CKDの問診 若杉 三奈子 腎検討会リサーチ発表 2014年12月4日

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糖尿病の診断 関東労災病院 糖尿病内分泌内科 杢保敦子 2007 年 10 月 21 日 第 2 回市民公開講座 2007 年 10 月 21 日 第 2 回市民公開講座 「糖尿病を知ってその合併症を防ぎましょう」 「糖尿病を知ってその合併症を防ぎましょう」
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メタボリックシンドロームの考え方. 危険因子の数と心臓病のリスク 軽症であっても「肥満(高 BMI )」、「高血圧」、「高血糖」、「高トリグリセリド(中性脂肪) 血症」、または「高コレステロール血症」の危険因子を2つ持つ人はまったく持たない人に比べ、
健診時血圧 160/100 以上 ⑨ 市町村主催の 健康教室等へ の勧誘 健診時血圧 160/100 以上 健診時血圧 160/100 以上 健診時血圧 160/100 未満 かつ未治療 のもの 汎用性の高い行動変容プログラ ム 高血圧対策(案)
平成 25 年度 糖尿病対策成果発表会 金沢市における対策 金沢市医師会会長 竹田康男. 慢性腎臓病 (CKD) 予防対策事業 ( 22年度~24年度 ) 金沢市福祉健康センター ・透析患者が年々増加している ・ CKD の背景に生活習慣病が深く影響 ・ CKD が心筋梗塞や脳卒中等の危険因子となっている.
1. 動脈硬化とは? 2. 動脈硬化のさまざまな 危険因子 3. さまざまな危険因子の 源流は「内臓脂肪」 4. 動脈硬化を防ぐには
インスリン治療費に関する 医師・患者意識調査結果
生活習慣病の予防.
体重減少 ◎食欲があるのに体重が減る ⇒糖尿病、甲状腺機能亢進症、吸収不良症候群などを疑う ◎食欲がなくて体重が減る ⇒その他の疾患を疑う
体重増加 短期間で 急に太った いつもと同じ食生活をしているのに… 定期的に運動をしているのに…
全身倦怠感 全身倦怠感はさまざまな病気にみられます 疲れやすい… だるい…
メタボリックシンドローム (内臓脂肪症候群)
背景 著しい肥満者ではほかの因子が認められなくても、しばしば腎障害をきたすことが知られている。これまで、肥満と腎機能障害の発症との関連性については、きわめて限られたデータしかなく、関連性が示唆されているにもかかわらず信頼度の高い裏づけデータが乏しかった。
I gA腎症と診断された患者さんおよびご家族の皆様へ
栄養領域の代表目標項目(7) 2 栄養 栄養状態、栄養素(食物)摂取に関する代表目標項目(5) ・ 成人の肥満者の割合の減少
メタボリックシンドローム (内臓脂肪症候群)
生活習慣病について 船橋市医師会ホームページ掲載用.
メタボリック症候群(MetS)の有無と、成人以降の体重増加とCKDの関連
健常労働者集団における喫煙とCKD発症の関連性 ―6年間の縦断的観察
一般住民の大腿骨近位部骨折発症率で 認められる地域差は、 血液透析患者でも認められる
不眠の症状は4タイプあります 入眠障害 寝つきが悪い ぐっすり眠れない 中途覚醒 夜中に目が覚めてしまい その後なかなか眠れない 早朝覚醒
A 「喫煙率が下がっても肺ガン死亡率が減っていないじゃないか」 B 「喫煙を減らしてもガン減るかどうか疑問だ」
1.職場における産業保健活動 (1) 産業保健は予防医学
本日の内容 病気は、予防が大事! 病気を予防するためには、健康習慣の実践が大切!.
高血圧 診断・治療の流れ 診断と治療の流れ 問診・身体診察 二次性高血圧を除外 合併症 臓器障害 を評価 危険因子 生活習慣の改善
1. 糖尿病による腎臓の病気 =糖尿病腎症 2. 腎症が進むと、生命維持のために 透析療法が必要になります 3. 糖尿病腎症の予防法・治療法
糖尿病と腎臓合併症 田中内科クリニック 院長 田中洋一.
汎用性の高い行動変容プログラム 特定健診の場を利用した糖尿病対策(非肥満を含む)
糖尿病 診断・治療の流れ 診断と治療の流れ 問診・身体診察 検査 診断 治療
