現代のヒトの移動 移民・難民
ヒトの移動(長期)の要因 貧しい地域から豊かな地域へ(移民) 危険な地域から安全な地域へ(難民) グローバル企業の海外展開(欧米→途上国) 植民(ヨーロッパ→アメリカ、日本→南米等) 労働者としての移動(トルコ→ヨーロッパ、ベトナム→ソ連、東南アジア→湾岸諸国) 危険な地域から安全な地域へ(難民) グローバル企業の海外展開(欧米→途上国) 留学(以前は文化の低い地域から高い地域へ、現代は様々な地域の相互性)
外国人家政婦導入問題1 2013年6月、在日米国商工会議所が、安倍政権に、外国人家政婦の規制緩和を要請(現在は、大使館と企業幹部など特別ビザの人のみ許可) 2014年1月、安倍首相前向き発言 過去には外国人介護労働者受け入れ(外国人労働者受け入れの要請が厚労省に割り振られた)
外国人家政婦導入問題2 賛成論 女性が男性と対等に仕事できる 反対論 日本人の仕事を奪う 保育園の充実が優先 様々な問題を発生させる
総数 132 208.5 外国人比率 1.1% 韓国・朝鮮 68.23 59.82 中国 21.01 56.07 ブラジル 15.47 31.29 フィリピン 7.31 19.34 米国 4.26 5.13 ぺルー 3.32 5.87 英国 1.22 1.74 タイ 1.18 3.96 ベトナム 0.76 3.24 イラン 0.68 0.51 カナダ 0.65 オーストラリア 0.63 1.14 インドネシア 0.56 2.49 マレーシア 0.55 0.79 インド 0.46 1.89 国 1993年(万人) 2006年(万人)
在留資格 外交・公用・教授・芸術・宗教・報道 投資経営・法律会計・医療・研究・教育・技術・人文知識国際・企業内転勤・興行・技能・技能実習 文化活動・短期滞在 留学・研修 特定活動 単純労働はみとめていない。日系人例外
入国資格の違法問題 研修・技能実習が、安価単純労働になっている事例 短期滞在から、不法単純労働へ(監禁的労働になる例も) 短期滞在・興行から風俗へ
何故外国人労働者が増加するのか 経済の不均等発展 労働力不足の先進国 ↑ (労働者) 仕事のない途上国 賃金の高い先進国 ↓ (工場) 労働力不足の先進国 ↑ (労働者) 仕事のない途上国 賃金の高い先進国 ↓ (工場) 賃金の低い文化レベルの高い途上国
ヨーロッパでの経験1 ドイツでのガストアルバイター 送り出し国(トルコ)とドイツの政府間協定 10年間の労働 → その後帰国 帰国パターン → 定住パターンへ 生じた問題 家族の呼び寄せ・出産・教育 マイノリティ問題 さまざまな差別 地域の分化(移民は集住の傾向)
ヨーロッパでの経験2 911以後、ヨーロッパでの移民制限勢力の増大 移民の受け入れに「国語試験」の合格を条件とする国が出てきた。 十分に同化しないことに対する非難(言語) 移民の多くはイスラム教徒→テロへの不安(移民の子弟、欧米生まれの人が中東の紛争地域での戦闘に加わる例) 移民の受け入れに「国語試験」の合格を条件とする国が出てきた。
当初の日本の対応 外国人入国の制限が基本(出入国管理) 内外からの要請 ・ 安い労働力を求める国内企業 ・ 労働機会を求めるアジア諸国 不法労働・研修・留学(事実上の研修)・日本人の子孫の許可・特別な仕事の許可(大使館勤務→福祉労働者) 政策的なコンセンサスは未形成
外国人労働者は労働条件を下げるか 相対的剰余価値の創出(マルクスの理論) 男性 → 女性 → 児童 → 外国人という図式 ヨーロッパの日本の違い 労働者としての質 アジアとアフリカの相違
外国人増加で犯罪は増加するか 警察庁の分析 ・1、2年は減少だが、長期的には増加傾向 ・外国人が犯罪集団を形成し、暴力団と結託 ・少数化・匿名化・潜在化 組織防衛 ・地下銀行・偽装結婚・証明書偽造等犯罪インフラの整備
