携帯(移動体)電話産業の歴史・現状とIMT-2000について

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携帯(移動体)電話産業の歴史・現状とIMT-2000について                    製作者 橋本 幸紀

内容 (1)携帯電話の歴史について (2)携帯電話の市場規模 (3)携帯電話の事業者別のシェア (4)携帯電話普及の原因 (5)携帯電話産業のインフラネットワークについて (6)料金低廉化について (7)IMT-2000計画について (8)海外との提携について (9)次世代携帯電話の生活・ビジネスへの影響 (10)携帯電話の使用マナーと健康・環境への影響

携帯(移動体)電話の歴史 1953年 日本電信電話公社が船舶用の港湾電話サービス(ハーバービス)を開始 1979年 日本電信電話公社が自動車電話サービスを開始 1985年 日本電信電話公社の民営化(NCCの参入) 1991年 NCCとの相互接続開始 1993年 アナログ方式からデジタル方式への移行 1994年 携帯電話機の売り切り制導入 1995年 PHSサービスの開始 1997年 文字送信(メール)サービスの開始 1999年 「iモード」による携帯電話の爆発的普及 2001年 第三世代携帯電話システムの導入 2010年 第四世代携帯電話システムの導入

携帯電話進化論 第1世代 草創期 アナログ携帯電話 音声通信中心 アナログ自動車電話 1980 年代 第2世代 音声と 成長期 AMPS TACS NTTなど アナログ携帯電話 アナログ自動車電話 音声通信中心 1980 年代 成長期 第2世代 音声と 低速データ通信 (~64kbps) PDC GCM IS-95 PHS iモードなど デジタル携帯電話 デジタル自動車電話 1990 年代 成熟期 第2.5世代 音声と 高速データ通信 (~384kbps) Java搭載 デジタル携帯電話 2000 年代 第3世代 円熟期 次世代携帯電話 超高速データ通信 (~2 Mbps) 第4世代 画像・広帯域サービス を含む次々世代携帯電話 「モバイルで実現するスピード経営」MCPC編集 リックテレコムより

携帯電話の市場規模 固定電話と移動電話の加入者数の推移 ・マーケット全体で  1998年 約5兆円⇒2005年 約14兆円⇒2010年 約21兆円に増大

携帯電話の事業者別のシェア (2000年10月末) (2002年9月末) 加入者数 5600万人 加入者数 7200万 ツーカー 6% J-フォン  18% 加入者数 5600万人 加入者数 7200万 NTTドコモ  58% KDDI  18% (2000年10月末) (2002年9月末)

PDC (システム別) システム 加入者 NTT-docomo 4200万 au 60万 ツーカー 400万 J-フォン 1300万   システム    事業者     加入者 PDC NTT-docomo    4200万 au      60万   ツーカー     400万   J-フォン    1300万 Cdma-One    1000万 W-CDMA      13万 CDMA-2000     200万                            出所 総務省統計局

携帯電話普及の原因 原因 ・i-モードの登場(機能の進展) ⇒若者の必需品に ・日本独特のエンターテイメント志向     ⇒若者の必需品に   ・日本独特のエンターテイメント志向   ・急激な価格破壊(新規加入料、端末価格      、通話・通信料金)   ・解放の道具(移動体としての利便性)   ・その他社会的背景

携帯電話普及の社会的背景 人口構成 産業・経済 企業・経営 個人・生活 社会的動向 移動通信との関係 高齢化・少子化 規制緩和・     社会的動向 高齢化・少子化 規制緩和・ グローバル化 オープン化・ 高付加価値化 パーソナル化・ 多様化 ・労働人口減少 ・経済成長の鈍化 ・貯蓄率の低下 ・医療・社会的コストの  上昇 ・リストラ進展 ・ニュービジネスの  台頭 ・人材流動化 ・デジタルネットワーク  化拡大 ・組織フラット化推進 ・SOHO、ベンチャー  の増大 ・ライフスタイル多様化  ・成熟化 ・生涯教育・自己啓発  重視 ・高齢層、女性  就業率向上・  活性化 ・行政・医療システム  の近代化 ・労働・事務生  産性改善 ・ニューサービス  ・ビジネスの創  造 ・アジア中心に  海外事情拡大 ・情報化投資  増大 ・伝達混雑量  拡大 ・ネットワーク化  進展 ・個人の情報装備  ・投資の増大 ・コミュニケーション  の多面性増大 ・デジタルサービスの  成長 移動通信との関係

インフラネットワークについて ・エリアを細分化するセル方式で 品質改善 ・基地局の「線状」から「面的」使 用へ 以前の基地局は大ゾーン構成  ・エリアを細分化するセル方式で  品質改善    以前の基地局は大ゾーン構成     ⇒需要の増大による回線容量不足に     ⇒セル化(小ゾーン)構成へ  ・基地局の「線状」から「面的」使  用へ    携帯電話のモビリティーは道路や繁華街など場所   を問わずいつでも、どこでもへの形へ

料金低廉化について ・当初は割高だったが、保証金の廃止、端末 販売の自由化、新規加入料の無料化によ り価格の低廉化(1990年代半ば) ・当初は割高だったが、保証金の廃止、端末 販売の自由化、新規加入料の無料化によ り価格の低廉化(1990年代半ば)  「料金下がる⇒ユーザーが増える⇒売上が上がる⇒さらに 料金が下がる」の価格弾力効果がきいた好循環 ・iモードの接続時間ではなく情報量への課  金を用いたパケット方式  基本使用料も低料金に⇒Iモード普及の大きな理由 課題  今後普及する次世代による情報量の増大に対し  てパケット方式のままでよいのか?

