鹿児島大学農学部獣医学科 獣医公衆衛生学教授 岡本嘉六

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鹿児島大学農学部獣医学科 獣医公衆衛生学教授 岡本嘉六 NPO環境エネルギー21 地球市民講演会 食・健康・環境 鹿児島大学農学部獣医学科 獣医公衆衛生学教授 岡本嘉六 8つの生物地理区 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 生物の地理的分布は、大陸が出来上った歴史や気象・風土によって規定されている。 人間が罹患する伝染病の分布も、生息する動物種によって影響されるが、地球温暖化が生物地理区に及ぼす影響は・・・・・ 旧北区 新北区 オセアニア区 東洋区 新熱帯区 エチオピア区 オーストラリア区 南極区

地球の誕生: 約46億年前 原始大気と原始海洋の誕生 最初の生命体(原核生物) 35億年前の最古の化石 緑藻類などの真核生物 10億年前 地球の誕生: 約46億年前  原始大気と原始海洋の誕生 最初の生命体(原核生物) 35億年前の最古の化石 緑藻類などの真核生物 10億年前 アオミドロ 1991年5月普賢岳の噴火 なし 生物の光合成 石灰岩CaCO3 地下有機物(化石燃料) 0.03% ただし増加中 二酸化炭素  CO2 酸素  O2 原始大気 大量 起源 原始地球から脱ガス その後 縞状鉄鉱などの酸化物 その後は大気中に蓄積 成層圏のオゾンO3層 現在 21%

約2億年前: ローラシア大陸とゴンドワナ大陸 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia) ユーラシア 北米 大西洋 ヒマラヤ山脈 南米 オーストラリア インド 南極 ゴンドワナ大陸: 現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸、南極大陸、オーストラリア大陸や、アラビア半島、マダガスカル島を含む。 約2億年前: ローラシア大陸とゴンドワナ大陸 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

ゴンドワナ大陸と古生物の化石の分布の関係 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

地殻を構成するプレート群 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 日本 地震が多い日本では、地殻移動によるに基づくことを理解する人は多い。大地ですら変化の途上にあり、その上に生息する生き物も、それぞれ進化の途上にあり、固定されてはいないことを理解しなければならない、 地殻を構成するプレート群 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大気と水に恵まれた地球で生命が誕生し進化してきた 大気中ガス濃度 炭酸ガス CO2 酸素 O2 光合成を行うラン藻類(シアノバクテリア) 27 46 35 10 緑藻類などの真核生物 5.1 脊椎動物の出現 脊椎動物の上陸 3.7 人類の出現 500万年前 陸上植物の出現 4.4 ほ乳類の出現 2.1 地球誕生 原始生物 地球にも寿命があり、地殻活動などの環境変化により絶滅した種もいる。人類は? ダーウィンの著書 1859年 「種の起源」 進化論 ミラーの実験 「化学進化」 原始大気と放電でアミノ酸ができる パスツールの実験 1862年 「生物は生物からしか生まれない」

人類の進化 約5000年前、世界各地に文明が発生する。 年代 (万年前) 分類 概要 発見年/発見場所 類人猿 猿人 原人 旧人 新人 2000 500 130 100 50 40~25 15~4 4 プロコンスル プロコンスル 類猿人からの分化 ホモ・エレクトス ジャワ原人 北京原人 ホモ・サピエンス ネアンデルタール人 クロマニヨン人 1948年/ビクトリア湖ルシンガ島 ミトコンドリアDNAの分析 大脳の発達(850ml) 「言語の発達・火の使用」 1888年/ジャワ島/石器と火の使用 1929年/中国・周口店/石器と火の使用 古代ホモ・サピエンス 1856年/ドイツ・ネアンデル谷/中期旧石器時代 1868年/フランス/後期旧石器時代 猿人 原人 大脳の発達(850ml) 「言語の発達・火の使用」 石器 旧人 新人 プロコンスル: チンパンジーと人類の共通の祖先 110万年前アフリカを出発した原人は、地球各地に広く生活の場を求めて広がっていった。 ユーフラテス川沿岸で1万2000年前の定住村落遺跡の発掘から、150種を超える植物の種子が発見された。9500年前ころ農耕は西アジア各地に広がった。 約5000年前、世界各地に文明が発生する。

