係式の導出の補足 テイラー展開

密度一様の浅水方程式

浅水(水平運動)方程式 右辺に現れるηは、水平位置(x,y)の関数であり、鉛直方向の位置には 関係しない。海面の盛り上がりだから、深さなんて関係しないよね。 だから、左辺は深さには関係なく成立。よって、zで微分している左辺の項はカット! 浅水(水平運動)方程式

浅水連続方程式 浅水(水平運動)方程式

浅水方程式の線形近似

線形化された浅水方程式 なんやら、すごくシンプルな方程式になった。 水の“波”は、波高(水面の凸凹)が伝わる現象であるから、 波高を表すηだけの方程式にしてあげて、ηの振る舞い (解)を調べればよい。 次のページから、慣れ親しんでいる“水の波”(表面重力波) について考える。

(2)海水の密度が一様であるとしたとき、流れの鉛直構造ははどうなるか? 浅水近似したときの地衡流の式 ⇒2点の水位差から流れが求められる 演習問題  ベーリング海峡はf=1.32×10-4(北緯65度)、重力加速度は9.8m/s2とする。 (1)ベーリング海峡は南北に開いた海峡で、北米大陸沿岸の水位はユーラシア大陸沿岸の水位よりも20cm高い。ベーリング海峡の幅が100kmであるとき、海峡を流れる流速を求めなさい。 (2)海水の密度が一様であるとしたとき、流れの鉛直構造ははどうなるか?  (3)ベーリング海峡の水深が一様で40mであるとすると、そのとき、ベーリング海峡を通過する流量を求めなさい。1Sv=106m3/sとする。スベルドラップは偉大なる海洋物理学者。

非回転系の重力波(f=0の場合) 波動方程式 波動方程式の解 振動数と波数の関係 位相速度 (非分散:cは波数k, lに依存しない)

重力波の伝播と収束・発散

回転系の重力波(慣性重力波) 波動方程式 波動方程式の解 振動数と波数の関係 位相速度 (分散性:cは波数k, lに依存)

回転系重力波(慣性重力波)の解法の詳細 クセもの 次のページで 代入する ④

慣性重力波の方程式 (非回転系の重力波の方程式)

27.614度 30.000度 74.465度 85.765度

バレンツ海での水温・塩分断面 Arctic Ocean Atlas for Winter Period (1948—1993年の平均値) M2臨界緯度74.465付近で塩分断面に ドーム状(凸状)構造が見える。 M2潮汐と慣性振動の共鳴で海水運動 が強化され、混合が促進されている。 この断面 M2臨界緯度

演習問題 【1】津波Ⅰ

大洋の平均水深を船で観測しなくとも分かるだよ。 (1) 津波の伝播速度を導出しなさい。 (2) チリで地震が発生してから23時間45分後(85500秒後)に九州に津波が到来した。重力加速度(g)は10m/s2であるとし、震源地と九州間の水深が一定としたとき、その水深を求めなさい。 大洋の平均水深を船で観測しなくとも分かるだよ。 実際には、海の水深は分かっているから、どこかで地震が発生したする。地震波は海洋波よりも早く、即座にキャッチできる。その後の海洋波(津波)がいつ来るかも、自分で分かる。 チリから九州までの距離は 17100km であるとする。

演習問題 【2】 津波Ⅱ A B (1) 日本海中部地震の津波到来時刻の等値線を見るとその間隔は一定ではないことに気づく。A領域では何故、津波到達時刻が遅くなっている。また、B領域では到着時刻の等時線の間隔が込んでいる。何故かについても述べよ。 (2) 日本海北部の日本海盆の水深は約3500mであることが読み取れる。一方、山陰沿岸域の水深は500mよりも浅いことは分かるが詳細は読み取ることができない。山陰沿岸域では等時線の間隔が日本海盆と比較して1/4になっている。浅水重力波の性質を利用して山陰沿岸域の水深を求めなさい。

近年は、人工衛星で海面の凹凸を観測できるようになった 演習問題【3】地衡流Ⅰ 近年は、人工衛星で海面の凹凸を観測できるようになった 暖水塊 半径70km, 水位差30cm (1)A地点とB地点は140km離れており、水位の差は120cmである。水位の空間変化は一定としてA-B地点間の流速を求めなさい。コリオリパラメータfは北緯33度での値、 2Ωsin(33°)=7.9215×10-5を使いなさい。 (2)三陸沖で観測された暖水塊の流速を求めなさい。コリオリパラメータfは北緯40度での値 2Ωsin(40°)=9.349×10-5を使いなさい。 A地点 η=10cm B地点 η= 130cm

船底に取り付けた多層音響式流向流速系(ADCP)で計測した流速 η=10cm B地点 η= 130cm

演習問題【4】地衡流Ⅱ 下図は、2011年1月から2012年1月までの北半球対流圏上部(~約12km上空)の東西風速を示したものである。横軸は月、縦軸は緯度である。青色系は東向きの風(西風)、赤色系は西向きの風(東風)に対応する。中緯度帯の西風(偏西風)が最も強くなるのは1~2月であることが分かる。その理由について説明しなさい。図を描いて説明してよい。

演習問題【5】津波Ⅲ 下表は、2011年3月11日に発生した津波の第一波の到達時刻と地震発生から到達時間を示したものである。津波のように、慣性周期よりも非常に短い時間で海面変位が生じるとき、コリオリ力は無視できる。以下の問いに答えなさい。 (1)館山市布良から横須賀までの距離が50kmで、水深が一定であるとしたとき、その水深を求めなさい。 (2)横浜と東京晴海の間の距離は25kmで水深は20mであるとき、東京晴海に津波の第一波が到達する時刻を求めなさい。 都道府県 津波観測点名 第一波 第一波が到達 するまでの時間 (分) 始まり 日 時 分 千葉県 館山市布良 11 15 24 38 神奈川県 横須賀 54 68 横浜 16 10 84 東京都 東京晴海  11  ? ? 

演習問題【6】総合 浅水近似、線形近似が可能で、密度が一様な海の場合、水平運動方程式、連続方程式は以下のように表される。ここで、fはコリオリパラメータ、u,v,,wはそれぞれ水平流速の東西成分、南北成分、鉛直成分で、ηは海面変位であり、海底から平均海面までの高さをHとする。以下の問いに答えなさい。

(1) 回転の影響が無視できるための条件を示し、そのときの水平運動方程式を示しなさい。 (2) ③式から、海面変位ηの時間変化を表す式を導出し、海面変位が起こる理由について説明しなさい。 (3) (1)および(2)で導出した式より、波動方程式を導き、重力波の伝播速度を求めなさい。 (4) 地衡流(地衡風)の関係式を示し、地衡流(地衡風)が成立するための条件を、説明しなさい。 (5) 津軽海峡において、本州側の水位は北海道側の水位よりも0.5m高く、水位の傾斜度は一定であった。海峡の幅が100kmであるとき、海流は地衡流であるとし、その速度を求めなさい。但し、海水の密度は一定で、コリオリ・パラメータfは1.0×10-4 s-1、重力加速度gは10.0m/s2であるとする。