睡眠ポリグラフィーに必要なMEの知識 (スライド用資料)

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睡眠ポリグラフィーに必要なMEの知識 (スライド用資料) (有)のるぷろライトシステムズ 大木 昇 ホームページ http://www.norupro.ne.jp 第12回日本ポリソムノグラファー研究会 2004年11月7日

はじめに 最初に結論 PSGをきれいに検査できる性能のPSG機器の使用 ・ 判読に耐えうるデータ記録条件 判読時にはアーチファクトを判別する 最初に結論  PSGをきれいに検査できる性能のPSG機器の使用     PSG機器性能で解決する場合もある(PSG機器の構成を理解する)     性能を持っているのに使い方を誤っているためにうまく検査できない場合がある ・ 判読に耐えうるデータ記録条件     アンプ性能、サンプリング周波数やデータ分解能に注意     フィルターは波形を化けさせる      メーカーデフォルト設定では精度が悪い場合がある     最終的には、生波形で確認! 判読時にはアーチファクトを判別する     機械的なものと生体的なアーチファクトを区別する     アーチファクトに見えないアーチファクトを判別する     フィルターを使いこなす 背景  睡眠解析ソフトを開発している中で、いろいろなPSG機器の収録データを見ていると、オート解析でうまくいかないことが多い。 睡眠時無呼吸症候群患者の波形は、終夜収録で覚醒反応による体動や寝返り多いという理由もあるが、 それだけでなく収録データにも問題があるのではないだろうか。 また、本研究会での実習に参加してみているデータの中に、本当に生体信号なのか疑問に思うデータがよくでてくる。 ハムなどの影響で、生体信号のように見える場合があるので注意が必要だが、本当に確認するためには簡単なテクニックで可能(但しデータによっては不可能) 今回の話は、もう少しPSG機器の性能や設定を再確認することで、判読に耐えうる検査データを収録できるはずであり、 それが無理な場合でも機器特性に注意して判読することで、精度の高い判読が可能になるということを話す予定である。

PSG機器の一般的な構成 (対象とする現象の大きさに注意) アンチエリアジングフィルター + ハード時定数 (アンチエリアジングフィルター) リサンプリング EEG,EOG EMG,ECG 電極系 差動アンプ 10uV~1mV ー Resp,Pulse Sound デジタル フィルター センサ系 A/D ±1mV~1V DCアンプ E 外部機器 入力系 SpO2,CPAP EXT アナログアンプの性能  CMR、ノイズレベル、ダイナミックレンジ、飽和状態からのリカバリー特性   ハード時定数(電極系で通常1秒~3秒)  これがないとDCドリフトが戻らなくなる  システムリファレンス電極(デジタルアンプの場合) アナログデジタル変換(A/D)の特性  AD分解能、サンプリング周波数、アンチエリアジングフィルター デジタルフィルターの特性  LFF(TC)、HFF、ハムフィルター ±10mV~5V DCアンプ E アナログアンプの性能 A/D変換の特性 デジタル フィルタ特性

アナログアンプの性能 デジタルアンプでも最初の入力はアナログアンプ ダイナミックレンジ リカバリ特性 クロストークによる信号混入     特性      ダイナミックレンジ       リカバリー特性      クロストーク性能 ダイナミックレンジ     どこまで最大入力が可能か リカバリ特性     アンプが飽和状態になってから、正常な状態になるまでの時間 クロストークによる信号混入     隣り合ったチャネル間などで過大な信号により、混入が生じること。 デジタルアンプでも最初の入力はアナログアンプ   アナログアンプの性能で大きな差が出る場合がある  CMRやノイズレベルというカタログ仕様は同じようなもの  違いがでるのは、ダイナミックレンジとリカバリー特性及びクロストーク性能 ダイナミックレンジ   どこまで最大入力が可能かを示すもの  1000倍のゲインの場合、1mVで1V、2.5mVで2.5V    アンプのダイナミックレンジが±2.5Vだった場合、2.5mV以上では飽和してフラット波形になります。  通常のEEGやEMGでは、そんな2.5mVなんてないと思っていませんか? ありますよ!  実は、生体からの信号には必ずDC成分があります。  波形上で見えないのは、時定数やLFFフィルターがかかった波形が表示されているためです。   PSG検査では、体動や発汗あるいは電極外れなどにより、そのDC成分が大きくなりやすいのです。    リカバリ特性  アンプが飽和状態になってから、正常な状態になるまでどのくらいかかるか?  この特性が悪いと、フラットな波形が持続して続くことになる。  クロストークによる信号混入  隣り合ったチャネル間などで信号混入が生じることをクロストークと言います。  クロストーク性能が悪い場合や本来の入力を超える電圧を加えるとクロストークが生じる場合があります。