地球環境問題 人類のエネルギー消費量の推移 世界の石油換算エネルギー消費量 折れ線グラフ(100万バーレル/日) 100 50 75 25 80 50 60 20 人口 (億人) 一人当たり消費量 棒グラフ(1000キロカロリー/日) 技術人 250 地球環境問題 200 輸送 150 産業人 高度農業人 初期農業人 農業・工業 100 原始人 狩猟人 50 家庭・商業 食料 紀元 100万 10万 5000 1000 1000 1600 1700 1800 1900 2000 人類のエネルギー消費量の推移

生物の進化 突然変異、交雑、遺伝子プール、・・・ 宇宙線、化学物質等により遺伝子の切断・修復を繰返しており、その際に遺伝子配列の欠落や重複が生じる。また、近縁種との交雑、ウイルス感染等により新たな遺伝子の挿入や置換が起きることもある。このような遺伝子の変化は、特定の目的や方向性を持っているものではなく、その帰結の大半は奇形等の生命力喪失である。稀に、生命力を持つことがあり、環境に適した場合、新たな形質・能力を備えた個体の誕生となる。 これらの遺伝子の変化は次世代に受け継がれていくが、世代を重ねることにより、その変化の程度は一層大きなものとなる。 細菌は20分で1回分裂( 1世代) 単純換算すると、細菌の10年間の世代数は、人類が誕生してからの500万年の世代数を超えてしまう。 1時間で6世代 1日で72世代 細菌の数は、人類の数をはるかに上回っており、遺伝子が変異する確率は比べものにならない。 1年で26,280世代 人間の1世代を20年とすると 微生物は 短期間で新種が誕生する 20年× 26,280世代=525,600年

Emerging Infectious Diseases この30年余に出現した主な新興感染症 Emerging Infectious Diseases 再興感染症(Re-emerging Infectious Diseases) 1973 Rotavirus (小児下痢症) 1975 Parvovirus B-19 (伝染性紅斑) 1976 Cryptosporidium parvum (クリプトスポリジウム下痢症) 1977 Ebola virus (エボラ出血熱) 1977 Legionella pneumophila (レジオネラ症) 1977 Hantaan virus (腎症候性出血熱) 1977 Campylobacter jejuni (カンピロバクター症) 1980 Human T-lymphotropic virus I (HTLV-I) (成人T 細胞白血病) 1982 Escherichia coli O157:H7 (腸管出血性大腸菌症) 1982 Borrelia burgdorferi (ライム病) 1983 Human immunodeficiency virus (エイズ) 1983 Helicobacter pylori (胃潰瘍ピロリ菌) 1986 Prion (ウシ海綿状脳症、新型ヤコブ病) 1988 Hepatitis E virus ( E型肝炎) 1989 Ehrilichia chafeensis (エーリキア症) 1989 Hepatitis C ( C型肝炎) 1991 Guanarito virus (ベネズエラ出血熱) 1992 Vibrio cholerae O139 (新型コレラ) 1992 Bartonella henselae (猫ひっかき病) 1997 High Pathogenic Avian Influenza(H5N1) (高病原性鳥インフルエンザ) 1999 Nipah virus (ニパウイルス感染症) 2002 SARS virus (重症急性呼吸器症候群) 赤字で示した人畜共通感染症が多く、しかも、それらの病状は重い。自然保護には、こうした病原体を持つ野生動物との共生を可能とする方策が求められている。

BSE vCJD確定患者 8年遅れ 2006年 114頭 5名 2001年: 英国における牛の流行が収まり、人の流行もピークを過ぎていた 2001年: 英国における牛の流行が収まり、人の流行もピークを過ぎていた 2000年 28名 BSE 40000 vCJD確定患者 1992年 37280頭 8年遅れ 35000 総計 161名 30000 5 10 15 20 25 30 25000 20000 2006年 114頭 5名 15000 10000 5000 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 ~1987 英国におけるウシ海綿状脳症(BSE)と新型ヤコブ病(vCJD)の推移 流行は既に終わっており、予防法の有効性も確認されていた。疾病制御に関しては、科学的に何の問題も残っておらず、それを理解できない日本では国民意識と政治の問題のみが課題となっていた。6年経っても国民意識は変わらず、このまま世界の孤児となってしまうのか?

