麻酔と鎮痛 7月セミナー 第1回 全身麻酔法に対する最近の考え方の変化についての、 ヒト麻酔科医と獣医師との意見交換 麻酔と鎮痛 7月セミナー 第1回 全身麻酔法に対する最近の考え方の変化についての、 ヒト麻酔科医と獣医師との意見交換 曽我動物病院 麻酔科指導医 曽我武久 2008.7
全身麻酔に関する考え方が、 以前(10年位前)と変わってきましたか。 全身麻酔に関する考え方が、 以前(10年位前)と変わってきましたか。 投与薬物の違いだけでなく。 主に使用している揮発性麻酔薬(イソフルレン、セボフルレン)を従来の全身麻酔薬の概念でまだみていますか。 静脈麻酔薬は、ケタラール、プロポフォール、ドルミカム、その他? 静脈麻酔薬の役割は? 強鎮静、 導入(挿管可能まで?) 麻酔維持
イソフルレン、セボフルレンは、 ハロセンよりはるかに鎮痛作用が弱い のですが。 イソフルレン、セボフルレンは、 ハロセンよりはるかに鎮痛作用が弱い のですが。 笑気、ケタラールを使わないとさらに弱い。 その弱さと周術期の鎮痛を認識して 麻酔の考え方に違いが出ましたか。 麻酔の主体となる薬剤は どれですか 全身麻酔とは。 麻酔計画の中での鎮痛の比重は 手術中に 鎮痛が不十分だと感じたら どうしますか
適切な麻酔深度?達成とは 動かない? 意識消失? 有害刺激の抑制(生理的反応正常内維持)? 循環パラメータが指標? 循環パラメータが指標? 麻酔薬の交感神経系抑制と鎮静鎮痛の関係 循環作動薬使用時には? 通常の吸入麻酔薬濃度を維持できれば? 麻酔深度という言葉は、死語?? 麻酔の目的をひとからげに表す麻酔深度と言う概念が、今の麻酔薬では適当でなくなったかも。 意識がなくても鎮痛が不十分であり得るし、その逆も。
(全身)麻酔の目的は 無意識 無痛 ストレス反応抑制(有害反射の除去) 筋弛緩 (不動化) ヒトでは、気管内挿菅時に筋弛緩薬使用 (全身)麻酔の目的は 無意識 無痛 ストレス反応抑制(有害反射の除去) 筋弛緩 (不動化) ヒトでは、気管内挿菅時に筋弛緩薬使用 全身麻酔の主体となる吸入麻酔の変遷 臓器障害少ない、覚醒速い (鎮痛作用少ない) 単一の薬物ですべての目的を得るのは 難しく なっている
全身麻酔の調節は 麻酔の調節は、気化器のダイアルを動かすこと? 特に留意している目的、目標がありますか? ストレス反応の抑制とは、なんでしょう。 疼痛にに対する交感神経活動抑制? 動かなくて、血圧が維持できていて、自発呼 吸がなくならなければ、麻酔としてOK? 術後管理のことを考えて麻酔していますか。 麻酔の調節は、気化器のダイアルを動かすこと?
意識状態をモニタできれば、鎮痛だけ 別の尺度でコントロールできる? 別々の到達目標達成を意識する麻酔法へバランス麻酔の考え方 動物での麻酔中の意識に関して? ヒト:脳波(BISモニタなど) 鎮痛に使う薬剤は? オピオイド中心? どの種類のオピオイドを どのように使いわけていますか
術中鎮痛の重要性は 無意識なら または動かなければいいのか 鎮痛が全身麻酔の最大の目的? ヒトの大人では、伝達麻酔で手術は可能 無意識なら または動かなければいいのか 鎮痛が全身麻酔の最大の目的? ヒトの大人では、伝達麻酔で手術は可能 術後疼痛への影響 ワインドアップ ストレス反応の抑制 術後の経過に影響が大きい? 心理的障害後遺症?の回避
ヒト??の麻酔法に対する手法が 大幅に変わってきた ヒト??の麻酔法に対する手法が 大幅に変わってきた (ハロセンから) イソフルレン セボフルレン 価格、心と呼吸への影響 鎮痛作用への重視 笑気の使用の激減 トレンドと新鎮痛薬 空気で代用(設備が必要だが) 術後鎮痛への意識 痛みなく覚醒し 術中から術後へシームレスに オピオイドへの意識の変化と使用量の増加 プロポフォールの使用頻度増加 利点 欠点 鎮痛作用の少ない麻酔薬への変換。笑気併用の激減(環境問題?脳波モニタに不利?)。 超短時間型で、長時間高濃度で使用しても 蓄積の心配のいらないオピオイドの利用。 揮発性麻酔薬は、意識消失作用を期待。疼痛に対する反応抑制に使わない。
最近の麻酔法のトレンド? エンドポイント(目的別)指向型麻酔 バランス麻酔 鎮痛の重視とオピオイドの多用 薬物以外の鎮痛法の評価増? バランス麻酔 鎮痛の重視とオピオイドの多用 薬物以外の鎮痛法の評価増? 全静脈麻酔(TIVA)の増加? 脳波モニタ 術中覚醒の防止 超短時間型蓄積しないオピオイド
鎮痛重視の全身麻酔? 利点:鎮静作用薬(イソフルレンなど?)が、少なくてすむので、覚醒がさらに速い。 術中覚醒の問題性は、ヒトより少ない? 術中覚醒の問題性は、ヒトより少ない? 十分な鎮痛が、鎮痛薬で得られていれば、鎮痛作用の弱い鎮静作用主体の麻酔薬を多量に使う必要がなくなる。 脳波モニタの研究結果から、手術中の過鎮静時間が1年以内の死亡率に関連しているとの報告があった。(ヒトで) 死亡率に相関したのは、男性、BMI小さい、 高齢、重篤な合併症、BIS45%以下の時間。
「BISモニタ」=「脳波」+「BIS値」を表示 EEG BIS日本光電より資料提供
ケタミンの影響 日本光電より資料提供
BISセンサ 日本光電より資料提供 左右どちらでもOK! 1-3・1-4の2チャンネルからEEGを導出しています。合計で15kΩ以下でインピーダンスチェックをパスします。 トゲトゲ インピーダンスが素早く落ちるように工夫された特殊な構造!
手術麻酔中の鎮痛評価 生理学的評価によるしかない 現在でも 急性疼痛に対する即時的反応 交感神経ー副腎反応 (ヒトで) 生理学的評価によるしかない 現在でも 急性疼痛に対する即時的反応 交感神経ー副腎反応 循環系、呼吸、瞳孔、体動 手術などによる短期間の侵害刺激に 対する反応 オピオイドの効果器濃度を予測するシュミレーション ソフトを利用して 投与量、速度を決めるやり方も (ヒトで) 生理学的反応 疼痛の強さに関係なく時間とともに低減していく傾向 術後で注意