平成20年度小・中学校教育課程研究協議会 総 則(小学校) 福島県教育委員会.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1 課題の洗い出し. 2 1.本日の日程 ①開会の挨拶 日程説明 ( 5 分) ②自己点検 ( 10分) ③情報モラル指導の必要性(プレゼン) (20分 ) ④課題の洗い出し ( 10分) ⑤全体計画についての協議Ⅰ (15 分) ⑥全体計画についての協議Ⅱ (20 分) ⑦全体計画についての協議Ⅲ.
Advertisements

キー・コンピテンシーと生きる 力 キー・コンピテンシー – 社会・文化的,技術的道具を相互作用的に活用する力 – 自律的に行動する力 – 社会的に異質な集団で交流する力 生きる力 – 基礎・基本を確実に身に付け,いかに社会が変化しようと, 自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考え, 主体的に判断 し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力.
1.情報教育について 2 情報教育. 情報教育とは 児童生徒が自ら考え、 主体的に判断・表現・行動 児童生徒は主体的に学ぶ 「情報活用能力」を育成する教育.
生 活 科 (小) 福島県教育委員会 平成20年度小・中学校教育課程研究協議 会. Ⅰ 改訂の要点 1 学年の目標の改善 (1) 目標 (3) を加え、四つに増やした。 (2) 文言を加え、一人一人の児童に育 つことを期待する認識を明確にした。 ① 目標 (1) 「地域のよさに気付き」 ② 目標 (2)
熱海市教育振興基本計画 1.子どもの力を伸ばす教育の推進 2.学校・教職員の力を高め、安全・安心な 教育環境の整備 3.子どもの未来を応援する教育環境の整備 2.学校・教職員の力を高めます 3.みんなで子どもの未来を応援します 4.生涯学習を支えます 4.循環型生涯学習社会の整備 1.子どもの力を伸ばします.
平成21年度小学校外国語活動中核教員研修 小学校外国語活動基本理念 ~新学習指導要領等について~
平成19年度 「長崎県国語力向上プラン」 地区別研修会
日本の教育改革と総合的な学習の時間         広島大学 難波博孝.
平成19年度長崎県国語力向上プラン地区別研修会
教育の情報化に関する手引のポイント 平成21年6月 平成21年度情報教育担当者研修
5 情報モラル教育 4.道徳や各教科等における  情報モラル.
日本の英語教育 c 奥田波奈.
学力調査の結果概要 A区分問題(知識) B区分問題(活用) 小学校国語 小学校算数 中学校国語 中学校数学
平成25年校務分掌表 校長 教頭 職員会議 運営委員会 総務部 教務部 教科部 専門部Ⅰ部 専門部Ⅱ部 学年部 各委員会 4組 3組 2組
子どもが主役となる明るく元気な学級づくり
徳島の子どもの学力向上及び 生活習慣・学習習慣等の改善をめざして
総合的な学習の時間     はじめるにあたって….
総 合 的 な 学 習 の 時 間 ふるさと教育が生きる時間に! 本校の特色ある活動 子供たちが楽し 「チャレンジ・タイム」
大分県教育庁佐伯教育事務所 学校改革担当指導主事 有田千香
富山大学教育学部 附属教育実践総合センター 助教授 小川 亮
マイクロティーチング 演習 指導案作成 模擬授業発表
教職院 ナッキョン 奈良市高畑町 得意: 授業での「つかみ」
新しい学習指導要領 特別支援学校学習指導要領改訂、 移行措置等について
      特別支援学校 高等部学習指導要領 聴覚障害教育について.
PT、OT、ST等の外部専門家を活用した指導方法等の改善に関する実践研究事業(新規) 平成20年度予算額(案) 42,790千円              
聴覚障害者教育について 徳島県教育委員会.
日本の高校における英語の授業は英語でがベストか?
教育課程研究集会資料 新学習指導要領の手引(保健体育科) 徳島県立総合教育センター .