5つの健康習慣 (禁煙、体重管理、飲酒、運動、食事)は 回復性睡眠と関連する:横断観察研究 A combination of healthy lifestyle is associated with restorative sleep: a population-based, cross-sectional.
生活習慣を変え、内臓脂肪を減らすことで生活習慣病の危険因子が改善されます
1. 痛風・高尿酸血症とは 2. 糖尿病・糖尿病予備群と 痛風・高尿酸血症の関係 3. 高尿酸血症の治療は 3ステップで 4.
血管と理学療法 担当:萩原 悠太  勉強会.
汎用性の高い行動変容プログラム 特定健診の場を利用した糖尿病対策(非肥満を含む)
腎不全になったら 医療法人クムダ会 大正クムダクリニック 近藤 昭彦.
@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD
喫煙者は非喫煙者の2.42倍インフルエンザに罹患する 症状が重くなる確率は、非喫煙者30%、ヘビースモーカー54%
循環器疾患領域の代表目標項目(17) 8 循環器疾患、9 糖尿病 循環器疾患の減少に関する代表目標項目(5)
わが国の透析患者における感染症死亡率~一般住民との比較~
新潟大学大学院 医歯学総合研究科 地域医療長寿学講座 若杉 三奈子
肥満の人の割合が増えています 肥満者(BMI≧25)の割合 20~60歳代男性 40~60歳代女性 (%)
メタボリックシンドロームはなぜ重要か A-5 不健康な生活習慣 内臓脂肪の蓄積 高血糖 脂質異常 高血圧 血管変化の進行 動脈硬化
メタボリック シンドローム.
栄養成分表示は、 健康づくりに役立つ重要な情報源 栄養成分表示ってなに? 栄養成分表示を活用しよう① 〈留意事項〉
脂質異常症.
一般住民と比較した米国透析患者の標準化自殺率比(SIR) 表.一般住民と透析患者の年齢階級別死亡者数
資料 1.「指導対象者群分析」のグループ分けの見方 特定健康診査及びレセプトデータによる指導対象者群分析 【フロー説明】
~あなたはメタボリックシンドローム 予防をしていますか~
4.生活習慣病と日常の生活行動 PET/CT検査の画像 素材集-生活習慣病 「がん治療の総合情報センターAMIY」 PET/CT検査の画像
平成15年度総合がん対策推進モニタリング調査
新潟大学大学院 医歯学総合研究科 地域医療長寿学講座 若杉 三奈子
第2回 市民公開講座 糖尿病を知って その合併症を防ぎましょう
医療法人社団 高山泌尿器科 臨床工学部門 斎藤 寿 友西 寛 工藤 和歌子 佐藤 友紀
福島県立医科大学 医学部4年 実習●班 〇〇、〇〇、〇〇、〇〇、〇〇、〇〇
高脂血症.
平成29年国民健康・栄養調査結果の概要.
災害時の循環器リスクスコア - AFHCHDC7 Score
指導日時 平成 年 月 日( 曜日) AM・PM : ~ : . 指導内容
わが国における血液透析患者の 大腿骨近位部骨折発症率は 一般住民の約5倍である
A-2 男性用 健診結果から今の自分の体を知る 内臓脂肪の蓄積 ~今の段階と将来の見通し~ 氏名 ( )歳 摂取エネルギーの収支
腎を守れば 脳卒中も防げる!! ~明日からできる生活のヒント~
高齢慢性血液透析患者の 主観的幸福感について
フレイルとは すずかけの木通信H30.3月号 お口の健康の維持は 全身の健康に影響します。 健康な状態と日常生活で
子どもに対する 生活習慣病予防の 取り組み           健康情報分析学            三輪 夕起.
1. 糖尿病予備群って、なに? 2. 糖尿病って、どんな病気? 3. どんな時に糖尿病予備群と 言われるの? 4. 糖尿病予備群と言われたら
A-3 女性用 健診結果から今の自分の体を知る 内臓脂肪の蓄積 ~今の段階と将来の見通し~ 氏名 ( )歳 摂取エネルギーの収支
1. 糖尿病による腎臓の病気 =糖尿病腎症 2. 腎症が進むと、生命維持のために 透析療法が必要になります 3. 糖尿病腎症の予防法・治療法
透析周辺機器の入れ替えに伴う透析液水質と患者臨床データの変化
自分のメタボ度を調べてみよう 1.肥満度として、Body Mass Index (BMI)を計算しましょう。 = =
(2)-ア-a-A 食事摂取基準.
衛生委員会用 がんの健康講話用スライド.
Presentation transcript:

