仙台市教育委員会 スクールカウンセラー全体研修 スクールカウンセラーと教員の連携 ~チーム援助による問題解決~

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スクールカウンセラーは心の専門家として 学校をサポートします! 生徒の不安や悩み、問題行動を解消するために 教職員のスキルアップを図るために 生徒が生活上の困難・ストレスに直面した時の 対処方法を身に付けるために 関係機関との連携を図るために.
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(浜松市発達相談支援センタールピロ 所長)
*:「自己理解・自己成長プログラム」を含む B:ベーシックコース、E:エキスパートコース、P:プロフェッショナルコース
基礎情報の収集・・・前年度の出欠席状況、配慮の必要性、長期欠席経験者への対応
メンタルフレンドについて 福島大学総合教育研究センター   中野 明德.
緊急スクールカウンセラー等派遣事業 被災地域等 心のケアの対応 進路指導・就職支援 障害のある子どもの支援 心のケア・助言・援助等
特別支援教育総合推進事業 特別支援教育 推進員 高等学校 1(新)特別支援教育総合推進事業【4,752千円】 県教育委員会 特別支援学校
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2015-07-22 仙台市教育委員会 スクールカウンセラー全体研修 スクールカウンセラーと教員の連携 ~チーム援助による問題解決~   2015-07-22 仙台市教育委員会  スクールカウンセラー全体研修  スクールカウンセラーと教員の連携 ~チーム援助による問題解決~ 筑波大学 石隈利紀

子どもを育てるにはひとつの村が必要 (アフリカ) なぜ個別の支援計画作成のチーム会議に子どもを参加させるか  (アフリカ) なぜ個別の支援計画作成のチーム会議に子どもを参加させるか ~子どもが自分の人生に責任をもつから (スウェーデン、特別支援学校コーディネーター)

1 スクールカウンセリングとは スクール(学校教育)の一環としてのカウンセリング(援助サービス) 1 スクールカウンセリングとは スクール(学校教育)の一環としてのカウンセリング(援助サービス) スクール(学校教育)という場におけるカウンセリング(援助サービス) どちらもOK。でも大切なのは子どもの発達・成長を支える「学校教育」への敬意と期待

心理教育的援助サービスの理論と実践の体系 2 学校心理学 心理教育的援助サービスの理論と実践の体系  一人ひとりの子どもの学習面、心理・社会面、進路面、健康面など「学校生活」における問題状況・危機状況での援助と、子どもの成長を促進する活動 (生徒指導・教育相談、特別支援教育、学校保健等と共通する枠組み) ☆学校生活の質 

3 心理教育的援助サービスの担い手 <4種類のヘルパー> 3 心理教育的援助サービスの担い手 <4種類のヘルパー> 基本は「自助」「自律」 ①ボランティア的ヘルパー:友人、隣人 ②役割的ヘルパー:保護者は「自分の子どもの専門家」;家族、親戚、同じ組織の人々 ③複合的ヘルパー:教師 ④専門的ヘルパー: (機能として)教育相談担当 特別支援教育コーディネーター 養護教諭 (立場として)SC,SSW 「チーム学校」

4 子どもの多様な援助ニーズ ①学習面、心理・社会面、進路面、健康面、 「学校生活」における問題状況や危機状況 →発達障害の要因も ②学校環境の援助ニーズ・・・暴力、いじめ ③医療的ニーズ ④(家族の)福祉的ニーズ・・・貧困、家族の葛藤、家族の心理的・医療的ニーズ、異文化 ☆虐待:DVおよびその目撃 コミュニティアプローチ:チーム援助

5 子どもの危機と援助ニーズ ①発達上の課題に伴う危機 ②教育上の課題に伴う危機 ③心的外傷になるできごと ④障害・疾病に伴う危機 ⑤精神疾患の現れとしての危機 →安全・安心の環境の回復、日常生活の回復、自己コントロール感の回復、できごとの整理(瀧野,2004)

6 学校心理学のモデル:自助資源・援助資源のアセスメント 6 学校心理学のモデル:自助資源・援助資源のアセスメント ①子どもの自助資源の発見と活用 ②子どもの援助資源の発見と活用 →レジリエンス(回復力)

7 学校心理学のモデル:三段階の心理教育的援助サービス(水野ら,2013) 7 学校心理学のモデル:三段階の心理教育的援助サービス(水野ら,2013) 三次的援助サービス 特別な教育ニーズのある特定の子ども 二次的援助サービス 苦戦している一部の子ども 一次的援助サービス すべての子ども

学校レベルの「コーディネーション委員会」 8 心理教育的援助サービスのシステム 学校経営を支える「マネジメント委員会」 学校レベルの「コーディネーション委員会」 「個別の援助チーム」

9 日本型の援助チーム ・ 濃淡のある絵を重ねるチーム> ピースを組み合わせるチーム ①職業的な強み ②個人的な強み(趣味・特技) ③大切にしていること(価値観) ○自分ができること△自分だけができること ☆野球型、バレーボール型、サッカー型

10 3種類のチーム(家近,2011) A 「なりかけチーム」 情報の交換、それぞれの実践の向上、 効率的な会議、個別の責任 ・・少しプラス 10 3種類のチーム(家近,2011) A 「なりかけチーム」    情報の交換、それぞれの実践の向上、     効率的な会議、個別の責任     ・・少しプラス B 「にせチーム」   口の出しあい(一般論、責任論、自慢話)       ・・マイナスとなる!

なりかけチーム(ワーキンググループ) 目標 目標 目標 メンバーA メンバーB メンバーC

C 「ほんものチーム」 ①少人数 ②目的・目標と方法の共有 ③相補的なスキル(初期に見つける) ④問題解決をめざす自由な討論 ⑤それぞれの実践の向上、共同の行動 ⑥個別の責任、チームとしての責任 リーダーシップの共有 ⑦子どもやメンバーの小さな一歩を祝う

ほんものチーム メンバーA メンバーB メンバーC 共通の目標

11 援助チームの演習 (1)援助チームの準備 グループ、自己紹介、役割決め (2)事例 概略の説明、子どもについて考える (3)援助チームの話し合い (4)援助チームの振り返り

みんなが資源 みんなで支援 危機(感)の共有 責任(感)の共有 希望の共有

◎石隈利紀 2006 寅さんとハマちゃんに学ぶ助け方・助けられ方の心理学~やわらかく生きるための6つのレッスン 誠信書房(TED×TsukubaよりYouTube配信予定) ◎田村節子・石隈利紀 2013 石隈・田村式援助シートによる実践チーム援助~特別支援教育編 図書文化 ◎水野治久・石隈利紀・田村節子・田村修一・飯田順子(編) 2013 よくわかる学校心理学 ミネルヴァ書房 ◎石隈利紀・家近早苗・飯田順子 2014 学校教育と心理教育的援助サービスの創造 学文社 ◎石隈利紀(監訳)中田正敏(訳) 2015 教師のチームワークを成功させる6つの技法 誠信書房