自立して未来に挑戦する子の育成 ふるさと村雲を基盤に 【学校教育目標】 篠山市立村雲小学校スクールプラン
第1回 英語教育推進委員会 資料 平成24年5月30日 福井県国際交流会館 1.
平成26年度 鶴ヶ島市立新町小学校グランドデザイン めざす学校像 一人ひとりが輝き、確かな学力が獲得できる学校
特別支援学校高等部 学習指導要領の改訂について
平成21年度 特別支援学校新教育課程中央説明会 (病弱教育部会).
子どもたちが発達段階に応じて獲得することが望ましい事柄
やまなしの教育振興プラン 山梨県教育委員会.
大分県立宇佐支援学校 グランドデザイン (平成28年度版)
薩摩川内市小中一貫教育特区 (連携型) 平成18年4月~平成20年3月
H28学校経営ビジョン めざす教師像 安全・安心な環境づくり・学校づくり 地域 家庭 めざす学校像 授業づくりチーム 生活づくりチーム
平成20年度小・中学校教育課程研究協議会 国 語 科 (中) 福島県教育委員会.
「新しい学習指導要領」実施にかかる留意点
情報科教育法第3回 普通教科「情報」の構成 理学部数学科 清 水 克 彦.
<校訓> つよく・あかるく・たくましく 【目指す宇佐支援学校の児童生徒像】
教育課程研究集会資料 新学習指導要領の手引(総則・中) 徳島県立総合教育センター .
基礎看護の授業を通して思考力,判断力,表現力,技能を育成する指導方法の工夫改善についての研究
新学習指導要領説明会 技術・家庭(技術分野) 内容の数が2から4へ  ・改善の基本方針  ・内容の解説  ・指導計画の作成.
地域・社会貢献をするために人として必要な資質
校内研修プログラム 研修1 ~外国語教育についての理解を深める~
教育課程研究集会資料 小学校における外国語活動について 平成21年1月5日 徳島県立総合教育センター.
小中連携を進めるために! 外国語教育における 三つのステップと大切にしたいこと 岐阜県教育委員会 学校支援課
 小学校外国語活動で    大切にしたいこと(指導の重点編) 岐阜県教育委員会 学校支援課.
平成19年度地域教育フォーラムin京都   第5分科会 「学力向上アクションプラン」     ~洛西方式Ⅱ~  京都市立洛西中学校 2007,7,31.
思考力・判断力・表現力等の育成に向けて 平成20年12月26日 徳島県立総合教育センター.
平成29年度 WPI新規拠点公募のポイント (採択数・支援規模・ホスト機関の要件 等) (研究領域) (ミッション) (その他) 1
第60回 北海道小学校長会教育研究 宗谷・稚内大会
中学校保健体育科 1 改訂の趣旨及び要点 新学習指導要領の趣旨を踏まえた授業づくり 改訂の基本的な考え方 目標の構成の改善 内容の構成の改善
平成29年度 埼玉県立熊谷特別支援学校グランドデザイン
平成15・16・17年度 田辺市教育委員会指定研究校 『情報化社会を生きる児童の育成』
平成31(2019)年度 ○○○立○○小学校 学力向上プラン(例)
新しい学習指導要領 小学校学習指導要領改訂, 移行措置等について
「新しい学習指導要領」実施にかかる留意点
平成30年度グランドデザイン 学校の教育目標 生きる力 佐伯市立宇目緑豊小学校 ふるさとを愛し、 豊かな心と自ら学ぶ意欲をもち、
課題の洗い出し 1.
平成29年度 名古屋市立日比野中学校グランドデザイン
小中連携・一貫教育による確かな学力の育成
教育課程研究集会資料 平成20年12月26日(金) 言語活動の充実 徳島県立総合教育センター .
Kinjo-Gakuin Univ. © 2007 Motohiro HASEGAWA
2019年度 すべての教職員のための授業改善研修 本研修の背景とねらい
学校における教育の情報化の推進と校内研修の企画運営
平成20・21年度 国立教育政策研究所・教育課程研究センター指定
学習指導要領の改訂 全国連合小学校長会 会長 大橋 明.
Presentation transcript:

平成20年度小・中学校教育課程研究協議会 総 則(小学校) 福島県教育委員会

改訂の経緯 21世紀: 「知識基盤社会」の時代 ↓ 国際競争が加速 国際協力の必要性が増大 21世紀: 「知識基盤社会」の時代            ↓        国際競争が加速        国際協力の必要性が増大    確かな学力,豊かな心,健やかな体の調和を重視する「生きる力」をはぐくむことがますます重要になっている。

我が国の児童生徒の課題 ①思考力・判断力・表現力等を問う読解力や記述式問題,知識・技能を活用する問題に課題 ②読解力で成績分布の分散が拡大しており,その背景には家庭での学習時間などの学習意欲,学習習慣・生活習慣に課題 ③自分への自信の欠如や自らの将来への不安,体力の低下といった課題

教育基本法・学校教育法改正 知・徳・体のバランス(教育基本法第2条第1号) 基礎的・基本的な知識・技能,思考力・判断力・表現力等及び学習意欲を重視(学校教育法第30条第2項), 学校教育においてはこれらを調和的にはぐくむことが必要である

教育基本法(平成18年) (教育の目標) 第2条 教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。 1 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。 2 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。 

教育基本法(平成18年) (教育の目標)第2条 3 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。 4 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。 5 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

学校教育法 (普通教育の目標)第21条 (目標)第30条 ② 前項の場合においては、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。

現行学習指導要領の下での課題 (中教審答申 H.20.1.17) 1 「生きる力」の育成や必要性について、文部科学省による趣旨の周知・徹底が必ずしも十分ではなく、十分な共通理解がなされなかった。 2 子どもの自主性を尊重するあまり、教師が指導を躊躇する状況があったとの指摘 3 各教科での知識・技能の習得と総合的な学習の時間での課題解決的な学習や探究活動との間の段階的なつながりが乏しくなっている。

現行学習指導要領の下での課題 (中教審答申 H.20.1.17) 4 各教科において、知識・技能の習得とともに、観察・実験、レポート、論述といった、知識・技能を活用する学習活動を行うためには、現在の授業時数では十分ではない。 5 豊かな心や健やかな体の育成について、家庭や地域の教育力が低下したことを踏まえた対応が十分ではなかった。

学習指導要領等の改善について (中教審答申 H.20.1.17) ① 改正教育基本法等を踏まえた学習指導要領改訂 ② 「生きる力」という理念の共有 ③ 基礎的・基本的な知識・技能の習得 ④ 思考力・判断力・表現力等の育成 ⑤ 確かな学力を確立するために必要な授業時数の確保 ⑥ 学習意欲の向上や学習習慣の確立 ⑦ 豊かな心や健やかな体の育成のための指導の充実

改訂の基本方針1 ■ 教育基本法改正等で明確となった教育の理念を踏まえ「生きる力」を育成すること。 ■ 教育基本法改正等で明確となった教育の理念を踏まえ「生きる力」を育成すること。 ・「知識基盤社会」の時代において「生きる力」をはぐくむという理念はますます重要 ・ 教育基本法改正等により教育の理念が明確になるとともに学校教育法改正により学力の重要な要素が規定 今回の改訂においては、これまでの理念を継承し、教育基本法改正等を踏まえ、「生きる力」を育成

改訂の基本方針1 ■ 現行学習指導要領の理念は「生きる力」をはぐくむこと 「生きる力」とは: ○ 基礎・基本を確実に身に付け、 ■ 現行学習指導要領の理念は「生きる力」をはぐくむこと  「生きる力」とは:   ○ 基礎・基本を確実に身に付け、      いかに社会が変化しようと        自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、        主体的に判断し、行動し、        よりよく問題を解決する資質や能力、   ○ 自らを律しつつ、他人とともに協調し、      他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性   ○ たくましく生きるための健康や体力