CKDの問診 若杉 三奈子 腎検討会リサーチ発表 2014年12月4日 minakowa@med.niigata-u.ac.jp 若杉 三奈子 minakowa@med.niigata-u.ac.jp URL http://square.umin.ac.jp/prost/ URL http://researchmap.jp/minako/

CKD疑いの患者さんが来たら (健診で尿蛋白や腎機能障害を指摘) 何を問診する? いつから? 検査の時の状況は? 家族歴 既往歴 高血圧、糖尿病、使用薬剤など 肥満:身長・体重からBMIの計算 「20歳頃の体重はどのくらいでしたか?」 いつから異常を認めるのか?昨年の健診では異常なかったのか?それともしばらく健診を受けていなかったのか? 学校健診で異常を指摘されたことはあるのか?など 正常な人でも、発熱時や運動の後などに蛋白尿を認めることがあるので、この時、風邪をひいていたなど、何かいつもと違うことはありましたか?と聞くようにしています。 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

成人以降の体重増加は、非肥満者であっても さまざまな疾患の独立した危険因子 2型糖尿病 Ann Intern Med.1995 Diabetes Care.1994 CKD Clin Exp Nephrol 2012 20歳(18歳) からの 体重増加 冠動脈疾患 JAMA 1995 Int J Obes (Lond).2008 脳卒中 JAMA1997 Wakasugi M, Narita I, et al. Clin Exp Nephrol. 2012;16:259-68. 

20歳時から体重が10kg以上増えた人は、10kg未満に比べ、CKD有病率が高い (男性12. 2% vs 9. 2%, p<0 20歳時から体重が10kg以上増えた人は、10kg未満に比べ、CKD有病率が高い (男性12.2% vs 9.2%, p<0.0001、女性11.8% vs 8.3%, p<0.0001) オッズ比 男性 女性 MetS:メタボリック症候群 年齢, 喫煙, 運動, 飲酒, 腎疾患既往, 高血圧, 糖尿病, 高コレステロール血症, 居住地で補正.エラーバーは95%信頼区間を示す. Wakasugi M, Narita I, et al. Clin Exp Nephrol. 2012;16:259-68.より作図 

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD 「20歳頃の体重はいくつくらいでしたか?」 20歳以降は、 身長は伸びないので、 増えた体重は たいてい脂肪です。 医療者 あの頃**㎏だったから、 **㎏増えているのか! 患者さん ご自身で計算してもらうことにより、 気づきが生まれる @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

ただし、脂肪ではない場合もある 15kg増加 高校時代:194cm, 83kg 現在:195cm, 98kg ここには 高校時代の ダルビッシュ有投手の 写真が入ります ここには 現在の ダルビッシュ有投手の 写真が入ります 15kg増加 ご本人にお会いしたことはありませんが、たぶん脂肪による増加ではないんだと思います。 高校時代:194cm, 83kg 現在:195cm, 98kg

