常時接続環境による地域情報ネットワーク ~常時接続型地域イントラネットの構築に向けて~ ネットワーク白河 事務局長 工藤 秀男.

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常時接続環境による地域情報ネットワーク ~常時接続型地域イントラネットの構築に向けて~ ネットワーク白河 事務局長 工藤 秀男

自己紹介 氏 名 工 藤 秀 男 現 住 所 福島県白河市字搦目山43-182 本 業 自営業(システムハウス テクノ・ブレーン) 氏 名  工 藤 秀 男 現 住 所  福島県白河市字搦目山43-182 本   業  自営業(システムハウス テクノ・ブレーン) 副   業  福島県立郡山高等技術専門校講師 所属組織  ネットワーク白河(事務局長) E - m a i l  hide@srkw.or.jp Homepage  http://www.srkw.or.jp/~hide/

ネットワーク白河とは 白河LANの構成メンバーの中の有志が集い、平成9年10月に設立された任意団体。 平成9年12月には白河管内で初のOCNエコノミー(128Kbpsディジタル専用線)を契約し、独自ドメインを取得して自前のサーバを開設。 ネットワーク白河については、当会のホームページ(http://www.srkw.or.jp/)に詳しく掲載されています。 現在の会員数は31名。

白河LANとネットワーク白河の活動の足跡 現在の「白河LAN」は、平成7年12月に私が提唱し4~5名のメンバーでスタートしました。 ホームページにも載っている通り、更に遡ること8年ほど前にアマチュア無線のパケット通信で  TCP/IPプロトコルによりネットワークを構築していたものを、本物のインターネット上に再構築したものです。 #1.2Kb/sとはいえ、私たちは当時から無線により常時接続環境を享受していたのです。:-)

白河LANとネットワーク白河の活動の足跡 まもなく3年を過ぎようとしておりますが、その間に素晴らしい仲間がたくさん参加して来て・・・どんどんパワーアップし、また悲喜交々いろんな出来事がありました。 とくに去年から今年にかけての飛躍はめざましいものがあります。  ・平成9年4月 「童里夢公園なかじま・カラクリ時計序幕式」  ・平成9年5月 「ヒルアヴェinしらかわ」  ・平成9年6月 「ル・マン24時間耐久レース」 などのインターネット中継を次々とこなし、去年10月には有志により任意団体「ネットワーク白河」を設立。 12月には独自ドメインによる待望のインターネットサーバを開設するところまで漕ぎ着けました。:-)

白河LANとネットワーク白河の活動の足跡 ユーザの自主管理によるサーバという点では、大変ユニークであると自負しています。 なぜならば、我々はプロバイダさんの様々な制約を気にせず、やりたいことができる環境を手に入れたのですから。 今のところアクセスポイントを持たないため、一部の方々を除いてはプロバイダさんのダイアルアップ接続サービスを利用しなければなりません。 しかしながら、ダイアルアップによるアクセスは二次的な手段であって、常時接続こそが真の姿であるという信念を貫き、いつかはローコストで高速な常時接続環境を自ら実現して行こうというのが、私たちの理念です。      #高額の費用や通信速度の遅さを気にしなければ、常時接  #続の手段は幾らでもあるのですが・・・そこが問題なのです

白河LANとネットワーク白河の活動の足跡 軸足を「ネットワーク白河」に移して、今年8月には「鈴鹿1000Km」の中継を行いました。 そして、まだ復旧作業が続いていますが・・・先頃の8.27大雨災害のときはいち早く災害対策本部にLANを敷設し、気象データや各地の災害状況などの情報収集と対策本部からの災害速報の発信などを行いました。 災害は不幸な出来事でしたが、私たちにとって公共の福祉に僅かながらも貢献することが出来たのは大きな収穫だったと思います。   鈴鹿1000キロ:http://www.cyb-gr.co.jp/~suzuka1000/   災害速報のページ:http://www.syocyan.gr.jp/~syocyan/saigai/

「ネットワーク白河」が目指すもの ~常時接続型の地域イントラネット~     ~常時接続型の地域イントラネット~ ところで、「ネットワーク白河」はその設立の趣旨の中で以下のように詠っておりまして・・・ 会員の中からアイディアを出し合い、様々なテーマについて実験を繰り返しながら、より質の高い サービスを我々ユーザ自身が追求していくことを狙いとし、地元の企業や団体にも働きかけ、究極は「常時接続のイントラネット環境」をベースにした地域情報システムの構築に寄与します。 この常時接続環境こそがネットワーキングの真の姿であると信じて、「新生・白河LAN構想」を策定したのですが・・・当初はイエローケーブルによる有線系のネットワークで提案しようと概念図を作成して識者の意見を打診しました。

