東日本大震災からの本格的な復興、福島の再生に向けて 【概要】 東日本大震災からの本格的な復興、福島の再生に向けて 【概要】 平成25年3月21日 日本商工会議所 <「復旧」から本格的な「復興」へ> ○復興は依然として遅れているが、少しずつ被災企業が事業再開を果たし、復興に向けようやく希望の光が見えはじめてきた。 ○一方で、労働力不足やコスト・手続増など新たな問題が生じており、復興という段階に則した制度整備、改善を図り、復興を加速化させる国の支援が必要である。 <福島の再生に向けて> ○福島県では約15万人もの住民が故郷に帰ることができず、風評被害による農水産品への影響など、出口の見えない状況が続いている。 ○福島の再生に向け、原子力損害賠償の着実な実施、風評被害対策の強化、早急な除染の実施などを進めていく必要がある。 Ⅰ.復旧から復興という段階の変化を踏まえた対応を Ⅱ.中小企業の早期再建に向けて (1)グループ補助金の拡充および複数年度にわたる繰越措置 (2)産業復興機構と東日本大震災事業者再生支援機構の一層の連携による体制 の拡充と産業復興相談センターの設置継続 (3)他地域での一時的就業、先端技術を取り入れた職業訓練の実施など雇用関 連 施策の拡充 (4)首都圏や海外での見本市、被災地での商談会など販路拡大事業への支援拡充 【1.財政支援の継続・拡充と柔軟な対応を】 (1)十分な財政支援措置の継続、復興交付金の対象事業の拡大(企業誘致事業 等への適用)と地方自治体の人員体制の確保 (2)行政の諸手続きの見直し、手順等の簡素化、迅速化 【2.早期の基盤整備を】 (1)エリア一体での土地のかさ上げ支援 (2)幹線道路ミッシングリンクの早期解消、沿岸部JR路線の早期整備 (3)建設業における労働力不足の解消と入札価格の引き上げ 【3.復興を加速する産業支援を】 (1)復興特区における、新エネルギー、医療等の企業立地に対する大胆な優遇措置 (2)ブランド化、6次産業化など農水産業の競争力強化への支援 (3)商店街等の商業機能の整備に必要な支援施策の早急な構築 (4)大規模な国際会議やインベントの誘致による観光人口の拡大への支援 ≪グループ補助金第1次~第6次後半累計採択結果≫ 各地商工会議所からの主な意見 全体の採択率は3割未満 ○震災後の生産休止期間中に販路を失ってしまったまま、主力商品の売上は半分弱にまで縮小(塩釜)。 各地商工会議所からの主な意見 出所:各自治体のヒアリングに基づき作成 【被災地特産品を都心で販売】 ○国の施策(対応)が震災前と変わっていない。申請書の書式が震災前と同じで、手続きに 時間がかかる。平時と非常時で変えてほしい(気仙沼)。 ○盛り土した地域が使用可能になるまでどの程度の期間が必要か、下水管などの既存埋 設施設は撤去するのかなど、明らかになっていない(仙台)。 ○常磐自動車道の早期全線供用開始、JR常磐線の早期復旧を望む(相馬)。 ○地区によっては5メートルのかさ上げを要するが、かさ上げを完了しても地盤が固まるには さらに時間がかかる(気仙沼)。 ○資材が不足しており、工賃も高騰している。さらに、公共事業が他の地で始まるとすれば、 そちらへ作業員が流れるため、より一層復興に遅れを生じかねない(塩釜)。 ○原発事故により、企業も戻らず、かつ売上も伸びないのが実情である(原町)。 Ⅲ.あらゆる対策による原発事故からの一日も早い脱却を -福島の再生に向けて- (1)原子力損害賠償の公正で着実な実施 (2)風評被害対策への対策強化、継続 (3)除染の早期実施と住民の健康管理の徹底 (4)企業立地促進のための税制優遇など対策の拡充実施 各地商工会議所からの主な意見 ○観光客は、震災前に比べると福島県は8割まで回復したが、いわき市は6割程度。常磐ハワイアンセンター(スパリゾートハワイアンズ)は7~8割の戻り(いわき)。 ○野菜等は、市場で買い取ってくれない現状があり、ハウス栽培のものでさえ、扱ってもらえない(相馬)。 ○製造業で、被災地域に外注先があった企業は、操業が60%にも満たない状況となっている(相馬)。 【原町商工会議所会員企業の売上高の状況】(平成22年9月=100) 【東北のまつりをPR】 【福島の米の販路拡大】 ※「各地商工会議所からの主な意見」はヒアリング結果に基づき日商作成