外国人の犯罪統計 刑務所、拘置所に収用されている国籍割合が簡単に求められる。 国籍 居住人 収容者数 割合(1万人当り) 国籍 居住人 収容者数 割合(1万人当り) 日本 12600万人(04年) 68050人 5.4人 中 国 25万人(04年) 1905人 76人 韓国・朝鮮53万人(04年)1647人 31人 イラン 約8万人(注1) 511人 約64人 ブラジル 24万人(97年) 392人 16人 フィリピン 9.3万人(04年) 310(注2) 約33人 この人数構成をどう見るか。(永住・長期・短期・不法)
教育への影響 言葉の問題 バイリンガリズムをめぐる議論 多文化主義の問題 義務教育制度への影響 学校の開放性への影響 (20坪主義の困難)
日本の態度はどうあるべきか 外国人に対してより開放的であるべきか 安い労働力で雇用する企業の、外国人の生活にかかる負担は
難民とは 1951年「難民の地位に関する条約」 「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々 武力衝突や人権侵害などによる難民も現在では含む
ニュース1 中東やアフリカからの難民申請を望む人々が殺到するハンガリーが、隣国セルビアとの国境にフェンスを建設する計画を明らかにした。密航船で地中海を渡るルートと並び、東欧でも難民申請者が急増。ハンガリーの強硬姿勢に対し、欧州連合(EU)の内外で批判が上がり始めた。2015.6.26朝日新聞
ニュース2 欧州連合(EU)は、自らが「善の力」であることを誇りたがる。だが、ここ10日の間に、地中海で1200人ものボート難民が溺死している。正確な人数は不明だが、ここにはシリアやエリトリア、ソマリアから戦禍や迫害を逃れて来た難民が含まれる。 当局によれば、地中海の南岸では、100万人の移住者がキャンプで暮らし、後にしてきた生活とは比較にならないほど良い暮らしに向けて、船に乗り込むのを待っているという。
4月20日、ギリシャ・ロードス島で転覆した船に乗っていた難民の女性を救助する地元住民と救助隊員ら。船には転覆時に80人以上が乗っており、子供1人を含む少なくとも3人が死亡した
難民数1
難民数2 2014年の新たな避難民 1390万人 国連難民高等弁務官の支援対象5490万人 無国籍者 1000万人 無国籍者 1000万人 途上国における庇護提供 86% 受け入れ国トップ5 トルコ(159万)、パキスタン(151万)、レバノン(115万)、イラン(98万)、エチオピア(66万)
難民数3 難民発生国トップ3 シリア(338万)、アフガニスタン(259万)、ソマリア(111万) 2014年帰還 12万6800人 2014年、第三国定住10万3800人(アメリカが7割) 庇護申請 170万 保護者のいない子ども 3万4300人 18歳未満 51%
日本の受け入れ数 昭和53年から受け入れが終了した平成17年末までのインドシナ難民定住受入れ数は11,319人 ボート・ピープル 3,536人(31%) 海外キャンプ滞在者 4,372人(41%) 合法出国者(ODP) 2,669人(21%) 元留学生など 742人(7%)
世界難民の日 ロヒンギャ難民が都内でデモ 国連が定める「世界難民の日」にあたる20日、日本に逃れてきたミャンマーの少数民族ロヒンギャの難民などが、ロヒンギャの人たちを巡る問題解決に向けた支援を求めて都内でデモ行進を行いました。 デモ行進したのは、ミャンマーでの抑圧を逃れ難民となって日本で暮らしているミャンマーの少数民族、ロヒンギャの人たちなどおよそ40人です。
先月以降、ミャンマーの周辺国の沖合に相次いで密航船で漂着したり、タイとマレーシアの国境地帯で多数の遺体が見つかったりして、人身売買の実態が明らかになっています。 この問題を巡って、先月にはタイで国際会議が開かれましたが、ミャンマー政府は、ロヒンギャの人たちを隣国のバングラデシュからの不法移民だとして自国民とは認めない立場で、問題の解決は容易ではありません。
難民問題の難しさ 先進国は移民の受け入れで、外国人導入に飽和感がある。移民排斥風潮が欧米で強化 難民出現の背景には、植民地と独立時の西欧の意図的な謀略→地域紛争 現在でも意図的に混乱を創出させている 日本は、そうした難民創出の要因とは比較的無縁→難民受け入れへの消極姿勢