「20歳頃の体重はいくつくらいでしたか?」 20歳以降は、 身長は伸びないので、 増えた体重は たいてい脂肪です。 あの頃**㎏だったから、 医療者 あの頃**㎏だったから、 **㎏増えているのか! 患者さん ただし、成人以降に ボディビルに目覚めたとかなら、別ですが・・・ 医療者 目覚めてません! 患者さん @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

CKD疑いの患者さんが来たら (健診で尿蛋白や腎機能障害を指摘) 何を問診する? いつから? 検査の時の状況は? 家族歴 既往歴 高血圧、糖尿病、使用薬剤など 肥満:身長・体重からBMIの計算 「20歳頃の体重はどのくらいでしたか?」 蛋白尿に関連する生活習慣 5つの健康習慣 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

遵守する5つの健康習慣の数が多いほど さまざまな疾患の発症が少ない ①禁煙 ②体重管理(BMI<25 kg/m2)    ③節酒      ④活発な身体活動        ⑤健康的な食事 冠動脈 疾患 (NEJM 2000, Circulation 2006) 蛋白尿 (Hypertens Res 2013) 2型糖尿病 (NEJM 2001) 全死亡 (BMJ 2008) 今年、PLOS ONEに認知症の発症も少ないことが報告されました。 脳卒中 (Arch Intern Med 2006) 癌 (Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, Prev Med 2012) 認知症 (PLoS ONE 2014) 突然死 (JAMA 2011) @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

5つの健康習慣スコアが高ければ高いほど 蛋白尿の発症率が低かった 発症(%) P < 0.0001 for trend P = 0.08 for trend P = 0.01 for trend A dose-response relationship was observed between the healthy lifestyle scores and the incidence of proteinuria. 5つの健康習慣スコア 2239 (727/1512) 636 (203/433) 622 (449/173) 1405 (636/769) 人数 (男性/女性) Wakasugi M, et al. Hypertens Res 2013

5つの健康習慣スコアの計算方法 望ましい健康習慣には1点を、 禁煙 そうでない場合には0点とした。 BMI 節酒 身体活動 食習慣 先行研究に準じて、それぞれの習慣について、2値変数を作成 望ましい健康習慣には1点を、 そうでない場合には0点とした。 禁煙 BMI 節酒 5つの健康習慣スコア 身体活動 望ましい健康習慣の定義は、 研究開始前に行い、 先行研究やガイドライン、および、 一般住民が実施可能なレベルとした。 食習慣

あなたの 5つの健康習慣スコアを 計算してみましょう! 5つの健康習慣スコアの計算方法 あなたの 5つの健康習慣スコアを 計算してみましょう!

研究開始前に定義した望ましい健康習慣 タバコを吸っていない 1点 禁煙 BMI 節酒 身体活動 食習慣

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD 研究開始前に定義した望ましい健康習慣 BMIが25未満である 禁煙 1点 BMI BMI<25 節酒 身体活動 食習慣 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

研究開始前に定義した望ましい健康習慣 1日あたり平均アルコール摂取量が20g未満 禁煙 アルコール 20gの目安 BMI 節酒 身体活動 日本酒1合 (180ml) BMI 節酒 ビール 中ビン1本 (500ml) 焼酎25度 半合強 (100ml) 身体活動 食習慣 ワイン グラス2杯 (200ml) ウイスキー ダブル (60ml)

研究開始前に定義した望ましい健康習慣 禁煙 「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施」 BMI 下記2つの質問に「はい」と答えた場合を1点とした 禁煙 「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施」 BMI 「日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施」 節酒 身体活動 エクササイズガイド2006では週23エクササイズ以上、そのうち4エクササイズは活発な運動を、とあり。 軽く汗をかく運動は、強度を6メッツと仮定。30分で3エクササイズ。週2回で6エクササイズ。 歩行20分は1エクササイズなので、1時間の歩行は3エクササイズ、週7日で21エクササイズ。 合計27エクササイズ。 食習慣 厚生労働省。エクササイズガイド2006 「週23エクササイズ以上、そのうち4エクササイズは活発な運動を推奨」 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/undou01/pdf/data.pdf  2つとも「はい」で27エクササイズになる。  軽く汗をかく運動は、強度を6メッツと仮定。30分で3エクササイズ。週2回で6エクササイズ。  歩行20分は1エクササイズなので、1時間の歩行は3エクササイズ、週7日で21エクササイズ。

