学校・庁舎の喫煙対策状況 第4回 無煙のまちづくりの日 2010/12/11 青森県タバコ問題懇談会 鳴海 晃、新谷 進一 第4回 無煙のまちづくりの日 2010/12/11 学校・庁舎の喫煙対策状況 脳卒中などの生活習慣病を減らすために 青森県タバコ問題懇談会 鳴海 晃、新谷 進一
受動喫煙対策;最近の動き ●健康増進法 第25条 (2002年) 「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」 ●たばこ規制枠組条約(FCTC)(2007年) 第2回締約国会議で、「屋内完全禁煙」を求める「受動喫煙防止ガイドライン」を採択 ●厚生労働省健康局長通知「受動喫煙防止対策について」 (健発0225第2号)(2010年2月25日) 「多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべきである」と明記 ●職場における受動喫煙防止対策に関する検討会(2010年5月) 受動喫煙防止対策は、労働者の健康障害防止という観点から取り組むことが必要。 労働安全衛生法において、受動喫煙防止対策を規定することが必要。 ●日本産業衛生学会:職場で用いる有害物質や有害要因について許容濃度の勧告(2010年5月)「タバコ煙」を、発がん物質の第1群として新たに追加
県内の公立学校と公共施設の喫煙対策状況の調査 対象 青森県内の40市町村と青森県 (n=41) 調査内容 公立学校と公共施設の喫煙対策状況 (敷地内禁煙、建物内禁煙、分煙、措置なし) 調査方法 自記式質問紙調査用紙を郵送し、FAXで回収 調査期間 2010年11月 回答率 100%
青森県内の公立学校・公共施設の喫煙対策の変遷 調査対象 ●公立学校 ●庁舎、議会棟 ●公民館 ●屋内運動施設 ●屋外運動施設 ●病院・診療所 外ヶ浜町、横浜町、六戸町、東通村では、屋内禁煙以上 幼稚園と高校を加えると、敷地内禁煙は69%、建物内禁煙は15%、建物内分煙は14% n=41 青森県+41市町村
公共施設の喫煙対策状況 (2010年11月) n=41 青森県+41市町村 5
公立学校の喫煙対策の変遷 分煙:79校(2009年)から27校(2010年)に減少 n=41 青森県+41市町村 幼稚園と高校を加えると、敷地内禁煙は69%、建物内禁煙は15%、建物内分煙は14% n=41 青森県+41市町村
21市町村で全公立学校の敷地内全面禁煙を実施 東青 青森市、平内町、蓬田村、外ヶ浜町 西北 深浦町、板柳町、五所川原市 中南 弘前市、大鰐町、藤崎町 上北 三沢市、横浜町、おいらせ町、野辺地町、六ヶ所村 下北 むつ市、風間浦村 三八 八戸市、五戸町、階上町、田子町 (全40市町村の53%、全人口の76%) 分煙の学校は合計27校 (6市町村) 東青 なし 西北 鰺ヶ沢町、鶴田町、中泊町 中南 黒石市、平川市 上北 なし 下北 なし 三八 南部町 7
全国公立学校禁煙マップ 敷地内禁煙数/全公立小中高校数 10%以下 11~25% 26~50% 51~75% 76~95% 96%以上 北海道 62% 青森県 71% 秋田県 100% 岩手県 78% 山形県 90% 宮城県 96% 石川県 75% 新潟県 72% 福島県 89% 山口県 86% 島根県 73% 鳥取県 74% 福井県 96% 富山県 86% 長野県 21% 群馬県 46% 栃木県 85% 広島県 64% 岡山県 39% 兵庫県 81% 京都府 61% 滋賀県 100% 岐阜県 45% 山梨県 78% 埼玉県 59% 茨城県 100% 佐賀県 90% 福岡県 33% 大分県 53% 大阪府 89% 奈良県 82% 三重県 43% 愛知県 68% 静岡県 100% 東京都 63% 千葉県 51% 長崎県 35% 熊本県 18% 