世界における変異型ヤコブ病(vCJD)の発生状況 1980~1996年の6ヶ月間以上英国に滞在していた患者数 原発患者数 (生存者数) 輸血による患者数 (生存者数) 国 英国 フランス アイルランド イタリア 米国 カナダ サウジアラビア 日本 オランダ ポルトガル スペイン 計 162(4) 22(2) 4(1) 1(0) 3(0) 1(1) 2(0) 2(1) 200(7) 3(0) ー 165 1 2 171 サウジアラビア生 24日間の滞在 VARIANT CREUTZFELDT-JAKOB DISEASE CURRENT DATA (JUNE 2007)

● 国際基準の30ヶ月齢は、 発症年齢に基づくものではない 英国におけるBSE発生の若齢牛と高齢牛 (動物衛生研究所HPより) 年 ● 国際基準の30ヶ月齢は、 発症年齢に基づくものではない 年 最若齢(月) 2番目に若齢(月) 2番目に高齢 (年.月) 最高齢 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 30 24 21 24(2頭) 20 29 30(2頭) 37(7頭) 34 39(2頭) 40 45 47 56 49 36 48 81(2頭) 33 31 27 24(4頭) 26 26(3頭) 30(3頭) 31(2頭) 32 38(3頭) 41 42 48(2頭) 52 38 58 88 5.03 9.09 10.02 12(2頭) 13.03 14.02 15.02 14.1 14.05 14.09 15.07 14.07 13.07 17.08 16.01 18.04 18.07(2頭) 17.04 18.01 17.05 5.07 10 11.01(2頭) 15.04 14 16.02 18.1 16.07 15.05 17.02 15.01 13.1 19.09 20.08 22.07 20.06 19.04 17(3頭)

OIEとBSE関連の国際基準について (小澤義博OIE名誉顧問講演資料) ● 精密検査は、牛における発生状況を確認するためのものであり、安全性確保とは関係しない。 ● サーベイランスは、30ヶ月齢以上について、約50万頭に1頭の割合である。

OIEとBSE関連の国際基準について (小澤義博OIE名誉顧問講演資料) ● 食肉の安全性は、特定危険部位(脳、脊髄、眼、小腸遠位部)の除去によって達成される。 ● 微量では感染しない(異常プリオンが10万個集まって初めて感染最小単位ができる)

BSE問題に関する調査検討委員会報告 我々の身の回りにある危害は、食品だけではない! BSEによる20年間の死亡者数=196名 厚生労働大臣及び農林水産大臣の諮問機関 平成14(2002)年4月2日 リスク分析手法の導入 科学技術の進展により様々な科学的知見が明らかになってくるにしたがい、食品の安全性は、「シロ」か「クロ」かで論ずることが不可能となってきている。食品の安全には「絶対」はなく、リスクは、「食品中のハザードが存在する結果として生ずる健康への悪影響の確率とその程度の関数である」とされるにいたっている。 「安全な食品」と「危ない食品」があるのではない! 我々の身の回りにある危害は、食品だけではない! 様々なリスクを制御するためには、リスク管理の方法の確立、そのための人員の養成・確保、ならびに、経費の捻出(税負担)が必要となる。 BSEによる20年間の死亡者数=196名 様々な新興感染症、再興感染症が世界で流行しており、それらによる死亡者数はBSEを遥かに上回る。その対策経費は、BSE予算に比べて微々たるものでしかない。これで「安心」できるのか?

ヒトの高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)感染の推移 1997年5月 香港においてヒトへの初めての感染が起きた 1997年5月 香港においてヒトへの初めての感染が起きた 日本で騒動が始まった8月には、過去の事例からして、世界流行するほどの感染力を持たないことが明確になっていた。

1957年2月に雲南に誕生したアジアかぜの広がり方 4月 X 5月 6月 7月 8月 9月 船を主要な交通網とした時代でも、世界の主要都市に流行が広がるまでわずか半年であり、ジェット機が飛ぶ現在では1ヶ月もあれば世界に広がってしまうであろう。初発例から3ヶ月経過した8月時点で、鶏肉や鶏卵からの感染を問題視した日本のジャーナリズムのアホ加減!

