シリカガラスの表面・界面付近の構造 葛生 伸 4/25/2005.

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シリカガラスの表面・界面付近の構造 葛生 伸 4/25/2005

なぜシリカガラスを研究?(自己紹介) 理学部物理学科卒業 同じところでDC修了(高分子物理学) 化学会社に就職 シリカガラスメーカーに出向 22 本当は化学をやりたかったのだが・・・ 化学に近い分野  でも理論の研究室 28 同じところでDC修了(高分子物理学) あこがれの化学会社の研究所  でも物理系でしかも理論出身者にとっては・・・ 28 化学会社に就職 幸い ヒト・ モノ ・カネ なし  ← 学・官 の力 シリカガラスメーカーに出向 30 大学に転職 40 なぜか高分子物理の研究 会社は辞めた  でもシリカガラスの仕事はやめさせてくれない 自己紹介を兼ねてなぜシリカガラスを研究しているかを話す。

シリカガラスの教科書 シリカガラスの仕事を始めた頃,適当な入門書が無くて困った 「石英ガラスの世界」工業調査会 (1995)  自分で書いた 「石英ガラスの世界」工業調査会 (1995) 会社の卒業論文?  編集にたずさわり自分でも便利に使っているもの 「非晶質シリカ材料応用ハンドブック」リアライズ (1999)  シリカガラスの性質に関する古典的総説 R. Brückner, J. Non-Cryst. Solids, 5, 123 (1970)

シリカガラスとは何か? シリカ = SiO2 シリカからなる鉱物の代表例 地殻の約 60 % 石英 (水晶) 岩石の主要構成成分 高温で溶融 シリカガラス

シリカガラスの分類 電気溶融 ( I 型) 溶融 火炎溶融 ( II 型) 直接法 ( III 型) MCVD法 シリカガラス OVD法 スート再溶融法 気相 VAD法 PCVD法 合成 プラズマ法 ( IV 型) ゾル・ゲル法 液相 LPD 法

シリカガラスの特長 ・ 高純度 ・ 熱的安定性 ・ 優れた光学特性 ・ 化学的安定性 金属不純物 <数10 ppb~数10 ppm ⇒ 半導体製造関係 ・ 熱的安定性 高耐熱性 ⇒ 半導体製造関係 ⇒ フォトマスク   精密光学部品 低熱膨張 ・ 優れた光学特性 真空紫外~近赤外まで高透過率 ⇒ 光ファイバー   紫外線用光学材料 ・ 化学的安定性

密度の仮想温度依存性 R. Brückner, J. Non-Cryst. Solids, 5, 123 (1970)

各種物理量の仮想温度依存性 サンプル薄片を温度TFで熱処理 水中落下により急冷 物理量測定 薄手試料に限定 TFの間接測定 < 1mm 物理量測定 TFの間接測定 ラマン, 赤外分光

シリカガラスのラマンスペクトルと平面環構造 ⇔ D2 ● Si ○ O ⇔ D1 F. L. Galeener, J. Non-Cryst. Solids, 71, 373 (1985)

無水および有水合成シリカガラスのD2帯面積強度の熱処理時間依存性 F. L. Galeener, J. Non-Cryst. Solids, 71, 373 (1985)

ラマンバンドD1,D2 の面積強度の仮想温度依存性 F. L. Galeener, J. Non-Cryst. Solids, 71, 373 (1985)

赤外反射および吸収スペクトル ⇒ 表面付近の情報 ⇒ バルクの情報 1122 cm-1 ピーク ← Si-O-Si結合の非対称振動 モード   モード ⇒ バルクの情報 2260 cm-1 ピーク ← 1122 cm-1 ピークの倍音 A. Agarwal, K. M. Davis, and M. Tomozawa, J. Non-Cryst. Solids, 185, 191 (1985)

赤外反射および吸収ピーク位置の仮想温度依存性 A. Agarwal, K. M. Davis, and M. Tomozawa, J. Non-Cryst. Solids, 185, 191 (1985)

