メディア基礎演習 3Dコンテンツの基礎 第1回:3DCG事始め
今日の内容 概要説明 スタッフ紹介 3DCG事始め この演習で使うソフトの準備 この演習で対象とする範囲について 3DCGの基礎知識 とりあえず動かして遊んでみよう
本テーマの概要 目的 取り扱う要素 3DCGによるアニメーションの原理と、基本的なカメラワークを理解し、3DCG映像制作の基礎を学ぶ キーフレームアニメーション カメラワーク
スタッフ紹介 演習講師 :竹内 亮太
この演習で学んで欲しいこと 3DCGコンテンツの作り方を… 理論の重要性 実践の重要性 講義によって、理論から理解する 演習によって、実践して習得する 理論の重要性 機械的に作業を覚えても本質は身につかない 実践の重要性 理屈ばかり聞いてても技術は身につかない
理論の学習 理論から学ぶことの重要性 ある特定のソフトに依存した学び方では、 違うソフトを扱う際に何も出来なくなる こう操作するとこうなる、 という機械的な覚え方では応用が効かない 「建築の基礎を知らなくても犬小屋は造れます。 ですが、家は造れません」
演習による実践 理論の講義を、演習ですぐに実践する シンプルなソフトを使って実践する 話を聞いてるだけでは身につかない 自分で手を動かして習得する 話だけでは分からなかったことも、手を動かして「慣れる」ことですんなり理解できたりする シンプルなソフトを使って実践する 単に操作方法を追いかけるのではなく、その裏で利用されている理論を念頭に置きながら操作する なんとなくでもいいよ! 慣れである程度は乗り切れます
授業計画:前半 第1週 第2週 第3週 概要説明とセットアップ 3Dモデルに色々ポーズを付けて遊んでみよう キーフレームアニメーションの説明 モーションを付けて動かしてみよう 第3週 カメラワークとは 色々なアングルと動きでモデルを撮ってみよう
授業計画:後半 第4週 第5週 第6週 最終課題制作物の構想(グループワーク) 世界観・シナリオを想定した絵コンテ作り 最終課題制作 最終発表
出席について 出席点は付きません(通常点100%) 出席は毎回口頭で確認 遅れたり休んでしまったら必ず報告すること 遅刻1点、欠席2点とし、4点に達したら このテーマの得点は0点になります 無断欠席が1回でもあったら… どんだけ減点されても文句言わないでくださいね? 遅れたり休んでしまったら必ず報告すること 連絡先: 演習講師・竹内 亮太(居室:研C213) s2rita@nifty.com
課題と配点 通常点の内訳 第2週の課題[20点] 第4週のグループワーク[20点] 最終課題[60点] モーション制作の練習(第2週) 最終課題の絵コンテ作成(第4週) 最終課題[60点] 絵コンテに沿った映像作品の制作(第6週)
評価方法 全ての提出物は以下の基準で評価します 他人のデータをコピーして提出した場合は 全ての点数が無効になります 授業点(話をちゃんと聞いて活かしているか) 技術点(すごいテクニックだな!) 努力点(よくがんばった!感動した!) アピール点(プレゼン・ドキュメントなど) 創造点(その発想はなかったわー) 他人のデータをコピーして提出した場合は 全ての点数が無効になります
3DCG事始め Welcome to the 3DCG world!
3DCGとは 3次元コンピュータグラフィクス 根っこにあるのは数学 映画・アニメ・CM・ゲーム etc… 散々使われております ベクトル・行列・三角関数あたりは基本 詳細は専門科目の授業で ゲーム数学入門(1年次前期) コンピュータグラフィクスの基礎理論(2年次後期) 3DCGプログラミング(3年次)
3DCG制作の流れ モデリング マテリアル・テクスチャ アニメーション シーンレイアウト ポリゴンで立体的な形を作っていく 色や質感、模様を乗せていく アニメーション 動きを付ける シーンレイアウト ライティング・カメラワーク・レンダリング
モデリング,マテリアル&テクスチャ ポリゴン(三角形の集合)を使って形を作る 色や模様をテクスチャでつける こうして作られたものを「モデル」と呼ぶ 実際にモデリングしたい人は、Metasequoiaがおすすめ ©2007 Kazuya “Boss” Satoo! / OhbadrivE
アニメーション モデルの各部分の位置や角度を動かして、動きにする モーションとも呼ぶ この授業では、独自のツールでアニメーション(モーション)制作の基礎を体験する
シーンレイアウト・カメラワーク キャラクターを配置して、作成したモーションを割り当てる カメラを動かして、シーンを演出する この授業では、モーションとカメラワークを組み合わせた映像作品を最終課題として制作する
とりあえず いじってみよう 3D Try it!!