2月: 中国福建省への直前の旅行歴のある香港の一家族において、鳥インフルエンザH5N1感染の2症例(内1名死亡)が確認された。その家族の3人目は重篤な呼吸器疾患で中国本土に滞在中に死亡したが、臨床材料は採取されなかった。 11月: 鳥インフルエンザH5N1感染による24歳男性の死亡例が中国の北京で発生したが、重症急性呼吸器症候群(SARS)によるものとされた。しかし、 本件は2006年8月にH5N1 によるものと遡及的に確認された。 このように、科学の世界では事実認定に関して、間違いが生じないように慎重に慎重を期している。 中国では重症急性呼吸器症候群(SARS)が発生し、 H5N1 との鑑別診断を行う余裕なかった。WHOは、1997年の香港での発生から2003年2月の香港症例までを「初期の出来事」、2003年の11月の北京の症例以降を「その後の出来事」としている。

ベトナムとタイでの発生が続いた。 日本でも山口、大分、京都で家禽の発生があり、アジアの各地で家禽における流行が起きたが、中近東以西からの家禽における発生報告は未だなかった。

ロシア、カザフスタン、トルコ、ルーマニア、クロアチア、クウェート等から家禽や野鳥の感染が報告された。 宇宙から見た青海湖。 中国最大の湖であり、地球上でも米国ユタ州のグレートソルト湖に次いで2番目に大きな内陸塩湖である。 百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より 西方への伝播 ロシア、カザフスタン、トルコ、ルーマニア、クロアチア、クウェート等から家禽や野鳥の感染が報告された。 ベトナムで猛威を振るい、カンボジア、インドネシアへと広がった。 4月: 何十万羽もの渡り鳥が集まる中国中央の青海湖で野鳥が死に始めた。その後の数週間で様々な種の6,345羽の鳥が死亡した。これは、高病原性鳥インフルエンザが野鳥の大量死を引起した最初の報告事例である。

家禽や野鳥の感染が、ヨーロッパ、アフリカの各国から報告された。 動物衛生研究所海外研究拠点(タイ国)「人獣感染症共同研究センター」が始動 トルコ、イラク、アゼルバイジャン、エジプト、ジブチは最初の症例を確認した。 インドネシアで多数の患者が発生したが、国際協力に関する意見の不一致が起こり、WHOの調査が困難になった。 家禽や野鳥の感染が、ヨーロッパ、アフリカの各国から報告された。 動物衛生研究所海外研究拠点(タイ国)「人獣感染症共同研究センター」が始動

インフルエンザ・ウイルスの国際的共有に関しての解決策がジュネーブのWHO世界保健総会で合意に達した(5月23日)。 インドネシアとエジプトにおける患者発生が収まらない。

インフルエンザ汎流行に対するWHOの戦略活動計画2006–2007 「過去3年間に広大な地域に亘って何千万羽もの家禽が感染したにもかかわらず、200人を少し上回るヒトの症例は、アゼルバイジャン、カンボジア、中国、エジプト、インドネシア、イラク、タイ、トルコ、およびベトナムの9カ国で確認されただけである。 残念ながら、このウイルスは田舎と都市周辺の小規模な庭先養鶏に最強の足場を築いており、それらの管理は最も困難であり、ヒトへの暴露機会が最大であり、そして、現在までのヒトの症例はそこで発生してきた。 現在のところ、ヒトへの感染リスクが最も高いのは、病気の鳥を食べるために、家庭でと殺、脱羽、解体ならびに調理する過程で発生していると考えられている。 ・・・・ 貧困が問題を悪化させている:食料と収入の主な源泉を無駄にできないという状況で、群れの鳥が病気の兆候を示すか死んでしまった時に、しばしばそれを家庭で食べてしまっている。」 日本でも、半世紀前は同様だった!

