光エネルギ・太陽電池 原理 と 現状 平成19年度 エネルギー変換工学 第4回 2007S04 亀山 尊寛 2007S12辻 和弥

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新エネルギー ~住みよい日本へ~ E 山下 潤.
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光エネルギ・太陽電池 原理 と 現状 平成19年度 エネルギー変換工学 第4回 2007S04 亀山 尊寛 2007S12辻 和弥 平成19年度 エネルギー変換工学 第4回  光エネルギ・太陽電池 原理 と 現状 2007S04 亀山 尊寛 2007S12辻 和弥  監修 木下 祥次

光 電磁波 電波(長波、短波、FM波など) 光(赤外線、可視光線、紫外線) X線・γ線 *可視光の波長は380~800nm

光エネルギー h : プランク定数 E : エネルギー ν : 振動数 c : 光の速さ λ : 波長

太陽 ・放射線は殆どが大気で遮断。 ・有害な紫外線も成層圏のオゾン層で90%以上がカット。 ・可視光線、赤外光も、大気圏中での反射・散乱・吸収などによって平均4割強が減衰。

太陽光

光エネルギー 地球上でのすべての出来事は光エネルギーが 熱に変わる過程におこってる。 エネルギーは光として地球に入る。光合成により有機物(化学エネルギー)に変えられ生物の活動に使われる他、一部は化石エネルギーとなるが最終的には熱となり宇宙に逃げていく。地球上でのすべての出来事は光エネルギーが熱に変わる過程におこっています。 地球上でのすべての出来事は光エネルギーが 熱に変わる過程におこってる。

光エネルギーから電気へ 太陽熱発電・・・・・光→電気 火力発電・・・・・・・光→光合成→化石燃料→熱→電気 水力発電・・・・・・・光→位置エネルギー→電気 波力発電・・・・・・・光→運動エネルギー(風、波)→電気 海洋温度差発電・光→熱(地表と深海の温度差)→電気 太陽光発電・・・・・光→電気

問1 太陽光が太陽から放たれて地上に到達するまでの時間を求めよ。 1天文単位(太陽から地球までの平均的距離): 1.49597870691×10^11 m

問2 世界の年間消費エネルギーは地球に達する太陽エネルギーを すべてエネルギーとして使えた場合、どれくらいの時間で賄えるか。 世界の年間消費エネルギー(2003年):4.44318×10^17[J] 1[kcal]=4.184[J]

問3 電波  光  マイクロ波 光触媒 電子レンジ アンテナ 化学エネルギー 熱エネルギー 電気エネルギー ・

問 問1:約500秒 問2:約44分 問3 電波 光 マイクロ波 ・ ・ 光触媒 電子レンジ アンテナ ・ ・ 化学エネルギー 熱エネルギー 電波  光  マイクロ波 ・ ・ 光触媒 電子レンジ アンテナ ・ ・ 化学エネルギー 熱エネルギー 電気エネルギー

宇宙太陽発電 太陽 太陽光 レーザ 人工衛星ソーラーパネル 地球 原子力発電1基分の電力に相当

参考文献 NEDO海外レポート NO.995, 2007.2.21【太陽エネルギー特集】世界の太陽エネルギー利用への取組状況http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/995/995-01.pdf 資源エネルギー庁 http://www.enecho.meti.go.jp/index.htm エネルギー問題                    http://digarc.pd.saga-u.ac.jp/sin-kyozai/kankyou/energy.html#0200 サイバーキャンパス「鷹山」               http://syllabus-pub.yz.yamagata-u.ac.jp/amenity/Splash.asp Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8 太陽光発電協会 http://www.jpea.gr.jp/index.html 環境問題を考える http://env01.cool.ne.jp/

太陽電池

太陽電池とは 光起電力効果を利用して 光エネルギーを直接電力に変換する 電力デバイス 膜厚による分類 動作原理による分類 PN接合型 バルク太陽電池 PN接合型 薄膜太陽電池 色素増感型

厚さ:10μm未満 基板に原料を堆積させて作る ◎薄い・量産可能・安価 ×変換効率が悪い ⇒太陽電池としてはこちらの方が実用的 バルク状結晶をスライス加工した厚い板状の半導体を使用 ◎変換効率:30~40% ×基板やプロセスコストが高い ⇒宇宙用途・集光動作が中心 バルク太陽電池 厚さ:10μm未満 基板に原料を堆積させて作る ◎薄い・量産可能・安価 ×変換効率が悪い ⇒太陽電池としてはこちらの方が実用的 薄膜太陽電池

◎現在の主流 ◎原材料が多種 ◎変換効率が高い ◎半導体のオフグレード品 から作製可 PN接合型 ×シリコン不足 ×材料が高い 色素増感型 ◎製造が簡単 ◎材料が安価 ◎着色・軽量可 ◎Si系に比べコストが  1割~数割程度(将来) ×変換効率が低い ×寿命が短い 色素増感型

動作原理: PN接合型

動作原理: 色素増感型

太陽電池の等価回路 抵抗を無視した太陽電池の暗電流 Io :逆方向飽和電流 q:電気素量 V:電圧 Rs:直列抵抗 n:理想ダイオード因子 Rsh:並列抵抗 k:ボルツマン定数 T:温度 抵抗成分を含めた太陽電池の 光照射時の電流-電圧特性

太陽電池の電圧-電流特性 曲線因子 変換効率 Imax:最大出力点における電流 Vmax:最大出力点における電圧 Voc:開放電圧 Isc:短絡電流 Pmax:最大出力点 曲線因子 変換効率