研究開始前に定義した望ましい健康習慣 禁煙 「朝食を抜くことが週に3回以上ある」 BMI 節酒 下記2つの質問に「いいえ」と答えた場合を1点とした 禁煙 「朝食を抜くことが週に3回以上ある」 BMI 節酒 「夕食後に間食(3食以外の夜食)をとることが週に3回以上ある」 身体活動 食習慣 夜食 朝食 昼食 夕食

あなたは何点? 5つの健康習慣スコアの計算方法 禁煙 最も望ましい健康習慣は5点 最も望ましくない健康習慣は0点 BMI 節酒 身体活動 先行研究に準じ、合計したものを5つの健康習慣スコアとした 禁煙 最も望ましい健康習慣は5点 最も望ましくない健康習慣は0点 BMI 節酒 5つの健康習慣スコア 身体活動 あなたは何点? 食習慣

5つの健康習慣スコアが高ければ高いほど 蛋白尿の発症率が低かった 発症(%) P < 0.0001 for trend P = 0.08 for trend P = 0.01 for trend A dose-response relationship was observed between the healthy lifestyle scores and the incidence of proteinuria. 5つの健康習慣スコア 2239 (727/1512) 636 (203/433) 622 (449/173) 1405 (636/769) 人数 (男性/女性) Wakasugi M, et al. Hypertens Res 2013

高血圧、糖尿病、高コレステロール血症で補正後も、 5つの健康習慣スコアは尿蛋白の発症抑制に有意な要因 性、年齢、高血圧症、糖尿病、高コレステロール血症で補正 性、年齢で補正 5つの健康習慣スコア 高血圧症 糖尿病 オッズ比 (95% 信頼区間) 参照 参照 参照 Multivariate logistic regression analysis shows a clear linear reduction of risk, even after controlling for well-known biological mediators such as hypertension and diabetes. The participants who were at low risk for the five lifestyle factors had a significant risk reduction, nearly the same as those without hypertension or diabetes. Wakasugi M, et al. Hypertens Res 2013

降圧薬服用者のみでの解析でも同様 (薬を飲んでいても、生活習慣は重要) 高血圧患者は のリスクが高い CKD 高齢者は高血圧の有病率が高い 性、年齢で補正 性、年齢、糖尿病、高コレステロール血症で補正 5つの健康習慣の遵守数 降圧薬服用者でのサブ解析 (n = 1,505) 0-2     3     4     5    参照 オッズ比 (エラーバーは95% 信頼区間を示す) 高血圧患者に蛋白尿を発症させないために、5つの健康習慣をチェックして介入しよう。 5つの健康習慣 Wakasugi M, et al. Hypertens Res 2013

CKD疑いの患者さんが来たら (健診で尿蛋白や腎機能障害を指摘) 何を問診する? いつから? 検査の時の状況は? 家族歴 既往歴 高血圧、糖尿病、使用薬剤など 肥満:身長・体重からBMIの計算 「20歳頃の体重はどのくらいでしたか?」 蛋白尿に関連する生活習慣 5つの健康習慣 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

もし蛋白尿の原因が生活習慣ではなかったとしても 介入することで、さまざまな疾患の予防に繋がる 5つの健康習慣 ①禁煙 ②体重管理(BMI<25 kg/m2)    ③節酒      ④活発な身体活動        ⑤健康的な食事 冠動脈 疾患 (NEJM 2000, Circulation 2006) 蛋白尿 (Hypertens Res 2013) 2型糖尿病 (NEJM 2001) 全死亡 (BMJ 2008) 今年、PLOS ONEに認知症の発症も少ないことが報告されました。 脳卒中 (Arch Intern Med 2006) 癌 (Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, Prev Med 2012) 認知症 (PLoS ONE 2014) 突然死 (JAMA 2011) @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD 糖尿病性腎症 慢性糸球体腎炎 透析導入患者全体で見ると、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、不明、の順ですが、 年齢によって、原疾患は大きく異なります。 腎硬化症 不明 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