改訂の基本方針2 ■ 知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視 ・基礎的・基本的な知識・技能の習得の重視 ■ 知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視 ・基礎的・基本的な知識・技能の習得の重視 ・観察・実験やレポートの作成,論述など知識・技能の活用を図る学習活動の充実

改訂の基本方針2 ■ 知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視 ■ 知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視 学習を通じて,その基盤となるのは言語に関する能力であり,国語科のみならず,各教科等においてその育成を重視 学習意欲を向上させ,主体的に学習に取り組む態度を養うとともに,家庭との連携を図りながら,学習習慣を確立することを重視

改訂の基本方針3 ■ 道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成 ■ 道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成 道徳の時間を要(かなめ) として学校の教育活動全体を通じて行うものである 発達の段階に応じた指導内容の重点化 体験活動の推進 道徳教育推進教師を中心に全教師が協力して道徳教育を展開 先人の伝記,自然,伝統と文化,スポーツなど児童が感動を覚える教材の開発と活用

改訂の基本方針3 ■ 道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成 低・中学年において体育の授業時数を増加 ■ 道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成 低・中学年において体育の授業時数を増加 生涯にわたって運動やスポーツを豊かに実践していくことと体力の向上に関する指導の充実を図る 心身の健康の保持増進に関する指導に加え,学校における食育の推進や安全に関する指導を総則に新たに規定

改訂の要点 (学校教育法施行規則) 現行の教科等に外国語活動を追加 国語、社会、算数、理科、体育の授業時数を6学年合わせて350時間程度増加 全体の授業時数としては、1学年で68単位時間(週2コマ相当)、2学年で70単位時間(週2コマ相当)、3~6学年で各35単位時間(週1コマ相当)増加 総合的な学習の時間は、教科の知識・技能を活用する学習活動を各教科の中で充実すること等を踏まえ、週1コマ程度縮減 特区研発:文部科学大臣の指定により実施可

総則の改善の要点 教育課程編成の一般方針① 児童に生きる力をはぐくむことを目指し、 ○ 基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得 ○ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくむ ○ 主体的に学習に取り組む態度を養う    (学習習慣の確立)

教育課程編成の一般方針② 道徳教育の一層の充実 1 道徳教育は、道徳の時間を要(かなめ) として学校の教育活動全体を通じて、児童の発達の段階を考慮して行う 2 改正教育基本法を踏まえ、道徳教育の目標として、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛し、公共の精神を尊び、他国を尊重し国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献する主体性ある日本人を育成する

教育基本法(平成18年) (教育の目標)第2条 3 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。 4 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。 5 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

教育課程編成の一般方針② 道徳教育の一層の充実 3 発達の段階を踏まえ、道徳性の育成に資する体験活動として集団宿泊活動を追加 3 発達の段階を踏まえ、道徳性の育成に資する体験活動として集団宿泊活動を追加   児童が基本的な生活習慣、社会生活上のきまりを身に付け、善悪を判断し、人間としてしてはならないことをしないようにすることなどを重視する

教育課程編成の一般方針③ ○ 体育・健康に関する指導について 食育の推進・安全に関する指導を追加 ○ 体育・健康に関する指導について  食育の推進・安全に関する指導を追加  体育科の時間はもとより、家庭科、特別活動などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努める

総則改善の要点 授業時数等の取扱い(第3の1)  各教科等や学習活動の特質に応じ効果的な場合には、夏季、冬季、学年末等の休業日の期間に授業日を設定する場合を含め、各教科等の授業を特定の期間に行うことができる

質問:総則第3の1について 「(略)ただし,各教科等や学習活動の特質に応じ効果的な場合には,夏季,冬季,学年末等の休業日の期間に授業日を設定する場合を含め,これらの授業を特定の期間に行うことができる。(略)」について、学校の判断で長期休業期間を変更してもよいと理解して良いか。

