北京市内のPM2.5 PM2.5:草木、石炭、石油の燃焼から発生 左の写真が曇っているのは、粉じんが光を乱反射しているため。

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「神奈川県条例」の意義と課題 ・サービス産業も良好な遵守姿勢 ・ただし、分煙の実効性は・・・ ? ・官公庁の喫煙室は撤廃を サービス産業のタバコ煙( PM2.5 )は北京並み 〜従業員の健康を守るために全面禁煙化を〜 産業医科大学 産業生態科学研究所 教授 大和 サービス産業のタバコ煙( PM2.5.
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山口県医師会 禁煙推進委員会 タバコのない社会づくり ~ 吸わない 。 吸わせない 。 禁煙指導 ~ © 山口県.
京都のホテルにおける受動喫煙対策 実態調査 平成 17 年度 厚生労働科学研究 健康科学総合研究事業 「受動喫煙対策にかかわる社会環境整備についての研究」 主任研究者:産業医科大学 助教授 大和 浩 共同研究者:京都禁煙推進研究会 事務局長 田中善紹 担当世話人栗岡成人 担当会員 伊東 宏、小笹晃太郎、小佐々晴夫.
最近の税制改正について 08bc134k 畑 優花 /17. 「 2011 年度税制改正」を創設するために、 ここ数カ月で様々な提案がなされている。 たばこ税 ペット税 環境税 エコカー減税 法人税減税 論点証券優遇税制 今回の発表.
厚生労働科学研究 健康科学総合研究 (H14 〜 16 年 ) 包括的な喫煙対策介入研究 作業環境管理 : 受動喫煙対策 全館禁煙、喫煙室+換気扇 目標 : 受動喫煙解消、喫煙率 10 %低減 エクソンモービル 川崎* トヨタ自動車九州* 日立金属 真岡&安来* 三菱電機 福岡* 三菱重工 名古屋*
多々納 裕一 京都大学防災研究所社会システム研究分野
厚労科研 平成24〜26年度の2年目 「受動喫煙の防止を進めるための効果的な行政施策の あり方に関する研究」(主任:産業医科大学 大和 浩)
熱海健康福祉センター 後藤 幹生 (静岡県熱海保健所) 資料提供; 静岡市保健所 加治 正行
東海道・山陽新幹線 「ひかり」「こだま」の 喫煙車両(近鉄も同様)
タバコ煙はPM2.5  ~自家用車内 (子どもの居住環境) での曝露濃度~ 愛知県、中川先生、小児科.
受動喫煙防止対策の取り組み 中国電力(株) 鳥取支社     小谷 弘勝.
俺、肺癌になっちゃったよ。 肺癌緊急事態宣言 日本人の死因の第1位は癌です。国内の肺癌死亡数は
1.大気汚染とその原因 2.大気汚染による健康影響
健康福祉部が取り組む受動喫煙防止対策について 健康福祉部の主催する会議等の会場に関する取扱い
産業医大 産業生態科学研究所 健康開発科学研究室 教授 大和 浩
第13回 タバコと死の五重奏研究会 肥満、高血圧、脂質異常、糖尿病を併せ持つ人は 死亡率が高い=死の四重奏
禁煙スタイル 主宰/株式会社ITスタイル 代表取締役
平成25年2月9日 青森県内40市町村における 公共施設の喫煙対策状況 青森県タバコ問題懇談会 鳴海 晃、新谷 進一.
煙の広がり.
Web上での大気情報提供システム 環境計測 丸橋 史.
~ 職場での受動喫煙の防止に努めましょう~
徳島市内の公共的施設・空間における受動喫煙曝露の実態調査 徳島阿波おどり空港、喫煙室2カ所(2010年6月30日、7月1日)
NTS「ナノ・トリートメント・システム」
法律として全面禁煙とすべき 職場と公共施設
歴史、喫煙率の推移、世界での喫煙状況など
3.さまざまな保健活動 母子保健活動 日本赤十字社の写真 素材集-保健活動 「室蘭市役所ホームページ」 UNICEFの写真 素材集-保健活動
目的 喫煙は、疾病の最大・単一の原因であり、そのために多くの命が失われ、膨大な医療資源等が消費されている。
屋外の測定では、PM10のうちPM2. 5が占める割合は50〜70%。 工業地帯ほど、PM2
1 フッ化物は自然界に多く含まれる フッ化物は以下のものにも含まれる 土壌 植物 動物 全ての上水道.
1.環境汚染の防止と改善 2.産業廃棄物の処理と健康
騒音の測定 工業高校における持続可能な開発のための教育(ESD) 高等学校(工業)
C08027 酒井 翔太 C08028 佐藤 史隆 6班 C08029 下岡 亮太 C08030 下方 大史
目 次 1.大阪府自動車NOx・PM総量削減計画〔第3次〕の目標について 2.大気環境の状況について 3.中間レビューについて.
公共の場での喫煙問題 c 尾崎千紗.
04w750 林涛 12月4日                 中国の石油戦略 12月4日 経済学部国際経済学科 04w750林涛 課題5.
