ワーク・ライフ・バランスの実現と 働き方改革 ~WLB5ヵ年プログラムと取り組みの進捗について~

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第 15 章ケース紹介 どらみ 1. 目次 ワークライフバランスの概要 事例紹介 2 ワーク・ライフ・バランス( WLB )とは 3 個人の働き方や企業の制度を見直すことで、 ワークとライフを共に充実 → 個人も企業も HAPPY !! 個人の働き方や企業の制度を見直すことで、 ワークとライフを共に充実.
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ワーク・ライフ・バランスの実現と 働き方改革 ~WLB5ヵ年プログラムと取り組みの進捗について~ 電機連合静岡地方協議会  第9期第1回男女参画委員会 ワーク・ライフ・バランスの実現と 働き方改革 ~WLB5ヵ年プログラムと取り組みの進捗について~ 2010年11月 電機連合 労協・法規政策部

21世紀生活ビジョン ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラム プログラムの進捗と今後の課題について

21世紀生活ビジョン

ワーク・ライフ・バランスをとりまく環境変化 高度経済成長から成熟へ ⇒モノの豊かさから、ココロの豊かさへ 生活意識の変化  ⇒価値観とライフスタイルの多様化 ビジネス環境の変化 ⇒長時間労働による心身の負荷の増大 少子化の進展 ⇒次世代育成・男女共生への意識の高まり 高齢化と労働力人口の減少 ⇒高齢者・女性の就業機会拡大の必要性 「こころ豊かな生活」と「仕事」との調和への必要性

時間外労働からみる 仕事と生活時間のバランスの満足度 時間外労働時間が仕事と家庭の生活のバランス(時間配分)の満足度に大きく影響を与えている。 資料出所:電機連合「仕事と家庭の生活の調和に関する調査」(2006年)

ワーク・ライフ・バランスの理想と現実 A.仕事のため の時間 現実 理想 C.自分のための時間 社会とかかわる ための時間 B.家庭のため   の時間 理想 現実 C.自分のための時間   社会とかかわる      ための時間 B.家庭のため   の時間 資料出所:電機連合「21世紀生活ビジョン研究報告書」

ライフステージから見たワーク・ライフ・バランス 現在の働き方 ワーク・ライフ・バランスの実現 資料出所:電機連合「21世紀生活ビジョン研究報告書」

電機連合が考えるワーク・ライフ・バランス 1人ひとりが自らの望む生き方とライフスタイルを自覚し、 家族・職場・企業・地域を含む周 囲との調和をはかりつつ、 自らのライフスタイルと両立し得 るワークスタイルを・・・ 人生全般にわたって 築くこと

ワーク・ライフ・バランス実現のために ワーク・ライフ・バランス の実現 選択可能で多様な働き方を支援する政策制度(国・地方) 実現のためのインフラ整備 (適正な労働時間管理、トータルなシステム構築) 労働者の意識改革、社会的なコンセンサスの確立、 企業による積極的な取り組みの推進 選択可能で多様な働き方を支援する政策制度(国・地方) 選択可能で多様な社内制度の構築 資料出所:電機連合「21世紀生活ビジョン研究報告書」 ワーク・ライフ・バランスの実現には、1段階に社会的なコンセンサスの確立、2段階に実現のためのインフラ整備、3段階に企業内の制度や法整備があるべきだが、現実は、制度整備が先行し、制度を活用する(活用させる)労働者の意識や企業風土、社会的コンセンサスがないがために、制度の活用が進まない現実がある。 (例)男性の育児休暇の取得、女性就労のM字カーブの解消、正規雇用者の長時間労働など

ワーク・ライフ・バランス 5ヵ年プログラム

ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラムの 位置づけ 「第3次労働時間政策」4つの生活目標 (2006年1月 第92回中央委員会確立) <4つの生活目標> ①ウィークデーの就業後を豊かに過ごすことができる生活 ②週末の休日に充実した時間を過ごすことのできる生活 ③1年の中で長期休暇をとることのできる生活 ④生涯を通じて充実した時間を過ごすことのできる生活 21世紀生活ビジョン アクションプログラム ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラム ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた労働時間対策指針

ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラムの策定 <電機連合が考えるワーク・ライフ・バランス> 1人ひとりが自らの望む生き方とライフスタイルを自覚し、家族・職場・ 企業・地域を含む周囲との調和をはかりつつ、自らのライフスタイル と両立し得るワークスタイルを人生全般にわたって築くこと アクション・プログラム(2007~2011年度) ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラム 具体的項目 (1)総実労働時間の短縮(労働時間、休日、休暇) (2)多様な働き方 (3)両立支援(次世代育成支援、介護支援) (4)キャリア開発支援 (5)社会・地域貢献

ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラムの目標 職場・社会の実態 長時間労働 の解消 (1)時間外労働時間の増大、年休取得の減少により総実労働時間が増加 (2)「働き過ぎで疲れが翌日に残る」「仕事が厳しく常に健康不安を感じる」など長時間労働による心身の健康面に対する不安が増加 (3)「家族と過ごす時間」の満足について、時間外労働が増加するほど不満度合いが高くなる傾向 少子高齢化 への対応 (1)女性の多くが出産を機に退職 (2)仕事を続けている女性は、出産や育児による休職がキャリアの中断にならないかなどが気がかりで出産をためらうケースもある (3)高年齢者雇用安定法により高齢者の就労が増加 人口減少社会 従業員一人ひとりが自らのキャリアを高め、激しいグローバル競争の中で勝ち残る強い企業体質を作りだすことが求められている 企業・労働組合の 社会的責任 の深化 企業は法令・社会的規範の順守のみならず、幅広いCSR(企業の社会的責任)が求められている

~参考:電機連合の第2次男女平等政策~ 2001年7月:雇用の場において「男女が共に職業人であり、かつ家庭人 2001年7月:雇用の場において「男女が共に職業人であり、かつ家庭人           として仕事と家庭の調和や両立がはかられてこそ、ゆとり・         豊かさを実感できる社会の実現につながる。」との視点で、         男女平等政策を策定。 2007年7月:取り組みの評価と課題、取り巻く環境の変化を踏まえ「雇用の場」         だけでなく「社会全体」を視野に入れた第2次男女平等政策を策定    2010年   :地協における男女平等政策に関する活動指針を策定 <具体的取り組み項目> 1.改正均等法(2007年4月施行)の職場への定着 2.ポジティブ・アクションの推進3.次世代育成支援への取り組み4.介護支援の取り組み5.母性保護および職業生活全般を通じて健康に過ごすために6.セクシュアルハラスメント防止への取り組み7.政策制度の実現に向けた取り組み 8.労働組合活動における女性の参画 〇 男女があらゆる場において平等に参画できる社会をめざします。 〇 職場における機会均等および積極的な格差改善をめざします。 〇 仕事と家庭の調和が図られ、健康でいきいきと働ける労働環境をめざします。 〇 ゆとりと豊かさを実感できる人間味あふれる社会をめざします。  男女平等政策の理念

ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラム概要図 5ヵ年プログラムの特徴 もっぱら闘争時の要求により制度化を図ってきたこれまでの労使関係から一歩踏み出し、電機産業・企業の継続的発展や組合員・従業員の能力発揮を念頭におき、働き方や生き方について論議を行う労使関係を構築し、労使協創でプログラムを推進する。 ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラム概要図 5ヵ年プログラム項目の整備と 制度を利用しやすい職場風土の醸成 「電機連合統一闘争課題」の取り組み 「政策・制度課題」への取り組み 「到達目標水準」の設定