シリカガラス表面および表面付近の構造変化 シリカガラス製品 製造工程 高温保持 使用時 表面から構造変化進行

シリカガラス製品の製造および使用条件 シリカガラス製品製造工程 ⇒ 構造変化 熱処理 ⇒ 除歪,成型,製管,均質化 製品使用時の熱履歴・光暴露 ⇒ 構造変化 半導体製造用炉心管 バルク ランプ管球 表面付近 紫外線用光学材料 重要であるが研究少ない。

熱処理に伴うOH分布の変化 z r Radial direction r Axial direction z 1160 ゚C, 150 h 7 cm 15 cm r z Radial direction r Axial direction z N. Kuzuu, J. W. Foley, and N. Kamisugi, J. Ceram. Soc. Jpn. 106, 525 (1998)

熱処理に伴う表面付近からの欠陥構造の生成

放電ランプの管球加工時の構造変化

酸水素火炎による球球状成型にともなう構造変化 f80 mm f90 mm f34 mm f27 mm Measured Area Hydrogen-Oxygen Flame

使用したサンプル Type OH 濃度 (ppm) 厚さ (mm) I 溶融 <1 42 3.50 3.70 II 200 242 Sample Type OH 濃度 (ppm) 厚さ (mm) 成型前 成型後 I 溶融 <1 42 3.50 3.70 II 200 242 4.00 3.35 III 合成 1300 1240 3.25 3.05

顕微赤外分光光度計 これが測定機器の写真です。左側がフーリエ変換赤外分光光度計で、右側が赤外顕微鏡です。

ガス加工によるOH濃度の変化

OH による吸収の波形分離 peak cm-1 FWHM 3250 3426 3551 3612 3661 3691 3740 3820 220 261 121 92 58 41 20 200 H2O H-bonded free OH unknown H2O related K. M. Davis and M. Tomozawa, J. Non-Cryst. Solids, 201 (1996) 177

ガス加工に伴う各形態のOH分布の変化

ガス加工に伴う仮想温度分布の変化

HIDランプの点灯 1 2 2000時間 使用サンプル 10分 点灯時間の違うHIDランプ (小型1cm) 点灯時間     点灯時間 1 2     10分   2000時間 つぎの実験は、小型のHIDランプを異なる時間点灯して,点灯後サンプルを切り出して測定しました。 この実験は点灯後の構造変化を調べる目的です。 管球材料は無水溶融石英ガラスでできています。

点灯によるHIDランプのOH濃度変化 この実験のOH濃度について示します。

点灯によるHIDランプの仮想温度の変化 次に仮想温度について示します。 点灯10分間は1450K程度、点灯2000時間は1250K程度になりました。 2000時間の方は、十分点灯時間が長いため管球内の温度は約1250Kであると考えられ、10分の方は、点灯時間が短いためランプを製造したときの温度が約1450Kであると考えられます。

熱処理方法 電気炉 (管状炉) ボ ン 1423 K (1150℃),5 h ベ 4:実験装置 このサンプルを熱処理をしました。 熱処理方法について説明します。 電気炉は環状炉を用いました。炉心管としてはシリカガラス製のものを用いました そのなかに サンプルを (アニメーション) 挿入します。 熱処理時にはちっ素を流し続けます。 炉心管内部が僅かに陽圧,すなわち大気圧よりもたかくなるように、 (アニ) 図のようにバブリングをおこないました。 (ア) 気泡が出ているかで視覚的にちっ素のパージを確認していました。 電気炉の管内を十分ちっ素で置換したのち, 電気炉のスイッチを入れ1150度C,1423Kで5時間の熱処理をしました。 4:実験装置

OH濃度分布 外表面 内表面 0 μm 3000 μm ←外表面 内表面→ この図では良く分かりません。そこで,それぞれのサンプル毎に内外表面から 500ミクロンの領域のOH濃度変化を示すことにします。 ←外表面 内表面→