なぜ太陽電池が 新エネルギー源として注目されるか

太陽から供給されるエネルギー量 1.2×105 [TW/sec] 出典:パリティ 10月号

190 年産100MW生産の場合・・・ ①結晶Si: 12 ②アモルファスSi: 6 ③CdTe: 8 石油による火力発電: 製造時に発生するCO2排出原単位 年産100MW生産の場合・・・ ①結晶Si: 12 ②アモルファスSi: 6 ③CdTe: 8 石油による火力発電: ※単位はg-C/kwh ※2004年のデータ 190

太陽電池のメリット 光エネルギーが資源として無尽蔵 エネルギーの自給率を向上させる 建築物の屋根や壁面を利用して、専用の土地を用意せずに設置できる。 需要地に近接して設置できるため、送電コストが低くできる。 非常用電源として利用できる。 可搬式または移動体用の電源としても利用できる。

太陽電池のデメリット エネルギーの変換効率が悪い =発電コストが高い 設置には大面積が必要となる 発電量が天候に左右される  =発電コストが高い 設置には大面積が必要となる 発電量が天候に左右される 夜間は発電できない

太陽電池の主なタイプと特徴 長所 短所 主な開発メーカー アモルファス型(フィルム基板) 曲がる 変換効率が低い 富士電機 軽い 比較的少ない光でも発電できる アモルファス型(ガラス基板) 省資源  変換効率が低い 三菱重工 生産時の消費エネルギーが少ない カネカ 多結晶シリコン型 量産性に優れる  材料不足で 製造コストが高い シャープ 信頼性が高い 京セラ 三洋電機 化合物半導体型 変換効率が高い  有害物質を含むもの ホンダ  がある 昭和シェル石油

最大の研究課題 安価な物質から高い変換効率を達成すること 安価(簡単)な製造プロセスであること 太陽電池による電気エネルギーを 大幅に安くする

現在の主流:シリコン(Si) 半導体産業の盛り上がりで高騰&品薄 安価な物質から太陽電池を作る 現在の主流:シリコン(Si) 半導体産業の盛り上がりで高騰&品薄 たくさんある材料を使って作ろう 色素増感型太陽電池 有機薄膜型太陽電池    ・・・etc

多接合型太陽電池 特徴 高い変換効率を得る ◎太陽光のエネルギーをより 無駄なく利用する ◎材料の組み合わせによって  無駄なく利用する ◎材料の組み合わせによって  温度特性や必要な資源量を削  減するなどの効果も得られる

太陽電池関連事業の現状

太陽光発電開発ロードマップbyNEDO 年間生産 2020年 1000万KW 2030年 1億KW 2050年 10億KW 2005年 全発電電力のうち 太陽光発電の占める割合:0.0036% 年間生産 2020年 1000万KW 2030年 1億KW 2050年 10億KW

ここ最近日本の太陽電池産業は不振?? 太陽電池の世界シェア 出典: 10月18日付 日刊工業新聞

『曲げられる太陽電池増産』 (アモルファスシリコン太陽電池) 富士電機システムズ 『曲げられる太陽電池増産』 (アモルファスシリコン太陽電池) 富士電機システムズ 370億円投じ熊本に新工場 長所 折り曲げ可能 →設置場所の拡大 厚さ1mm 1m2あたり1kg 短所 発電効率が低い 2007年10月4日 日経新聞

『南信州おひさまファンド』!! NPO法人 おひさま進歩エネルギー 市民ファンド in 長野県飯田市 『環境保護に貢献したい!』 しかし 設備費・維持費 敷地・管理・・・etc ボランティア精神だけでは 限界が・・・

太陽光発電事業 おひさま進歩エネルギー【営業者】 出資対象の営業 一口10万円 A号 出資者 初期投資 維持運営費 太陽光発電事業 元本+損益分配 一口50万円 ESCO事業 B号 出資者 事業収入 元本+損益分配

海水中の総マグネシウム資源量:1800兆トン(石油:5万年分) 太陽光レーザーが拓く マグネシウム社会 リサイクル施設へ 酸化マグネシウム 酸化マグネシウム 酸化マグネシウム 回収 マグネシウムエンジン や燃料電池による 発電 太陽光励起レーザーの 2万℃の超高温で 酸化マグネシウムを マグネシウムに転換 レーザー光線 消費地へ マグネシウム 消費地へ マグネシウムリサイクル施設 マグネシウム 淡水化・ マグネシウムの精錬プラント 淡水 砂漠で農作物を生産 海水からの マグネシウム 海水中の総マグネシウム資源量:1800兆トン(石油:5万年分)

まとめ ◎世界的に太陽電池に対する期待が高まっている ◎太陽電池の流通を促進させるためには 製造コストの低価格化が必要不可欠  製造コストの低価格化が必要不可欠 ◎太陽電池設置には面積を要するため  町や都市全体の協力体制が必要 ◎クリーンエネルギーに対して  太陽電池以外にもさまざまな方向から  アプローチがかかっている

参考文献 パリティ 10月号 日経サイエンス 10月号 日刊工業新聞 10月18日付 電気新聞 10月17日付 日経新聞 10月4日、22日 パリティ  10月号 日経サイエンス  10月号 日刊工業新聞   10月18日付 電気新聞 10月17日付 日経新聞     10月4日、22日 Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki おひさま進歩エネルギー http://www.ohisama-fund.jp/index.html

参考資料1 種類別変換効率 実験室での最高値 熱力学的な限界 31% 25% 10% 3% 32% 66% 28% 41% 42% 単接合 参考資料1   種類別変換効率 実験室での最高値 熱力学的な限界 単接合 31% シリコン(結晶) 25% シリコン(ナノ結晶) 10% ヒ化ガリウム 色素増感 有機物 3% 多接合 32% 66% 集光太陽光(単接合) 28% 41% キャリヤー倍増 42%