MAXI で見た全天のX線天体の活動 三原建弘、杉崎睦、芹野素子、松岡勝(理研)、 上野史郎、冨田洋、中平聡志(JAXA)、 宇宙線100年宇宙X線50年 2012年11月27日 MAXI で見た全天のX線天体の活動 三原建弘、杉崎睦、芹野素子、松岡勝(理研)、 上野史郎、冨田洋、中平聡志(JAXA)、 河合誠之、森井幹雄(東工大)、吉田篤正(青学大)、 常深博(阪大)、根来均、中島基樹(日大)、 上田佳宏(京大) 、山内誠(宮崎大)、 坪井陽子(中央大)、山岡和貴(ISAS) ほか MAXI チーム 15分+5分 1枚1分40秒。。。
MAXI(全天X線監視装置) 宇宙ステーションから宇宙を見張るX線カメラ 天頂視野 進行方向 MAXI 理研が提案、日本の装置 国際宇宙ステーションで 最初の天文ミッション 2009年8月15日から観測 開始。 3年間のデータが蓄積。 現在も観測中 前方視野
全天X線監視ワークショップ 理研1997.3.3-5
2009年7月16日、米ケネディ宇宙センターよりスペースシャトルエンデバー号で打上 2009年7月23日 ISS滞在中の若田宇宙飛行士のロボットアーム操作により きぼう船外プラットフォームに取り付け 2009年8月15日ファーストライト 初めて得られた全天画像。定常観測開始
MAXI GSC & SSC All-sky Map
monitor sensitivity and frequency in 2-10 keV MAXI の discovery space Mihara ,MAXI sympo. 2008 monitor sensitivity and frequency in 2-10 keV AGNs become the target Time scale X-ray Flux 暗いもの 1時間から数年の長時間変動 MAXIの 3年間の成果の中からトピックスを紹介する。
The second spike was detected. 2011年3月28日 Swift, MAXI が ほぼ同時に検出 7 Swift J1644+57 発見 MAXI 2-10 keV The first spike was out of scans. But flux increase was detected. Atel#3244 The second spike was detected. No emission for previous 1.5 years. BAT detection as a GRB 2011 Mar 28 12:57 GCN#11823 Swift (X 可視) MAXI 2011 3/23 3/29 電波 可視光 NASA/Swift JAXA/RIKEN/MAXI team 電波 22 GHz 可視 r バンド VLBIで銀河の中心にIDされた 超巨大質量ブラックホールと関連する MBH ~ 106 - 2×107 M⦿ 赤方偏移 z = 0.354 Zauderer et al. 2011
Swift J1644+57 の正体 LX ~1048 erg/s >> LEdd ~1044 M6 erg/s ⇒相対論的ジェットを伴う 過去20年間で増光の報告はなく AGNではない Swift/XRT 0.5-10 keV Luminosity (erg s-1) Flux (erg cm-2 s-1) 10-8 10-9 10-11 10-10 10-12 10-13 1049 1047 1046 1045 1044 1048 -20 10 20 30 40 50 Burrows et al. 2011 発見以前(年) 発見後(日) Rees 1988 恒星の潮汐破壊現象
MAXIの見た変動天体 新天体 潮汐破壊現象 SwJ1644 1時間-10日 50mC 1Crab 100mC 10mC 1mC 1h 1d 1y 10y
MAXIの新発見天体(赤字) ブラックホール連星 10天体 うち6個は 同時発見も含む 3年弱積分イメージ BGD差し引き不完全 Swift J1644+57 ブラックホール連星 MAXI J1409-619 MAXI J0556-322 MAXI J0158-744 10天体 うち6個は 3年弱積分イメージ BGD差し引き不完全