アナログアンプの性能 (ダイナミックレンジが重要になる現象) アナログアンプの性能 (ダイナミックレンジが重要になる現象) 本当は、DC成分を含んだ信号に近いものがアンプに入ってくる     体動や覚醒時の場合に特に現れやすい。簡単に2mVくらいの電位が入ってくる。 フィルタ前の波形 (時定数があるので本当はもっとDC成分) 通常みるフィルタ後の波形 C3-A2 C4-A1 O1-A2 O2-A1 LOG ROG Chin L-LEG R-LEG Polymate Polymate

アナログアンプの性能 (リカバリ特性とダイナミックレンジの違いによる波形) アナログアンプの性能 (リカバリ特性とダイナミックレンジの違いによる波形) リカバリやダイナミックレンジの特性が悪い場合、フラットな波形になる 性能の良いアンプ  体動中に一部フラットになるが、  すぐ復帰して脳波をみることが可能 あまり性能の良くないアンプ  体動の後にフラットな波形が数秒続いている C3-A2 C4-A1 O1-A2 O2-A1 LOG ROG Chin L-LEG R-LEG Polymate

アナログアンプの性能 (クロストークによる信号混入) アナログアンプの性能 (クロストークによる信号混入) 正常範囲を超えた信号を入力すると、別のチャネルに影響を与える可能性がある。     X電極入力に体位センサを入力した波形 (脳波にも影響を与えている例) X電極入力に体位センサを入力した波形 (同じ系列のEMGとECGにノイズ混入) Chin ECG L-LEG R-LEG Position

抵抗測定・その他について (アンプ性能だけでは解決できないこと) 電極抵抗が高いと、ハムが入る可能性が高い(検査技師の一般常識)     電極付けの時にはできるだけ抵抗値が小さくなるようにする     必要条件 電極抵抗が低ければ、きれいな波形になる? というわけではない。     外来ノイズが多い環境では、電極コードの取りまわしなどで変化する     必ず波形で確認することが必要     できれば電極付の近くで波形モニタできることが望ましい     (波形モニタが集中モニタ室に戻らないと見えないのは不便に見えますね) 電極コードの取りまわし    EEG・EOG・EMGなど小さい電位のコードはまとめることでコード上に入る外来ノイズを同じにしてアンプ側でキャンセルできる可能性が大きくなる。         注意 呼吸や体位など電位レベルが大きいコードとは離すか直交させる!          電源コードからも離すか直交させる!

AD分解能とその影響 (8ビット分解能ではどこまで波形を表現できるか?)                                                                     AD分解能とその影響 (8ビット分解能ではどこまで波形を表現できるか?) AD変換でデジタルする場合のAD分解能による範囲    8ビットの分解能       8ビットはー128~+127の範囲です。     最小分解能(1ビットで表現できる値)を1uVとした場合には、     ―128uV~+127uV  これではK-ComplexやSlowWaveは範囲を超えてしまいます。    10ビットの分解能       10ビットはー512~+511の範囲です。     ―512uV~+511uV  どうにかカバーできそうですが・・                 DCドリフトを含む過大な信号が入ったら・・    12ビットの分解能       12ビットはー2048~+2047の範囲です。     最小分解能(1ビットで表現できる値)を0.25uVとしても十分です。      ―512uV~+511uV   細かい波形変化もとらえられますが・・

AD分解能とその影響 (8ビット分解能の波形では)                                                                     AD分解能とその影響 (8ビット分解能の波形では) この波形どこかおかしくありませんか?(8ビット収録) C3-A2 C4-A1 O1-A2 O2-A1 Chin

AD分解能とその影響 (判読できないデータ)                                                                     AD分解能とその影響 (判読できないデータ) このような場合、どう判断しますか?      呼吸イベントの判断に必要な基準振幅が、波形が上限で切れているために参考にならない。 波形が上限で切れています。 波形が上限で切れています。 Flow Hypopnea? Hypopnea! Chest Abdomen SpO2

