視覚的に印象を与えるロゴの提案の研究 1010160379 藤本 修司
要旨 商品や企業には一目でそれとわかる様な、代表されるロゴがある。 この研究は認識(印象付け)されているロゴにはどのような特徴があるのかをふまえた上で、マーケティングにおけるロゴの定義を論じたものである。 手順としては、既存のロゴについてインターネットで調査し、それらのロゴに共通する点、パターン、視覚的に与える印象をアンケート調査と考察から抽出し、印象付けに最も効果のある特徴を調査し、それを活用して自分でロゴを作成し、アンケート調査をし、そのロゴが印象づけに効果のあるものになっているか、また、どのパターンを活用したものが効果的であるのかを研究していく。
「ロゴ」とは ロゴタイプ (logotype) とは、図案化・装飾化された文字・文字列。団体名、商号、商品名、雑誌名、書名などを印刷・表示するのに使われる。ロゴタイプを使用する目的は、一般の文字・活字・書体とは異なる、特別なものを用いることにより、その対象物の差別化を図ることにある。
既存のロゴの調査 既存のロゴを分野別(食品、飲料・ファッション・ブランド、企業)それぞれ15個程度、合わせて46個取り上げその由来、意味をインターネットで調査した。 [食品、飲料分野] 日清・グリコ・うまい棒・マロニー・ペコちゃんキャンディー・カルビーポテトチップス・トッポ・ジャガリコ・Bossコーヒー・ぷっちょ・カップヌードル・ロッテ [ファッション分野] アシックス・プーマ・ニューエラ・シャネル・チャンピオン・グッチ・ニクソン・バーバリー [ブランド、企業分野] ソニー・トヨタ・アウディ・ハーレーダビットソン・メルセデスベンツ・ネスレ・サークルKサンクス・スターバックス・マクドナルド・フォルクスワーゲン・三菱・Yhoo
ロゴの種類・分類 1 形や色が特徴的なもの、遊び心があるもの 2 ロゴや文字自体に客に対してや会社理念などの意味が込められているもの 1 形や色が特徴的なもの、遊び心があるもの 2 ロゴや文字自体に客に対してや会社理念などの意味が込められているもの 3 商品に関連つけたりもじったりしたキャラクターや単語を用いているもの
アンケート調査 Q1 性別 男性 女性 Q2 ロゴを見たことがあるか ある ない Q3 印象的であるか Q4 どのパターンにあてはまるか 男性 女性 Q2 ロゴを見たことがあるか ある ない Q3 印象的であるか Q4 どのパターンにあてはまるか ・形や色が特徴的なもの、遊び心があるもの ・ロゴや文字自体に客に対してや会社理念などの意味が込められているもの ・商品に関連つけたりもじったりしたキャラクターや単語を用いているもの Q5 ロゴに求める特徴を記入
アンケート結果 食品、飲料分野では全体的に平均的ではあったものの、「形や色が特徴的なもの、遊び心があるもの」「商品に関連つけたりもじったりしたキャラクターや単語を用いているもの」がやや多かった。やはり、身近にあふれている商品の中から、印象に残す、インパクトを与えるということが購買意欲を高める1番のポイントということからこのような結果になったと思われる。またロゴのパターンの票が平均的であるのは食品・飲料の商品の種類が多様であることから、ロゴに親近感を沸かせたり、ユーモアを与えたり、意味合いを持たせたたり、とどのパターンにも対応できることが要因であるといえる。 ファッション分野では「形や色が特徴的なもの、遊び心があるもの」が最も票が多かった。一方「商品に関連つけたりもじったりしたキャラクターや単語を用いているもの」の票は0であった。ファッションではロゴそのものがブランドを示すものが多く、お洒落、かっこいい、奇抜、といったポイントが重要であると思う。他にはないオリジナリティや色合い、個性的という条件かつ、キャラクター等を用いずにシンプルなロゴがファッション分野のロゴには強いことが分かった。しかし今回の研究の調査対象としたロゴ以外でキャラクターを用いているものがあったため、必ずしも上のようなことが言えるわけではないと思う。 ブランド、企業分野では「ロゴや文字自体に客に対してや会社理念などの意味が込められているもの」が最も表が多かった。これはやはり、会社の創業者の思いや、由来、企業の存在意義、客へのメッセージ性を反映することがブランド、企業のロゴを作成するにあたって最も重要であるということがわかる。しかし食品、飲料の分野と同様に親近感、ユーモアな印象をもたせることでインパクトを与え、ブランド、企業と客の距離感を縮めるロゴのパターンも効果がないわけではないということが分かった。
