在宅医療・介護連携推進事業の取り組みについて 資料1 在宅医療・介護連携推進事業の取り組みについて 柏市保健福祉部 地域医療推進室 平成27年度柏市健康福祉審議会第3回高齢者健康福祉専門分科会(H28.1.28)
・2010年:3万人 ・2030年:7万人(2.17倍) 柏市が直面する高齢化の状況 現在の年齢別人口構成 75歳以上人口推移 ※全国の伸び(1.61倍) 千葉県の伸び(2.02倍) 年齢別人口構成は平成24年度千葉県年齢別・町丁字別人口(平成24年4月1日現在) ※登録人口(住民基本台帳人口+外国人登録者数) 2
柏市豊四季台地域高齢社会総合研究会を発足 「高齢社会の安心で豊かな暮し方・まちのあり方」を 柏市,東京大学,UR都市機構の三者で議論し,実践していこう! 柏市 超高齢化に対応したまちづくりの具体化 東京大学高齢社会総合研究機構 システム・技術の研究・開発と世界への発信 都市再生機構 今後の団地のあり方の検証 協定式の様子(2010年5月) ・ 2009(平成21)年6月 柏市,東京大学,UR都市機構の三者での研究会発足 以降研究会を重ね、市民向けシンポジウムを3回開催(7月、9月、2月) ・ 2010(平成22)年5月 三者協定を結ぶ ・ 2010(平成22)年11月 まちづくり会議を開催して地域に説明 ・ 2011(平成23)年2月以降 町会・自治会を4ブロックに分けて説明 ・ 2015(平成27)年5月 三者協定の継続更新(3ヵ年) 3
なぜ在宅医療が必要?⇒ 「入院患者の増加」 なぜ在宅医療が必要?⇒ 「入院患者の増加」 千葉県の地方 入院患者は ピークアウト 千葉県の都市部 入院患者は 増え続ける (出典):千葉大学による推計 ○ 病床利用率 (出典)平成23年病院報告(厚生労働省) 柏市の病床利用率は85.1% 病床利用率(%) (再掲) 精神科病院 一般病院 柏市 87.0 92.6 85.1 全国 81.9 90.6 80.2 千葉県 79.7 90.0 77.6 千葉市 76.6 78.2 76.3 船橋市 81.5 76.7 このままでは近い将来, 病床が高齢者でいっぱいになる恐れがある。 4
なぜ在宅医療が必要?⇒ 「市民の希望と現状」 なぜ在宅医療が必要?⇒ 「市民の希望と現状」 ○ 自宅で療養したいと希望する割合は,平成20年には63.3%を占める。(必要であれば医療機関 への入院を含む) ○ 死亡場所の推移 ○ 死亡場所の推移 出典:第5回厚生労働省版提言型政 策仕分け資料2「 『医療と介護 の連携』 の論点等について」 5
これまでの取り組み 5年前の課題認識 目指したもの 5つの取り組み 医師の24時間365日対応への負担感や,専門領域外への診療への不安感もあり,そもそも在宅で診療を行う医師が少ない 医療職・介護職それぞれがサービスを提供しているため,連携に乏しい 患者・家族は,そもそも入院以外に「在宅医療」という選択肢があることを知らない場合が多い 在宅医療が必要な患者を一部の医師により「点」で支えるのではなく,市域全体をカバーすることによって「面」への広がりを持たせる 医療職・介護職等の「多職種が連携」することにより,安心で質の高いチームケアを提供することができる体制の構築 市民に「在宅医療の必要性・重要性」を理解してもらう 在宅医療に対する負担を軽減するバックアップシステムの構築 ⇒主治医・副主治医制の構築,病院のバックアップ体制の確保 在宅医療を行う医師等の増加及び多職種連携の推進 ⇒在宅医療研修,顔の見える関係会議 情報共有システムの構築 ⇒クラウドを使い,関係職種同士がリアルタイムに患者の情報を共有 市民への啓発,相談・支援 ⇒地域への啓発活動,在宅医療情報紙「わがや」発行 上記を実現する中核拠点(地域医療拠点)の設置 ⇒H26年4月に柏地域医療連携センターを開設 ・柏市と医師会がタイアップ ・多職種を巻き込んだ関係づくり ・市民啓発 6
在宅医療・介護多職種連携の会議体系(H26年度~) 10病院地域連携会議 柏市医師会(診療所、病院)、柏歯科医師会、柏市薬剤師会、柏市訪問看護ステーション連絡会、柏市介護支援専門員協議会、地域包括支援センター、柏市在宅リハビリテーション連絡会、東葛北部在宅栄養士会、介護サービス事業者協議会、柏市社会福祉協議会、柏市ふるさと協議会連合会 ほか 柏市(事務局) ・多職種による効率的,有効的な情報共有システムの運用方法 ・多職種連携のルール ・在宅医療研修 ・顔の見える関係会議 ・その他研修の企画運営 ・市民向け啓発方法の検討 ・在宅医療情報紙「わがや」の内容検討 事務局:柏市地域医療推進室 7