表面付近のOH濃度分布 (I型) 内表面 外表面 5:結果 I型サンプルの表面付近のOH濃度分布を示します。熱処理前の外表面付近では,OH量がやや高くなっています。これは,管をつくるときに入ったものと考えられます。チッ素で熱処理したときは,外表面付近で若干低下しました。大気では,外表面付近ではかなり内側まで低下していますが,内表面付近で上昇傾向にあります。 無い表面付近では,チッ素処理の場合は,あまり変化が見られませんでしたが,大気中で熱処理した場合,上昇しました。これは,大気中の水分が反応したことによるものと考えられます。 酸素中,ヘリウム中での測定ではOHは測定限界以下となりました。これは,酸素やヘリウムがガラス中のOH基を除去するはたらきをしていることを示しています。 内表面 外表面 5:結果

表面付近のOH濃度分布 (II型) 内表面 外表面 II型サンプルの内外表面付近のOH濃度分布を示します。外表面付近では,熱処理によってOH濃度の低下が見られました。チッ素に比べて大気,酸素,ヘリウム中での効果が大きいように見られます。 内表面付近では,チッ素処理の場合はあまり変化が見られませんでした。大気,酸素,ヘリウムでは,逆にOH濃度が増え,値のばらつきが大きくなっています。これは,何からの形で酸素やヘリウムが構造変化に寄与していることが考えられます。 内表面 外表面

表面付近のOH濃度分布 (III型) 外表面 内表面 III型シリカガラスに対する表面付近のOH濃度分布変化を示します。

仮想温度分布 次に雰囲気熱処理に伴う雰囲気熱処理の効果を示します。熱処理前には,I,II,IIIの順番でOH濃度が高くなる程仮想温度は低くなっています。これは,OH濃度が高いほど緩和時間が短く,冷却過程で緩和が進むためであると考えられます。 チッ素で熱処理したときには,冷却後は熱処理温度よりも低くなりましたが,仮想温度の順番は熱処理前と同じでした。内表面付近では,仮想温度が低下しています。 大気中で熱処理したときには,仮想温度の差は少なくなっています。I型,II型では内表面付近で仮想温度が相対的に高くなっています。それに対して,III型では低下しています。 外 内 外 内

仮想温度分布 内 外 外 内 酸素で熱処理したときには,I型,II型溶融石英ガラスについはほぼ同じです。 外周部で急激に上昇しています。 ヘリウム中で熱処理した場合は,II型とIII型が近い値になっています。 これらの違いについては,冷却時のガスの流量などの違いなどの影響がある可能性もありますので,今後の検討課題であると考えています。 内 外 外 内

Introduction シリカガラス 雰囲気中での化学反応 半導体製造装置の構造材 高温状態 高輝度放電ランプの管球 高輝度放電ランプの管球  高温状態 失透:devitrification    crystallization 失透の定量化困難 結晶化は、温度、雰囲気、不純物の種類&濃度で変化する NaCl結晶による反応の単純化 定量化の試み

シリカガラスの失透におよぼす付着食塩結晶の影響 Effect of a peace of NaCl crystal put on vitreous silica surface 福井高専1,  福井大工2 ○堀井直宏1, 上出 充1, 葛生 伸2, 井上昭浩1 Fukui National College of Technology 1, University of Fukui2 Naohiro HORII1, Mitsuru KAMIDE1, Nobu KUZUU2, Akihiro INOUYE1

Experiment Heat Temp. 1000~1150℃ in Air NaCl Crystal 0.5mg Sample OH content (wt. ppm) Type ED-A  90 Synthetic Fused Silica ED-B  9 ES  1200 N  100~200 Fused Quarts Heat Temp. 1000~1150℃ in Air Silica Plate 20x20x0.7

Devitrified Vitreous Silica Silica Plate NaCl Crystal Melting Point 800℃ (NaCl) A B C