高齢者では腎硬化症と不明が多くなる 2012年導入患者、男女別、年齢、原疾患別 男性 女性 高齢者では、腎炎や糖尿病性腎症ももちろん重要ですが、腎硬化症と不明の対策も重要と考えられます。 年齢(歳) 日本透析医学会 わが国の慢性透析療法の現況 (2012年12月31日現在)CD-ROM 表126、127より作成

さまざまな他疾患の発症を防ぐことは 特に高齢者の末期腎不全をも防げる可能性 腎炎 糖尿病 腎硬化症 不明 さまざまな他の疾患 (癌、心血管病、感染症、外科手術など)の治療や検査 不明、とは何でしょうか? わからないから不明なのだと思いますが、最近、臨床で感じるのは、高齢者がさまざまな疾患(癌、心血管病、感染症、あるいは外科手術等)で治療や造影剤などを用いた検査等により、腎機能が低下し、透析に至る例が多いような印象があります。印象だけではなく、きちんと数字で示さなければならないとは思っていますが、もしかすると、このような経過で透析に導入される人が、不明となっているのかもしれません。 だとすると、さまざまな疾患になることを防げれば、この不明からの透析導入率を下げることができると考えます。 高血圧からくる腎硬化症および不明からの透析導入率を下げるための方策として、健康習慣をあげたいと思います。 5つの健康習慣 末期腎不全 @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

もし蛋白尿の原因が生活習慣ではなかったとしても 介入することで、さまざまな疾患の予防に繋がる 5つの健康習慣 ①禁煙 ②体重管理(BMI<25 kg/m2)    ③節酒      ④活発な身体活動        ⑤健康的な食事 冠動脈 疾患 (NEJM 2000, Circulation 2006) 蛋白尿 (Hypertens Res 2013) 2型糖尿病 (NEJM 2001) 全死亡 (BMJ 2008) 脳卒中 (Arch Intern Med 2006) 癌 (Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, Prev Med 2012) 認知症 (PLoS ONE 2014) 突然死 (JAMA 2011) @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

(Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, 5つの健康習慣は 非回復性睡眠とも関連する 非回復性睡眠 (PLoS One 2014) 5つの健康習慣 ①禁煙 ②体重管理(BMI<25 kg/m2)    ③節酒      ④活発な身体活動        ⑤健康的な食事 冠動脈 疾患 (NEJM 2000, Circulation 2006) 蛋白尿 (Hypertens Res 2013) 2型糖尿病 (NEJM 2001) 全死亡 (BMJ 2008) 脳卒中 (Arch Intern Med 2006) 癌 (Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, Prev Med 2012) 認知症 (PLoS ONE 2014) 突然死 (JAMA 2011) @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

不適切な睡眠は、さまざまな疾患との関連がある 生活習慣病対策には、睡眠も重要 睡眠時間 睡眠の質 CKD (Am J Kidney Dis. 2012) 肥満 (Sleep. 2008, Am J Epidemiol. 2006, Sleep. 2005, Sleep. 2004) 冠動脈 疾患 (Arch Intern Med. 2003) うつ病 2型糖尿病 (Sleep. 2007, Diabetes Care. 2003) 脂質異常症(Sleep. 2008) 高血圧(Hypertension. 2006)

5つの健康習慣は 不適切な睡眠をも予防する? ? 5つの健康習慣 ①禁煙 ②体重管理(BMI<25 kg/m2)    ③節酒      ④活発な身体活動        ⑤健康的な食事 不適切な睡眠 冠動脈 疾患 (NEJM 2000, Circulation 2006) 蛋白尿 (Hypertens Res 2013) 2型糖尿病 (NEJM 2001) 全死亡 (BMJ 2008) 脳卒中 (Arch Intern Med 2006) 癌 (Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, Prev Med 2012) 認知症 (PLoS ONE 2014) 突然死 (JAMA 2011) @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

