平成21年度天草地域振興局ワーキングチーム 平成22年3月24日(水)最終報告

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平成21年度天草地域振興局ワーキングチーム 平成22年3月24日(水)最終報告 平成21年度天草地域振興局ワーキングチーム 平成22年3月24日(水)最終報告  『認知症高齢者が安心して暮らせる地域づくり』 私達認知症さぽ~た~ずは、『認知症高齢者が安心して暮らせる地域づくり』という活動テーマに取り組んできた。最初に、目標・目的について検討を行うにあたって、認知症や、認知症の人を取り巻く現状について認識を深めた。 〔認知症サポ~タ~ズ〕 天草地域振興局  内野、上坂、坂本上天草市 田中 天草市   林 苓北町        平井 

1. 『認知症とは?』 認知症は「病気」 もの忘れ 体験の一部分を忘れる 老化 認知症 体験そのものを忘れる 病気 朝ごはん 食べたかな? 1. 『認知症とは?』 認知症は「病気」 もの忘れ 体験の一部分を忘れる 老化 ○まず、認知症とは何かということから始めたい。 ○認知症は、「病気」である。「脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活がおくれなくなった状態」と定義されている。 ○認知症は、はじめのうちは、老化によるもの忘れとの区別がつきにくい病気である。大きな違いの一つとして、老化によるもの忘れは体験の一部分を忘れるのに対し、認知症は体験のすべてを忘れてしまう、という点があげられる。 認知症 病気 体験そのものを忘れる 朝ごはん 食べたかな?

2.天草圏域の現状 天草市 苓北町 上天草市 天草圏域の人口の推移 (年齢3区分人口の推移) ~14歳 15歳~64歳 65歳~ 天草圏域の人口の推移    (年齢3区分人口の推移) ~14歳 15歳~64歳 65歳~ 次に、天草圏域における認知症の人を取り巻く現状について説明する。まず天草圏域の人口はどこの市町も、15歳未満、15歳~64歳の人口が減っているが、65歳以上の人口は増えている状況にあり、全人口に占める65歳以上の割合が高くなっていることが見てとれる。 苓北町 上天草市

(1)高齢者人口の推移 苓北町 天草市 昭和40年 平成17年 高齢者人口の推移をみても、昭和40年と平成17年では、高齢者の数が大きく変化しているのは明らかである。 天草市 昭和40年 平成17年

(2)高齢化率及びその推移 天草圏域の高齢者数 天草圏域 2006年 2007年 2008年 2009年 老年人口(65歳以上) (人) 各年10月1日現在 天草圏域 2006年 2007年 2008年 2009年 老年人口(65歳以上) (人) 42,833 42,965 42,891 42,939 高齢化率(%) 31.6 32.3 32.8 33.4 (熊本県推計人口調査より) 将来の高齢化率推移 天草圏域の現状を見てみる。2009年10月1日現在の高齢化率は33.4%となっている。高齢化率は年々増加しており、2020年には、3市町とも高齢者率が約4割となる見込みで、5人に2人は65歳以上という社会になる。「65歳以上人口」の増加、長寿化に伴い認知症高齢者も増加する見込みである。 (国立社会保障・人口問題研究所 市町村別将来推計人口より)

(3)高齢者の世帯に占める割合 一般世帯のうち、65歳以上の親族のいる世帯の割合(%)① 全世帯に占める 65歳以上の 単独世帯割合     (%)② 65歳以上の夫婦 のみ世帯割合       (%)③ 再掲 ②+③ その他の世帯割合 (%)①-(②+③) 国平均 7.9 9.7 17.6 県平均 42.4 9.2 11.1 20.3 22.1 天草市 54.2 13.9 14.7 28.6 25.6 上天草市 56.6 12.6 14.2 26.8 29.8 苓北町 56.9 13.8 13.4 27.2 さらに平成17年の国勢調査をみると、高齢者単独世帯と夫婦のみの世帯を合わせると、2市1町すべてで全体の3割近くを占めている。 県内では、天草地域と芦北地域において高い割合を示している。 (資料)総務省統計局「国勢調査(平成17年10月1日)」