単組の取り組み 1.制度を活用しやすい職場風土作りと意識改革 2.多様な働き方の実現に向けた各種制度の整備 取り組み 具体的な取り組み 総実労働時間の短縮 総実労働時間1,800時間程度の達成をめざし、電機連合の指針に基づき時間外労働の削減、休日・休暇制度の拡充や年休の取得促進を図る 多様な働き方 ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた組合員ニーズの把握に努め、ニーズにあった多様な働き方(裁量労働制、フレックスタイム勤務制、在宅勤務、サテライト・オフィス勤務、短時間正社員制度など)の整備に取り組む 次世代育成支援 電機連合労協指標に沿って、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画への反映を図り推進する 職場風土・意識改革 日常活動を通じ、年休取得、時間外削減や各種制度が利用しやすい職場風土の醸成、組合員・管理職(非組合員)の意識改革の取り組みを行う

電機連合統一闘争課題の取り組み 未到達組合の到達闘争の課題 電機連合のワーク・ライフ・バランスの実現にむけ、産業横断的に制度整備が必要な項目については、電機連合統一闘争として取り組む。 取り組み 時期 考え方 StepM 未到達組合の到達闘争の課題 (1)総実労働時間の短縮   例:1日の所定労働時間を7時間45分とする、完全週休2日制、勤続1年以上者全員に20日以上の年次有給休暇の付与、年休と多目的特別休暇の合計で1人平均25日とするなど (2)両立支援   例:配偶者出産休暇や子を望む組合員への支援の制度化など Step1 早急に実現する課題  キャリア開発支援や社会・地域貢献のための短時間勤務 Step2 要求にあたって具体的検討を要する課題  連続休暇制度の制度化、子ども家族看護休暇の拡充、配偶者の転勤を事由とする休暇・休職制度、キャリア開発支援や社会・地域貢献のための休暇・休職 Step3 実現に向けた研究を要する課題  配偶者の転勤、キャリア開発支援、社会・地域貢献のための再雇用制度

政策・制度課題 <その他> ①在宅勤務を可能とするインフラの整備や、ワーク・ライフ・バランスを推進する企業に対する税制優遇措置 項目 電機連合の取り組み 時間外・ 休日・休暇・ 連続休暇制度 時間外労働の削減 数値目標を掲げた実効ある措置の法制化 休日制度 - 休暇制度(年休付与) 「20日以上の年休付与」「年休+多目的休暇で25日」の法改正 連続休暇の制度化 秋季休暇など連続休暇の設定を法制化 次世代育成支援 子ども・家族看護休暇 「対象者を子どもから、子ども以外の家族も含めたものへの拡大」 「看護者一人につき年5日」の法制化 配偶者出産休暇 5日間の配偶者出産休暇の法制化 子を望む組合員への 支援 「不妊治療のための休暇・休職制度の整備」「不妊治療のための 金銭的援助(助成金の増額や健康保険適用とすることなど)」 両立支援 育児短時間勤務の拡充 期間の延長(小学校3年生までの法定化) 介護休職・短時間勤務の 拡充 分割可能で期間1年間の法定化 社会保障 給付保障 産前・産後休業、育児・介護休業の所得保障を実質100%とする 支援制度 キャリア開発支援 キャリア開発を理由とした退職者の再雇用制度の整備 社会・地域貢献支援 社会・地域貢献を理由とした退職者の再雇用制度の整備 <その他> ①在宅勤務を可能とするインフラの整備や、ワーク・ライフ・バランスを推進する企業に対する税制優遇措置 ②保育施設や公的介護施設の充実などの社会インフラの整備 ③北欧のパパクォータ制度などを研究し、必要に応じて法制化の取り組みを行う

2011年度までに、総実労働時間を1800時間程度に短縮 総実労働時間の短縮 【電機連合到達目標水準】 総実労働時間1800時間程度の実現を目指す 「到達目標水準」を設定 項  目 電機連合平均値 (2005年度実態) 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 総実労働時間 2062.9時間 2005時間 1967時間 1929時間 1907時間 1884時間 時間外労働時間 289.4時間 240時間 210時間 180時間 165時間 150時間 年休等取得時間 115.5時間 (14.9日) 124時間 (16日) 132時間 (17日) 140時間 (18日) 147時間 (19日) 155時間 (20日) 2011年度までに、総実労働時間を1800時間程度に短縮

