「公共交通機関等における ベビーカー利用に関する協議会」 に参画して ~子育て当事者の立場から~ 国土交通省 NPO法人びーのびーの 白石 智子
協議会設置の背景 公共交通機関や公共施設等のバリアフリー化の進化に伴い、ベビーカーの利用者にとって利用しやすい環境となってきているが、ベビーカーを一層利用しやすくするための環境整備が求められている 今後さらにベビーカー利用者の利便性・安全性を向上させるためには、施設の整備に加えて、ベビーカー利用者のマナー向上とともにベビーカーの利用者の理解や協力が不可欠である ベビーカーの利用しやすい環境づくりに向けて (1)ベビーカー利用に配慮する統一的なマークの作成 (2)ベビーカー利用に係る※ルールの策定 (3)その他ベビーカー利用に関する必要な事項 ※「ルール」は後に「おねがい」という言い回しに変更
構成員 この中で ベビーカー利用者である当事者は たった1名 ■学識経験者・・・3名 ■交通事業者団体等・・・11名 ■行政機関・・・8名 ■その他・・・2名 ■子育て等関連団体・・・5名 この中で ベビーカー利用者である当事者は たった1名 学識経験者の先生方はベビーカー利用に関する意識調査やその国際比較を調査し、発表。日本はベビーカー利用に際して意識の低さが浮き彫りになる。 ベビーカー利用に際してのトラブルや苦情は都市部に集中。ハード面、ソフト面双方の対策が求められると考えるもハード面は議論の対象外とされる・・・
委員会開催スケジュールや協議会等での取組 4回の協議会と5回のWGを開催 ベビーカー安全対策等についての勉強会 NHK情報番組朝イチ収録 マスコミに注目されるようになったものの・・・ バスにおけるベビーカー利用時の 安全性実証プレ試験の実施
国土交通省 ホットステーションに寄せられた意見 ベビーカー利用者 一般利用者 ・ベビーカー利用者のマナーを向上させることが先決 ・ベビーカーを畳むのは絶対に無理 ・ベビーカーを畳ませるより専用ス ペースを ・公共の乗り物を利用する場合は抱っこひもで ・ルールの設定は母親の視点で ・今のベビーカーは大きくて邪魔 ・お互いの理解をより深めるような啓発が不可欠 ・公共交通機関でのベビーカー利用推進はおかしい ・もっと子育てしやすい環境づくりを ・女性専用車にベビーカー優先指定をまとめるべき
公共交通機関等におけるベビーカー利用に係る主な論点 ①「理解」に係る論点 ・お互いに思いやりの気持ちを持つべきといった双方の配慮を求める意見がある。 公共交通機関等において、ベビーカー利用者及び一般利用者双方の「理解」の不足を解消するため、ベビーカー利用に係る普及・啓発を図ることが必要である。
②「安全性」に係る論点 ・ベビーカーによるエスカレーターの利用時に転倒する、車両等へ乗車する際にホームと車両の間にベビーカーの車輪が挟まる等、公共交通機関等をベビーカーで利用する際に生じる危険性に対処できない ・エレベーター等の設備や車両等の構造、一般的なベビーカーの形状等を踏まえ、公共交通機関等を安全に利用するための「ルール」を定め、普及していく必要がある
③「競合」に係る論点 ・エレベーターや車両等のスペースが充分でない場合に、ベビーカー利用者と周囲の一般利用者との間で競合が生じることが要因と考えられる。特に、複数のベビーカーが集中した際に、より事態が深刻となる。 ・高齢者、障がい者等と競合した場合において、どちらが優先されるのかについての議論がある。 ・様々な利用者による適切な譲合いを促す方策として、「ベビーカー優先スペース」を明確にし、その普及を推進する ・「ベビーカー優先スペース」については「ルール」として明確化しその普及を図るとともに、視覚的に明示するための「マーク」を掲示することも必要と考えられる。また、スペースについて車いす等とどちらが優先ということではなくお互い状況をみて譲り合い、お互い協力して使用する事が望ましいと考えられる。
「ベビーカーの安全な使用」 に関するポスター
「ベビーカー利用への理解・配慮」 に関するポスター
■4種類の案から2種類に絞り込み、理解度試験・視認性試験を実施 最終的に上記マークに決定となる。 ■今後、JIS化の手続きにはいり必要な作業を進め、公式なベビーマークとして 決定されることとなる。
国土交通大臣に報告しました
駅や電車でポスターやマークを見たことがない・・・ 今後の課題とは・・・ ・5月の1か月間、集中取組期間として、各事業者や建築物でキャンペーンを実施。営業所や車両、空港ビル等ポスター掲示やチラシ配布を実施 ・関連団体では子育てイベントなどでポスターの掲示やチラシ配布 駅や電車でポスターやマークを見たことがない・・・ キャンペーンていつやってたの? より多くの当事者・一般利用者に普及・啓発するためには?
取り組んでいること、取り組みたいこと ■協議会主催のキャンペーンの開催 ■子育て応援缶バッジの作成 ■缶バッジ普及啓発と共に 地域でキャンペーン実施 ■横浜市福祉のまちづくりとの連携 ※もっと子育てをしやすくなる形を子育て中のみんなで考え一緒に作っていく当事者グループ「こうほく net ほいっぷ」。この当事者グループは子育て家庭が外出時に声をかけやすくなる環境づくりを目指し、「子育て応援隊」缶バッジを作成