(4)要介護認定者の状況 熊 本 県 平成18年 平成19年 平成20年 認定者(第1号被保険者) 78,702 78,485 80,224 認定者(第2号被保険者) 2,290 2,281 2,338 総数 80,992 80,766 82,562 認定率(%) 17.9 17.6 17.8 全国 全国認定率(%) 16.2 15.9 16.0 天 草 市 5,238 5,244 5,206 107 10 112 5,345 5,254 5,318 17.5 17.4 17.3 上 1,800 1,770 1,819 41 48 51 1,841 1,818 1,870 17.3 苓 北 町      359      358      383          7        4         5      366       362       388      13.3     13.1      14.1  次に要介護認定者の状況に触れておきたい。天草市では認定者総数は5,318人で認定率17.3%、上天草市では総数1,870人で認定率17.3%、苓北町で総数388人で認定率14.1%となっている。

(5)第1号被保険者の介護保険料(月額 単位:円) (5)第1号被保険者の介護保険料(月額  単位:円)  第1号被保険者の保険料月額 第3期 第4期 県平均 4,412 4,357 天草市 4,200 4,000 上天草市 4,350 苓北町 3,300 3,400 第一号被保険者の介護保険料月額は、3,400円から4200円となっている。 ※天草市の第1号保険料が下がった要因の一つには、介護療養型医療施設が、医療保険の病床に転換されたことにより施設給付費が減少したことが挙げられる。また、第3期での余剰金充当により引き下げられた。(健やか生き生きプランより)

(6)介護保険関係等施設整備状況 (平成21年2月1日現在) (資料)熊本県高齢者支援総室調べ グループ ホーム 地域密着型 特定施設 介護老人 福祉施設 保健施設 介護療養型 医療施設 ①~⑤ の合計 施設数 定数 ① 定員 ② ③ ④ ⑤ 天草市 12 126 10 623 5 320 194 1263 上天草市 6 63 1 29 4 210 3 190 504 苓北町 9 30 2 80 119 介護保険関係等施設の整備状況をみると、昨年2月時点では、天草全体では56施設数と1,900弱の定員があった。今年度から、新たに整備されている施設等もあるので、現在とは状況は異なっている。 (資料)熊本県高齢者支援総室調べ ※天草市においては、平成21年度にグループホーム6ユニット整備予定である。(整備後の定員180となる)  平成21年度に介護老人保健施設(1施設、50床)新規開設し、6施設370床になった。

(7)介護度別認知症高齢者の日常生活自立度 天草 圏域 要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 合計 自立・Ⅰ 1,020 946 64 240 180 124 48 2,622 Ⅱa以上 306 233 1044 783 820 982 5114 23.1% 19.8% 94.2% 76.5% 82.0% 88.8% 95.2% 51.3% 全体 1,326 1,179 1,108 1,023 1,000 1,106 994 7,736 介護保険の認定者の、認知症の日常生活自立度をみてみる。数値の時点は各自治体で異なるが、全体でみると認定者の半数以上が中等度より重い認知症の症状を有していることがわかる。ここで表している「Ⅱa」というのは、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる状態をいう。 ※数値の時点/天草市:H22.2,上天草市:H22.3,苓北町:H21.4の集計。 ※自立度不明者除く。

(8)認知症高齢者数の推計(熊本と全国) 熊本県と全国の認知症高齢者数の推計をみても、平成14年の時点で全国では認定者の半数近くが自立度Ⅱ以上で、熊本県においても3万人を超す認知症高齢者がいると考えられている。 (注) 1 全国の推計値は、平成14年9月末についての推計(端数処理のため表内において不都合な箇所がある) 2 「その他施設」は、医療機関、グループホーム、ケアハウス等 3 本県の試算値は、本県の平成14年9月末時点の要介護認定者数に、全国推計値の出現率を乗じて算出したもの。   なお、本県の「認定申請時の所在(内訳)」は、平成15年4月の要介護認定データを基に推計したもの。 (参考)自立度Ⅱ:日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。 自立度Ⅲ:日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さがときどき見られ、介護を必要とする。

