すまいるナビゲーター うつ病 ブックレットシリーズ No.1 こころの健康情報局 すまいるナビゲーター http://www.smilenavigator.jp
うつ病とは? うつ病は脳の病気 ■うつ病は、脳の神経細胞同士でやり取りされている神経伝達物質のバランスの乱れによって引き起こされると考えられている脳の病気です。 ■治療しないと悪化して治りにくくなったり、 その後の社会生活に悪影響を与えるため、 なるべく早く治療する必要があります。 イラスト:松鳥むう©
うつ病の症状~精神症状 おもな精神症状 ●気分が 落ち込む ●不安・焦り・ イライラ感 ●口数が 少なくなる ●ぼんやりする ことが増える ●気分が 落ち込む ●不安・焦り・ イライラ感 ●口数が 少なくなる ●ぼんやりする ことが増える ほかにも ●無関心になる ●悲観的に考える ●喜んだり楽しんだりできない ●意欲がなくなる ・・・など ●飲酒量が 増える ●集中できない・ 仕事でミスが増える ●外見や服装を 気にしなくなる イラスト:松鳥むう©
うつ病の症状~身体症状 おもな身体症状 ※ 人によっては精神症状よりも身体症状が 目につく場合があります。 ●頭痛 ●耳鳴り ●めまい 目につく場合があります。 ●頭痛 ●耳鳴り ●めまい ●食欲不振(または過食) ほかにも ●動悸 ●下痢・便秘 ●睡眠障害(不眠・過眠) ●腹痛・胃の不快感 ●性欲減退・勃起不全 ・・・など ●腰痛 ●肩こり ●生理不順 イラスト:松鳥むう©
うつ病の治療方法 治療の四本柱 ■うつ病の治療方法には下記の4つがあります。 ■このうちのどれか一つを選択するのではなく、症状や段階に合わせて組み合わせて治療することが大切です。
うつ病の治療方法 休養・環境調整 十分な休養とストレスの軽減 ■十分な休養はうつ病治療の第1歩です。 うつ病の治療方法 休養・環境調整 十分な休養とストレスの軽減 ■十分な休養はうつ病治療の第1歩です。 ■職場や学校、家庭で受けるストレスを軽減できるよう 調整しましょう。 例) ・職場での配置転換 ・残業時間の短縮 ・家事の分担 イラスト:松鳥むう©
うつ病の治療方法 薬物治療① 抗うつ薬 ■基本は抗うつ薬 ■代表的な抗うつ薬はSSRI、SNRI、NaSSAの3種類 うつ病の治療方法 薬物治療① 抗うつ薬 ■基本は抗うつ薬 ■代表的な抗うつ薬はSSRI、SNRI、NaSSAの3種類 ■効果が現れるまでに2週間~1カ月程度 イラスト:松鳥むう©
うつ病の治療方法 薬物治療② その他の薬 ■抗うつ薬以外にも、患者さんの症状に合わせて使用される薬があります。 ・抗不安薬 ・睡眠導入薬 うつ病の治療方法 薬物治療② その他の薬 ■抗うつ薬以外にも、患者さんの症状に合わせて使用される薬があります。 ・抗不安薬 ・睡眠導入薬 ・気分安定薬 イラスト:松鳥むう©
うつ病の治療方法 薬物治療③ 注意したい4つのポイント ■規則正しく服薬しましょう。 ■指示された通りに飲みましょう。 うつ病の治療方法 薬物治療③ 注意したい4つのポイント ■規則正しく服薬しましょう。 ■指示された通りに飲みましょう。 ■気長に服薬を続けましょう。 ■自分の判断で服薬を中止しないように しましょう。 イラスト:松鳥むう©
うつ病の治療方法 薬物治療④ 抗うつ薬の飲みはじめにみられる副作用 すぐに主治医に相談すべき薬の副作用 うつ病の治療方法 薬物治療④ 抗うつ薬の飲みはじめにみられる副作用 ■SSRI やSNRI を飲みはじめた初期には、吐き気、おう吐、下痢などの消化器系の副作用がみられることがあります。通常、これらの症状は2週間程度で改善しますが、気になる場合は、主治医に相談しましょう。 すぐに主治医に相談すべき薬の副作用 ■抗うつ薬の急な増量や減量、中断によって、下記のような重大な副作用が起きる可能性があります。気になる症状があれば、すぐに主治医に相談しましょう。
うつ病の治療方法 精神療法 精神療法 ■うつ病の原因となったストレスを振り返って対処法を学び、調子のよい状態の維持と再発を防ぐ目的で行います。 ■薬物治療とあわせて行うことで効果を 発揮します。 ■一般的な精神療法 ・認知行動療法 ・対人関係療法 イラスト:松鳥むう©
うつ病の治療方法 その他の治療法 さまざまな治療法 ■ほかにも下記のような治療法があります。 ・運動療法 ・高照度光療法 うつ病の治療方法 その他の治療法 さまざまな治療法 ■ほかにも下記のような治療法があります。 ・運動療法 ・高照度光療法 ・修正型電気けいれん療法(m-ECT) ・経頭蓋磁気刺激(TMS) ■自分に合った治療法について主治医と相談 しましょう。 イラスト:松鳥むう©
治療を続けていても なかなかよくなったと感じられない方へ あなたに合った治療法を ■主治医の指示通りに治療を続けていてもなかなか効果を実感できない方は少なくありません。 1種類の抗うつ薬を使った治療で症状が改善する方は薬50%、寛解(症状が なくなること)する方は全体の約30%というデータ*があります。 ■薬の効果には個人差があります。 ほかの抗うつ薬や増強療法で効果がみられることがあります。 ■あきらめず、あなたにあった治療法について 主治医と相談しましょう。 *Trivedi MH, et al. Am J Psychiatry 2006; 163(1): 28-40. イラスト:松鳥むう©
抗うつ薬の効果を高める治療法 増強療法 ■SSRIやSNRIなどの抗うつ薬と非定型抗精神病薬を組み合わせて使うことで抗うつ薬の効果を高める治療法(増強療法)があります。 ■抗うつ薬で適切に治療を行っても十分な効果が 認められない場合に用いられます。 イラスト:松鳥むう©
回復までの道のり 回復への3ステップ ■うつ病から回復までの過程は急性期・回復期・再発予防期の3段階に分けられます。 ・第1ステップ・・・ 急性期 十分な休養と薬物治療が大切です。 ・第2ステップ・・・ 回復期 調子のよい日と悪い日を繰り返しながら 回復していきます。 ・第3ステップ・・・再発予防期 症状の安定後も薬物治療を継続して 再発を防止します。 イラスト:松鳥むう©
回復に向けて 回復に向けて 再発時のサイン(気分の落ち込み、 食欲不振、不眠など)を知って、 家族にも伝えておきましょう。 つらい気持ちを 家族や身近な人たち、主治医に話してみましょう。 適切な治療の継続が回復への早道です。 復職に向けた「リワークプログラム」については、 主治医や治療スタッフに相談してみましょう。 イラスト:松鳥むう©