ECOワークの推進 「ECOワーク」 「効率的な働き方=economyワーク」の推進 「地球環境にやさしい働き方=ecologyワーク」 ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラムの推進 にあたって、働き方改革に取組むためのコンセプト 「ECOワーク」 「効率的な働き方=economyワーク」の推進 「地球環境にやさしい働き方=ecologyワーク」 を実現 ECOワークデイの設置(一斉定時退社・消灯や、労使巡回パトロールetc)、周知・浸透を図るためのキャンペーンや 組織討議などを実施

ワーク・ライフ・バランス 5ヵ年プログラムの進捗について 電機労働者の生活実態と ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラムの進捗状況について

年間総実労働時間・年間所定労働時間の推移 2008年のリーマンショック以降、総実労働時間も大幅に減少。 資料出所:電機連合「労働時間関係調査」(2010年)

年間所定外労働時間・年休取得時間の推移 年間所定外労働時間の増減が総実労働時間の短縮に影響を与えている。 資料出所:電機連合「労働時間関係調査」(2010年)

年休取得日数の推移 資料出所:電機連合「労働時間関係調査」(2010年)

時間外労働時間の実態(男性・年齢別・時間) 10年実績は、08年との比較では減少しているが09年からは増加傾向。 資料出所:電機連合「生活実態調査」(2010年)

体力・メンタル面の不安と時間外労働 労働時間の長さが、生活のゆとりだけでなく組合員の健康をも脅かしている。 資料出所:電機連合「生活実態調査」(2010年)

この1年間の職場の変化 時間外労働の抑制策などが行われ、働き方改革が進んだという意見がある一方で、全く変化無しという声も2割あり。 資料出所:電機連合「生活実態調査」(2010年)

仕事と生活のバランス 労働時間は大幅に減少している中でも、まだ半数近くの人が「仕事と家庭のバランスが取れていない」と感じている 【仕事と生活のバランスがうまくとれているか】 労働時間は大幅に減少している中でも、まだ半数近くの人が「仕事と家庭のバランスが取れていない」と感じている 資料出所:電機連合「生活実態調査」(2010年)

男女平等の視点~育児休職制度の整備~ 【直加盟組合の育児休職取得者数推移】 育児休業制度については、到達指標以上の制度整備を行っている組合が2割いる一方、法定に留まる組合も2割弱存在している。 男性の育児休業取得者数も徐々に増加。 資料出所:電機連合「母性保護および仕事と家庭の両立支援        に関する調査結果」(2010年)

日常の家事や育児の状況(性別) 日常の家事や育児については、男性の場合「手伝う程度」が8割強、女性は「自分が主に行う」場合が7割。 資料出所:電機連合「生活実態調査」(2010年)

働き方・役割分担意識別に見てみると・・・ 役割分担意識は高くても【手伝う程度】の男性が多数。 資料出所:電機連合「生活実態調査」(2010年)

2010年闘争における WLB5ヵ年プログラム 到達状況 2010年闘争における WLB5ヵ年プログラム 到達状況

2010年闘争における WLB5ヵ年プログラム 到達状況 2010年闘争における WLB5ヵ年プログラム 到達状況

ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラム ~電機連合到達目標水準の達成状況~ 2008年の世界同時不況の影響もあり、総実労働時間自体は大きく減少し、目標水準に近づきつつある。 しかし、政策委員組合の実態値をみると徐々に増加傾向。

ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラム 取り組みの課題 ■プログラム策定時との環境の変化 ■産別統一闘争の取り組みについて ■政策・制度課題の取り組みについて 秋季組織強化期間の取り組みとして「ワーク・ ライフ・バランス5ヵ年プログラム」の課題・検証に ついての組織討議を実施・集計し、見直しの方向 性について検討を行う