3.熊本県における認知症対策 次に熊本県における認知症対策をみていきたい。

県民から見た認知症総合対策の位置づけ(イメージ) (参考) 新 ①認知症疾患医療センター 目標 認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らせる熊本づくり  相談・受診 介護サービス事業所 認知症疾患  医療センター ・ホームヘルプ ・デイサービス ・通所リハビリテーション等 居宅サービス かかりつけ医 認知症かどうか不安だ。 介護に困っている・・。 認知症医療体制の充実 ☆専用相談窓口設置 住民   転院   相談・受診 ・鑑別診断  検査(血液等)  画像診断(CT等) ・外来治療   投薬、 療養指導 ・入院による治療 ・診断 ・検査 ・投薬 ・療養指導 (より専門的な医療を受けるため) 熊本県における認知症対策は「熊本モデル」と呼ばれている。認知症の早期診断や診療体制を充実するために、認知症疾患医療センターを、地域での拠点機能を担う「地域拠点型」と、県全体を統括する「基幹型」の2層構造としている。 外来又は訪問診療対応 地域密着型サービス ・認知症対応型デイサービス ・小規模多機能型居宅介護 ・認知症高齢者グループホーム  介護サービス     利用   転院 新  相談  相談 (病状が安定した場合) ②認知症対応強化型地域包括支援センター ・特別養護老人ホーム ・老人保健施設 等  施設サービス 連携 地域包括 支援センター 認知症対応強化に向け、連携担当者を1名配置 ユニットケア 連携 連携 連携 連携 新 ③認知症コールセンター 認知症地域支援体制構築モデル事業 認知症サポーター養成 ・県内各市町村(7市町村)で、実施 ・地域全体で認知症高齢者を支える活動を展開 (徘徊SOSネットワーク構築、地域資源マップ作成等) ・認知症の本人やその家族の悩み等に対し専門のスタッフが電話相談に対応 ・平成23年度養成目標数 約5万人 ・県職員、市町村職員、県内企業等の受講。 熊本県における認知症対策の総合的な推進について22.10.3シンポジウム資料より

熊本県高齢者福祉計画・介護保険事業支援計画「くまもと・健やか・長寿 プラン」より 地域全体で認知症高齢者とその家族を支援する体制整備に取り組んでおり、安心して暮らせる地域を目指している。 熊本県高齢者福祉計画・介護保険事業支援計画「くまもと・健やか・長寿 プラン」より

・平成19年度の高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査結果より 4.このテーマに取り組んだ理由 ●虐待者との関係 虐待 息子・娘など 認知症の親など ○私達のチームは認知症の人や家族を取り巻く現状や、日頃感じていることなどを出し合う中で、一つの現状に目を向けた。 ○それは、平成19年度の高齢者虐待防止法も基づく対応状況等に関する調査結果によると、 ○認知症の人は虐待を受けやすい傾向にあり、 ○被虐待者と虐待者の関係をみると、息子、娘の順に多いことがわかっていることである。 ○さらに県の追加調査によると、虐待の年齢は50代、40代の順で多くなっている。しかし、現状は40代、50代に向けての認知症に関する周知対策は不十分な印象を持っている。 ・平成19年度の高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査結果より

(1)認知症予防についての意識 天草市 苓北町  天草市 認知症が予防できると思う 認知症の予防方法を知っている 65歳未満 約80% 約25% 65歳以上 約40% ※天草市「高齢者保健福祉計画」及び「介護保険事業計画」策定に伴うアンケート調査(H19年12月実施) 認知症予防についての意識調査をみても、認知症に関するを周知がまだまだ必要であると思われる。 苓北町 認知症が予防できると思う 認知症の予防方法を知っている 50~64歳 約70% 約28% 65歳以上 約62% 約26%  ※ 苓北町高齢者福祉に関するアンケート調査(H19年12月実施) 認知症に関する教室等の事業を行っても、参加が得られにくい壮年期・中年期の年代に対しての啓発が必要である。

5.事業の目標 壮年期・中年期の年代・・・『認知症に関する知識が乏しく、情報を得る機会が少ない』? ⇒アンケート調査により実態把握      ⇒アンケート調査により実態把握 認知症関連事業への参加が得られにくい現状      ⇒具体的取り組みの方法を考える ○そこで、活動テーマの目標・目的として、 ○壮年期・中年期の年代は「認知症に関する知識が乏しく、情報を得る機会が少ない」のではないかと想定し、アンケート調査を行い、実態を把握することにした。 ○そして、 ○認知症関連事業への参加が得られにくい現状に対して、どのように取り組めが、知識が得られやすくなり理解が深まるのか、具体的な方法を考えることとした。

