【第1問】 まずは、日本国民としての常識から。日本国憲法には3つの基本原理があります。国民主権、平和主義、もうひとつは何? ①法の下の平等 ②三権分立 ③基本的人権の尊重
正解 ③ ①の「法の下の平等」は基本的人権のひとつ。 ②の「三権分立」は、人権を保障するための制度(仕組み)
立憲主義 市民階級の「自由」への熱望 ⇒成文憲法の獲得 ⇒国家に「自由」や「権利」を認めさせたのが憲法 その制度的保障のために「権力分立」などの制度を決めた。
【第2問】 もうひとつ憲法の問題。日本国憲法が定める3つの国民の義務は?納税の義務、勤労の義務、もうひとつは何? 【第2問】 もうひとつ憲法の問題。日本国憲法が定める3つの国民の義務は?納税の義務、勤労の義務、もうひとつは何? ①投票の義務 ②教育を受けさせる義務 ③義務教育を受ける義務
子どもには、義務教育を受ける権利。親などには、義務教育を受けさせる義務あり。 【正解】 ② 子どもには、義務教育を受ける権利。親などには、義務教育を受けさせる義務あり。
【第3問】 法律用語は難しいですよね。でも、間違って口に出していると笑われるかも。さて、次の民法の出てくる言葉で読み方の間違っているものはどれでしょう? ①瑕疵⇒かし ②相殺⇒そうさつ ③嫡出子⇒ちゃくちゅつし
【正解】 ② 瑕疵は、もともとは「きず」の意味。法律上は「契約などで本来あるべき性質や状態が欠けていること(欠陥)」。嫡出子は「婚姻外でできた子ども」のこと。
【第4問】 島田さんは、このところ毎晩午前様。ある晩、とうとう妻に離婚届突きつけられました。酔っぱらっていた島田さんは、「こんなことじゃ驚かないよ。」と離婚するつもりは全然なかったのですが、「はい、はい」と言って離婚届の署名・捺印して寝てしまいました。朝、島田さんは目覚めて「あいつ、もしかして本気かな?」と思い、離婚を阻止したいのですが…… ①妻から離婚届を奪うしか手はない。 ②離婚する意思がない以上、妻が離婚届けをしても無効。 勝手に出させればよい。 ③ 役所に離婚届の不受理申立てをする。
離婚意思がない限り、離婚が無効だが、その証明は難しい。役所の不受理届は6ヶ月間。延長も可能。 正解 ③ 離婚意思がない限り、離婚が無効だが、その証明は難しい。役所の不受理届は6ヶ月間。延長も可能。
【第5問】 梅木さんは、急に明日の朝、一番で沖縄に出張することになったので、一緒にいたサラリーマンの友人から10万円を借り、10日後に10万円に利息を1万円つけて返す約束をしました。あとで考えると「利息が高いな」と思ったのですが。 ①双方合意の契約が成立しているのだから、 そのとおりに支払う必要がある。 ②友人は貸し金業者ではないのだから、利息をとることはできない。 元本の10万円だけを返せばよい。 ③違法な高金利なので約束どおりに支払う必要はないが、 年利18パーセントで計算した利息は支払う必要はある。
正解 ③ 貸金を業務として行うには、許可が必要。闇金融の高利請求はそもそも違法なものとして排除できる。しかし、業者でなければ、お金を貸して利息をとってないけないというものではない。但し、利息制限法以内で。10万円未満は、年利20%以内、10万円以上100万円未満は年利18%以内、100万円以上は。年利15%以内
①Aからの請求は断れる。 ②Aにも返済するほかない。 ③どうしたらよいのか分からないときは、供託するのがよい。 【第6問】 福田さんに「私は、Aが貴殿に貸した債権を譲り受けましたので返済は当方にお願いします」とBから内容証明郵便で通知がきました。福田さんは、Aに連絡をして確認しようと思いましたが、Aに連絡がつきません。支払期日になり、Bから催促があったので、福田さんは「どちらに支払っても同じことだし、連絡をしてこないAが悪いのだから」と思い、Bに借金を返済しました。ところがその後、Aからも「債権譲渡など知らないよ」請求されたのですが。 ①Aからの請求は断れる。 ②Aにも返済するほかない。 ③どうしたらよいのか分からないときは、供託するのがよい。
