研究代表 中村祐司(国際学部) 廣瀬隆人(生涯学習教育研究センター) 加藤謙一(教育学部),森本章倫(工学部) 山根健治・野口良造(農学部)

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研究代表 中村祐司(国際学部) 廣瀬隆人(生涯学習教育研究センター) 加藤謙一(教育学部),森本章倫(工学部) 山根健治・野口良造(農学部) 地域社会と大学資源の相互活用方策をめぐる調査研究 2004年5月21日(金) 報告会 2004/05/14 地域社会と大学資源の 相互活用方策をめぐる調査研究 研究代表 中村祐司(国際学部)  廣瀬隆人(生涯学習教育研究センター)  加藤謙一(教育学部),森本章倫(工学部)   山根健治・野口良造(農学部) 宇都宮大学重点研究プロジェクト研究成果中間報告会

背景 地域貢献の具体的方策として,大学の資源 を一方的に地域社会に提供するのではなく, 地域社会の発展と大学の教育研究機能が相 互的に充実し,高まるような関係を構築する 必要性がある.

目的 本研究の目的は以下の仮説を明らかにすることである. 大学の資源を施設,教育機能,教職員、学生・院生を総合的に教育資源ととらえ,地域社会と大学との両者によって構成される中間支援組織(インターミディアリー)が必要である. モデル ①市町村に設置されている総合型地域スポーツクラブ ②参考事例・早稲田大学所沢キャンパス    ・京都教育大学学生ボランティア活動 本学が地域社会にどのような貢献ができるのかを 具体的に提案する.

研究課題 ①中間支援組織のモデル調査 (サンカルチャークラブ,泉ヶ丘クラブ,ハピスカとよさか) ②周辺地域からの宇大までのアクセス調査 本学の特性を生かした地域貢献の可能性を探るために 以下の調査を行った. ①中間支援組織のモデル調査  (サンカルチャークラブ,泉ヶ丘クラブ,ハピスカとよさか) ②周辺地域からの宇大までのアクセス調査 ③体育・スポーツ分野でのニーズ調査  (宇都宮市立全小学校;59校) ④宇大の機能を活用した農園・園芸調査 (市民農園,とちぎいやしの園芸研究会)

コーディネートのための中間支援組織(インターミディアリー)の必要性 体育・スポーツ分野 のニーズ調査 今後の予定(試み) 体育系サークルや教育学部 保健体育・スポーツ健康の学生 が教員の指導の下に「子どもの ための運動遊びとクリニック」 を企画・実施する. コーディネートのための中間支援組織(インターミディアリー)の必要性 周辺地域から宇大までのアクセス調査 宇大の機能を活用した 農園・園芸調査 今後の予定(試み)  宇大の農場などの施設と 設備を利用して、市民が学生や 院生とともに生産、園芸活動 を積極的に行い、相互に学び 会う関係を構築する. 本研究会の研究イメージ

スポーツ施設の立地と交通アクセス スポーツ施設はどこに立地すると利用者にとって便利か? 都心部 郊外部 宇都宮駅前 外縁部 顧客満足度調査(CS) (移動圏域の算出) 地理情報システム(GIS)  (圏域人口の算出) 何人の方が利用できる?

スポーツ施設は利用手段と立地場所で利用可能者が異なる 交通 手段 平均 所要時間(分) 施設立地場所別の人口(人) 都心部 宇都宮駅前 郊外部 外縁部 徒歩 12.0 10,857 8,914 5,647 25 自転車 12.2 104,864 109,115 94,423 3,719 自動車 17.8 300,341 293,650 277,577 134,700 徒歩・自転車の利用者にとって 車利用者にとっては? 市内のどこに立地しても 大きな違いはない  郊外や外縁部に立地すると  利用できる人は激減 身近な公共施設として、高齢化社会への対応も考えると・・・       市の郊外や外縁部への施設立地は問題

1…宇大市民農園の開園の目的 農園を通じた宇大の地域開放の可能性調査 自立した市民農園運営のための情報化技術

2…市民農園の開園と活動の様子 夏野菜は食べ切れないほど収穫できます 月1回程度の会合・情報交換 参加者のみなさんは,だいたい週1回のペースで農園に来られます

3…市民農園の情報ネットワーク化 市民農園圃場に設置した情報端末(外観) 無線LANアンテナ 情報端末(小屋の内部) ホームページ表示画面――やさいの作り方,区画ごとの画像,事例データ検索など

4…宇大市民農園の開園の結果 →地域住民の多くの参加が見込まれる 自立した市民農園運営のための情報化技術 →他の市民農園での利用を検討中 農園を通じた宇大の地域開放の可能性調査  →地域住民の多くの参加が見込まれる 自立した市民農園運営のための情報化技術  →他の市民農園での利用を検討中

④高齢者の園芸とQOLに関する調査の目的 園芸活動が高齢者の生活の質(QOL)に関わりをもつことは期待されているものの,QOLのどのような面で関わっているかについては情報が不足している.地域社会において,園芸活動を生かした地域作りを進めていくためには,その実態を把握しておく必要があると考えられる そこで,高齢者(N=466,平均65.3才)の園芸活動および市民農園への関心度についてアンケート調査すると共に,身体的および精神的なQOLを質問用紙(SF36)を用いて測定した.

高齢者の園芸愛好度についての調査結果(N=466) 問 屋外の園芸活動は好き? 問 園芸は生き甲斐の一つ? 屋外の園芸活動は「大好き」(31.3%)または「どちらかといえば好き」(44.8%)の合計が76.1%。 園芸は生き甲斐の一つと「とてもそう思う」(31.6%)と「少しそう思う」(39.2%)の合計は70.8%。 高齢者において,園芸は生き甲斐の一つであることが示唆された。

高齢者の園芸活動とQOL尺度の関係 「問:屋外の園芸が好き?」の回答とQOL尺度の「身体機能」(p=0.02),「全体的健康観」(p=0.007),「活力」(p=0.0001)および「精神的健康度」(p=0.01)の得点との間にそれぞれ有意な相関があった. 「問:園芸は生き甲斐の一つ?」の回答とQOL尺度の「身体機能」(p=0.013)および「活力」(p=0.011)の得点との間にそれぞれ有意な相関が認められた. 園芸に対する嗜好性とQOL尺度の「身体機能」および「活力」との相関関係が示唆された.

高齢者の市民農園の利用経験とニーズ(N=466) 問 市民農園の利用経験は? 問 市民農園のニーズは? 自宅に庭がある被験者が多く,市民農園利用経験者は少ないが,もし市民農園があれば「ぜひやりたい」(18.9%)および「少しやりたい」(25.7%)を合わせると44.6%が利用を希望しており,ニーズは高いと考えられた。 ・尚,本研究の一部はユニベール財団の研究助成の下に行い,研究結果は,第8回国際人間植物シンポジウムで口頭発表する。