6.ワーキングチームでの活動の流れ ①天草地域振興局、天草市、上天草市、苓北町の全職員に対して、認知症に関する実態把握のためのアンケート調査を実施(平成21年11月下旬から12月上旬にかけて) ②調査結果を分析し、認知症への理解や対応の現状等について把握 ③認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を見学 ④データや中間ヒアリングの内容をもとに、その具体的対策・方法を検討 活動の流れは、 ①天草地域振興局、天草市、上天草市、苓北町の全職員に対して、認知症に関する実態把握のためのアンケート調査を実施 ②調査結果を分析し、認知症への理解や対応の現状等について把握 ③認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を見学 ④データや中間ヒアリングの内容をもとに、その具体的対策・方法を検討 である。

アンケート様式 アンケートは昨年11月下旬から12月上旬にかけて実施し、質問内容や書式等については、検討を重ねこのような質問用紙とした。

対象者 天草市・上天草市・苓北町・天草地域振興局の全職員 『認知症高齢者が安心して暮らせる地域づくり』に係るアンケート調査結果より 対象者 天草市・上天草市・苓北町・天草地域振興局の全職員 有効回答者数 1,109人 メンバーが各職場で配布回収する形で実施した。有効回答者数は1,109人で、男性724人、女性385人だった。年齢層でみると、50代、30代、40代の順で多かった。

1.認知症について関心がありますか? ◎年齢別(実施機関別)集計 ○認知症について関心があるかとの問いにたいしては、 ○関心がある人は全体の約9割となっており、 ○年齢別に見ると、年齢が高くなるにつれて、関心度が高くなっていることが見てとれる。 50代~60代にかけては特に高く、これは自身の親の世代が要介護状態や認知症になるなど、身近なこととして捉えるためと推測できる。

2.あなたは、ご自身や家族について認知症に対する不安や心配がありますか?  認知症に対する不安や心配があると答えた人は約7割であった。年齢別では、唯一10代で不安や心配がない割合の方が多くなっており、20代以降は年齢が高くなるにつれ、不安や心配がある割合も高くなっている。 年齢別(実施機関別)集計 2017/3/5 22

3-1.「はい」と答えた方にお尋ねします。困ったこととはどのようなことでしたか?(複数回答可) 3.認知症状のある人のことで、これまでに困ったことがありましたか? 3-1.「はい」と答えた方にお尋ねします。困ったこととはどのようなことでしたか?(複数回答可) 「認知症のある人のことで、困ったことがあるか」との問いに対しては、身体的な負担よりも精神的な負担を訴えた人が多く、認知症状のある人に関わる際、ストレスになりやすい傾向にあることがわかる。「症状のある人への対応の仕方がわからない」と答える割合も高く、認知症への理解があれば困らなかった人も多くいると思われる。 相談先としては、医療機関や家族・親族が多く、まず身近な人に相談している人が多い。医療機関は一般のものと認知症専門のものと両方が含まれると思われるが、適切な支援に結びつけるためにも、医療機関に対しての専門相談機関の周知や関係機関の連携が重要である。 3-2.「はい」と答えた方にお尋ねします。 最初に相談したのは誰(どこ)ですか? 一つ選択してください。 2017/3/5 23

最も参考になったものを一つ選択してください。 4.これまでに認知症について、知る(学ぶ)機会がありましたか? 4-1.「はい」と答えた方にお尋ねします。 最も参考になったものを一つ選択してください。 知る(学ぶ)機会があった人の割合は約7割となっている。参考になったものとして、 映画(明日の記憶)や介護経験者や認知症方のお話などがあった。 4-2.知る(学ぶ)ことで認知症に対する考え方やイメージが変わりましたか? 4-3.「いいえ」と答えた方にお尋ねします。 知る(学ぶ)機会がなかった理由は何でしょうか? 主なものを一つ選択してください。 2017/3/5 24

5.地域の人たちが認知症への理解を深めるための方法について、お尋ねします。 4-4.「忙しい」と答えた方にお尋ねします。 どのようなことで忙しかったのでしょうか? 主なものを一つ選択してください。 5.地域の人たちが認知症への理解を深めるための方法について、お尋ねします。 知る機会がなかった人で、その理由を尋ねたところ「業務」と答えた人が最も多かった。 地域の人達が理解を深めるための方法について尋ねたところ、時間帯は平日の夜が多かった。 5-1.研修会・講演会等、どのような時間帯であれば、地域の人が参加しや すいと思いますか?(複数回答可) 2017/3/5 25