携帯電話の“価格破壊”(NTTドコモの例) ① 新規加入料 4 3 2 1 (万円) 91.4 94.4 92.4 93.4 96.12 95.12 94.12 95.6 45,800 36,000 21.000 9,000 6,000 新規加入料廃止

携帯電話の“価格破壊”(NTTドコモの例) ② 端末価格 94.4 98.11 98.4 96.4 95.4 97.4 00.4 12 10 8 6 4 2 (万円) 119,000 90,000 85,500 65,000 59,000 49,500 46,900 34,000 (N203) 32,500 (N206) 29,900 (N207) 29,500 (N208) 携帯・自動車電話

携帯電話の生産単価の推移

IMT2000計画について ・携帯電話の方式 W-CDMA アナログ=第一世代 デジタル=第二世代 第三世代 FDMA 日本 PDC 利用地域 名称 接続方式 日本 NTT 方式 FDMA 北欧 NMT 米国 AMPS 英・日本等 TACS 利用地域 名称 接続方式 日本 PDC TDMA 欧州 GSM 米国 cdmaOneIS-136 CDMA 利用  地域 名称 日本 W-CDMA 欧州 米国 CDMA-2000

①当時、官民共にPDC方式の国内導入に注力し、海外での 取り組みが十分ではなかった。 理由  ①当時、官民共にPDC方式の国内導入に注力し、海外での   取り組みが十分ではなかった。  ②技術のノウハウが特定の企業グループに集中していたた   め、普及の妨げとなった。  ③日本オリジナルに固執したため、海外の技術を採用しな    かった。  ④技術規格についての基本文書の英語版作成が遅れた。  ⑤後の技術進歩のために技術仕様まで規定しなかったこと   が、欧米規格に比べて発展途上国にとって導入しにくか   った。

IMT2000とは? ・IMT(International Mobile Telecommunication- 2000)の含意  -「インターネットを常時接続させた高速データ通   信能力を持つ世界共通で利用できる携帯電話」 ・国連の下部機関であるITUの手動の下で1980年代から検討され結局二つの規格が採用されることとなった。   日欧方式(W-CDMA) VS 北米方式(CDMA-2000) 第二の「VHS対ベータ」戦争か?

同じCDMA技術を使用しているので両方向 2つの通信方式が世界で“激突” W‐CDMA (日欧方式) NTTドコモとノキア、 エリクソンなど、欧 州メーカーが推奨。 日本ではNTTドコモ とJ-フォンが採用。 Cdma2000 (北米方式) モトローラ、クアル コムなど、米国のメー カーが推奨。日本で はKDDIが採用。 VS KDDI 「au」 EZweb KDD,DDI,IDO,ツーカー が2000年10月合併 NTTドコモ J-フォン Jスカイ (2002年より) 互換性が ない 互換性 あり 同じCDMA技術を使用しているので両方向 に対応するデュアル端末の開発は容易 国際ローミングサービスは実現可能

・2つの方式の長・短所について W-CDMA方式 CDMA-2000方式 長所―GSMの発展型であるため、国際ローミングという点で     有利(国内でも最大手のドコモが採用) 短所―基地局の交換で設備投資のコストが増大する CDMA-2000方式 長所―既存の無線システムが使えるため、通信料金に反映     できる。 短所―国際ローミングという点で劣る ・日本が実験の場か?最も早く導入されるため ・真の勝者の条件は?   ⇒如何にしてコンテンツを充実させ、顧客を惹きつけるか

海外との提携・出資について

携帯電話をめぐる主な提携 米国・カナダ 欧州 日本 アジア TIW (カナダ) ハチソン3GUK KPNモバイル (オランダ) ハチソン・ ホールディングス(英) (親会社のハチソン・ ワンポアが出資) KPNモバイル  (オランダ)   ハチソン・ テレフォン(香港) ボイスストリーム・   ワイヤレス NTTドコモ Eブルス  (独) テレコム・ マレーシア ベルサウス ドイツ・ テレコム SKテレコム   (韓国)  AT&T ワイヤレス フランス・ テレコム KGテレコム   (台湾) オレンジ   (英) KDDI 出資    ベル・ アトランティック マンネスマン    (独) 合併または 事業統合 J-フォン ボーダーフォン・エアタッチ(英) (合意、検討段階を含む) BT(英) 日本テレコム AT&T

次世代携帯電話でどのようなサ―ビスが実現されるか

高速 低速 実用化が期待されるサービス 伝送速度 ビデオ オンデマンド 電子カタログ ショッピング デジタル情報配信 (ビデオ&オーディオ) テレビ会議 遠隔医療 モバイルテレビ Handy View 高度ナビゲーション システム Video-picture 通信教育 テレビ電話 ビデオメール WWW カラオケ デジタル情報配信 (オーディオ) モバイルラジオ モバイル バンキング Voiceメール 電子新聞 電子出版 Mobile Player 電話 Eメール デジタル情報配信 (テキスト) ショート メッセージ 映像系 画像系 オーディオデータ テキストデータ 音声系 NTTドコモパンフレットより

携帯電話の使用マナーと健康への影響 ・携帯電話普及につれて発生した社会的問題 (1)公的な場での使用のトラブル (2)人体への影響  (1)公的な場での使用のトラブル  (2)人体への影響    ①医療機器への影響      (例:心臓ペースメーカー)    ②頭部に吸収される電磁波と脳腫瘍の因果      関係