適切なサンプリング周波数 (アナログデジタル変換の特性) 生体情報に応じた適切なサンプリング周波数で収録     目安は? 目的とする波形要素の周波数の10倍以上       EEG,EOG,EMG,ECG  200Hz以上 呼吸、食道内圧 20Hz以上     SpO2,CPAP圧など 1Hz サンプリング周波数が低い場合の問題     1. 波形がひずみます。     2. エリアジング現象がおきます。 3. アーチファクトの確認ができません

サンプリング周波数が低いと (アナログデジタル変換の特性) サンプリング周波数が低いと (アナログデジタル変換の特性) Spindleやβ波の認識が悪くなる     サンプリングと波数の関係がどうなるかみてみます。    スピンドルの周波数付近をみると、100Hzサンプリングの場合、データポイントが1異なっただけで、14.3Hzから16.6Hzそして20.0Hzと周波数が飛んでしまっています。    では、波形としてどのくらい歪んでしまうのでしょうか?

サンプリング周波数が低いと (アナログデジタル変換の特性) サンプリング周波数が低いと (アナログデジタル変換の特性) ひずみ方の比較1     ひずみをみるために正弦波で比較してみます。20Hzの正弦波を入力して、各サンプリング周波数でどうなるかをみてみます。    200Hzサンプリング                    100Hzサンプリング    100Hzは形が左右非対称でかなり崩れているのがわかります 。    実際の波形では、どのくらい違うのか?

サンプリング周波数が低いと (アナログデジタル変換の特性) サンプリング周波数が低いと (アナログデジタル変換の特性) ひずみ方の比較2     実際の脳波ではどのくらい違うのでしょうか?     スピンドル波形を拡大して比較してみます。(同一波形比較が困難)   200Hzサンプリング                         100Hzサンプリング    見た目には、同じようなスピンドル波形に見えます。視察ではあまり問題にならないかもしれません。    しかし、ひとつひとつの波形の周波数をみると、100Hzの場合には、範囲が広くなっていることがわかります。    この影響は、自動判定でスピンドル検出する場合に、スピンドルの持続時間で問題になり、100Hzでスピンドル波形の認識が悪くなる原因になります。

サンプリングが低くて EMGが分からない悪いデータ例                                                                     サンプリングが低くて EMGが分からない悪いデータ例 LEG-L Sampling 32Hz 本来のEMG成分ではなく、低い周波数のみしか 表示されていません。 LEG-R Sampling 32Hz

サンプリング周波数が低い場合の問題点2 (エリアジング現象とアンチエリアジングフィルター)                                                                     サンプリング周波数が低い場合の問題点2 (エリアジング現象とアンチエリアジングフィルター) エリアジング現象とは     サンプリング周波数に近い成分が入ってくると、サンプリング周波数との差分の成分(ゴースト信号)がAD変換の結果取り込まれる現象です。     例    ゴースト信号=信号ーサンプリング周波数    エリアジングが起こらないようにするためには、信号の最高周波数の2倍以上の速度でサンプリングするか、あるいは、A/D変換器の前段にサンプリング周波数の1/3のアナログのハイカットフィルターを入れて最高周波数を制限します。      200Hzサンプリング    66HzのHFF     100Hzサンプリング    33HzのHFF       ←- 注意 参考 脳波計などでは、1KHzや2KHzの高速でサンプリングし、収録サンプリングに応じたアンチエリアジングフィルターをデジタル処理で行うことを行っています。

サンプリング周波数が低い場合の問題点3 (ハムやEMGが見えない?)                                                                     サンプリング周波数が低い場合の問題点3 (ハムやEMGが見えない?) エリアジング対応のためAD変換前にアンチエリアジングフィルターがかかる  100Hzサンプリングでは、アンチエリアジングフィルターを33Hzくらいで急峻にかけます。   EEG,EMG,EOG,ECGなどの100Hz以下のサンプリングは問題があります。  1.50Hzや60HzのハムはAD変換前にカットされている。    これは、いいことのように見えますが・・     アーチファクトの確認ができないのは問題です!     100Hzサンプリングの機器ではハムが入らないように見えるだけで実はハム入っているかも!    ハムが入ったままでは、アナログアンプ部の負担(ハムで飽和)が大きくなります。    ハム成分まで含めた生波形をモニタして、もし必要ならばフィルターをかけることが必要です。  2.EMGが見えない。    100HzでもEMG成分は見えます。しかし本当のEMG波形なのでしょうか?    一般に表面筋電の周波数成分は、20~60Hz以上必要とされています。    33Hzのアンチエリアジングフィルタがかかっている場合、     EMG波形は振幅が低く抑えられている可能性があります。    ChinやLMで正確に筋放電を確認するのは、200Hz以上のサンプリングが必要です。