5-3.研修・講演会等以外で、どのような媒体なら地域の人が情報を得やすいと思いますか?(複数回答可) 5-2.研修会・講演会等、どのような場所や機会なら、地 域の人が参加しやすいと思いますか?(複数回答可) 場所や機会は、集会所や公民館での開催で、続いて職場の行事であれば参加しやすいのではないかという意見が多かった。 また、媒体としては、最も多かったのが広報誌の活用だった。 5-3.研修・講演会等以外で、どのような媒体なら地域の人が情報を得やすいと思いますか?(複数回答可) 2017/3/5 26

「グループホームると」の見学 日時:平成22年1月26日(火) 所在地:天草市下浦町 地域密着型サービスの一つである そして、1月下旬には、認知症状を有する要介護・要支援認定を受けた高齢者が、どのような介護保険サービスを受けているかを把握し、住み慣れた地域で生活を続けるためには何が必要かを考え、ワーキングチーム活動の参考とするために、地域密着型サービスの一つであるグループホームを見学した。

グループホームへの訪問 認知症に対する啓発や、介護保険サービス 内容の啓発が重要であることを再認識 入居者の実態 施設職員の方に聞きました ・もともと1人暮らしの方が多い。 ・入所前に周囲の人達の支援を受けながら、限界まで家で暮らしていた人が多い。 施設職員の方に聞きました ・まだまだ地域における認知症の理解は乏しい。 ・認知症に対するイメージが悪い。 ○ここでは、入居者はもともと1人暮らしの方が多く、入所前に周囲の人達に支援を受けながら限界まで家で暮らし入所してくる人が多かった。 また、施設の職員によると、まだまだ地域における認知症への理解は乏しく、認知症に対するイメージが悪いとのことだった。 ○あらためて、認知症に対する啓発や、介護保険サービス内容の啓発が重要であることを認識した時間であった。 これらを受け、私達のチームでは啓発に関し大きく二つの提案する。 認知症に対する啓発や、介護保険サービス 内容の啓発が重要であることを再認識

7.私たちの提案 認知症サポーター養成講座の重点開催 (1)啓発方法(その1) ○ 認知症サポーター養成事業は、幅広い世代・団体に周知できる非常に良いしくみ ○ 認知症について知る機会があった人の7割が、考え方やイメージが変わったと回答。   (アンケート結果より) しかし…現状は ・ 壮年期・中年期は働いており、仕事以外にも様々なことに時間を割かれることが多く、   自分から積極的に時間を作って出向いたりすることはできにくい。 ・ 実際に身近に認知症の人がいないと、認知症の人のことを考える   機会も多くない。 認知症サポーター養成事業は、幅広い世代・団体に周知できる非常に良いしくみである。実施したアンケートでは、認知症について知る機会があった人で、7割の人が考え方やイメージが変わったと答えている。一般的に実施されている講演会や研修会等での周知も一定の効果はあっていると評価してよい。 しかし、壮年期・中年期は働いており、仕事以外にも様々ことに時間を割かれることが多く、自分から積極的に時間を作って出向いたりすることはできにくい状況にある。また、実際に身近に認知症の人がいないと、認知症の人のことを考える機会も多くない。 よって、何かの『ついで』なら少しは目に留まったり、理解するきっかけになると思われる。 よって… ・ 働く世代が「仕事の一環」として受講できるようにする ・ 何かの「ついで」に目に留まったり、理解するきっかけを作る。

例 商工会と連携し、 事業者を対象に開催 受講証(ステッカー) のデザイン公募 受講証(ステッカー)の配付 提 案 提 案 商工会と連携し、 事業者を対象に開催 受講証(ステッカー) のデザイン公募 ねらい:仕事の一環として受講しやすくなる。 受講証(ステッカー)の配付 働く世代は「仕事の一環」なら認知症サポーター養成講座を受講できるだろう。天草圏域では、商工会と連携し、様々な事業者を対象に開催し、受講した店事業所には天草独自で用意した証、例えばステッカーのようなものを配布してはどうかと考える。  その証になるものは、天草独自でデザインを公募してはどうか。 ねらい:多くの人の目に留まることにより関心を持ってもらう。 例 認知症の人に優しいお店 ねらい:話題にすることで、 広く関心を持ってもらう。

