病院にとっての賢い人事評価制度の導入と運用 2014年10月17日 久保経営労務管理事務所主催 所長 久保 裕滋
◎従来の人事評価制度は・・・ 賞与 昇給 評価結果 昇格 人事異動
◎問題点 人事評価制度の目的が鮮明でなく、スタッフを 動機づけるはずのものが、逆効果になっている。 本来は、ES(従業員満足度)を高めて 動機づけるはずのものが、逆効果になっている。 本来は、ES(従業員満足度)を高めて CS(顧客満足度)を向上させ 病院経営を安定化させるものである。
病院の実態に合致した導入を! ある病院の事例紹介(特徴)を通して 病院の今後5ヵ年の利益計画からスタート このままだと人件費(給与、退職金)負担増 組織拡大するとき良質な人材を採用できない 歪な給与体系を修正しなければならない 組織拡大による管理者の不足
基本給の上昇度予測をすると
主な職種別給与水準分析例①
主な職種別給与水準分析例②
◎新しい視点での見直し
評価制度導入の目的 職員教育 明確化 一般職 管理職 結果としてCSが向上する ■評価制度導入の目的は職員教育とした。 行動指針を提示する サービスレベルの目標が不明確 行動指針を提示する 管理職 管理職のあるべき姿が不明確 部下の教育手順が不明確 結果としてCSが向上する ■評価制度導入の目的は職員教育とした。
成績 情意 随意 能力 評価 評価をする基準 効率性、改善性 心掛け、協調性 自己啓発能力、コミュニケーション能力 企画力、判断力、指導力 続きまして、評価の基準ですが4つの分野に分けて評価していきます。 1つめは業務の効率性、改善性を評価する成績評価、 2つめは業務に対する心掛け、協調性を評価する情意評価、 3つめは自己啓発能力、コミュニケーション能力を評価する随意評価、 4つめは企画力、判断力、指導力を評価する能力評価 この4つの分野を基準として評価していきます。 この4つの分野を行動指針として従業員に提示し、教育を行えば サービスのブランド化へつながるよう作成したのがお手元にある評価シートになります。 自己啓発能力、コミュニケーション能力 企画力、判断力、指導力 ■評価基準は成績、情意、随意、能力の4つ分野を評価する。
評価シートのイメージ ■評価する内容が異なるため、管理職用と一般職用を作成。 ■一般職用は技能の項目を医療系と事務系で分けて作成。 ただいまスクリーンに映し出されていますのは評価シートのイメージとなりますが、評価シートの内容は、先ほど説明いたしました成績、情意、随意、能力の 4つの分野を基準とし、それぞれの項目を1~5の5段階で評価いたします。 100点満点となっております。 評価する内容が異なりますので管理職用と一般職用に分かれています。 また、一般職の中でも医療系と事務系とに分かれています。 ■評価する内容が異なるため、管理職用と一般職用を作成。 ■一般職用は技能の項目を医療系と事務系で分けて作成。 ■係数を使用して満点を100点に調整。
評価シートの一例
評価方法 評価 シート S A B C D 評価 10% 20% 40% 20% 10% それでは相対評価を採用しまして、具体的な評価方法を説明させていただきます。 部下評価実施後に評価シートを回収しまして、この図のように集計します。 まず、評価結果を1等級、2等級、3等級、管理職と等級別に分けていきます。 そして、点数の高い順にSABCDの5段階評価に区分していきます。 S~Dへの区分の仕方は上位10%がS、それ以降の20%をA、同様に40%をB、20%をC、下位10%をDとしました。 この区分の仕方はコンサルタントより一般的な区分であるとご指導いただいております。 評価制度の概要についての説明は以上となります。 評価制度導入となりましたらこのような手順で進めさせていただきたいと考えております。 10% D ■評価結果上位者よりS・A・B・C・Dの5段階評価に振り分ける。
評価表(評価基準項目)のつくり方 人事考課のための基準を設けること ●勤務評定(勤怠関連事項) ●各種職務上の技能レベルの査定 ●執務態度(積極性、リーダーシップなど) ●業績(診療収入、ベット稼働率など) を通常大きな項目として設定します。 また、管理職と一般職の方の評価表は区分して 作成します。
評価者訓練の実施 医療機関の場合 ●人事考課に管理職が慣れていない ●適切な評価ができない ●その基準も極めて不鮮明 それゆえ、管理職に向けて、評価の仕方を 訓練する仕組みを導入しないと機能しない
理事会で審議いただきたい事項 ■評価制度の導入 ■教育を目的とした評価シートの採用 ■評価の流れ ■評価期間 ■評価結果の反映 ■導入時期
今後のスケジュール(参考) 評価制度導入 事務作業 評価者教育 (管理職) 被評価者教育 (一般職) 2月 3月 4月 集計 分析 個別 個別面談の プランニング 評価制度規程の 理事会承認 集計 分析 研修会準備 評価者教育 (管理職) 部下仮評価 (未実施者) 個別 面談 研修会 最後になりますが、今年年4月より導入となりましたら、今後このようなスケジュールを考えております。 1月に評価者教育といたしまして、昨年10月に昇格となった方など、まだ部下の仮評価が未実施の方に仮評価を実施していただき、その結果を事務局が集計いたしまします。 そして、その集計結果をもとに、1月下旬にコンサルタントより、評価者と個別面談を予定しております。 個別面談の内容としましては、評価者によって評価点の甘辛、あなたの部下に対する評価は 全体から見ると甘い傾向にあるようなのでもう少し辛めにつけてくださいなど、個別に具体的な評価点のつけ方など指導していただきます。 そして2月に入りましたら、評価制度規程を整備しまして理事会で承認をいただき、 3月には研修会を開きます。 評価者である管理職には、評価、教育の仕方などを最終確認していただき、 被評価者である一般職には、評価シートを配布し、このような評価期間でこのような基準で評価されますよという内容になっております。 そして4月より、評価制度導入という流れになっております。 以上で評価制度導入プランについての報告を終了といたします。 本日はお集まりいただきありがとうございました。 被評価者教育 (一般職) 研修会
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