WHOによるH5N1感染確定症例数 (2007年10月2日) (2007年11月12日) 2003 2004 2005 2006 2007 合計 アゼルバイジャン 8 5 カンボジア 4 2 1 7 中 国 13 3 25 16 ジブチ エジプト 18 10 20 38 15 インドネシア 55 45 32 28 107 86 イラク ラオス人民主共和国 ナイジェリア タ イ 17 12 トルコ ベトナム 29 61 19 100 46 合  計 98 43 115 79 66 329 201 38 33 113 91 72 48 335 206 確定症例数、死亡例数、致命率=61% (201/329) WHO HPより

インドネシアは、当初の流行国 ベトナムを上回る インドネシアは、当初の流行国 ベトナムを上回る 100 患者数(人)・致命率(%) 80 60 40 20 中 国 タ イ 中 国 タ イ エジプト ベトナム エジプト ベトナム インドネシア インドネシア 患者数 致命率 :2003 :2004 :2005 :2006 :2007 :計

年齢および転帰別にみた鳥インフルエンザA(H5N1)感染症例数 (2007年9月10日現在) 致死率は、10~19歳が最も高く、40歳以上は比較的低い この傾向は、1918年のスペイン風邪に類似 症例数 致死率:61.9 44.7 75.3 66.1 66.7 43.8 25.0 60.0 25.0 39.4

1.豚が同時感染して 新型誕生 2.人間が同時感染して 新型誕生 :鳥インフルエンザ・ウイルス :豚と人間に共通の インフルエンザ・ウイルス  インフルエンザ・ウイルス :新型の汎流行ウイルス 呼吸器感染 経口感染 呼吸器感染 1.豚が同時感染して    新型誕生 2.人間が同時感染して   新型誕生 呼吸器感染 呼吸器感染

インフルエンザ時計 (”Current WHO phase of pandemic alert”を改編) 世界流行 新型ウイルスが人に感染するようになった 動物の新型ウイルスはみられるが、 人の感染例はない 世 6 5 界 5:かなりの 「人―人感染」が発生している証拠がある 流 行 4 世 1 人への感染リスクは低い へ 界 の 警 4:「人―人感染」が増加している証拠がある 流 人への感染リスクが高い 3 戒 体 2 行 制 3:「人―人感染」がないかまたは極めてまれ 間 期 期 1回り20年? インフルエンザ時計 (”Current WHO phase of pandemic alert”を改編)

第3段階におけるワクチン戦略 1.鶏におけるH5N1流行の制圧 2.既存のインフルエンザ・ワクチンの接種拡大 鶏の発生とヒトの感染 発展途上国への資材と技術の支援 2.既存のインフルエンザ・ワクチンの接種拡大 ヒト体内での新型ウイルス誕生防止 3.汎流行株ワクチンの開発 先進国の責任 4.ワクチン生産体制の確立 発展途上国における工場建設 =先進国の支援 5.隔離病院の建設 鶏の発生とヒトの感染 先進国の支援

第4段階におけるワクチン戦略 1.ヒトーヒト感染ウイルスの封じ込め 2.汎流行株ワクチンの改良 発生地域周辺への汎流行株ワクチン接種 新たなH5N1ウイルスを基に汎流行株の予測を修正 汎流行株ワクチン 接種地帯 第4段階のH5N1は、まだ世界流行するほどの感染力を持っていない。さらに変異して汎流行株へと進化するのを止めることが最大の目標。 ヒトーヒト感染 発生地

包囲網が破られた場合 こうした事態が起きないように、先進国の万全の支援が待たれている! ● 発生地域周辺への汎流行株ワクチンが不足 ● 発生地域周辺への汎流行株ワクチンが不足 ● 汎流行株ワクチンの効力が低かった ● 治安の悪化により、潜伏期患者が接種地帯の外に出た ● 支援者が感染して接種地帯の外に持ち出した 汎流行株ワクチン 接種地帯 こうした事態が起きないように、先進国の万全の支援が待たれている! ヒトーヒト感染 発生地

第5段階におけるワクチン戦略 1.ヒトーヒト感染ウイルスの封じ込め 2.汎流行株ワクチンの改良 3.非汚染国における 侵入防止策の強化   侵入防止策の強化 この段階では、まだ、非汚染国で汎流行ワクチンを接種する必要はない。支援に出向くヒトのみ。

第6段階(世界流行)における戦略 全てのヒトに汎流行株ワクチンを接種 こうした事態が起きないように、今、総力を挙げて発展途上国を支援する必要がある!