Surface View (ED-B) ED-B : OH 9 ppm 1000℃ 1050℃ 1100℃

Surface View (ES) ES : OH 1200ppm 1000℃ 1050℃ 1100℃

Surface Morphology (ES) Middle : B ES :OH 1200ppm 1000℃, 8h Center : A Edge : C

Surface Morphology (ED-B) Middle : B ED-B : OH 9 ppm 1000 ℃, 8h Edge : C Center : A

Surface Morphology (N) Middle : B N : OH 200 ppm 1000℃, 8h Center : A Edge : C

Surface Morphology (ED-A) Middle : B ED-A OH 200 ppm 1000℃, 8h Center : A Edge : C

Surface Morphology (ED-B & ES at 1150℃)

Fluorescence ES1000 ℃ 8h 254nmの紫外検査灯によって励起された、蛍光発光の写真である。 シリカのネットワークをNaが分断することによって、酸素欠乏性の欠陥が誘起されて青色の蛍光が観測されていると予想している. ES1000 ℃ 8h

FTIR Analysis 中心に進むにしたがって、Si-O-Siのストレッチングのピークがつぶれて、ES,ED-Bともに酷似したスペクトルに変化している.まだ、詳しい解析は進んでいないが、蛍光発光の結果から中心に向かって酸素欠損性の欠陥密度が増加していく様子を表していると予測している.

FTIR Analysis Center Area (A Zone) Silica Silica

XRD Analysis ED-B : OH 9 ppm 1000℃,8h ES : OH 1200 ppm 10 20 30 40 50 60 2q (°)

Conclusion 失透化条件の単純化による、定量化の試み ・NaCl結晶粒を核とした同心円状の失透 ・OH濃度の違いによる表面形態の変化 微結晶寸法異なる OH cont. Large small ・OH濃度大で失透化による破壊温度低下(ES  ED-B) 100℃ ・中心付近での蛍光(酸素欠損)

Introduction シリカガラス 雰囲気中での化学反応 半導体製造装置の構造材 高温状態 高輝度放電ランプの管球 高輝度放電ランプの管球  高温状態 失透:devitrification    crystallization 失透の定量化困難 結晶化は、温度、雰囲気、不純物の種類&濃度で変化する NaCl結晶による反応の単純化 定量化の試み

シリカガラスの失透におよぼす付着食塩結晶の影響 福井高専1,  福井大工2 ○堀井直宏1, 上出 充1, 葛生 伸2, 井上昭浩1

Experiment Heat Temp. 1000~1150℃ in Air NaCl Crystal 0.5mg Sample OH content (wt. ppm) Type ED-A  90 Synthetic Fused Silica ED-B  9 ES  1200 N  100~200 Fused Quarts Heat Temp. 1000~1150℃ in Air Silica Plate 20x20x0.7

Devitrified Vitreous Silica Silica Plate NaCl Crystal Melting Point 800℃ (NaCl) A B C

Surface View (ED-B) ED-B : OH 9 ppm 1000℃ 1050℃ 1100℃

Surface View (ES) ES : OH 1200ppm 1000℃ 1050℃ 1100℃

Surface Morphology (ES) Middle : B ES :OH 1200ppm 1000℃, 8h Center : A Edge : C

Surface Morphology (ED-B) Middle : B ED-B : OH 9 ppm 1000 ℃, 8h Edge : C Center : A

Surface Morphology (N) Middle : B N : OH 200 ppm 1000℃, 8h Center : A Edge : C

Surface Morphology (ED-A) Middle : B ED-A OH 200 ppm 1000℃, 8h Center : A Edge : C

Surface Morphology (ED-B & ES at 1150℃)

Fluorescence ES1000 ℃ 8h 254nmの紫外検査灯によって励起された、蛍光発光の写真である。 シリカのネットワークをNaが分断することによって、酸素欠乏性の欠陥が誘起されて青色の蛍光が観測されていると予想している. ES1000 ℃ 8h

FTIR Analysis 中心に進むにしたがって、Si-O-Siのストレッチングのピークがつぶれて、ES,ED-Bともに酷似したスペクトルに変化している.まだ、詳しい解析は進んでいないが、蛍光発光の結果から中心に向かって酸素欠損性の欠陥密度が増加していく様子を表していると予測している.