拠点(柏地域医療連携センター)の設置 平成26年4月に運営開始 柏地域医療連携センターの概要 ○ 柏市医師会・柏歯科医師会・柏市薬剤師会の共同で,柏市豊四季台団地の中心部に建設(2階建て:約1,000㎡) ○ 1階では柏市地域医療推進室が執務 ○ 地域医療の推進と多職種連携の拠点 柏地域医療連携センターの機能 ○ 患者が病院から在宅に戻る際の調整支援機能 主治医・副主治医,多職種の推薦 ○ 医師・多職種による在宅医療・看護・介護のコーディネート機能 ○ 在宅医療に係る主治医及び副主治医の研修機能 ○ 市民相談・啓発機能 平成26年4月に運営開始 8
拠点(柏地域医療連携センター)相談状況 ① 月別相談件数 ○相談件数の月平均は,実数50件・延数60件であった。 4月 5月 6月 7月 ① 月別相談件数 (人) 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計 実数 45 46 65 68 66 32 61 38 54 611 延数 50 56 49 88 89 87 36 44 59 727 ○相談件数の月平均は,実数50件・延数60件であった。 9
○相談内容については,「受診・受療に関すること」が最も多く23%であった。次いで「在宅医療に関すること」22%であった。 ② 相談概要 ○相談内容については,「受診・受療に関すること」が最も多く23%であった。次いで「在宅医療に関すること」22%であった。 ○相談の結果,1回の対応で終了となった方が80.5%であった。 ○継続となった方は,在宅医療の導入に際し,主治医を始めとする 多職種コーディネートを行った方が66人(10.8%),情報共有システムの利用のための調整を行った方が53人(8.7%)であった。 10
これまでの取組みの成果 ○ 在宅医療研修 修了者数 (通算6回) ・300人(うち,医師50人) ○ 在宅療養支援診療所数 ○ 在宅医療研修 修了者数 (通算6回) ・300人(うち,医師50人) ○ 在宅療養支援診療所数 ・15箇所(H22年11月)→27箇所(H27年3月) ○ 訪問看護ステーション数 ・12箇所(H25年2月)→23箇所(H27年3月) 〇柏市の在宅診療所による年間自宅看取り数 ・53件(H22年度)→174件(H25年度) 〇年間10人以上自宅で看取った市内の在宅診療所数 ・1箇所(H22年度)→5箇所(H24年度)→8箇所(H25年度) 〇多職種連携ICTシステムID発行数(H27年3月末) ・689人(年間333人増) ・214事業所(年間71箇所増)
在宅医療・介護連携推進事業(介護保険の地域支援事業 H27年度~) ○ 介護保険法の地域支援事業の包括的支援事業に位置づけ。 ○ 可能な市区町村は平成27年4月から取組を開始し、平成30年4月には全ての市区町村で実施。 ○ 各市町村が、原則として(ア)~(ク)の全ての事業項目を実施。 ○ 一部を郡市医師会等(地域の中核的医療機関や他の団体を含む)に委託することができる。 ○ 都道府県・保健所が、市町村と都道府県医師会等の関係団体、病院等との協議の支援や、都道府県レベルでの研修等により支援。国は、事業実施の手引き書や事例集の作成等により支援。都道府県を通じて実施状況を把握。 ○柏市の主な取組み ○事業項目 ・在宅医療マップを市HPで公表 (ア) 地域の医療・介護の資源の把握 ・在宅医療・介護多職種連携協議会の設置 ・地域ケア会議への医療職助言者派遣調整 (イ) 在宅医療・介護連携の課題の抽出と 対応策の検討 ・主治医-副主治医制の構築 ・病院のバックアップ体制の構築 ・訪問看護ステーション基盤強化 (ウ) 切れ目のない在宅医療と介護提供体制 の構築推進 (エ) 在宅医療・介護関係者の情報共有の 支援 ・ICTを活用した情報共有システムの運用 ・柏地域医療連携センターで相談及び多職種コーディネートの実施 (オ) 在宅医療・介護連携に関する相談支援 (カ) 医療・介護関係者の研修 ・在宅医療多職種連携研修会の開催 ・顔の見える関係会議の開催 (キ) 地域住民への普及啓発 ・各地区社協単位での在宅医療勉強会開催 (ク) 在宅医療・介護連携に関する関係市区 町村の連携 ・県内在宅医療連携拠点事業実施自治体との意見交換会等 12 厚生労働省資料を改変 12
④特区事業所によるトータルヘルケアステーションの創設 ⑤在宅医療に関する目標値の設定 在宅医療を推進するための新たな取り組み ①主治医・副主治医制の更なる機能強化 ②患者・家族の意思決定支援 ③在宅医療への取り組み成果の見える化 ④特区事業所によるトータルヘルケアステーションの創設 ⑤在宅医療に関する目標値の設定 13
在宅医療を推進して、地域を病院に 14