【正解】 ② 債権譲渡の通知は、債権者からのものでなくては対抗できない。BがAとは全く関係のないもので、債権譲り受けたと言っているだけの場合もある。 「債権者がどちらだか分からない(債権者不覚知)」を理由とする供託のためには、BがAからの債権譲受証をもってくるというような書類がないと難しい。
【第7問】 殺人事件を犯した13歳の少年は― ①絶対に刑罰に科せられることはない。 ② 13歳でも殺人など重罪では、刑事裁判を受け刑罰に科せられる。 ③13歳の少年でも精神異常で責任能力がない場合には刑罰に科せられることはないが、そうでない場合には刑罰に科せられる。
正解 ① 14歳未満の少年は、刑事責任能力がない。児童相談所などで保護し、必要があれば治療する。 満20歳未満の者が犯罪を犯した場合は、原則家庭裁判所での保護処分(可塑性に富み、未熟であるから)。16歳以上の少年が、故意犯で死亡させた場合など、刑罰相当のときは家裁から検察に送致(逆送)し、刑事裁判を受ける。犯罪を犯したとき18歳未満の者には、死刑相当のときも無期懲役(少年法51条 )。
① 親には責任はない。 ② 親には監督責任がある。 ③ 少年が親と同居している場合には親の監督責任がある。 【第8問】 暴走族の抗争中に16歳の少年が横断歩道橋から投げた縁石がタクシー運転手の目に当り失明してしまいました。少年には財産がないので親に損害賠償請求をすると「もう、子どもじゃないし、親の言うことも聞かないのだから、親には責任はない」と言っています。 ① 親には責任はない。 ② 親には監督責任がある。 ③ 少年が親と同居している場合には親の監督責任がある。
正解 ① 未成年者の不法行為についての責任能力(民法712条)は、12歳位から認められる。16歳の少年は責任の能力あり。 一方、親の監督責任は、小学低学年程度のものについてまで。しかも、日頃から注意すべき義務があると認められる場合のみ。
【第9問】 佐藤さんのお父さんは、財産全てを佐藤さんの妹さんに相続させると遺言して亡くなりました。佐藤さんも「それで結構」とそのまま6ヶ月が過ぎたころ、ある金融業者から「あなたの父親に1000万円の貸し金がある。相続人のあなたに返してもらう」といってきました。 ①相続放棄ができる3ヶ月が過ぎているから、借金を返すしかない。 ②借金があることを知らなかったのだから、これからまだ3ケ月の間、 相続放棄が認められる。 ③借金は、財産の全てを相続した弟が支払う義務があるので心配ない。
【正解】 ② 3か月の「熟慮期間」は「相続人が相続財産の全部または一部の存在を認識したとき、または通常これを認識しうべき時から起算する。」というのが、最高裁判所の判例。
【第10問】 大量に飲酒すると病的酩酊に陥り、善悪の区別さえなくなり、これまで何度も暴れて他人を傷つけていた男が、やはり酒が断てず、このときも大量に飲酒して心神喪失状態に陥り、3人を殺害した。この男は処罰されるか? ① 心神喪失状態にあったのだから、刑事責任能力がなく無罪。 ② 自分で大量に飲酒すると心神喪失状態になり、他人を傷付ける危険があることを知っていて犯した犯罪なのだから、殺人罪として処罰される。 ③ 大量に飲酒すると心神喪失状態になり、他人を傷付ける危険があることを知っていたのであるから、それを未然に防止する注意義務があった。それを怠って犯した犯罪なのだから、過失致死罪が成立する。
心神喪失状態にあったのだから、殺人の故意はなく殺人罪には問えない。 【正解】 ③ 心神喪失状態にあったのだから、殺人の故意はなく殺人罪には問えない。 しかし、自分で深酒すると心神喪失状態になり、人に危害を加えるかも知れないと分かっていてそれを怠ったのであるから、その責任は負うべし。過失致死罪が成立するというのが判例。
お疲れ様でした。