NPO法人アプカス 石川直人 京都大学 前田昌弘 京都工芸繊維大学 阪田弘一

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NPO法人アプカス 石川直人 京都大学 前田昌弘 京都工芸繊維大学 阪田弘一 気仙沼本吉での活動紹介 NPO法人アプカス 石川直人 京都大学 前田昌弘 京都工芸繊維大学 阪田弘一

1.気仙沼市本吉町での取り組み (石川) 2. 『被災地復興における、自治体・地元住民との連携の難しさと可能性』 (前田) 発表の内容 1.気仙沼市本吉町での取り組み (石川) 2. 『被災地復興における、自治体・地元住民との連携の難しさと可能性』 (前田)

発表の内容 1.気仙沼市本吉町での取り組み

アプカスの組織概要 東日本大震災における支援活動 設立:2004年12月 国内事務所:函館 気仙沼(常勤職員3名,非常勤職員4名) 国内事務所:函館 気仙沼(常勤職員3名,非常勤職員4名)  国外事務所:スリランカ(日本人常勤職員2名,現地常勤職員7名) 分野:(1)災害復興支援活動 (2)子ども教育支援活動 (3)環境の保全や防災活動 (4)農業技術の向上支援活動 (5)障がい者支援活動 (6)ネットワークの構築活動 東日本大震災における支援活動 緊急支援期(2011年3月21日~6月中旬。拠点:石巻市) (1)物資配布 (2)支援のマッチング (3)ボランティアの受入など 仮設支援期(2011年6月中旬~。拠点:気仙沼市本吉) (1)仮設住宅の住環境改善支援 (2)仮設集会所再建など

基礎情報(実施場所と実施期間) ○実施場所 気仙沼市本吉町の 14カ所の仮設住宅団地 ○期間 2011年8月~ 2013年8月(予定)

集会所の再建、共同農園の設置、あかりカフェなど他の取り組みの紹介 気仙沼市本吉町での取り組み 集会所の再建、共同農園の設置、あかりカフェなど他の取り組みの紹介

集会所(津谷大沢区振興会館)の再建

集会所(津谷大沢区振興会館)の再建

共同農園の設置と運営

あかりカフェ(夜のお茶会空間をデザイン)

仮設住宅地区であかりカフェ開催

仮設住宅の総合的な住環境改善事業 (『三井物産環境基金』助成事業) 気仙沼市本吉町での取り組み 仮設住宅の総合的な住環境改善事業 (『三井物産環境基金』助成事業)

基礎情報(仮設住宅の分布図)

2. 『被災地復興における、自治体・地元住民との連携の難しさと可能性』 ~仮設住宅の住環境改善活動を例に~ 発表の内容 2. 『被災地復興における、自治体・地元住民との連携の難しさと可能性』 ~仮設住宅の住環境改善活動を例に~

↑本吉町における仮設住宅団地一覧と支援内容 支援の対象および内容の決定 各団地に適したメニューを提供 性能の低い住宅を対象とする (523戸のうち309戸) 性能の低い住宅を支援 公平性を考慮 各団地に適した支援メニューを提供 ニーズへの対応を考慮 ↑本吉町における仮設住宅団地一覧と支援内容

問題把握と支援内容(冬対策) 当活動でのポイント ①適性技術(身近で安価な素材。非専門家でも実施可能。) ②原状回復(建物本体を傷付けない。退去時に元の状態に戻せる。)

仮設住宅の外観

1.狭く 2.暑く(寒く)、 3.音がつつぬけという課題 仮設住宅の問題点 1.狭く 2.暑く(寒く)、 3.音がつつぬけという課題

性能が高い (十分な断熱材、二重ガラス、遮音壁等) 性能が低い 仮設住宅団地間の質の“差”の問題 性能が高い (十分な断熱材、二重ガラス、遮音壁等) 性能が低い (不十分な断熱材、一重ガラス(追加工事前)等)

冬場の結露(水滴が滴ったり、カビの原因に)

冬対策支援メニュー内容 柱面への断熱テープ 壁-天井隙間への断熱材の充填 窓ガラス面への気泡緩衝材 窓への簡易内障子の設置

冬対策支援(学生ボランティアによる施工)

仮設住宅の夏対策支援

仮設住宅の緑化支援(支援前)

仮設住宅の緑化支援(壁面)

仮設住宅の緑化支援(屋根)

当活動の連携のポイント 1.行政を補完 (支援内容の棲み分けと柔軟性) 2.ステークホルダー間の積極的な情報共有と丁寧な説明 3.間接的支援も実施 (他の支援グループに技術移転を行った上で実施)

1.行政を補完 (支援内容の棲み分けと柔軟性) 当活動の連携のポイント 1.行政を補完 (支援内容の棲み分けと柔軟性)

支援内容の棲み分け ●行政(県や市)による仮設住宅の住環境改善支援 ex)県と発注業者による外断熱、二重サッシ、風除室の設置、追い炊き機能の追加、通路の舗装、物置の設置 ●当主体による住環境改善支援 ex)断熱性能の向上(冬対策支援)、すだれや緑化支援、メンテナンス支援、共有スペースの整備 →行政を「補完」するような支援に焦点を絞り、柔軟に対応しながら実施

2.ステークホルダー間の積極的な情報共有と丁寧な説明 当活動の連携のポイント 2.ステークホルダー間の積極的な情報共有と丁寧な説明

↑本吉町における主な支援団体とその概要(緊:緊急避難期、仮:仮設居住期) 他の支援主体との関係構築 ・各団地に担当団体を配置 ・支援に関わる規範((ex)公平性,地域ニーズの充足など)や情報の共有 →支援の重複の回避、相互の協力 ↑本吉町における主な支援団体とその概要(緊:緊急避難期、仮:仮設居住期)

当活動の実施体制と連携 もとよしボランティア連絡会 (ステークホルダー間の連携・情報共有)

もとよしボランティア連絡会

3.間接的支援も実施 (他の支援グループに技術移転を行った上で実施) 当活動の連携のポイント 3.間接的支援も実施 (他の支援グループに技術移転を行った上で実施)

間接的支援とノウハウの発信 ↑他主体への支援 →仮設すまいるマニュアル

他地域他団体への技術移転

以上となります ご清聴ありがとうございました