アンチエリアジングフィルタ-の影響 EMG波形の比較例                                                                     アンチエリアジングフィルタ-の影響 EMG波形の比較例 500Hzで収録したデータに、アンチエリアジングフィルタと同じ効果のHFFをかけて比較してみる フィルターOFF (170Hzくらい) Chin Polymate フィルター30Hz Chin 本来のEMG成分ではなく、低い周波数のみしか 表示されていません。 フィルター30Hzは 100Hzサンプリング時の アンチエリアジングフィルターと同じ Polymate 100Hz以下で収録したEMG波形はウソの波形!

フィルターの影響 デジタルフィルタをかけることで本来の入力波形が化ける 例 EMGの本来の波形は、もっとゆらいでいる!                                                                     フィルターの影響 デジタルフィルタをかけることで本来の入力波形が化ける     デジタルフィルタをかけることで波形はきれいになりますが、本来の波形がひずんできれいに見える場合があることに注意。      例  EMGの本来の波形は、もっとゆらいでいる!         ゆらぎが大きいとダイナミックレンジをオーバー!      例  過大なハム入力を無理にフィルタかけると、         取りきれない場合には細かい波形が残る!

デジタルフィルターの特性 ・ デジタルフィルタの特性 サンプリングの1/2以上のフィルタはきかない!                                                                     デジタルフィルターの特性 ・ デジタルフィルタの特性     サンプリングの1/2以上のフィルタはきかない!       例  サンプリング100Hzでは50HzのHFFもハムフィルタも効かない     フィルタにより波形は歪む(特にLFF)      DC入力はLFF(TC)をかけると0電圧のフラット波形になる!     例  波形がダイナミックレンジを越えて飽和した場合、最大電圧のDC値になります。         これにLFF(TC)をかけると、0電位のフラット波形になります。 LFF 0.5Hz

フィルターの影響 (本来のEMG波形) EMG波形は、本来はゆらいだ波形です。 フィルタをOFFにすると! Polymate                                                                     フィルターの影響 (本来のEMG波形) EMG波形は、本来はゆらいだ波形です。 フィルタをOFFにすると! Polymate Polymate

フィルターの影響 (過大なハムが混入した波形)                                                                     フィルターの影響 (過大なハムが混入した波形) 過大なハムの混入している波形に無理やりフィルタをかけると     フィルタでとりきれない波形や過大な波形による波形自体の歪みより、本来と異なる波形になる Polymate REMなのにChinのEMGが減らない! 何故?

フィルターの影響 (過大なハムが混入した波形)                                                                     フィルターの影響 (過大なハムが混入した波形) フィルタを外してみると     過大なハムの混入があり、フィルタでとりきれなかった痕跡であることが分かる フィルタなしの波形 ハムフィルタが かかった波形 Polymate

フィルターの影響 (ハムとDCドリフトが混在した場合)                                                                     フィルターの影響 (ハムとDCドリフトが混在した場合) DCドリフトを伴うハム混入の場合、紡錘型エンベーロープ波形!     DCドリフトにより飽和した場合にハムが少ないように見えてしまう! 紡錘型エンベロープ波形 直ちに、電極の確認が必要!

フィルターの影響 (ハムフィルターはどの程度まで有功なのか)                                                                     フィルターの影響 (ハムフィルターはどの程度まで有功なのか) ハム混入でも限度を超えれば、ハムフィルタも効かない!     どの程度までのハムであれば、ハムフィルタできれいにできるのか?   ハムフィルタで除去しきれずに、アーチファクトが残る この程度のハム混入であれば きれいに除去可能 直ちに、電極の確認が必要! Polymate Polymate

フィルターの影響 (ポリメイトを使用した実演1)                                                                     フィルターの影響 (ポリメイトを使用した実演1) ハム混入した信号をサンプリング変えてモニタ!      上から200Hz,100Hz,50Hz,40Hzのサンプリング周波数 ハム混入が見える アンチエリアジング フィルターでカット Polymate

フィルターの影響 (ポリメイトを使用した実演2)                                                                     フィルターの影響 (ポリメイトを使用した実演2) ハムフィルタをかけてみると! ここからハムフィルタON ハムが減衰している ハムに変化なし? 何故? 100Hzサンプリングでは50Hzの ハムフィルタは効かない! Polymate