2.自然界では鳥類との間でウイルスが維持されている。 3.ヒトや馬は感染し、発病しても、ウイルス血症を起さない終末宿主である。 ウエストナイル熱 1.蚊が吸血する際に運ばれる。 2.自然界では鳥類との間でウイルスが維持されている。 3.ヒトや馬は感染し、発病しても、ウイルス血症を起さない終末宿主である。 ヒト 蚊 鳥類 ウマ その他の動物

ウエストナイルウイルス(赤)と 日本脳炎ウイルス(緑) の分布地域 1999年8月、ニューヨークにウエストナイル熱が突然流行 日本脳炎ウイルス(緑) の分布地域  密輸された野鳥? 2XXX年? ヒトでの主な流行 1950-54年 イスラエル 1950年代 エジプト 1963年 フランス 1974年 南アフリカ 1996-97年 ルーマニア インド西部には 両方が分布する クンジンウイルス 1999年8月、ニューヨークにウエストナイル熱が突然流行 ウエストナイルウイルスは、1937年にウガンダのウエストナイル州で分離された

1999年 ニューヨークに突然流行、患者62名、死者7名 2000年 隣の州に飛び火、患者21名、死者2名 2004年 本土の1州以外に蔓延、患者2539名、死者100名 2005年 本土の全州に蔓延、患者3000名、死者119名 2006年 本土の全州に蔓延、患者4269名、死者177名 2003年 本土の2州以外に蔓延、患者9862名、死者264名 2002年 西部一部を除いて蔓延、患者4156名、死者284名 1999年 ニューヨークに突然流行、患者62名、死者7名 2000年 隣の州に飛び火、患者21名、死者2名 2001年 東部の州に広がる、患者66名、死者9名 CDC: Statistics, Surveillance, and Control

CDC: Statistics, Surveillance, and Control 米国におけるウエストナイル熱の流行 12000 9862 264 合計 患者数 24001名 10000 死者数 963名 致命率=4.0% 8000 4156 284 4269 177 3000 119 6000 2539 100 300 4000 200 66 9 62 7 2000 21 2 100 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 CDC: Statistics, Surveillance, and Control

日本でウエストナイルウイルスを媒介する可能性がある蚊は 4属 12種類 アカイエカ イエカ属 アカイエカ Culex pipiens pallens イナトミシオカ Culex modestus inatomii コガタイエカ Culex tritaeniorhynchus チカイエカ (アカイエカの変異体) Culex pipiens molestus ネッタイイエカ (アカイエカの亜種) Culex pipiens quinquefasciatus クロヤブカ属  オオクロヤブカ Armigeres subalbatus ハマダラカ属 シナハマダラカ Anopheles sinensis ヤブカ属   キンイロヤブカ Aedes vexans nipponii セスジヤブカ Aedes dorsalis ヒトスジシマカ Aedes albopictus ヤマダシマカ Aedes flavopictus ヤマトヤブカ Aedes japonicus オオクロヤブカ シナハマダラカ ヒトスジシマカ 動物衛生研究所の調査では、現在のところウイルス保有蚊はいない。

全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA) シナハマダラカは3日熱マラリアを媒介する。マラリアは熱帯地域を中心に毎年一億人以上が感染し、100万人以上が亡くなっています。この写真は2005年7月28日に千葉県内の牛舎で撮影しました。ハマダラカは動物から吸血するとき、このようにお尻から3、4滴の血液を排泄します。  (2005.7.28、 国立感染症研究所 昆虫医科学部)

地球温暖化により、ハマダラカの生息域が広がる危険性 マラリアは、世界の90以上の国々で公衆衛生上の問題により、毎年15~27万人が死亡する感染症である。マラリア原虫を持つハマダラカ属の蚊に吸血されて感染する。症状は、繰り返す高熱、疲労、頭痛、吐き気、筋肉疼痛などで、治療をしなければ、うわごとや痙攣もでてやがて死亡にいたる。早期治療により治癒可能な病気である。 特に途上国の衛生事情を指摘し、当該国への旅行者には、行く前にマラリア予防の薬や感染に関する知識、情報が必要だと注意を呼びかける国もある。但し、誰もマラリアの感染から100%保護できるものを提供することはできないという。