「ネットワーク白河」が目指すもの ~常時接続型の地域イントラネット~     ~常時接続型の地域イントラネット~ しかし、通信ケーブルの敷設はNTTのような第1種通信事業者でないとできないということが判り半ば諦めかけていたところ、今年7月に幕張メッセで開催されたINTEROP’98を見学した際に、2Mb/sの通信速度で1Km超の伝送距離を実現する高速無線LANシステムを見い出したのです。 無線LANは当初の計画にも一部盛り込んでありましたが、到達距離がせいぜい50~150m程度のものしかなかったので、二次的な手段として考えておりました。 しかし、無線で1Km以上の距離をブリッジできるのなら、これを主軸にしたネットワーキングも充分可能であると判断しました。 これなら、3~4ホップ(中継)で市街地全域がカバーできそうです。

「ネットワーク白河」が目指すもの ~常時接続型の地域イントラネット~     ~常時接続型の地域イントラネット~ OCNやODNなどの安価な専用線による拠点を幾つか配置して、そこを無線LANのベースにするのが現時点では得策かと思いますが、この辺りの技術的な部分は今後みんなで知恵を出し合って決めて行きたいと思います。 その後情報収集したところ、無線LAN機器を扱っている企業は多数存在し、無線LANは今後急速に広がっていくだろうという予測があることも判りました。 NTTは既に次世代無線LANシステ ムの開発に着手し、現在の携帯電話サービスのように移動体からでも接続可能なサービスを目指して、5GHz帯のスベクトラム拡散通信方式による30Mb/sのデータ伝送規格を策定したとの情報もあります。

「ネットワーク白河」が目指すもの ~常時接続型の地域イントラネット~     ~常時接続型の地域イントラネット~ また、アマチュア無線界ではPRUG(パケットラジオ・ユーザーズグループ)の有志が高速パケット通信の実験研究を進めておりまして、2.4GHz帯で数十Kmを1M/b若の通信速度でリンクすることに成功したということです。 これらの技術には企業も注目しており、低価格の市販の製品が出現するのはもはや時間の問題かも知れません。 NTTの次世代無線LANが実現するのは、5~10年先になると思われますし、おそらくサービス開始当初は高額な接続料が課金されるでしょう。 私たちが今すぐに安価に利用できるのは、小電力規格かアマチュア無線用の機材であり、選択の余地は殆どないのです。「常時接続の地域イントラネット」の実現に向けて様々な難問があると思いますが、熱意を持って説得し趣旨に賛同していただける方が増えれば、きっと実現するものと信じております。

コンピュータリテラシーの向上 ~地域住民に有益な情報満載のコンテンツ~  コンピュータリテラシーの向上  ~地域住民に有益な情報満載のコンテンツ~ 物理的なインフラ整備と並行して、そこにどんなサービスを載せていくのかを考える必要があります。 また、それを利用する立場で考えると、コンピュータに馴れていないとかコンピュータが嫌いだとかいう方のために、どうやってリテラシーを向上させて行くのかという大きな課題が残っております。 ここで重要なことは、「だからやってもダメなんだ」と後ろを向くのではなく、「だったらどうやってその壁を乗り越えようか」というアグレッシブな考え方が必要だということです。 確かにいまのインターネットは、接続するまでの初期設定だけを捉えてもとても初心者向きとは言えないものです。 更に個々のアプリケーションを動かすには、また別な知識が必要になる訳で、これらは一般市民にインターネットやコンピュータを浸透させる大きな障害になっています。

コンピュータリテラシーの向上 ~地域住民に有益な情報満載のコンテンツ~  コンピュータリテラシーの向上  ~地域住民に有益な情報満載のコンテンツ~ しかし発想を変えてみれば・・・最初は誰でも初心者だった筈で、そのスタート時点ではみなさんのスキルには殆ど差がないと思います。 では、なぜ差が出るのかと言いますと、如何に関心度が高いか或いは興味を持っているか、に懸かっているのではないかと思います。 この壁を乗り越えるには、どうやらこの辺りがキーポイントになりそうです。 もっと極端に考えれば、ネットワークを利用しないと不利な状況を作り出す(言い方を変えれば、ネットワークに有益な情報をたくさん流す)ことを為的に行っていく必要性を感じます。 そうすれば、必要性を感じて自らリテラシーを高める努力をするでしょう。  #馬に水を飲ませる例え話を思い出してください

