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スライドショーで動きが停止したら、マウスを1回ずつクリックしてください。 雑学 回転するグラウンドと大魔球 ----- 台風の渦ができるわけ

北半球では、低気圧の渦はすべてこの向きになる。 (画像:Googleより) 北半球では、低気圧の渦はすべてこの向きになる。 フィリピン北東、台湾の南東 (北緯20゜付近)

南半球 クック諸島付近のサイクロン(南緯20゜付近)

物理学は難しく考えたらダメ。まずは直感で。 (宿題) 回転するグラウンドで、中心からボールを投げたら...? ボールは、いったん手を離れたら、宇宙をまっすぐに進む。(グラウンドが回転していることは関係なし!) まず、逆の発想で円盤の上をまっすぐに進むボールを外から見た場合を考えた方がわかりやすいかもしれない。

回転しながら外へ向かうのだから..... らせんを描くだろう。 逆に、地面に対して直進するボールを円盤から見れば、地面が回転しており、反対回りのらせんになる。 拡大して取り出すと

反時計回りの回転系(北半球)では、運動する物体は右に偏向する慣性力を受ける。(コリオリの力) 回転速度を遅くすれば、少しカーブする程度になる。 円盤上で描く軌跡 ボールが縁に到達したとき、ボールを投げた瞬間に  にあった点が、ちょうどボールの位置に達する。 反時計回りの回転系(北半球)では、運動する物体は右に偏向する慣性力を受ける。(コリオリの力)

v x = vt y (理工系の人は以下のように理解してください。) ボールは t 秒で まで進む。 この間の回転距離 この間の回転距離  これはほぼ、加速度 2ωv の 放物線運動 である。 v x = vt y 参考: 重力による自由落下では 角度 ωt グラウンドの回転角速度ω コリオリの力 

「回転系では 遠心力 が働くのではなかったの?」 ちょっと待って! 「回転系では 遠心力 が働くのではなかったの?」 そのとおり。たとえば、円盤の上空に静止している物体を円盤から眺めたら反対向きの円運動をします。この円運動の求心力はどうなっているのでしょうか?あくまで遠心力は外向きです。 遠心力 遠心力=m r ω2 コリオリの力 = 2m ωv m v = r ω (=進行方向を右にそれさせる力) r コリオリの力 回転速度 v = r ω 以上から コリオリの力=2×遠心力 円盤から見ると、この差が求心力となって物体は円運動しているのです。 角速度 ω 「回転系では、運動する物体には遠心力に加えて、コリオリの力 が働く。」

「進行方向が 右 に偏向する。」 地面が上へ行くほど速く動いているとき 曲がる 上へ行くと加速される 下へ行くと 減速 される 下へ行くと 減速 される 右向きの慣性力が働く 左向きの慣性力が働く =右へ 加速 _される。 いずれの場合も 「進行方向が 右 に偏向する。」 『雨は斜めに降ってくる』 を思い出そう。進むにつれ、次々に斜めに傾くだけ。

C C 自身が回転速度(勢い)をもつから、 P D (キャッチャー C から投げた場合) ボールは 合成速度 (※)の方向に (宇宙を) まっすぐ進んでいく。 P したがって、ボールは P からそれてしまう。 D (※) 走っている車から物を投げた     場合を想像してみよう。

P から、少しはずして投げれば、 (時刻 t=0) (ピッチャーにちゃんと返すには) C P から、少しはずして投げれば、 (時刻 t=0) ボールは 合成速度 の方向に(宇宙を) まっすぐ進み、うまくP 点を通過させることができる。 P ボールが縁 まで達する間に、 D 点まで回転してきた位置は、 時刻0 では手前の点 Q であった。 ボール Q したがってボールは回転グラウンドを 点 CPQ       を通って、 右へそれながら 進んだことになる。 グラウンド D 宇宙から見た場合 ともかく、進行方向に対して、右へ右へと偏向 することが重要

台風の風の向きは、これとは逆では? はじめに見せた台風の写真では、北半球ではたしかに左へ左へと、逆向きに偏向しているように見えます。 低気圧の場合は、もともと中心に向かって吹き込む力 が働いており、地球の自転がなければ、 まっすぐに中心に向かって 吹き込んでいくはずです。これにコリオリ力の右へ右へと偏向する力とあわさるため、上のような渦になるのです。

風は数十時間かけて、コリオリ力によって右へ右へと偏向する力を受けながら、 低気圧の中心に向かって吹き込んでいく。 簡単のため、北極点 で考える。 地面の速度は外ほど速い。   自転 (日単位) 低気圧に向かって吹き込む力が働いている。 右へ偏向 コリオリ力 風は数十時間かけて、コリオリ力によって右へ右へと偏向する力を受けながら、 低気圧の中心に向かって吹き込んでいく。 気圧の差

東 東京タワーのてっぺんからボールを落としたら、ボールが地上に達するまでに地面は東へ回転しており、ボールは西へそれる?  (ウソ)   実は、地球の自転のため、   タワーのてっぺん、したがってボールは、地面より 毎秒2cm くらい速く回転しています。さらに、角運動量保存則により、この速さは落ちるにしたがって少しずつ変化します。この結果、東へ10cmほどずれるのです。 タワーから見れば 東

 東京タワーでこの程度の影響が現れるのであれば、数キロメートル先をねらう大砲の射撃には深刻である。  たとえば毎秒100mの初速で発射して5km先の戦艦をねらう場合、計算では15m程度の影響が予想される。戦闘の最中に計算しているわけにはいかないから、英国海軍は簡易表のマニュアルを用意して砲兵に持たせていたという。  ところが、第一次世界大戦でアルゼンチン沖のフォークランド島付近で海戦があったとき、この簡易表は役に立たなかった。  望遠鏡をのぞきながらマニュアルどおりドイツの軍艦の少し左をねらって砲撃しても、砲弾はことごとく、さらに左へ左へとそれてしまったのである。

(理工系向け) 面積速度一定の法則より (V は初速度) 地面 よって 地面の速度は ω 地面との差は 積分して 回転の中心