中小製造業の生き残り戦略 ~下請体制の弱点~ 國崎ゼミナール
本研究の動機 私たちは、中小企業の開業・廃業率を見て、廃業率が開業率を上回っており、特に製造業で開業・廃業率の差が大きく、また、名目GDP割合をみた場合、製造業の割合が大きく減少していたので、製造業について調べました。
中小企業の定義 業種 資本金(上段)/従業員数(下段) 製造業・建設業・運送業・その他の業種 (下記を除く) 3億円以下 300人以下 卸売業 1億円以下 100人以下 小売業 500万円以下 50人以下 サービス業 5000万円以下
中小企業の地位 ・事業所・企業・会社数は99%が中小企業 ・雇用者の約8割が中小企業に就業 ・付加価値額・製品出荷額の割合が50%超える
目次 製造業の現状 製造業に占める下請企業 下請けのメリット・デメリット 下請の問題点の指摘とその解決策
製造業の現状 事業所数 開業率・廃業率 従業員数 下請企業の割合
中小製造業の事業所数
中小製造業の従業者数
製造業の開業率・廃業率 総務省「事業所・企業統計調査」
中小製造業が占める下請企業の割合 経済産業省「商工業実態基本調査」
製造業の現状 まとめ GDPの割合の減少 事業所・従業員の急激の減少 廃業率の増加 下請企業が約5割を占める
下請企業のメリット 過去の取引先の経験やノウハウを活かせる 新たな販売等営業活動をしなくてよい 相手先の有する技術や技能、設備を理解しやすい
下請けのデメリット 中小企業庁委託「産業、生活を支える企業に関するアンケート調査」
下請企業のデメリット コスト面 価格条件等の取引条件の変更が難しい 労働面 取引先との人材交流や人材の引受けなどが大変 経営面 既存の取引先との競合等の新たな顧客獲得が難しい
製造業の衰退の原因 下請企業だからこその問題がある! コスト面 事業面 労働面
下請中小企業が抱える問題 コスト面 強い低価格要請による売上原価の低迷 仕入単価の上昇 コスト増加
下請中小企業が抱える問題 労働面 人材育成難 従業員の高齢化 後継者難
下請中小企業が抱える問題 経営面 新顧客の獲得困難 自社の位置づけの脱却困難 新事業開発困難へ
コスト面・労働面に対する対策 海外移転することでのコストダウン コスト低減! 労働力の確保!
中小企業の海外進出動機 中小企業総合事業団 「海外展開中小企業実態調査」
海外進出後の効果 中小企業総合事業団 「海外展開中小企業実態調査」
製造業における規模別の海外生産比率 経済産業省「海外事業活動基本調査」
1.自己資本比率を高めることで の開発費の増加 2.特定の親企業だけでなく さまざまな企業との取引 3.企業同士が協力 経営面に対する対策 1.自己資本比率を高めることで の開発費の増加 2.特定の親企業だけでなく さまざまな企業との取引 3.企業同士が協力 (企業集積・ネットワーク)
自己資本比率を高めることでの開発費の増加 実例 樹研工業 自己資本比率を高めることで 借入金の依存度の低下
2.配当は厳禁。税引き後利益は一切流出させないこと 実際に自己資本比率を上げるには? 1.資産を極力少なくし、 自己資本比率を高くすること 2.配当は厳禁。税引き後利益は一切流出させないこと
実例:東京都の大田区 ・地域ネットワークの形成 ・柔軟な連結 ・情報の相互提供、共同開発など ができる 特定の親企業だけでなくさまざまな企業との取引 企業同士が協力(企業集積・ネットワーク) 実例:東京都の大田区 ・地域ネットワークの形成 ・柔軟な連結 ・情報の相互提供、共同開発など ができる
ツリー型取引構造 川下 川上 製品A 製品B 今 長期的取引 固定的取引 親企業の依存度の高さ
メッシュ型取引構造 川下 川上 製品A 製品B 系列以外の分野のつながり 情報の相互提供 共同技術開発 共同受注 受注分散
下請企業の生き残り方策 1.下請企業としてポジションを確保・強化していく ①自社の固有技術を磨きながら、特定の親会社に徹底的に追従 ②海外部品の調達、委託加工等、国際化のメリットを生かしながら、大幅なコストダウンができる体制作り 2.脱下請けを目指す ①取引構造をツリー型からメッシュ型へ ②独自技術の開発
中小企業も受け身の態勢でなく自分から積極的に動かなければならない 結論 中小企業も受け身の態勢でなく自分から積極的に動かなければならない
ご静聴 有難うございました