フィルターの影響 (ポリメイトを使用した実演3)                                                                     フィルターの影響 (ポリメイトを使用した実演3) 本当の信号を見るにはフィルタをすべてOFFにする! ここからフィルタOFF ハムが大きく混入しているのが把握できる ハムに変化なし? (元々フィルタかかっていない) 便利なワンタッチOFFボタン Polymate

判読時の注意 機械的なアーチファクトと生体的なアーチファクトを区別する 機械的なアーチファクト                                                                     判読時の注意 機械的なアーチファクトと生体的なアーチファクトを区別する 機械的なアーチファクト     判読時にできるだけ排除するように収録時に対処する必要がある     原因を追求して、対処により少なくすることが可能       ハム混入            ハムフィルタ (かけないのが基本)       電極コードのゆれ       LFFの調整(但し限界あり)                         電極コードのまとめ方で改善       アンプ性能を超えた信号  PSG機器の限界 良いアンプ性能のPSG機器を使用

判読時の注意 生体的なアーチファクト 判読時に確認する方法 体動  当然の生体現象ととらえる                                                                     判読時の注意 生体的なアーチファクト    体動       当然の生体現象ととらえる 発汗       δ波に間違えないように注意(フィルタをOFFにして確認)    ECG混入    電極つけかたでどうにもならない場合には、L+R基準波形を使用               EEGとEOGは独立してG2の基準が変更できるのが良い 判読時に確認する方法    波形をよく観察(突然フラットな波形になっていないか?)    リフィルルタ機能が有効であれば、フィルタをOFFにしてみる。      左右差を確認、極端に違う場合には注意 

判読時のアーチファクト判別 (フラット波形に注意1)                                                                     判読時のアーチファクト判別 (フラット波形に注意1) 波形の一部がフラットな場合には注意 C3-A2 C4-A1 O1-A2 O2-A1 Chin LEG

判読時のアーチファクト判別 (フラット波形に注意2)                                                                     判読時のアーチファクト判別 (フラット波形に注意2) 波形の一部がフラットな場合には注意    わかりにくい場合にはフィルターをOFFにする フィルターをOFFにする 指数的に減少している 波形は疑う! フラットな波形が見えてくる

判読時のL+R基準の波形 (振幅の低下に注意)                                                                     判読時のL+R基準の波形 (振幅の低下に注意) ECGが脳波に混入している場合に、L+R基準にするとECG混入が無くなるが     L+R基準の波形は、A1,A2基準に比べて10%から20%振幅低下します。     特に、δ波の低下はSTAGE3,4の判定に関わるので注意が必要です。 A1,A2基準 L+R基準

PSG検査データを正確にレポートするには     アンプ性能   ダイナミックレンジ、リカバリ特性     AD変換性能  AD分解能(12ビット以上を推奨)、サンプリング周波数     リフィルタリング可能なデータ形式とViewer(フィルタをかけないで収録)               簡単にフィルタOFF波形が見れると便利(収録時と再生時)         メーカーのデフォルト設定は信用しないこと!               波形をきれいに見せるような設定が多く、精度に問題がある アーチファクトの識別技術を習得(特に機械的要因)     過大なハムがないかどうか  フィルタをOFFにして確認     フラット波形がないかどうか フィルタをOFFにして確認     他の信号と同期していないか  特にECGや外部機器の信号との同期を確認 必ずフィルターなしの生波形を確認!

おわりに きれいなPSG波形データが収録できれば、将来は自動判定で負担を軽くすることも可能(私の個人的な目標!)     今まで、睡眠ステージやArousalの自動判定の精度が悪い理由として、機器の誤使用によるアーチファクト混入ということも大きい。これが改善されることで、自動判定でレポート出せるデータもでてくるのではないかと考えている。     しかし、自動判定ソフトのアーチファクト識別技術や判定精度の向上も必要ではあるが・・   データ協力     太田睡眠科学センター         使用機器 ポリメイト&ナイトアウル サンドマン ソムノスター(Pro) アリス4     虎の門病院 睡眠センター        使用機器 ポリメイト&ナイトアウル ソムノスター(Pro)      参考 ポリメイトで収録したデータには右下にPolymateと印をつけています。 C3-A2 50.0 C4-A1 O1-A2 O2-A1 LOE 100.0 ROE Chin ECG 500.0 L-LEG R-LEG 1sec/div Polymate ホームページにて、今回の資料をダウンロード可能です。   http://www.norupro.ne.jp