「草食系」BH XTE J1752-223 3カ月かけてやっとソフト遷移 ソフト 状態 2段階の ハード状態 ソフトX線 出現後 明るくならない ソフト遷移以降の 減光の様子、再フレアなどは同じ ハードX線 ガスをちょっとずつマイペースで食べる「草食系」 2009/10/23 2010/1/19 Nakahira+ 2010
MAXI J1910-057と MAXIの観測範囲 MAXI J1910-057 予想通り、銀河系中心距離まで観測できているようだ。 2012年5月30日発見。 古典的なX線新星の 光度変化。 立ち上がりから観測。 予想通り、銀河系中心距離まで観測できているようだ。 でもレートは 6個 / 3y = 2個 / y
ブラックホール候補天体 H 1743-322 繰り返し増光している (およそ220~250日間隔で“準”周期的) Nakahira et al., Astro. Herald, 105, 3, 166 (2012) この2つ山の形はぴったり重なる。何を意味しているのだろう。
MAXIの見た変動天体 新天体 X線新星 数h~数百日、100mCrab 潮汐破壊現象 SwJ1644 1Crab 100mC 10mC 1d 1w 1y 10y
MAXI J0158-744の発見 軟X線トランジェント MAXI GSC 全天イメージ 2011年 11月11日 05:05:59 90分毎 銀河座標 2011年 11月11日 05:05:59 軟X線トランジェント (5 keV以下のみ) 小マゼラン雲の近傍の(遠い) Be型の恒星
MAXIによる発見 と 追観測 Swift による追観測 MAXI-GSC Swift-XRT のイメージ Swift-UVOT のイメージ X線 (0.3 – 5 keV) U バンド(350 nm) 発見時 MAXI-SSC MAXI-SSC T = 200 秒後 T = 1300 秒後
白色矮星 と Be星の連星: 大きな質量放出のもとで 新星爆発 とても明るい。急激な減光。 6x1038 erg /s 1036 erg /s 10 days X-ray Flux 0.1 1 MAXI J0158-744 再帰新星 RS Oph MAXI X-ray Flux Swift 衝撃波 (熱核爆発による) が連星空間を走る Sokoloski + 06 3 10 days 膨張する光球からのX線放射 = SSSフェーズ 再帰新星に比べて ピーク光度 : 100倍 明るく 減光 : 10-100倍 速い 白色矮星 と Be星の連星: 大きな質量放出のもとで 新星爆発
MAXIの見た変動天体 Fast Nova MAXI J0158 新天体 1時間、1Crab 潮汐破壊現象 SwJ1644 X線新星 100mC 10mC 1mC 1h 1d 1w 1y 10y
はくちょう座スーパーバブル 直径1000光年(超新星の100倍)、 エネルギー1052erg(超新星1000個分) SSCの全天画像 直径1000光年(超新星の100倍)、 エネルギー1052erg(超新星1000個分) 数百万年前のハイパーノバ残骸か?
MAXIの見た変動天体 新天体 LMXB(磁場の弱い中性子星) Be型X線連星のプリカーサー AGNの変動 1か月, 5mC 潮汐破壊現象 SwJ1644 X線新星 Fast Nova MAXI J0158 星のフレア Mrk 421のフレア LMXB(磁場の弱い中性子星) スーパーバースト4天体 状態変化やプロペラ効果 Be型X線連星のプリカーサー AGNの変動 1か月, 5mC 〃 MAXIカタログ 1y, 1mC ハイパーノバ残骸 2My Usui Nakahira Morii 1Crab Uzawa+2011 Isobe+2011 100mC Serino+12 10mC Matsuoka, Asai 1mC Nakajima 1h 1d 1w 1y 10y Sugimoto, Ueda Hiroi+2011 Kimura+2013
まとめ http://maxi.riken.jp 全天X線監視装置MAXIは、2009年以来3年間、全天のX線天体を観測中。 コンパクト天体(ブラックホールや中性子星)に恒星などからガスが降着して放つ重力エネルギーを観測している。 ブラックホール連星を6個発見 新種の現象も発見 遠方にある銀河の中心にある巨大ブラックホールに恒星が落ち込む「潮汐破壊現象」 珍しい連星系での白色矮星の表面での核爆発現象 中性子星表面の炭素層での核爆発「スーパーバースト」