ロゴの作成 アンケート調査より抽出したそれぞれの分野別に票が最も多かったパターン(1)と、票が最も少なかったパターン(2)の2通りのロゴを作成する。 食品、飲料分野 C.C.Lemon (1)形や色が特徴的なもの、遊び心があるもの (2)ロゴや文字自体に客に対してや会社理念などの意味が込められているもの ファッション分野 しまむら (2)商品に関連つけたりもじったりしたキャラクターや単語を用いているもの ブランド、企業分野 無印良品 (1)ロゴや文字自体に客に対してや会社理念などの意味が込められているもの
アンケート結果 C.C.Lemonのロゴにおいては(レモンが印象的、そのままC.C.Lemonが連想できる、Cが黄色でビタミンCが連想できる)という意見があった。商品に関連つけたりもじったりしたキャラクターや単語を用いているものというパターンを併用したロゴとなったが、食品や飲料分野では、やはり形や色を商品、材料、と結び付けて個性的な、インパクトのあるロゴが印象に残るようだ。 しまむらにおいては(チープなイメージを覆すような品のあるイメージ、ブランドらしい、シャープ)という意見があった。今現在認識されているしまむらのイメージの逆を考え、あえてシンプルに英字にすることでファッションブランドという新しい印象を与えることができたのではないかと思う。 無印良品には既存の文字のみのロゴが存在しており、その改善、付け足しを試みたが、成果を得られなかった。ブランドや企業のロゴは、商品やCM、ポスターや広告などで消費者にみられるもので、「無印良品」という文字のみのロゴでさえ、「文字」として、「形」として企業名、イメージを消費者に強烈に印象付けしているものだとわかった。しかしそこから、ブランド、企業におけるロゴの存在の大きさを知ることができた。 ロゴの作成をしたが、発想力、技量が大きく関わってしまったため不十分な調査結果となってしまったが、多くない票のサンプル数の中でもそれぞれの分野別で最も多く用いられているロゴのパターンが印象的であるという結果は得ることができた。
考察・まとめ 今回の研究でロゴについて調査することで、マーケティングにおいてロゴはとても大きな役割を果たしているということがわかった。商品、CMやポスター、広告を見る時に常に消費者の目にはいるものなので、ロゴを用いることで、商品やブランド、企業が認識されるだけでなく、ロゴが”図形”として認識され、インパクトを与えることができる。また既存のロゴを調査した結果より、色やフォント、メッセージ性によって、商品やブランド、企業のイメージや情報も付随させることができることがわかった。つまりマーケティングにおいて消費者に「認識」してもらうのに、ロゴは確実なツールであることがわかった。 しかしロゴは単純に視覚だけに印象を与えるだけのものではないということもわかった。色合いや形、特徴のあるものも大事だが、会社の企業理念や客に対するメッセージ性に大きな意味合いを持たせるものも効果のあるロゴであると分かった。またロゴの作成パターンには、遊び心を持たせるための隠し文字や、意味合い、文字をもじって意味合いを持たせたり、色やフォントで意味やインパクトを与えたり、商品名や企業名を連想させる関連性のある単語やキャラクターを用いたり、企業理念と企業名をリンクさせたデザインにしたりと様々な方法で視覚的に印象を与えるロゴの作成パターンがあることが分かった。