講義科目「微生物学」での “協調演習的” な取り組み

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講義科目「微生物学」での “協調演習的” な取り組み 広島大学 特色GP・大学院GP 合同シンポジウム 2010.2.26 事例報告 「微生物学」 講義科目「微生物学」での “協調演習的” な取り組み 理学研究科 鈴木克周

講義科目「微生物学」での “協調演習的” な取り組み 講義科目「微生物学」での “協調演習的” な取り組み 構成 1 協調演習的要素を取り入れた経緯 2 実施内容と発表の様子 3 ビデオ撮影と編集上映の試み 4 受講生による評価、TAの感想

理学部での微生物学は 何を教えるべきか? 到達目標型教育プログラム「生物学」 理学部での微生物学は 何を教えるべきか? 到達目標型教育プログラム「生物学」

理学部での微生物学の状況 微生物学講義はわずか 学生実習で微生物を多く扱う 分子生物学と分子遺伝学は 微生物遺伝学が起源       微生物遺伝学が起源 殆どの学生は高等動植物に関心 微生物学の知識や技術の需要はあるが、 単純に講義しても歩留まりは低い。

生命の起源 地球の変化と微生物 酸素と生命 超生物界 (ドメイン) 各ドメイン内の系統 培養法・増殖の生理学 遺伝子記号 変異体の扱い 細胞学 生態学 生態学 遺伝学 地球の変化と微生物 分類学 生理学 発生学 生理学 生化学 酸素と生命 分子遺伝学 分類学 形態学 超生物界 (ドメイン) 植物 動物 各ドメイン内の系統 培養法・増殖の生理学 生態 遺伝子 分類 生理学 遺伝子記号 変異体の扱い 細胞 系統1 系統2 系統3 系統4 細菌 古細菌 真核生物 微生物 興味深い様々な微生物! 活躍する微生物! <自主学習して発表する>

ねらい 自主学習課題 授業で発表 人体と微生物 講義内容の補完 病気と微生物 協働作業による知識定着 環境と微生物 社会との繋がり理解   ねらい 自主学習課題 人体と微生物 病気と微生物 環境と微生物 メタン菌 産業と微生物 深部地下の微生物 etc 講義内容の補完 協働作業による知識定着 社会との繋がり理解 公衆衛生と健康 講義内容の定着 学生間の話題醸成 授業で発表

自主学習Steps 4~5名 /グループ 企画立案 資料収集 読解 発表資料作成 配布資料作成 発表練習 発表(~20分間)

課題自主学習の様子 発表準備風景ビデオ

発表の様子 (H21後期) (コンテンツの一部の許諾権制約のため、ビデオとのリンクを外してあります。) 磁性細菌 石油藻類 狂犬病ウィルス 地下深部微生物 (コンテンツの一部の許諾権制約のため、ビデオとのリンクを外してあります。) メタン菌 食品と微生物 病気と微生物 人体と微生物

平成21年度の新たな試行 (現代版 労作教育+a) ビデオ撮影と編集・上映 編集 微生物学WebCT 撮影  PC wmv化 Movie Maker (コンテンツ作成支援室) 君は編集長! 知識定着 欠席学生も学べて啓発される 発表改善 学生間の話題醸成 後輩や友人家族に (母校へ配布目論む) ねらい

受講生による評価 I H19後期 授業評価アンケート (回答者数 39名) テーマに沿って調べて発表ってのがおもしろく、ために      なった気がします。 2 学生発表により、主体的な学習を行うことができた。 講義の形式が良かった。 受動的な講義でなく、積極的に      取組むことができたように思う。 生徒にテーマ毎に調べさせ、発表するという形式はよかった。 能動的な活動ができてよかった。 班発表することで、自主的に関連した内容に取組み      やすかったことが良かった。                     <課題学習に関するもののみ抜粋>

受講生による評価 I H21後期 もみじ授業評価アンケート (回答者数 10名) 調べ学習を取り入れることにより、主体的に学習できました。 2 詳しい内容にも触れ、さらに学習意欲が高まった。 3 班ごとに微生物に関する発表は非常におもしろかった。 感想文を書いたことで、初めて微生物の本をじっくり読めて、        いい経験だった。 ノートが取りやすい 1 発表の時期についてもっと詳しく規定すべきだと思う。 班によっては時間がなく、十分なものとはいえなかった。* 2 授業を時間内におさめてほしかった。 *)発表時間の制約のため充分に聞けなかった。

受講生による評価 II H21後期 自主アンケート無記名方式 日常会話の中への話題醸成効果があった! (回答者数 28名) 発表が終わった後で同じクラスや他の友人 あるいは家族と話題になることがありましたか? 5 10 15 20 全く無い 一回あった 数回あった 人数 日常会話の中への話題醸成効果があった!

