シラバス説明(重要事項のみ) 到達度目標 授業計画 1.溶液中の酸化還元反応を理解し、反応式を自由に書くことができる(基礎能力)

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シラバス説明(重要事項のみ) 到達度目標 授業計画 1.溶液中の酸化還元反応を理解し、反応式を自由に書くことができる(基礎能力) 2.熱力学の知見に基づき電位の概念を理解し熱力学データを用い電気化学反応を予測することができる(基礎能力) 3.電極反応が起こる際の溶液中のイオンの振る舞いを理解し、電気化学反応実験データの解析ができる(応用力) 4.電気化学が実社会でどのように応用されているか理解し、近未来の技術開発に対して電気化学がどのように寄与できるかを考えることができる(総合理解とデザイン能力) 授業計画 1週目 シラバスの説明、本講義の概要、    電気化学序論(1) 電気化学系の姿    (1章 p.1-20) 2週目 電気化学序論(2) 物質のエネルギーと平衡 (2章 p.21-36) 3週目 電極平衡論(1)  標準電極電位1 (3章 p.37-48) 4週目 電極平衡論(2)  標準電極電位2 (3章 p.49-56) 5週目 電極平衡論(3)  標準電位-pH図(プールべー図) (プリント配布) 6週目 テスト1 1-5週の内容 7週目 電極速度論(1)  電位が決める電流1 (4章 p.57-65) 8週目 電極速度論(2)  電位が決める電流2 (4章 p.66-72) 9週目 電極速度論(3)  物質輸送が決める電流1 (5章 p.73-84) 10週目 電極速度論(4)  物質輸送が決める電流2 (5章 p.73-76) 11週目 電極速度論(5)  分極曲線とエバンス図 (プリント配布) 12週目 テスト2 7-11週の内容 13週目 電気化学の応用(1)電解液  (8章 p.122-136) 14週目 電気化学の応用(2)固体電解質       (9章 p.137-147) 15週目 電気化学の応用(3)電池  (10章 p.149-166) 16週目 テスト3 13-15週目の内容 材料物性工学科 材料電気化学 2009年度     1

シラバス説明(重要事項のみ) 成績評価方法 履修上の注意 学習・教育目標との対応 関連科目 その他 オフィスアワー 100点満点で評価する。テスト1とテスト2はそれぞれ35点満点とし、テスト3は30点満点とする。3回のテストの合計が60点以上の場合、合格とする。 履修上の注意 1 テストを除いて9回以上の出席が必要(未満の場合は、非履修とみなす)。 2 理由のいかんに関わらず、いずれのテストも再試験、追試験は行わない。 3 授業中の質問は歓迎。オフィスアワーなどでの質問も適宜受け付ける 4 授業の変更や緊急時の連絡は授業中またはK棟1階の掲示板で通知をする。 5 不合格の場合再履修しても良い。その場合、過去の出席状況や成績など一切の履歴は参照しない。 学習・教育目標との対応 [材料工学コース]この授業の単位修得は学科の学習・教育目標の、 (D):材料工学の専門能力 、(E):デザイン能力 、に対応している。またJABEE基準1(1)の(d)(2):材料のプロセスに関する基本の理解、(e):種々の科学、技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力、に対応している。 [応用物理コース]この授業の単位修得は学科の学習・教育目標の、 (F):応用物理専門能力に対応している。またJABEE基準1(1)の(d)(1b)に対応している。 関連科目 [コース共通]この科目の履修にあたっては1学年開講の熱力学と物理化学Aの内容を理解していることが前提となる。 [材料工学コース]2学年次開講の物理化学Bの内容を理解していることが前提となる。 [応用物理コース]2学年次に材料工学コースで開講の物理化学Bの内容を理解していることが前提となるため、修得を目指す学生は同科目の内容を自習して理解する必要がある。これはなかなか困難なことと思われるので注意。 その他 [他学科履修について]応用化学科の学生諸君は類似内容講義が応用化学科で開講されていますのでご遠慮願います。 オフィスアワー 水曜の13-15時 材料物性工学科 材料電気化学 2009年度      2

情報提供の方法 http://www.mmm.muroran-it.ac.jp/~isaos まだ何もありませんが、ここから休講など講義に関する連絡およびファイルを提供します。 「案内役」を使う場合もあるので両方チェック 材料物性工学科 材料電気化学 2009年度      3

第1章 電気化学系の姿 / 1.2 事実を見よう:水の電解(p.3) 気泡がみえる限度 この実験から分かる大切なこと(時間無限大で測定) ・同じ電流を得るために必要な電圧は溶液で異なる ・それは、溶液によって電気伝導度が異なるため ・電気伝導度の高い希硫酸でも1.23V以下では何もおこらない。 なぜこの説明では「時間無限大」とことわったのか? この「1.23V以下では何もおこらない」のはなぜか? 材料物性工学科 材料電気化学 2009年度      4

第1章 電気化学系の姿 / 1.3 電極界面のワンダーランド(p.5) なぜ前の説明では「時間無限大」とことわったのか? スイッチオンで ・沖合(バルク)でイオンはランダムに存在 ・ただし電極表面近くでは   Pt表面の負電荷を中和するためH+が濃化   濃化したH+の外側でHSO4-が濃化  しようと動く=電荷が運ばれる=電流が流れる これはちょうど ・コンデンサと抵抗からなる電気回路のスイッチをONにしたときに、コンデンサに電荷がたまる際の電流のふるまいと同じ 実際には ・電極界面の電気容量Cは200μF ・希硫酸の電気抵抗Rは50Ω ・これよりτ=0.01s であり、無限といっても一瞬で電流はほぼゼロになってしまう 材料物性工学科 材料電気化学 2009年度      5

第1章 電気化学系の姿 / 1.3 電極界面のワンダーランド(p.5) 両極のあいだに1 Vをかけ、0.01 s経過した後の電極界面の様子 荷電粒子の分布に極端な偏り、電極近くに+(-)粒子が濃化し、そのとなりに-(+)粒子が濃化=電気二重層 荷電粒子濃度 約1023 cm-3 =電気抵抗は 非常に小さい 荷電粒子濃度 約1023 cm-3 =電気抵抗は 非常に小さい 荷電粒子濃度 約1020 cm-3 =電気抵抗は非常に小さい =荷電粒子は熱的にランダム運動 Pt表面の荷電粒子が吸着できる場所の1/20位を占有=表面はがらあき 材料物性工学科 材料電気化学 2009年度      6

第1章 電気化学系の姿 / 1.3 電極界面のワンダーランド(p.9) イオン濃度が減少すると何がおこる =0.1M希硫酸水溶液と純水における電解挙動の違いの説明 電気二重層は電解質濃度の平方根に反比例して厚くなる 同じ電流(=反応速度)を得るには、荷電粒子の移動のため+荷電粒子の放電のために余分な電圧が必要になる 荷電粒子濃度は電解質濃度が減少すると減少する=電気抵抗が大きくなり、溶液内に電位差が生じる V=IR 材料物性工学科 材料電気化学 2009年度      7

第1章 電気化学系の姿 / 1.3 電極界面のワンダーランド(p.12) 電極界面に電圧を与え電解が起こるまでの様子をまとめると・・・ 材料物性工学科 材料電気化学 2009年度      8