【特定健診の標準的問診票】 睡眠で休養が十分とれている はい いいえ or 回復性 睡眠 非回復性 睡眠

(Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, 5つの健康習慣は 非回復性睡眠をも予防するのではないか? ? 非回復性睡眠 5つの健康習慣 ①禁煙 ②体重管理(BMI<25 kg/m2)    ③節酒      ④活発な身体活動        ⑤健康的な食事 冠動脈 疾患 (NEJM 2000, Circulation 2006) 蛋白尿 (Hypertens Res 2013) 2型糖尿病 (NEJM 2001) 全死亡 (BMJ 2008) 脳卒中 (Arch Intern Med 2006) 癌 (Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, Prev Med 2012) 認知症 (PLoS ONE 2014) 突然死 (JAMA 2011) @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

5つの健康習慣スコアが高いほど 非回復性睡眠の割合が低かった 解析対象者 (N= 243,767) 男性、P for trend < 0.0001 非回復性睡眠 女性、P for trend < 0.0001 男性の19.2%、 女性の26.3%が 非回復性睡眠。 男性の5人に1人、女性の4人に1人が非回復性睡眠と回答した。 5つの健康習慣スコア (男性/女性) 人数 (484/63) (5,049/1,283) (16,986/9,909) (30,331/35,999) (31,355/71,637) (12,857/27,814) Wakasugi M, Kazama JJ, Narita I, et al. PLoS One 2014

年齢、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、CKDで 補正後も同様 エラーバーは95%信頼区間を示す 5つの健康習慣スコア 1 2 3 4 5 男性 1 2 3 4 5 女性 オッズ比 非回復性睡眠 回復性睡眠

サブグループ解析でも同様 男性 女性 年齢、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、CKDの有無で補正 5つの健康習慣スコア 年齢 Adjusted odds ratio for non-restorative sleep 男性 女性 年齢  40-49 歳  50-59 歳  60-69 歳  70-74 歳 内服薬なし BMI ≥ 25 BMI < 25 1 2 3 4 0-1 5 全体 N = 14,627 N = 68,236 N = 44,562 N = 28,895 N = 59,928 N = 28,826 N = 97,062 N = 8,978 N = 24,390 N = 114,328 N = 72,793 N = 38,610 N = 91,234 N = 32,377 N = 146,705 N = 10,912 5つの健康習慣スコア

(Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, 5つの健康習慣は 非回復性睡眠とも関連する ? 非回復性睡眠 (PLoS One 2014) 5つの健康習慣 ①禁煙 ②体重管理(BMI<25 kg/m2)    ③節酒      ④活発な身体活動        ⑤健康的な食事 冠動脈 疾患 (NEJM 2000, Circulation 2006) 蛋白尿 (Hypertens Res 2013) 2型糖尿病 (NEJM 2001) 全死亡 (BMJ 2008) 脳卒中 (Arch Intern Med 2006) 癌 (Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, Prev Med 2012) 認知症 (PLoS ONE 2014) 突然死 (JAMA 2011) @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

男女とも、若い人ほど、 非回復性睡眠の割合が高い 非回復性睡眠(%) 男性、P for trend < 0.0001 女性、P for trend < 0.0001 特に若い人では、 将来、病気になるからと言われるよりも、 回復性睡眠を得られることの方が、生活習慣改善のモチベーションになるかもしれない。 年齢(歳) 人数 (男性/女性) (8,978/10,912) (14,627/24,390) (44,562/72,793) (28,895/38,610)