TAの感想 (H19後期)  いずれのグループも与えられたそれぞれのテーマについて自主的にインターネットや図書館にある資料などを活用して非常によく調べていた。その内容もバラエティに富んでいて、グループによって内容の傾向が基礎的なもの、医学的・工学的なものなどがあり非常に興味深かった。微生物学を受講した2年生は授業を通して自分の体内や周りの環境にいる微生物について深く学習できたように思えた。  私は微生物学のTA以外にも生物学実習のTAも担当している。生物学実習の場合は30人強の学生の実習補助を一度に担当した。質問しにくい環境なのか多くの学生は実習内容に対する質問などの会話をする機会が少なかった。微生物学のTAの場合は自主学習や発表の補助を4・5人ほどのグループごとで担当した。2年生も非常に質問や議論をしやすい環境であったため、パワーポイントの操作法等の技術的なことから調べてきた微生物についての内容でわからないこと、微生物で興味があることなどを雑談も交えながら活発に意見交換を行うことができた。2年生はよりいっそう微生物に対して興味をもったように感じられた。  講義で受動的に授業内容を先生から教わるだけでなく、このような自主的な学習によって授業内容に対する新たな興味や疑問が生まれる。さらにそれを授業で発表し、みんなで意見・討論することでよりいっそう授業内容を理解できる。以上の点でこのような授業形態は学生にとって非常に有意義だと思われる。

TAの感想 (H21後期) 比較的物静かで受動的な学生の方が多く、グループ学習を行うにあたり、やや心配な点であった。 準備開始に至るまでに時間がかかってしまった。 9・10時限の受講が増えたために、グループのメンバーが夕方に集まる時間が少なくなったことも一因と考えられる。 分担内容を決めて一旦準備に取り掛かると、各々が非常によく準備 を行い、  多くの資料を持参して助言を求めに訪れた。 他のグループが指摘された改善点等を各々が意識して準備を行うよう変化がみられ 受講者自身が理解に苦しんだ点などを、同級生に対して自分と照らし合わせて指導できる 受講者も質問や議論につながりやすいように感じた。 よい刺激を与えあう間柄になると期待している。

まとめ 講義科目「微生物学」での“協調演習的” +“労作的”な取り組みの効果は 知識定着 知識と興味拡大 積極性向上、自信獲得  講義科目「微生物学」での“協調演習的” +“労作的”な取り組みの効果は 知識定着 知識と興味拡大 積極性向上、自信獲得 学生間の話題醸成 共同作業力・創作力向上

“協調演習的”+“労作的”な  取り組みの効果

多謝 御支援 特色GP協調演習 理学部学生支援G コンテンツ作成支援室 TA 経費 Video Camera 著作権許諾作業 撮影指導 Streaming化 隅谷先生  秋元さん 村上技術長

教育室コンテンツ作成支援室利用者支援メニュー コンテンツ作成支援室は、広島大学の教職員のWebCT活用をお手伝いします! コンテンツ作成支援 授業のビデオ撮影、ビデオのWebCTへの掲載、著作権処理支援、 テストの設定、WebCT コースデザイン、教材電子化 利用者講習会 出前講習会 前期用:2月中旬〜4月末日、後期用:8月中旬〜10月末日 テクニカルサポート 電話、e-mail マニュアルなどの作成 学生支援は情報メディア教育研究センターが担当します

対象: 学部2年生 36~40名 生物学プログラム「微生物学」 シラバス 1. ガイダンス なぜ微生物を扱うか? 生物学プログラム「微生物学」 シラバス 1. ガイダンス    なぜ微生物を扱うか?             地球生命の中で微生物が占める位置 2. 生命の起源、RNAワールドとDNAワールド 3. 3つのドメイン(超生物界) 4. 地球の歴史と微生物の歴史 5. 微生物の増殖生理   温度・酸素・塩濃度・光 6. 真正細菌の系統、古細菌の系統 7. 細菌間および他生物との関わり 8. 細菌変異体の扱い方、遺伝子の表記 9.真核生物の誕生 共生起源説の証拠 10.核遺伝子と細胞質遺伝子 11.様々な真核生物の系統 12.酵母ゲノムの特徴、遺伝子の表記 13.分泌装置 14.分泌装置 15. 分泌装置 対象: 学部2年生 36~40名