Yokohama City Save Hospital ☆Emergency and Critical Care Medicine☆

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救急気道管理に関する前向き研究 ( JEAN study )の持つ可能性 萩原佑亮 1)5) 千葉拓世 2)5) 渡瀬博子 3)5) 長谷川耕平 4)5) 1) 川口市立医療センター 救命救急センター 2) 公立小浜病院 救命救急センター 3) オレゴン公衆衛生大学院 4)Massachusetts.
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裏面に新たな認定基準の一覧を掲載していますので、ご参照ください。
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Surviving Sepsis Campaign: International Guidelines for Management of Severe Sepsis and Septic Shock, 2012 Kogeichi Yohei.
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Yokohama City Save Hospital ☆Emergency and Critical Care Medicine☆

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター 野村 悠 Crit Care Med. 2015 Feb;43(2):288-95. 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター    野村 悠

Background FACCT(In the Fluid and Catheter Treatment Trial)  ARDSに対する輸液についてのRCT(2000-2005年)  Conservative fluid protocol(FACCT Conservative)   vs Liberal fluid protocol(FACCT Liberal)   12時間以上カテコラミンなしでMAP60mmHg以上を維持するためのプロトコール FACCT Conservative FACCT Liberal CVP 4mmHg未満 8mmHg未満 PAOP 10-14mmHg 14-18mmHg未満 ARDS network. N Engl J Med 2006:2564-2575

Background FACCT studyの結果  FACCT Conservative vs FACCT Liberal    (Conservative群)   ・7日間での累積輸液バランスが減少   ・60日死亡率に違いなし   ・人工呼吸器離脱期間が増   ・酸素化と肺障害スコアが改善 Conservative群で累積輸液バランスが減り、アウトカムも良かった

Background FACCTは複雑  プロトコールの指標   CVPかPAOP、尿量、循環動態の良し悪し    ・非ショック患者は18のプロトコールが存在    ・ショック患者にはプロトコールが存在しない FACCT Conservativeを簡素化⇒FACCT Lite  循環不安定な場合のプロトコールを除外  CVPと尿量を元に3つの指示   ①フロセミド投与、②輸液投与、③介入なし ※開発後、ADRS networkで使用されるも未評価

FACCT(supplement Table 1)

FACCT Lite(TABLE 1)

PICO P I C O : ARDSの患者 : 輸液療法プロトコール(FACCT Lite) : FACCT Conservative および FACCT Liberal : Primary outcome 7日間での累積輸液バランス Secondary outcome 毎日の輸液バランス、毎日のフロセミド投与量 人工呼吸器離脱期間、ICU非滞在期間 Safety outcome AKIの出現、新たなショックの出現 60日後死亡率 年齢とAPACHEⅡで調整後(研究間の調整)

Materials and Methods Retrospective study 多施設研究 ARDS network参加病院のICU 参加者  FACCT ConservativeとFACCT Liberal    FACCT studyで上記にランダム化された人  FACCT Lite    後の2試験でLiteプロトコールが用いられた人 exclusion:慢性透析患者 / inclusion:CVC挿入者 ARDS network. Am J Respir Crit Care Med 2011:561-568 ARDS network. JAMA 2012:795-803

Result FACCT Lite  やや高齢、クレアチニン高め、P/F高め、ショック多め 40人が除外

Result FACCT Lite  肺炎多め、sepsis少なめ、混合型ICU多め

Result( Primary outcome ) Liberal: 6992±502ml Liberal: 5253±569ml Lite: 1918±323ml Lite: -38±375ml Conservative: -136±491ml Conservative: -1240±523ml 7日間の累積輸液バランス:Lite, Conservative < Liberal   ショックの患者の除外しても同様の結果   毎日の輸液バランスも同様 LiteとConservativeを比較した場合 : 最初の2日はLite>Conservative

Result Lite Conservative Liberal 7日間のintake 22232±309ml 24086±496ml 7日間のoutput 20533±295ml 24187±505ml 21463±568ml  LiteはLiberalと似て少ない

Result > <

Result 日々のフロセミド投与量(平均):            Lite < Conservative            Lite > Liberal

Discussion 7日間の累積輸液バランス  Lite>Conservative +2054ml  Lite<Liberal -5047ml  非ショック患者ではLiteとConservativeは結果が同じ 最初の2日間の輸液バランスの違い (Lite vs Conservative)  ショックの有無は無関係  臨床医のコンプライアンスの問題か?  →それ以前のプロトコールと異なるため

Discussion 安全性は同等かLiteが高い(Lite vs Conservative)  AKIの発症は同等  ショックの出現はLiteで少ない   →最初の2日間で積極的利尿がないからか

Limitation Retrospective study LiteはFACCT studyの後 →別の要素が影響した可能性あり コンプライアンスの厳密化 Liteはcointervention→厳密化は難しい ConservativeとLiberalは前向きRCT→遵守が必要

ショック患者におけるマネージメント  Conservative, Liberal, Liteいずれも不明  septic shockにおける初期輸液蘇生→死亡率改善 ARDSに適した輸液マネージメント  ショックに対する輸液蘇生   + ショック離脱後のconservative fluid management の組み合わせが適切な輸液か?  →Lite + ショックの蘇生輸液について評価必要

Conclusion FACCT Lite Conservativeより累積輸液バランスは増 安全性は高く、結果は同様 FACCT Conservativeに代わる安全かつ簡素な輸液戦略である

マリアンナ救急としての方針 比較している患者背景の違いが大きい プロトコールの指標にCVPやPAOPを使用 →近年のstudyで否定され用いられなくなった 本研究の設定およびプロトコールの指標は信頼性が低く、当施設の臨床に導入することはできない