FTIR Analysis Center Area (A Zone) Silica Silica

XRD Analysis ED-B : OH 9 ppm 1000℃,8h ES : OH 1200 ppm 10 20 30 40 50 60 2q (°)

6. シリカガラスの分子動力学シミュレーション

ポテンシャル 本研究で使用したポテンシャル u2中のクーロン項 u3 S2 遮蔽 E2 厳密 S3  0 E3 E2 厳密 S3  0 E3 S2: Garofalini, J. Chem. Phys. 76 (1982) 3189. E2: Yamahara et al. J. Non-Cryst. Solids 291 (2001) 32. S3: Feuston & Garofalini, J. Chem. Phys. 89 (1988) 5818. E3: Vashishta et al. Phys. Rev. B 41 (1990) 12197.

三体項 u3 Parameter O-Si-O Si-O-Si S3 ric (degree) 3.0 2.6 li (erg) 18.0×10-11 0.3×10-11 gi (Å) 2.0 qijkc (degree) 109.47 E3 2.60 li /14.39 eV 0.35 1.40 1.0 141.00

本研究で用いたポテンシャル u2 u3 S2 E2 S3 The same as S2 use E3

体積の温度依存性

体積の極小値の原因 T* <T < Tp Tp < T 最近接 Si-Si 距離の減少 ( Si-O-Si 結合角分布) > 欠陥生成  縮み Tp < T 欠陥生成  膨張

シリカガラス構造の仮想温度依存性 MDにより研究 ポテンシャル: E2 (河村ポテンシャル)

密度の仮想温度依存性(計算結果) Tmax T*

等温圧縮率の温度依存性

シリカガラス表面の分子動力学シミュレーション 表面では欠陥構造が多数 ⇒ 原子間の電荷の移動 ⇒ 電荷平衡法により考慮

はじめに シリカガラス 分析用セル フライアイズレンズ 表面付近で構造変化 接合界面での構造変化? 接合界面構造に対するシミュレーション 高純度 高耐熱性 光透過特性 表面研磨 接合 高温処理 フライアイズレンズ 表面付近で構造変化 シリカガラスは、高純度、高耐熱性、広帯域で高い光透過特性を有しているので、様々な光学材料として広く応用されています。 このとき典型的なプロセスとして、表面研磨、接合、高温処理という過程で処理を行いますが、 このとき、表面付近で構造変化が起こることがわかっています。 本研究では、この構造変化を分子動力学シミュレーションにより調べました。 接合界面での構造変化? 接合界面構造に対するシミュレーション

融着界面の構造 石英粉 溶融石英ガラス 融着界面に欠陥構造? ≡Si・・・Si≡ ≡Si-Si≡ =Si: 本研究の目的 Kuzuu et al.  Phys. Rev. B 47, 3083 (1993) ;  J. Appl. Phys. 93, 9062 (2003). 本研究の目的 シリカガラスの融着界面の構造を分子動力学法により研究

ポテンシャル Morse stretch potential D (J) β(Å-1) r* (Å) Si-O 3.1958×10-19 クーロン力 共有結合の効果 (Morse項) Morse stretch potential D (J) β(Å-1) r* (Å) Si-O 3.1958×10-19 2.7254 1.6148 Si-Si 2.0538×10-21 1.71743 3.4103 O-O 3.7261×10-21 1.37583 3.7835 分子動力学シミュレーションで用いたポテンシャルですが,この式に表すようなクーロン力,共有結合の効果を表すMorse項からなるポテンシャルを用いました。Morse項のパラメータはこの表にしめしたものを使いました。このパラメータを式に代入して図に表すとこのようになります。Si-Si,O-Oの相互作用については距離が0に近づくにつれて値が増大し反発していることがわかります。ところがSi-Oの相互作用については約1.6Å付近にマイナスの値の極小値をとっていることがわかります。これが共有結合を表しています。 このポテンシャルで最も重要になってくるのがクーロン力を表した項です。バルクのシリカガラスを研究するときは静電相互作用による電荷の増減は考えなくていいが,本研究では表面を研究するために電荷を正確に計算する必要があります。電荷は次のようにして求めました。