コンピュータリテラシーの向上 ~地域住民に有益な情報満載のコンテンツ~  コンピュータリテラシーの向上  ~地域住民に有益な情報満載のコンテンツ~ 私たちのようなボランティアグループがもっとたくさん結成され、周辺の住民の方のための指導や助言に一役買うというのも必要になると思います。 そして、それらのグループが核になってネットワーク拠点を運営し、それらを相互接続したネットワークを暫時拡大していけば、やがては白河を中心とする地方全域をカバーする地域イントラネットが構築できるのではないかと考えるのであります。

長野県・安曇村CyberNetworkの例  ~無線LANによる村内ネット・ペンション経営に貢献~ 無線LANの情報を追う中で、長野県・乗鞍高原にある安曇村の 「安曇村CyberNetwork」という事例に行き当たりました。 これは某社の無線LANシステムを機軸に、OCN専用線やDA64などを有機的に組み合わせた地域イントラネットです。 村役場などにサーバを設置して、小中学校やペンション、そのたの施設を相互接続し、村内のあらゆる施設から常時接続ができる環境を整えたものです。 役場庁舎や支所間の情報ネットワークの構築をはじめ、バブル崩壊で危うくなっていたペンションの経営状態が、最近ではこのインフラを導入した効果が現れて好転したと、このシステムを構築した安曇村役場職員の岩田さんは述懐されています。   #個人的見解ですが、全て自前で実現してしまったというと   #ころに、深い共感を覚えるのであります。

長野県・安曇村CyberNetworkの例  ~無線LANによる村内ネット・ペンション経営に貢献~ 地形的に有線が引けない地域だったのが無線LAN導入のきっかけだったそうですが、コスト/パフォーマンス上の問題をも同時に解決した画期的なアイディアだと思います。 発想の原点は違っていても、その狙いどころが私たちの地域イントラネット構想にあまりにも酷似しているこの事例に注目せざるを得ません。    安曇村CyberNetwork:   http://www.icon.pref.nagano.jp/usr/azumi-v/cnr-1.html

地域イントラネットをライフライン として定着させるために          として定着させるために 単にインターネットが低廉なコストで使えるだけでは、非常にもったいないと思うのです。 このインフラが実現したら、それをどう定着させていくのかを考える必要があります。 そこで着目しているのは、老人医療・福祉システムへの利用です。 白河地方でも急速に高齢化が進む中、今後独居老人の介護という問題は大変重要なファクタになり、この点は今井白河市長も選挙運動の中で力説していたと思います。 そこで独居老人の生活状態を常時モニターするシステムを、地域イントラネットに組み込めれば大きなメリットになるのではないかと考えております。 これについても、会員の内山幹男さんの紹介により、岩手県水沢市で行われている福祉実験施設のプロジェクトに関わることになり、大きく一歩を踏み出しました。 当然狙うところは、そこでの研究成果を私たちの考えている地域イントラネットに組み込むことにあります。

地域イントラネットをライフライン として定着させるために          として定着させるために 白河市においても民間の医療団体が「独居老人の医療介護ネットワーク構想」を掲げていることが判り、早速そちらのグループとの連携も視野に入れた研究会を発足するべく画策中です。 この研究会には、前向きな姿勢で地域イントラネット構築を目指そうとする有志の方なら、どなたでも参加できるオープンなものにして行きたいなと思っています。 また、近々に関辺小学校にパソコンが導入されますが、ネットワーク環境まで考えたものではないのでぜひ何とかしたいという切実な訴えが、菅野校長先生から寄せられております。 これについては会員の渡辺昭一さんが中心になり、私たちがボランティアでLANの敷設から設定までを面倒見ましょうということになっています。 このような形で、市内の小中学校同士がネットワーキング出来たらその教育効果は勿論、様々なメリットが生まれるのは想像に難くありません。 PTAや保護者との連絡網としても、有効に機能するでしょう。

地域イントラネットをライフライン として定着させるために          として定着させるために その気になれば旧市内商店街の活性化もターゲットにできます。 なぜ客離れが進んでいるのかを考えれば、その原因の一つには車を止める場所が狭い、店舗が古くて狭い、などのマイナスイメージがあると思います。 そこで地域イントラネット上にバーチャルモールを開設し、商工会を中心にオンラインでの受発注から配達までを一環してサービスできるような体制作りを推進すればいいのです。 それで全てが解決できるとは思えませんが、それが刺激になって状況が好転する可能性は充分にあります。  「座して死を待つ」よりも、いまは「当たって砕けろ」ではないでしょうか?