現在実施している各市町の認知症サポーター養成講座で、ボランティアを置き、子どもを預かれるようにする。 その他の提案 現在実施している各市町の認知症サポーター養成講座で、ボランティアを置き、子どもを預かれるようにする。 一方、小中学生に対しては、キャラバンメイトの連絡協議会もその年代対象のパンフレットを作成されており、国においても積極的な展開を期待されている。小・中学生がサポ ーターになり、家庭でも伝えることができればその親の世代も理解を深めることができると思われる。 小・中学生が認知症サポーターになることで、家庭を通してその親の世代も理解を深めることができる。

(2)啓発方法(その2) 媒体の工夫、活用等 ①自治体ホームページ、天草ケーブルテレビの活用 ②自治体の広報誌を活用 ③天草・熊本出身有名人の認知症サポーター化  二つ目の提案は、媒体の工夫、活用等です。 具体的な案を3つ紹介します。 1、自治体ホームページ、天草ケーブルテレビの活用。 2、自治体の広報誌を活用。 3、天草・熊本出身有名人の認知症サポーター化です。 では、それぞれについて詳しく説明したいと思います。

①自治体ホームページ、天草ケーブルテレビの活用 録  画 認知症を題材とした寸劇 認知症サポーター養成講座 ○自治体ホームページ、天草ケーブルテレビの活用ということで、 ・天草地域の認知症支援団体「あまくさ認知症を地域でささえる会」が実施されている認知症を題材とした寸劇を録画 ・認知症サポーター養成講座を録画 ○これらを各自治体のホームページや ○天草ケーブルテレビに掲載・放送させる。 寸劇を掲載・放送することにより、楽しみながら認知症について考えることができ、比較的容易に知識を得ることができるのではないか。 認知症サポーター養成講座は、各自治体ホームページでは自宅の好きな時間にインターネットを通して受講できるようになるため、興味はあるけど忙しくて時間がない人など今まで啓発が難しかった人たち向けに期待できると思われる。 各自治体ホームページ 掲載 天草ケーブルテレビ 放送

②自治体広報誌の活用 ・連載コーナー、特集の掲載(各自治体で同じものを掲載する) ・認知症(相談・受診)窓口一覧の掲載 2つ目として自治体広報誌の活用をあげる。この写真は、天草3市町の広報誌である。 広報誌は、市民・町民がほとんどと言っていいほど目を通すものであることから、非常に有効的な啓発媒体であると考えられる。 ちなみに、苓北町では、2月号の広報で認知症についての特集を組んでいる。 広報誌に特集または連載として、認知症についての基礎知識や、実際に認知症の人が身近にいる人の話など、認知症にまつわる記事を掲載することで広く市民・町民に正しい知識や理解を身につけてもらうことを目的とする。 ここで各自治体で同じものを掲載するとしているのは、各市町で順番に記事や特集を担当することで各担当の負担軽減や、他の地域の担当が執筆することによる新たな発見などが得られると考えたためである。 また、相談窓口等の一覧を掲載することにより、早期発見や予防につなげることができ、より市民・町民が相談機関を利用しやすくなるのではと考える。 ・連載コーナー、特集の掲載(各自治体で同じものを掲載する) ・認知症(相談・受診)窓口一覧の掲載

③天草・熊本出身有名人の認知症サポーター化 天草・熊本出身の有名人 受講 ○3つ目に、天草熊本出身の有名人を認知症サポーターにしようという取り組みである。 ○例えば、小山薫堂さんや、熊本県宣伝部長でもあるスザンヌさんに認知症サポーター養成講座を受講してもらい、オレンジリングをはめてテレビ等で認知症サポーターであることアピールしてもらおうと考えている。 ○認知症そのものの啓発にもなり、熊本県として認知症に力を入れているということもPRできるのではと考える。 認知症サポーター養成講座 テレビ等メディア向けにPR

