Developing an integrated terrestrial ecosystem model

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気候 - 海・陸炭素循環結合モデルを用い た 地球温暖化実験の結果 吉川 知里. 気候 - 海・陸炭素循環 結合モデル.
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2003年12月16日 炭素循環ー陸域サブサブグループ 1 他プロジェクトとの連携 (共生第3 - 生態、環境省S1、 GCP ) ( 11 月 日の合同会議を踏まえて) 2 最近の進捗状況 3 AGU-2004Fall 参加報告 4 その他 共生第2課題 第15回連絡会.
Localized hole on Carbon acceptors in an n-type doped quantum wire. Toshiyuki Ihara ’05 11/29 For Akiyama Group members 11/29 this second version (latest)
2 - 1.オートフィルを使う  連続データの自動作成 ・月の名前 ・連番(連続データ) フィルハンドルを ダブルクリック → 自動認識 マウスポインタが変わる.
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高度情報演習1A “テーマC” 実践 画像処理プログラミング 〜画像認識とCGによる画像生成〜 第四回 演習課題 画像中からの物体抽出処理(背景情報を手がかりとして) 芝浦工業大学 工学部 情報工学科 青木 義満 2006/05/15.
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地球環境変化予測のための 地球システム統合モデルの開発
光環境と植物 第10回 光量と植物の生長について
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葉面積密度の空間分布を考慮した 樹木の抵抗係数の算定に関する風洞実験 加藤 麻希 佐藤 宏樹
2.温暖化・大気組成変化相互作用モデル開発 温暖化 - 雲・エアロゾル・放射フィードバック精密評価
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炭素循環モデルグループの進捗状況 吉川知里 共生2連絡会議   C. Yoshikawa.
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陸域炭素循環モデルにおける 植生帯移動予測コンポネントの構築
気候-陸域炭素循環結合モデルの開発 加藤知道 (かとうともみち) 独立行政法人 海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター
窒素が増えると樹木の 葉っぱはどうなるの?
植生熱収支モデルによる いもち病感染危険度予測を目指して
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<JP3-079> 光環境の違いに対するエゾマツとトドマツの生理・形態・器官量配分反応
疫学概論 情報の要約 Lesson 3. 情報の要約 (率、比、割合) S.Harano,MD,PhD,MPH.
気候-陸域炭素循環結合モデル 2005年度まで ・モデル結合を完成 ・20世紀の炭素循環を再現 2006年度 ・21世紀の炭素循環の推定
風害後50年間の落葉広葉樹林の林分回復過程 主要12樹種について個体数動態、胸高直径と樹高の頻度分布、 考察 はじめに 調査地と方法 結果
生態地球圏システム劇変のメカニズム 将来予測と劇変の回避
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2006 年 11 月 24 日 構造形成学特論Ⅱ (核形成ゼミ) 小高正嗣
大気-陸域炭素循環結合モデルの開発進捗状況
海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター 河宮未知生 吉川知里 加藤知道
風速 風向 気温・湿度 クローズドパス システムBOX 32m 積雪深 純放射量 m 地温 土壌水分量 地中 熱流量 cm 5cm ×4地点 水蒸気密度 吸気口 オープンパス 二酸化炭素濃度 三次元風速.
CO2 enrichment increases carbon
Effects of a thinning regime on stand growth in plantation forests using an architectural stand growth model by Yukihiro Chiba 佐野 友紀 (B3) 森林施業支援システムー多様な森林を誘導するための育林診断ー 千葉幸弘.
γ線パルサーにおける電場の発生、粒子加速モデル
河宮未知生 相田眞希 吉川知里 山中康裕 岸道郎
“Blue Revolution and Water Governance” Research Project
K2地球システム統合モデル 成層圏拡張の進捗について
ガウシアングラフィカルモデルにおける一般化された確率伝搬法
太陽光の分配1(直接光) 木本 葉群を垂直10センチ間隔のレイヤーに区切り、各葉群レイヤーの南中時における直接光を左図の要領で算出する。この南中時における光量を元に、1日の積算入射光量を推定する。 下の方の葉群レイヤーほど自己被陰の効果が強くなる。また仮想林分の境界を越えた光線は反対から方向に入射されるとした。
共生2-3相関チャート ※共生2のグループ分け 炭素循環 陸域(炭素循環、 植生動態) 海洋 大気組成 大気化学 エアロゾル 寒冷圏モデル
<PC48> エゾマツ・トドマツ稚樹群の動態に 環境条件が与える影響
落葉広葉樹林流域における 水文特性の比較 人工針葉樹林流域と 水利環境学研究室 久田 重太.
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Developing an integrated terrestrial ecosystem model for global changing predictions 陸域統合モデルへの結合を念頭にした 植生動態モデルの構築(設計と進捗状況の報告) Hisashi SATO (FRSGC) & Takashi KOHYAMA (Hokkaido Univ.)