電荷平衡 (QEq) 法 原子 A の電荷の化学ポテンシャル 平衡条件 電荷保存 QEq 方程式

シミュレーション方法 バルク 表面 融着界面 基本セル z y x レプリカ 次にシミュレーション方法ですがSi粒子数216個,O粒子数432個からなるβ-cristobaliteと呼ばれる結晶からスタートしここに示す工程でシミュレーションを行いました。 最初にバルクの状態でここに示すように常温300Kから8000Kまで徐々に温度をあげしばらく8000Kで緩和させてから徐々に2000Kに冷却し2000Kで充分に緩和させました。そしてこのような熱処理をした系にこの図に示すように空間を挟み2000Kから常温300Kまで冷却しました。そして常温まで冷却した表面を解析しました。さらに空間を無くすことにより表面と表面を繋げ融着界面を作成しました。融着界面作成後は500K~3000Kの間で熱処理し再び常温300Kに冷却したものを解析しました。

接合界面付近の密度,電荷分布 図3 接合界面付近の密度分布 図4 接合界面付近の電荷分布 次に結果を示します。 次に結果を示します。  これは、密度と電荷に関して、界面付近の深度方向の分布を、処理温度依存性に関して調べたものです。 横軸が界面からの距離、縦軸が各々、密度と電荷になっています。 いずれも、一見しただけでは、同じような傾向に見えます。 どもれも、表面層を除いてバルクに近い比べて小さい値をとっています。 密度の場合、表面層だけが、バルクより小さい値をとっています。 また、電荷を見ると、Siの場合は、界面付近では値が小さくなっていますが、  一方, Oの電荷は界面付近では全体としてほぼ一定の値を保っている。  これは,電荷の偏りがおもにSi原子の間で生じていることを表していると考えられます。 図3 接合界面付近の密度分布 図4 接合界面付近の電荷分布

赤丸は3000Kで処理したサンプルですが、これが全ての深度で一定の値になりましたが、 融着界面付近の配位数分布 これは、配位数分布を調べたものです。 赤丸は3000Kで処理したサンプルですが、これが全ての深度で一定の値になりましたが、 他処理温度では、やはり、表面層での変化が目立ちます。 そこで、表面層に着目して解析を行いました。 (控え)------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 赤丸は3000Kで処理したサンプルですが、Siの配位数は、全ての深さで、SiO4が1、Oの配位数も、全ての深さで OSi2が一に なっており、NBOHCやE´センターがほぼ消滅したことを示しています。 図5-1 接合界面付近の Si の配位数分布 図5-2 接合界面付近の O の配位数分布

接合界面層の密度変化 図6 接合界面層における密度の処理温度変化 これは、表面層での密度の処理温度依存性を調べたものです。300K へのquench 前と後では、処理温度3000Kの  場合を除いてほぼ同じ挙動をしています。 2000K まで 処理温度上昇とともに増大し、2500K から 3000K は、 密度の減少しています。 2000K までの変化は、熱運動とともに 原子間の距離が短くなり、結合のチャンスが増えたためと考えられます。 2500K と 3000Kの変化は、高温のため、構造の化学結合に歪ができ、そのために 密度の減少したと思われます。 3000KのQuench 後の値が再び大きくなっているのは、 quenchの冷却過程で ひずみが解消解消したためと思われます。 この2500K以上の構造の化学結合に歪は、次の角度部分布の図でもわかります。 図6 接合界面層における密度の処理温度変化