宮崎県 60% 愛媛県 94% 香川県 89% 和歌山県 100% 神奈川県 76% 鹿児島県 79% 高知県 28% 徳島県 86% 沖縄県 91% 敷地内禁煙数/全公立小中高校数 10%以下 11~25% 26~50% 51~75% 76~95% 96%以上 敷地内禁煙の小中学校が一つもない自治体は12から8に減少 一部に敷地内禁煙の小中学校があるが、十分ではない自治体は14から16に増加 全面敷地内禁煙は14から16に増加 原田正平(国立成育医療センター) http://www.kawasaki-disease.net/~kinen/index.php 8
喫煙対策の状況を点数化 + 0.43×80 + 0.00×20 + 0.00×0 = 91.4 計算方法 喫煙対策総合点数 = 敷地内禁煙施設の割合×100点 + 建物内禁煙施設の割合×80点 + 施設内分煙施設の割合×20点 + 分煙対策なしの施設の割合×0点 計算例 外ヶ浜町の 公立学校と 公共施設 敷地内全面禁煙 建物内禁煙 建物内分煙 措置無し 施設数 8 6 比率 57% 43% 0% 外ヶ浜町の喫煙対策総合点数 = 0.57×100 + 0.43×80 + 0.00×20 + 0.00×0 = 91.4 9
喫煙対策の点数化による自治体ランキング 喫煙対策総合点数 2008年 59.9 2009年 62.4 2010年 66.3 外ヶ浜町、横浜町、六戸町、東通村では、「分煙」や「対策なし」は存在せず 外ヶ浜町、横浜町、六ヶ所村、東通村では、分煙や対策なしは存在せず 10
喫煙対策総合点数と相関する因子は何か? 相関係数 p 男性の平均寿命 (2005年) 0.18 0.27 女性の平均寿命 (2005年) 0.23 0.15 葉タバコ販売実績 (2008年産) 0.06 0.70 タバコ税収入額/市町村税合計(%)(2007年) -0.38 0.02 市町村税合計 (2007年) 0.21 0.20 一人当たりの所得 (2007年) 0.28 人口 (2009年4月1日) 面積(km2) (2007年) 0.26 人口密度 (2007年) 0.22 0.17 Pearsonの相関係数を求め相関の有無を検討し、p < 0.05を有意とした。 統計解析にはStatView(ver5.0)を使用した。
タバコ税収の割合が多い自治体では、 喫煙対策は進まない 12
喫煙対策の遅れとタバコ税収の悪循環 喫煙対策の遅れ タバコ税収が多い 自由に喫煙可能 喫煙者が多い?
問2 日本も批准しているWHOタバコ規制枠組み条約(FCTC)は「屋内の職場、公共の輸送機関、屋内の公共の場所、レストランなどでも受動喫煙を完全に無くすこと」を求めていることをご存知でしょうか。 問3 2010年2月25日、厚生労働省が全国の自治体に対し、公共的施設を全面禁煙とするように通知したことをご存知でしょうか。
問4 各自治体において受動喫煙対策が立ち遅れている原因を、 どのようにお考えでしょうか?
県内40市町村の喫煙対策状況のまとめ ●公立学校の敷地内禁煙を行う市町村は増加傾向にあるが、全国レベルに比べると十分とは言えない。 ●喫煙対策の取り組みには、市町村間で格差がある。 ●喫煙対策が遅れている市町村では、市町村税に占めるタバコ税収の割合が高い傾向を認めた。 ●対策が遅れている自治体に対しては受動喫煙防止対策を早急にとるように重点的に要望していく必要がある。
青森県内で喫煙対策に取り組んでいる事業所の割合と方法 平成20年度調査研究 短命県返上に向けた青森県の産業保健活動活性化のための実態調査 平成21年3月 独立行政法人労働者健康福祉機構 青森産業保健推進センター
弘前と首都圏;生活習慣の違い (2010年健康診断)
青森県は、 喫煙者も、自治体も、 ニコチン依存症! 2010.6.2