認知症の人を支えるための関係機関の連携体制の構築 提案(3)連携体制の構築  認知症の人を支えるための関係機関の連携体制の構築 医療機関と地域包括支援センターとの連携 患者・家族など かかりつけ医 また、今回検討していく中で、また中間ヒアリングを受けて、認知症の人を支えるため関係機関の連携体制の構築にも視点をおいて考えてみた。それは、医療機関と地域包括支援センターとの連携である。認知症または認知症が疑われる患者の情報が、医療機関から地域包括支援センター(または拠点の地域包括支援センター)に集約されるしくみを作ってはどうだろうか。 今後、認知症への周知・理解が進むと、かかりつけ医や専門医(認知症疾患医療センター)への受診・相談が増加するものと思われる。すでに今回のアンケートでも医療機関に最初に相談するケースが多かった。しかし、受診ができて、診断を受けても、その後の公的なサービスにつながらなかったり、日常生活の支援が遅れたりするケースもみられる。認知症の疑いや認知症の診断があった人については、医療機関から拠点の地域包括支援センターに集約し、認知症の人を継続して支援できるしくみができればと考える。 連携票 認知症疾患医療センター 地域包括支援センター(認知症対応強化型    地域包括支援センター) 連携票 日常生活の相談・支援

書式のイメージ (表) (裏) 連携票 地域包括支援センターとは 作成日 平成22年3月24日 対象者氏名:A (性別 男・女) 作成日 平成22年3月24日 対象者氏名:A (性別  男・女) 住所:天草市○ー△ー□(行政区     ) 連絡先:0969-○○ー△△△△ 生年月日:昭和12年3月4日 家族または受診同行者氏名:B(関係  子  ) 住所:苓北町○―△ー□(行政区     ) 認知症の症状が現れ始めた時期 (平成21年3月頃) 診断名 アルツハイマー型認知症 (診断日 平成22年3月24日 ) 現在困っている症状・行動等 被害妄想 夜間不眠 記載者 医療機関名(            )   医師名  (            ) 1.上記情報を地域包括支援センターに提供することに   □同意する   □同意しない 2.提供後は地域包括支援センターからの連絡を   □希望する   □希望しない                   本人                    (代筆者             ) 地域包括支援センターとは       天草市地域包括支援センター        認知症対応強化型地域包括支援センター          連絡先 0969-○○ー△△△△       上天草市地域包括支援センター       苓北町地域包括支援センター 集約の方法については、このような共通の書式を作成し、本人または家族に同意を得て、医療機関から地域包括支援センターに何らかの形で送付されるようにしてはどうか。システム化され、地域包括支援センターに情報が集約されることで、その後の本人・家族への認知症に関する理解の促進や、日常生活の支援に結びつくことが期待できる。しかし、この体制を構築するためには、県の認知症対策を考慮した上で、医師会や県の協力も必要になってくる。医療機関との連携については、診療報酬(診療情報提供書)の関係もあり、また、住民は市町を越えての受診も少なくないため、圏域での取り組みが必要ではないだろうか。課題も多いため、具体化にあたっては協議・検討の場が必要であると思われる。

8.まとめ 圏域での情報交換の継続が必要 地域で安心して生活できるためには 認知症を正しく理解することで、虐待や偏見の目で見ることをなくす。          地域で安心して生活できるためには    認知症を正しく理解することで、虐待や偏見の目で見ることをなくす。   認知症の人とその家族の人たちを優しく見守る     啓発の取り組みと医療機関との連携について提案                             課題:ボランティアの協力や施設整備、地域資源の発掘(開発) ○まとめ。 ○認知症高齢者が地域で安心して生活できるためには、すべての人が認知症を正しく理解することで、虐待や偏見の目で見ることをなくし、認知症の人とその家族の人たちを優しく見守ることが大事である。今回は、啓発の取り組みと医療機関との連携について提案を行った。一方、ボランティアの協力や施設整備、地域資源の発掘(開発)など課題も多い。 ○理想は、認知症になっても「やさしい見守り、大きなあんしん」のある地域である。 ○今後もこの天草地域において、認知症に携わる人たちが継続して情報交換を行い、理想に一歩でも近づくことをメンバー一同願っている。 以上で、認知症さぽ~た~ずの発表を終了する。   認知症になったとしても「やさしい見守り、大きなあんしん」の   地域づくりができていたらいいな 圏域での情報交換の継続が必要

ご清聴ありがとうございました。 おわり