接合界面付近のO-Si-O結合角分布 図7 O-Si-Oの結合角分布 103°と115°にピーク 左が処理温度1000Kの場合、右が3000Kの場合です。 3000Kの表面の場合を除いて、全ての曲線で、バルクシミュレーションで得られる109.5°付近にピークがあるのに比べ、 3000Kの表面の場合だけ、109.5°は、見えず、少しずれた 103°と115°にピークが出ています。 このことからも、3000Kの処理温度では、かなり構造が歪んだ状態になっていることが分かります。 ------------------------(予備)-------------------------- 表面ではピークは崩れ始めさらにO-Si-O結合角は80°付近に小さなピークをもち,Si-O-Si結合角は100°付近にピークを持っていた。それに比べて常温,1000Kで作成した融着界面でも80°付近に小さなピークがみられる。しかし3000 Kで融着させたものではこれらのピークは消滅していた。つまりSi(O2)Si菱形構造は消滅したことがいえる。 図7 O-Si-Oの結合角分布

接合界面層の電荷と配位数変化 図8 接合界面層における Si の 電荷の処理温度依存性 図9 接合界面層における 配位数 の処理温度依存性 図9 接合界面層における 配位数    の処理温度依存性 次に電荷と配異数の分布を示します。 こちらがSiの電荷、こちらが配位数の分布の図です。 中黒は、接合前の値です。 Siの電荷は、quench前も後もほとんど同じ値をとっており、処理温度とともにほぼ 線形に上昇しているのが分かります。 QEq で電荷の量を決めるのは、SiとOの電気陰性度の違いに起因する電荷の移動と原子間距離です。 前者は、配位数にあらわれ、後者は、密度に関係します。 前のスライドで密度は、2000K まで上昇し、2500K と3000Kで下がっていました。 原子間距離を考えると 2500K以上で変化がある筈です。 ここで、配位数の変化を見てやると Oの関しては、ほぼ一定ですが SIに関しては2000Kと2500Kの間で変化して、2500K以上では、4配位構造に戻っています。 従って、2500K以上では、この配位数の増大が、密度の減少分の補完して、電荷が増大したものと 考えられます。 以上のことから 2000K~2500Kの処理温度の間で、大きな構造変化があることが分かりました。 この変化が、ガラス転移点に関係しているかもしれません。

接合界面層の密度変化 図6 接合界面層における密度の処理温度変化 これは、表面層での密度の処理温度依存性を調べたものです。300K へのquench 前と後では、処理温度3000Kの  場合を除いてほぼ同じ挙動をしています。 2000K まで 処理温度上昇とともに増大し、2500K から 3000K は、 密度の減少しています。 2000K までの変化は、熱運動とともに 原子間の距離が短くなり、結合のチャンスが増えたためと考えられます。 2500K と 3000Kの変化は、高温のため、構造の化学結合に歪ができ、そのために 密度の減少したと思われます。 3000KのQuench 後の値が再び大きくなっているのは、 quenchの冷却過程で ひずみが解消解消したためと思われます。 この2500K以上の構造の化学結合に歪は、次の角度部分布の図でもわかります。 図6 接合界面層における密度の処理温度変化

接合直後の界面付近の欠陥構造 300 K 菱形構造 E´センター NBOHC O原子 Si原子 最後に常温で融着させた時の融着界面付近のスナップショットを示します。この図からNBOHC,E´センターSi(O2)Si菱形構造が確認できます。一方3000Kで融着させたものではこのような欠陥構造は確認できませんでした。  このように表面を融着させるときは温度をT*付近まで上げてから十分時間をかけることが大事になってきます。常温で融着させると欠陥構造が生まれることがわかりました。一方,温度をT*まで上昇させても融着界面付近の密度は小さいままでした。天然の溶融石英ガラスでは原料分が融着した界面の屈折率が粒子内部と異なるため,粒状構造が観測される。したがってシリカガラスは温度を高くしても完全に溶融しない限り均一の材料となることはないものと考えられます。 NBOHC 300 K