日本郵政の現状と今後 田邉 藤山
郵政民営化について 郵政民営化とは日本郵便公社にて一体に運営されていた郵便、郵便貯金、簡易生命保険の3事業を国営化から民営化することである。そして2007年10月に日本郵政公社が民営化され、持ち株会社である日本郵政株式会社と、その下に日本郵便、郵便局、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の4つの株式会社が発足した。
郵政民営化について メリット 経済の活性化 サービスの増加 デメリット 過疎地のサービス低下 他の民間企業を圧迫する
郵便事業会社の損失をゆうちょ、かんぽの金融2社が稼いでいる。そして金融2社はグループ全体の9割以上の利益を稼いでいる。 郵政民営化の目的 。 しかし ゆうちょ・かんぽ共に上場はなされておらず、暗黙の政府保証がついたままということである。そのため、リスクをとった運用ができず現在もゆうちょは資産の7割を国債で運用している。新規事業への参入も政府保証が残っていることから民業圧迫の懸念があり、思い切った参入はなされていない!! ①資金の流れを「官から民」へ 民営化により、郵貯・簡保を上場して政府が保有する株式を全て売却すれば、「暗黙の政府保証」もなくなり、他の金融機関との競争条件の対等化が達成され、市場の監視による経営改善も行われる。 ②郵政事業の収益性拡大 民営化により、政府保証を無くすことでリスクをとった運用の多様化を可能にし、運用収益を増大させる。また、政府保証をなくすことで新規事業への参入を民業の圧迫をせずに行うことができる。 郵便事業会社の損失をゆうちょ、かんぽの金融2社が稼いでいる。そして金融2社はグループ全体の9割以上の利益を稼いでいる。
日本郵政グループの現状 ◇日本郵便 郵便市場は縮小傾向!! 郵便物と荷物に分けて見ると、郵便物は減少し続けている。一方、荷物(小包)は、ゆうメールの料金引下げやサービス改善等に伴い、拡大している。ただし、増加率は鈍化しつつある。
最終的にゆうパックがペリカン便を吸収する形での統合となり、平成22年度に損失を計上することとなった!! 日本郵政グループの現状 ◇日本郵便 ゆうパックとペリカン便の統合 最終的にゆうパックがペリカン便を吸収する形での統合となり、平成22年度に損失を計上することとなった!!
日本郵政グループの現状 ◇ゆうちょ銀行 ゆうちょ銀行は国内最大の 預貯金残高!
ゆうちょ銀行の資産運用は依然として国債の割合が大きいものの国債保有額は減少。国債による運用は、安定性に優れる半面、収益力は乏しいのが特徴。 日本郵政グループの現状 ◇ゆうちょ銀行 ゆうちょ銀行の資産運用は依然として国債の割合が大きいものの国債保有額は減少。国債による運用は、安定性に優れる半面、収益力は乏しいのが特徴。
平成22年度末12月末時点の国債発行残高のうち約3 割を金融2 社が保有している。
かんぽ生命の総資産最大手である日本生命の総資産の2 倍近くを有している。ただし、総資産は平成13 年度から 日本郵政グループの現状 ◇かんぽ生命 かんぽ生命の総資産最大手である日本生命の総資産の2 倍近くを有している。ただし、総資産は平成13 年度から 一貫して減少を続けている。 新規事業参入の必要性が 高まっている!! 主力商品の養老保険は少子高齢化の進展によるニーズの減少という問題も抱えている。一方、第三分野保険の市場は拡大しているが、新規事業参入ができず、総資産、保有契約件数等の減少傾向が続いている。
論点:日本郵政の今後