地域イントラネットの構築に向けて 勿論様々な難問が山積しているのは百も承知です。 しかし、何かを変えるにはそれなりの覚悟を決めて掛からないと絶対に実現しないのです。 既成概念を打破し、潜在意識に透徹するほどの強い願望をもってすれば必ず夢は実現するものと信じます。 (京セラ名誉会長 稲盛和夫氏の言葉を引用)

関連情報・ホームページリンク ●地域イントラネット基盤整備事業・11年度郵政省要求   http://egg.tokyoweb.or.jp/TAC/h10.9.3/h11gaisan.htm ●郵政省ホームページ   http://www.mpt.go.jp/ ●東洋通信機(株)ホームページ   http://www.toyocom.co.jp/ ●ICOM(株)ホームページ   http://www.icom.co.jp/

白河地域イントラネット構想 いま、私たちは、教育、行政、医療、福祉、商工、農業、防災各方面に多大な影響を及ぼす通信インフラ整備を行い白河地域住民の福祉向上のため、「白河地域イントラネット基盤構築構想」を次のように考えています。 「地域イントラネット構想」とは、郵政省の免許のいらない無線装置によって白河地域の個人、団体、行政、学校等各層のパソコンを繋いでしまおうとするものです。 これによって、地域の情報の伝達速度が高速で、地域住民の有意義な情報網が構築されることは通常公衆回線の補助的な役割を果たし災害時の情報伝達には絶大なる威力を発揮することは、先の8.27豪雨災害時の公衆回線の混雑ぶりから見ても明白です。

白河地域イントラネット構想 インターネットを経験している方は理解が早いと思いますが、インターネットに繋ぐには先ずプロバイダーとの契約を行い、プロバイダと電話回線により接続して初めて可能になります。 ここでプロバイダとの契約により接続料を支払うことになります。それに加え電話回線の使用料をNTTに支払います。 現在のNTTのシステムでは接続時間に対して料金が課金されますので。1日繋ぎどおしにしますと、3分間10円とすれば4千800円かかってしまいますので、1ヶ月で14万円になります。 この様な人はいないと思いますが・・・専用回線が欲しい方はエコノミーデジタル回線があり月額3万8千円で使い放題、転送速度をおとしてもいいのであれば、もうすこし安価のものもあるようです。

白河地域イントラネット構想 いずれにせよ、消費税を含めると約4万円という金額は一般ユーザーにとって安いものではないのが現状です。もっと高速で廉価な方法を構築するために昨年の10月にボランティア団体「ネットワーク白河」が結成され研究を重ねてきました。最初は白河市内に同軸ケーブルを張り巡らせ加入者を繋ぐことを考えましたが…  1)費用が莫大になること。  2)工事の許可をとることが難しい。 ということで暗礁に乗り上げていまいました。 しかし、最近になって国内メーカー2社で無線LANなる製品が発売され、これを使えば初期の目的が達成できそうな状態になってきました。 しかし、今後伝送実験やまだまだ分からないことがありまして小さなボランティア団体では、なし得るものではありません。

白河地域イントラネット構想 去る平成10年10月17日(土)午後6時より白河市関の森公園内都市農村交流センターでネットワーク白河定時総会が開催されました。ネットワーク白河の会員は30名白河市内の他北は郡山から南は黒磯まで広範囲であり、去る8.27集中豪雨災害において、インターネットにおける情報収集、発信をフルに発揮し災害対策本部の重要な情報活動に寄したことは記憶に新しいことです。 平成10年10月から第2期目に入り、課題の「地域イントラネット構想」の基礎実験であります。伝送実験を行いました。白河関跡の巨木に立ちはばかれ、見通し外の700m離れた地点との交信は台風接近で風雨の激しさにも耐えて成功でした。 また市内の各所で伝送実験中です。

白河地域イントラネット構想 1.地域イントラネット構築が出来ればなにができるか 教育=遠隔共同授業、合同電子文化祭、学校間交流、   教育=遠隔共同授業、合同電子文化祭、学校間交流、        不登校児童生徒のカウンセリング    行政=オンライン市民情報交流館、動画を用いた情報        提供、生涯学習、災害時の情報、在宅介護支援        のサービス向上   地域防災=常時接続を生かし道路、河川の監視カメラ        画像情報の提供   医療=医療機関を結ぶ医療情報ネットワークの構築、        遠隔医療相談サービス

白河地域イントラネット構想 2.地域イントラネットの理解を深めるため 1)常時接続のイントラネット環境を実験的に整えたい。  1)常時接続のイントラネット環境を実験的に整えたい。    環境整備のためのスタッフの募集    技術担当員    広報担当員    その他  2)第一段階として、この環境を体験してもらいたい。  3.共同体制に参加してもらいたい団体    地方公共団体=白河市役所、各町村役場    商工業団体=白河商工会議所、各町村商工会    白河医師会、教育委員会、青年会議所、地域プロバイダ    NTT東北

常時接続環境による地域情報ネットワーク ~常時接続型地域イントラネットの構築に向けて~  ご静聴ありがとうございました   完