FK Performerとは 本学で開発し、公開しているモーション制作ツール モーション制作と、シーンレイアウト機能を持つ 同じく本学で公開しているFK Systemとの連動が可能
FK Performerの使い方 本体をダウンロード 解凍して、 実行ファイルを起動 Metasequoiaで モデリングされた モデルを読み込み 骨格情報を読み込み これでとりあえず いじってみよう
ドライバの更新について 07年度以外の斡旋機は、 そのままで構いません 07年度入学生の斡旋機種は、グラフィクスドライバに問題があります Vista リリース直後のため、OpenGL に未対応 可能な限り、ドライバを更新して OpenGL 版を利用することをおすすめします ドライバ更新手順は配布ページを参照
ダウンロードと解凍 配布サイトからダウンロード 自己解凍ファイルを実行して展開 フォルダごと、どこか好きな場所に配置 2年次開講科目→3Dコンテンツの基礎→FKP配布サイト サンプルモデルデータもあわせてダウンロード 自己解凍ファイルを実行して展開 “FK_Performer.exe”という実行ファイルができる “_D3D”とついている方はうまく動かなかったときに使う “sample_model”フォルダはPeazipなどで解凍する フォルダごと、どこか好きな場所に配置 デスクトップ上だと散らかる D:\の下あたりがおすすめ 日本語を含むファイル名やフォルダ名は使わない方がよい
サンプルデータについて 本学有志で制作したゲームで使われたもの 本演習においては自由に利用してよい 著作権は放棄していないので気をつけること アクションRPGに登場するキャラクターと モンスターたち “Phase Of Elements” ©2007 OhbadrivE
ソフトの画面構成 最上段 左側 最下段 ファイル読み込みや表示切り替え操作のメニュー コントロールのためのスライダーや、モーション情報表示欄 ナビゲーションが出ます 操作に迷ったら参考に
マウスによるカメラ操作 右ドラッグで視点回転 ホイールスクロールでズームイン・アウト 中ドラッグで注視点移動 シフト+右ドラッグでもできます 中ドラッグで注視点移動 ノートPCのタッチパッドでは、左右同時押し CTRL+右ドラッグでもできます CGを扱うソフトの基本操作だが、ソフト ごとに作法が大きく違う場合もあるので 注意すること
演習 網目と軸の伸びている向きに注意しながら、視点をぐりぐり回転させてみよう 中ドラッグで、視点が回転する中心点が動くのを確認してみよう ホイールスクロールで、視点が前後に動くのを試してみよう
キャラクターの読み込み “sample_model”フォルダ内にモデリングされたキャラクターデータが入っている とりあえず、くまさんを読み込んでみよう 読み込み→キャラクターモデルを読み込む→ “sample_model/Bear/bear.mqo”
キャラクターモデルの構造 くまさんを見てみよう 動かしたい部分ごとに、別々のパーツとして分かれている 人型のモデルはもっと細かく分かれている 動かすことを想定したモデリング作業が必要
演習 モデルの部位を左クリックして、どのくらいのパーツに分かれているのか確認してみよう くまさんで確認したら、他のモデルでも確認してみよう
キャラクターモデルのセットアップ どの部位がどこを基準に動くのか決める どの部位がどこに繋がっているかを決める サンプルモデルには 設定済み 球体関節のロボットや 人形のようなもの どの部位がどこに繋がっているかを決める スケルトン構造 サンプルモデルには 設定済み 読み込み→セットアップデータの読み込み→ “sample_model/Bear/bear_setup.fkc”
ポーズを取らせてみよう 動かしたい部位を 左クリック 表示されるリングを 左ドラッグ 根本の部位を回すとその先も一緒に回転する RGBの各リングでそれぞれ回転する方向が変わる 根本の部位を回すとその先も一緒に回転する 先端を回した場合は先端だけ回転する