回答 長期休業期間については、学校教育法施行令において、学校の設置者が定めることになっている。本規定は長期休業期間の変更について、学校にその権限を一律に付与する趣旨ではなく、長期休業期間中に各教科等の時間をまとめて確保することができることを確認的に規定したものであり、各学校においてどのような手続きを経て長期休業期間中に授業日を設定できるようにするかは、各設置者の定めるところによることとなる。

質問:総則第3の1について 「(略)効果的な場合には,夏季,冬季,学年末等の休業日の期間に授業日を設定する場合を含め,これらの授業を特定の期間に行うことができる。(略)」について、  実施する場合は、全校一斉であることが  原則か。  また、日数の歯止め規定等はないか。

回答 学年のまとまりで実施することを前提とするものである。  また、日数についての規定はない。

総則改善の要点 授業時数等の取扱い(第3の3) 各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科等の年間授業時数を確保しつつ,児童の発達の段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮して適切に定める

質問:総則第3の3について 「各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科等の年間授業時数を確保しつつ,児童の発達の段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮して適切に定めるものとする。」について、毎朝15分の学習時間を設定し、週3回計算ドリルや新出漢字の学習や読書活動を行って、授業時数を1時間とカウントすることや、毎朝15分の授業を1時間目に組み込み60分授業とすることは可能か。

総則第3の3(中学校) (略)なお、10分間程度の短い時間を単位として特定の教科の指導を行う場合において、当該教科を担当する教師がその指導の内容の決定や指導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制が整備されているときは、その時間を当該教科の年間授業時数に含めることができる。

回答 学習指導要領の第一章総則に規定されているとおり、「児童の発達の段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮し、」教育的な配慮に基づいた判断を行った上で、そのような授業を行うことは可能である。    総則でいう「年間授業時数を確保しつつ」の意味は,あくまでも授業時数の1単位時間を45分として計算した学校教育法施行規則第51条別表第1に定める授業時数を確保するという意味であることに留意し、授業時数を確保する必要がある。また、1単位時間を弾力的に編成する際には、教科や学習活動の特質に照らして妥当かどうかの教育的配慮に基づいた判断が必要である。    また、10分間程度の短い時間を活用して生徒が自らの興味や関心に応じて選んだ図書について読書活動を実施するなど、指導計画に適切に位置付けることなく行われる活動は、授業時数外の教育活動となることは言うまでもない。

総則改善の要点 授業時数等の取扱い(第3の5) 総合的な学習の時間において体験活動を行う場合、当該学習活動により各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては、総合的な学習の時間における学習活動をもって特別活動の各行事の実施に替えることができる

質問:総則第3の5について 「総合的な学習の時間における学習活動により,特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる。」について、   学校行事の中には、総合的な学習の時間とも目標を同じくする活動がありますが、この場合、一部を総合的な学習の時間、一部を特別活動として授業時数にカウントすることは可能でしょうか。(例:体験活動の事前事後の準備活動(班決めなど)も総合的な学習の時間と考えて良いか。)

回答 本規定は、特別活動で体験活動を行ったことをもって総合的な学習の時間の代替を認めるものではない。   総合的な学習の時間と、特別活動はその目的を異にしている。総合的な学習の時間は、横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自ら課題を見付け、解決する力等を身に付けさせること、一方、特別活動は集団活動やその一環としての体験的な活動を通じて社会性や人間関係をはぐくむことを目的としている。    一方、研修旅行で訪問した先で、訪問調査などを行う場合、そのねらいが「総合的な学習の時間」に合致する場合には、当該旅行全体を特別活動としての修学旅行とするのではなく、総合的な学習の時間としての訪問調査と特別活動としての修学旅行の2つから構成することは可能である。

指導計画の作成等に当たって 配慮すべき事項 児童の言語活動の充実(第4の2(1)) 体験的・問題解決的な学習及び自主的、自発的な学習の促進(第4の2(2)) 見通しを立てたり、振り返ったりする学習活動の重視(第4の2(4)) 障害のある児童の指導(第4の2(7)) 情報教育の充実(第4の2(9))