Feature of the forest dynamic model 1 Individual basis model, which explicitly treat 3D forest-structure within 30m x 30m patches Individual characteristics Foliage : biomass, crown diameter, crown depth Stem : biomass, height, sapwood & heartwood diameter Root : biomass --- Shape of crown and stem are approximated by cylinder この30m×30m林分を、1グリッド当たり10個同時にシミュレーションし、その平均値をグリッドの代表値とする。 小サイズの林分を複数シミュレートさせる理由 ・計算量の問題。現在のプログラムだと、林分の面積に対して指数関数的に計算量が増えてしまう。 ・攪乱の問題。特に寒帯林で頻発する森林火災の場合、その攪乱面積が広いため、一端生じると、シミュレートしている林分の大きさが30×30mだろうが1haだろうが、その殆ど全てが壊滅してしまう。このように機会的に大きく変動する単一の林分をもって、グリッドの代表値を得ることは適当ではない。

Estimated light intensity Feature of the forest dynamic model 2 Estimate light intensity on the top of the crown by using light distribution on hemisphere and canopy location within the forest stand (SORTIE like) Estimate light distribution within canopy using leaf area concentration and light attenuation index Estimated light intensity Light Distibution on Hemishpere Foliage depth Grass layer, which can only use light on the forest foor To avoide ‘edge effect’, this scanning will be performed on ‘mirror world”

樹形生成に関する素過程モデル 全球計算で必要となるメモリー量の概算 1. The pipe model (Shinozaki et al. 1964) Relationships between leaf area (LA) and sapwood cros section area 2. Functional balance of leaf and root (Larcher 1983; Jackson et al 1996) Relationships between leaf mass and root mass 3. Stem mechanism (e.g. Huang et al. 1992) Relationships between tree height and stem diameter 4. Packing constraint (Zeide 1993) Relationships between crown area and stem diameter 5. Empirical relationship between leaf mass and longevity (Reich et al. 1997) 6. Growth rate dependent mortality これらの殆どの素過程モデルはLPJ-DGVMで用いられているものであり、パラメーターも流用した。LPJとの違いは、これらの「組み上げ方」のみである。 全球計算で必要となるメモリー量の概算 1個体 1林分内の 最大個体数 グリッド内の 反復林分数 グリッド数 整数型4個, 単精度実数型10個 48 byte T42座標系 128×64 のうちの約1/3程度 2700前後 × 900 × 10 × 小計 約42K byte 合計 11664000 byte ≒ 1G byte

動画 500年間の温帯落葉樹林動態例 ・ 光は真上からのみ入射されている ・ Disturbance regimeも入っていない ・ 光は真上からのみ入射されている ・ Disturbance regimeも入っていない ・ 死亡率のルーチンも完全ではないので、大きな樹木が片っ端から死んでいくという妙な動態が生じている お断り

出力例:温帯落葉樹林の200年間 (あまり意味無いけれど、、)  出力例:温帯落葉樹林の200年間 (あまり意味無いけれど、、) リッター生成量 ( Kg / ha year ) Leaf Area Index ( m2 / m2 ) バイオマス ( Kg / ha ) 胸高直径合計 ( m2 / ha )

いかにSim-CYCLEと結合させるか この辺りをゴッソリ 次のModuleと入れ替える Sim-CYCLEの構成 生理生態Module  ・気孔  ・個葉過程  ・キャノピー  ・光利用効率 etc 水収支Module  ・蒸発  ・蒸散  ・流出 etc 放射収支Module  ・日長  ・全点放射  ・PAR  ・純放射 etc 炭素収支Module  ・生産力  ・呼吸  ・NPP  ・バイオマス  ・土壌炭素 etc この辺りをゴッソリ 次のModuleと入れ替える 生物季節Module ・生育期間、展葉期間

Metabolic linkageのみ分かりやすく抽出すると、、 Annual computation Daily computation その年に生産する葉面積を 個体毎に決める。 日々の雲量、温度、水分条件に応じてPFT別、光強度クラス別の生産量を求める 光強度クラス PFT1 PFT2 光合成量 Monthly computation 1年分の合計 落葉樹の場合、成長期間における積算気温に応じて、展葉度を決める 光強度クラス PFT1 PFT2 葉面積 1ヶ月分の合計 展葉度と、その月の天球内の太陽光分布から、PFT毎に光量別の葉面積分布を算出。右図のような集計表を作成する。 個体毎に月間生産量を算出

パラメーター推定と調整の手順 (1) (2) (3) (4) (5) 樹形形成アルゴリズムとパラメーターの調整: 樹形と葉面積密度とが、それっぽく再現されるよう、PFT毎に調整する。 動態(定着、死亡、Disturbance)パラメーターの調整: 森林が単一種類のPFTから構成されるような状況において、平衡時の個体密度・樹齢構成を実際の極相林と近づける 生理過程(光合成、呼吸、資源分配)パラメーターの調整: 単一種類のPFTから構成されるような森林において、平衡時の単位面積当Biomass、LAI、断面積分布・合計を、現実の極相林に近づける。 各PFTについて、(2)と(3)を繰り返し、パラメーターを収束させる。 全球グリッドで試運転する: 平衡時における植生分布パターンやGPP分布パターンが、実際のそれと、どの程度一致するのかについて検討する。

この世界最強のDGVMを今年度末か新年度初頭までには稼働させる。  スケジュール ・植生動態モデルを仕上げる(10月末までに完了) ・Sim-CYCLEとの結合(1ヶ月半~4ヶ月) ・パラメーター推定とチューニング(1ヶ月~3ヶ月) Sim-CYCLEのパラメーター群も再推定・再チューニングする必要があるので、本来は相当の時間が必要だが、プロジェクトの皆様や外部評価委員会の皆様を安心させるために、とりあえず早めに終わらせ、次の段階に移る。 ・ベクトル化し、地球シミュレーター上で全球グリッドの試運転を行う (“ベクトル化”の作業内容を把握していないので、作業期間は不明) この世界最強のDGVMを今年度末か新年度初頭までには稼働させる。