演習 気に入ったサンプルモデルに色々なポーズを取らせてみよう 手をあげる、さげる 首をまわす 脚を蹴り上げる
3次元座標系について の3個の数値で空間中の位置を表す Performer上で メッシュが表示されているのが X-Z 平面 Yは高さを表す の3個の数値で空間中の位置を表す Performer上で メッシュが表示されているのが X-Z 平面 Yは高さを表す RGBの各色の軸が伸びている方がプラス(+) これもシステムによっては異なる場合がある ある位置に置いてみよう、とか 横並びにしてみよう、とか 奥に並べてみよう、とか
位置と姿勢 3DCGにおける、物の見え方を決める重要な要素 画面左側のスライダーと数値に注目 どこにいるのか どっちを向いているのか 位置は座標値で表す 向きは3つの角度で表す オイラー角と呼ぶ
演習 くまさんを移動させたり、色んな向きを向かせてみよう 剣士の女の子に、剣を持たせてみよう 座標値と軸の向きの関係 リングの色と回転方向の関係 いじりつつ、これらを掴む 剣士の女の子に、剣を持たせてみよう
今日のまとめ このテーマでの授業の進め方 3DCGの基礎知識 出席や評価・課題のルール 「理論と実践」を意識したお勉強 制作工程の流れ 「位置」と「方向」の考え方
確認課題 以下のお題に沿ったポーズを人型のモデルで作ってみよう(合計10Level分作ってみよう) Level1 Level2 Level3 お辞儀 敬礼 大の字 腕を上げる Level2 アイーン 正拳突き Level3 キャイーン ローキック 腕組み 正座 Level4 命! 胡座 しゃがむ Level5 考える人 だっちゅ~の orz Level? オリジナル
ポーズの保存方法 画像として保存したい場合 データとして保存したい場合 保存→現在の表示を画像で保存(BMPで保存) 「追加・挿入」ボタンを押す 保存→モーションデータを保存(fkmで保存) 読み込むには、キャラクターモデルと セットアップデータを読み込んでから、 モーションデータを読み込んで、再生ボタンを 押すとポーズが再現される 詳細は次回以降取り扱います
次回予告 ポーズを付けたキャラクターを動かす キーフレームモーションについて
参考資料 参考書 「ディジタル映像表現-CGによる映像制作-」 CG-ARTS協会 ISBN4-903474-10-0 モデリングソフト「Metasequoia」 http://www.metaseq.net/
プリレンダリングCG プリレンダリングCGとは 1枚の画像を時間をかけて計算して生成する 品質的には(頑張れば)綺麗なものができる 映画やアニメなど、流して観るだけのものはこれで 1コマずつ作った画像を繋げて映像にする 品質的には(頑張れば)綺麗なものができる ゲームでもオープニングとかイベントシーンとかだけ やたらきれいなのはプリレンダリングCGのムービー 高価なソフトウェアを用いることが多い (Maya, 3DsMax など)
リアルタイムCG リアルタイムCGとは 1フレーム(コマ)ごとの映像をその時間内に作る 「操作に反応する映像」が実現可能 60FPSの場合は16㍉秒、30FPSなら33㍉秒以内 「操作に反応する映像」が実現可能 主に利用用途はゲーム 表現の品質には制約を受ける 次世代ゲーム機(PS3, XBox360)での表現は プリレンダリングに迫ってきている まぁ、裏側では色々苦労があるわけですが… ここでは、リアルタイムCGで演習を進めていく
プリレンダリングとリアルタイムにおける表現の差 造形の細かさ 光の反射具合のシミュレーション その他スペシャルなエフェクト リアルタイムでは端折られたり、ごまかしたりして表現されることになる ゲームプログラマとデザイナーの骨肉の争いが…… プリレンダリングでも、あまりに時間がかかりすぎるのは問題 納期がありますからね