東アジア地域におけるマラリア及び媒介蚊の地理的分布とその規定要因の解明に関する研究 (研究期間:平成5-7年度) 東アジア地域におけるマラリア及び媒介蚊の地理的分布とその規定要因の解明に関する研究 (研究期間:平成5-7年度) 安藤 満 (環境庁国立環境研究所)  (Link) マラリアの主要媒介蚊であるコガタハマダラカは、我が国では宮古島を北限とし、沖縄本島以北には分布しない。宮古島と沖縄本島の間には1.4℃、同じく名瀬との間には2.6℃の温度差しかなく、平均3℃といわれる温暖化により、本種は奄美大島あたりまで生息分布域が拡大すると考えられ、十分な警戒が必要と考えられる。 マラリア流行地区における患者発生消長の閾値温度(平均気温:三日熱マラリア17℃、熱帯熱マラリア24℃)と、地区ごとのマラリア流行に係る閾値温度(年平均気温:三日熱マラリア17.5℃、熱帯熱マラリア20℃)が明らかになった。また、降水量に関しても、熱帯熱マラリアで年間降水量1000㎜程度の閾値と、至適降水量(月間降水量)が認められた。

米国 CDC ヒトの肝臓 蚊の体内 ヒトの血液

大阪大学大学院薬学研究科 薬学部 薬用資源解析学分野 大阪大学大学院薬学研究科 薬学部 薬用資源解析学分野 薬剤耐性マラリアの分布

DDT、世界戦略、南アメリカにおけるマラリア制御の重大局面 年間感染指数(API) 陽性検体数 =1000× 総人口 16.0-100 8.0-16.0 4.0-8.0 2.0-4.0 1.0-2.0 0.03-1.0 多くの国で感染指数が高くなった反面、ベネズエラ、パラグアイ、アルゼンチンは変わらず、エクアドルは低下した。 DDT、世界戦略、南アメリカにおけるマラリア制御の重大局面 DDT, Global Strategies, and a Malaria Control Crisis in South America. Emerging Infectious Diseases, 3(3), 295-302, 1997

1962年に出版された「沈黙の春(Silent Spring)」は農薬の生態系への影響を指摘した大ベストセラーである。その題名となった「あさ早く起きても、鳥の鳴き声がしない。それでいて、春だけがやってくる」という極端な状況は現在までみられない。 この論文が載った1997年は、「奪われし未来(Our Stolen Future)」が発刊された年でもある。ゴア副大統領が序文を寄せたこの本も大ヒットし、内分泌撹乱物質(環境ホルモン)が人々の関心を集めた。そこでもDDTが槍玉に上がった・・・ マラリア患者数の増加割合(%) 家庭におけるDDT使用状況 93から95年噴霧中止 93年以降 噴霧中止 噴霧頻度を減らした 93年以降使用量を増やした

農業用使用とマラリア制御のための使用を区別し、家庭でのDDT噴霧を奨励すべきである。 家庭での噴霧頻度 House spray rates 年間感染指数 農業用使用とマラリア制御のための使用を区別し、家庭でのDDT噴霧を奨励すべきである。

魚類には一生の間に性転換を行うものがある。動物の事象を人間に当てはめるリスク。

連合国公衆衛生福祉局長サムス 「DDT革命」(岩波書店): 発疹チフス等を媒介するノミ、シラミ駆除のために学校で頭からDDTを振り掛けた様子が記載されている。

法的規制 リスク管理と経費負担のモデル 衛生教育に掛かる費用 低 リスク・レベル 高 商品価格 国民経済として 無駄な経費 税金 個人衛生 低  リスク・レベル   高 衛生教育に掛かる費用  法的規制の水準を上げると、その分、衛生対策費と監視業務の経費を税金で賄わねばならない。赤字国債が問題となっている現状で、実行できますか? 法的規制 自主衛生管理 商品価格 HACCP等の費用 国民経済として 無駄な経費 法的規制 税金 一般健康成人 ハイリスク集団 リスク管理と経費負担のモデル

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