若い頃から、5つの健康習慣は重要 老年期 若い頃*の 5つの健康習慣 強く関連 中年期の危険因子を防ぐ 強く関連 ①禁煙 *登録時18~30歳を 20年間フォローアップ 5つの健康習慣 ①禁煙 ②体重管理(BMI<25 kg/m2)    ③節酒      ④活発な身体活動        ⑤健康的な食事 強く関連 (Circulation 2012) 老年期 ・健康長寿 (JAMA 1999) ・高いQOL (生活の質) (Arch Intern Med 2003) ・医療費が少ない (NEJM 1998, Arch Intern Med 2005) 中年期の危険因子を防ぐ ・心血管病がない ・脂質異常症がない ・高血圧がない ・糖尿病がない ・禁煙 強く関連

(Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, 生活習慣改善のモチベーション 5つの健康習慣は 非回復性睡眠とも関連する 非回復性睡眠 (PLoS One 2014) 5つの健康習慣 ①禁煙 ②体重管理(BMI<25 kg/m2)    ③節酒      ④活発な身体活動        ⑤健康的な食事 冠動脈 疾患 (NEJM 2000, Circulation 2006) 蛋白尿 (Hypertens Res 2013) 2型糖尿病 (NEJM 2001) 全死亡 (BMJ 2008) 脳卒中 (Arch Intern Med 2006) 癌 (Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, Prev Med 2012) 認知症 (PLoS ONE 2014) 突然死 (JAMA 2011) @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

睡眠にも注目! 睡眠で休養が十分とれている 5つの健康習慣 ①禁煙 ②体重管理(BMI<25 kg/m2)    ③節酒      ④活発な身体活動        ⑤健康的な食事 はい いいえ or 非回復性 睡眠

非回復性睡眠の原因が生活習慣でなくても 介入することで、さまざまな疾患の予防に繋がる (PLoS One 2014) 5つの健康習慣 ①禁煙 ②体重管理(BMI<25 kg/m2)    ③節酒      ④活発な身体活動        ⑤健康的な食事 冠動脈 疾患 (NEJM 2000, Circulation 2006) 蛋白尿 (Hypertens Res 2013) 2型糖尿病 (NEJM 2001) 全死亡 (BMJ 2008) 今年、PLOS ONEに認知症の発症も少ないことが報告されました。 脳卒中 (Arch Intern Med 2006) 癌 (Cancer Causes Control 2000, Arch Intern Med 2009, Prev Med 2012) 認知症 (PLoS ONE 2014) 突然死 (JAMA 2011) @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

不適切な睡眠は、さまざまな疾患との関連がある 睡眠時間 睡眠の質 CKD (Am J Kidney Dis. 2012) 肥満 (Sleep. 2008, Am J Epidemiol. 2006, Sleep. 2005, Sleep. 2004) 冠動脈 疾患 (Arch Intern Med. 2003) うつ病 2型糖尿病 (Sleep. 2007, Diabetes Care. 2003) 脂質異常症(Sleep. 2008) 高血圧(Hypertension. 2006)

新潟県は自殺死亡率が全国で2番目 26.1人 人口10万人あたり 人口10万人あたり 内閣府「平成25年の地域における自殺の基礎資料」より作図http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/toukei/tsukibetsu-h25.html

自殺の原因の4割は健康問題 内閣府「平成25年の地域における自殺の基礎資料」より作図http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/toukei/pdf/todofukenbetsu/15_niigata.pdf 

@Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD 「寝ても疲れが取れないんです」 生活習慣は どうですか? 医療者 話を聞いてもらえて 嬉しかった。 患者さん 生活習慣、ちょっと 頑張ってみます。 非回復性睡眠の原因が生活習慣でなくても 話を聞いたり、 しかるべき所を紹介などできることはある。 実は会社がブラックで・・ 実は借金が・・・ @Minako Wakasugi, MD, MPH, PhD

睡眠にも注目! 睡眠で休養が十分とれている 5つの健康習慣 ①禁煙 ②体重管理(BMI<25 kg/m2)    ③節酒      ④活発な身体活動        ⑤健康的な食事 はい いいえ or 非回復性 睡眠