指導計画の作成等に当たって 配慮すべき事項 ■ 児童の言語活動の充実(第4の2の(1)) 今回の改訂においては,言語活動の充実を重視している。このため,配慮事項として,各教科等の指導に当たっては,児童の思考力・判断力・表現力等をはぐくむ観点から,基礎的・基本的な知識・技能の活用を図る学習活動を重視するとともに,言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語活動の充実が必要であることを示した。

指導計画の作成等に当たって 配慮すべき事項 ■ 体験的・問題解決的な学習及び自主的、自発的な学習の促進(第4の2(2)) これからの学校教育においては,変化の激しいこれからの社会を考えたとき,また,生涯にわたる学習の基礎を培うため,基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着とともに,それらを活用して課題を解決するための思考力・判断力・表現力等の育成を重視した教育を行うことが必要であり,児童がこれらを支える知的好奇心や探究心をもって主体的に学習に取り組む態度を養うことは極めて重要である。このような資質や能力を育成するためには,体験的な学習や基礎的・基本的な知識・技能を活用した問題解決的な学習を充実する必要がある。

指導計画の作成等に当たって 配慮すべき事項 ■ 見通しを立てたり、振り返ったりする学習活動の重視(第4の2(4))  各教科等の指導に当たっては,児童が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れるように工夫することを示した。

指導計画の作成等に当たって 配慮すべき事項 ■ 障害のある児童の指導(第4の2(7)・(12)) 障害のある児童などについては,特別支援学校等の助言又は援助を活用しつつ,例えば指導についての計画又は家庭や医療,福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより,個々の児童の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うことが重要であることを示した。また,障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設けることを規定した。

指導計画の作成等に当たって 配慮すべき事項 ■ 情報教育の充実(第4の2(9)) ・ 小学校における各教科等の指導に当たっては、コンピュータで文字を入力するなどの基本的な操作や情報モラルを身に付け、適切に利用できるようにするための学習活動を充実することを示した。 ・「情報モラル」とは、「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度」である。

移行措置の概要 1 新小学校学習指導要領の規定による ○ 総則 道徳 総合的な学習の時間 特別活動 1 新小学校学習指導要領の規定による  ○ 総則 道徳 総合的な学習の時間    特別活動 2 新小学校学習指導要領の規定の一部を追加  又は適用  ○ 算数 理科

移行措置の概要 3 全部又は一部について新小学校学習指導要領の規定によることができる 3 全部又は一部について新小学校学習指導要領の規定によることができる  (現行小学校学習指導要領による場合には、新小学校学習指導要領に定める内容の一部を追加又は適用)  ○ 国語 社会 音楽

移行措置の概要 4 全部又は一部について新小学校学習指導要領の規定によることができる ○ 生活 図画工作 家庭 体育 4 全部又は一部について新小学校学習指導要領の規定によることができる  ○ 生活 図画工作 家庭 体育 5 移行期間中から教育課程に加えることができる  ○ 外国語活動

移行措置の概要 全体の授業時数  ○ 1学年: 34単位時間増加             (週1コマ相当増加)  ○ 2~6学年: 各35単位時間増加

移行措置の概要 ○ 算数・理科: 新課程の時数 ○ 総合的な学習の時間 第3学年: 10時間減 第4学年: 5時間減 ○ 算数・理科: 新課程の時数 ○ 総合的な学習の時間    第3学年: 10時間減    第4学年: 5時間減    第5・6学年: 35時間まで外国語活動に            充てることができる 

条件整備 算数・数学、理科: 補助教材等の作成・配付 小学校外国語活動: 教材(英語ノート)配付 小学校理科: 理科支援員配置 算数・数学、理科: 補助教材等の作成・配付 小学校外国語活動: 教材(英語ノート)配付 小学校理科: 理科支援員配置 中学校保健体育(武道):               施設設備の整備・研修 道徳: 教材(心のノート)改訂・作成・配付