平成13年10月厚生労働省雇用均等・児童家庭局 平成12年 乳幼児身体発育調査報告書より
喫煙領域の代表目標項目(6) 4 喫煙 ・ 成人の喫煙率の減少 ・ 未成年者の喫煙率の減少 ・ 妊婦の喫煙率の減少
北京市内のPM2.5 PM2.5:草木、石炭、石油の燃焼から発生 左の写真が曇っているのは、粉じんが光を乱反射しているため。
流体のラグランジアンカオスとカオス混合 1.ラグランジアンカオス 定常流や時間周期流のような層流の下での流体の微小部分のカオス的運動
新しい自動車排出ガス処理システムの試作と検証
東アジア域内物流の準国内化 逆転 逆転 2000年~2007年の相手国別貿易額の推移 2007年の貿易額内訳 中国 32.6兆円
目的  成人喫煙率は、男性喫煙率が30%台となるなど、全体に減少傾向にはあるが、若い女性や未成年者の喫煙対策が課題となっている。特に、妊婦の喫煙は、胎児や乳児に深刻な影響を与え、有効な対策が急務である。  本日は昨年に引き続き洲本市における妊婦喫煙の状況と、加えて、出生体重に対する妊婦喫煙や受動喫煙の影響について報告する。
13 室内空気環境 ○気温、気湿:アスマン通風湿度計 ○カタ冷却力:カタ温度計(カタ係数÷カタ温度計が38℃から35℃に下降するまでの時間)
図表で見る環境・社会 ナレッジ ボックス 第2部 環境編 2013年4月 .
日中自動車産業と環境問題 第一章 中国自動車企業の発展 01w713 コウシュンエン 第二章 日本自動車メーカーの中国戦略
光触媒を用いた 効率的発生源対策技術の検討 金沢大学大学院 大気環境工学研究室 M1 吉田充宏.
受動喫煙対策としての喫煙室はお持ちですか?(助成金も利用できますので裏面をご覧ください)
参考資料.
山口大輝・瀬沢玲二・堀口心太郎・吉村誠也
受動喫煙防止対策助成金 申請業務から ご相談ください! 厚生労働省 最大100万円助成 交付対象
第10回鳥取県中部地区 乳幼児保健協議会 平成18年2月15日 喫煙アンケート結果
静電気学会のプラズマ研究と 学会連携への期待
住宅用調理レンジを対象とした 排気フードの廃気捕集率に関する研究
現在の環境問題の特色 ● 環境問題の第一の波: 1960年代の公害 (水俣病、イタイイタイ病、四日市・川崎喘息など)
クボタのアスベスト 2006.4.19.
目的  成人喫煙率は、東京都や長野県で男性喫煙率が30%台と発表されるなど、全体に減少傾向にはあるが、20代女性の喫煙率がこの10年で倍増するなど、若い女性や未成年者の喫煙増加が問題となっている。特に、妊婦の喫煙は、胎児に深刻な影響を与えており、有効な対策が急務である。そこで、洲本市における妊婦喫煙の実態と喫煙の害についての知識の調査を実施することとした。
図表で見る環境・社会 ナレッジ ボックス 第2部 環境編 2015年4月 .
~健康で安心して暮らせる社会の構築に向けて~
参考資料.
目的 1996年厚生省の「公共の場の分煙のあり方検討会報告書」以来、原則禁煙とされている保健医療施設の禁煙化はいまだ十分進んでおらず、兵庫県内では保健行政担当者が机で喫煙する姿も散見される。兵庫県喫煙問題研究会では喫煙対策を率先垂範すべき保健行政の現場での、禁煙環境、職員の喫煙状況、喫煙対策について、質問紙調査をした。
環境触媒グループ ガソリン車と比べて ディーゼル車の利点 現在ディーゼル車の走行台数が増加している ディーゼル車排ガス中での汚染物質 危害
13 室内空気環境 ○気温、気湿:アスマン通風湿度計 ○カタ冷却力:カタ温度計(カタ係数÷カタ温度計が38℃から35℃に下降するまでの時間)
大阪府受動喫煙防止条例の概要(2019年3月20日公布)
ディーゼルエンジンについて 尾崎文香 基礎セミナー発表.
(仮称)多治見市タバコの害から市民を守る条例(案)の概要
喫煙と健康.
放射線クイズ 11311028 柴田拡.
大阪府受動喫煙防止条例の概要 資料4 ○ 府民の健康のため、望まない受動喫煙を生じさせることのない環境づくりをすすめる
大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づく水銀の大気排出規制のあり方について
飲食店のみなさまへ A 店内禁煙(屋内禁煙)とする場合 B 店内に、喫煙専用室(喫煙のみ可)又は加熱式たばこ専用の
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北京市内のPM2.5 PM2.5:草木、石炭、石油の燃焼から発生 左の写真が曇っているのは、粉じんが光を乱反射しているため。 米国環境基準 35μg/m3 左の写真が曇っているのは、粉じんが光を乱反射しているため。 工業の発展による工場排煙の増加、急増する自家用車の排気ガス 家庭の暖房、調理に使用される石炭から粉じんが発生。 在中国日本国大使館HPより転載

屋外の測定では、PM10のうちPM2. 5が占める割合は50〜70%。 工業地帯ほど、PM2 屋外の測定では、PM10のうちPM2.5が占める割合は50〜70%。 工業地帯ほど、PM2.5の割合が高い。 10μmの粒子の沈降速度は3mm/s(100秒で30cm沈降)と速いため、 室内に浮遊している粒子状物質の大半はPM2.5 人体に吸入され得る最大粒径 砂粒:100μm  毛髪:  70μm PM10:土埃など粒径約10μm以下 RSP:浮遊粉じん、約7μm以下   (日本の室内空気環境測定) PM2.5:粒径2.5μm以下 タバコ煙:0.1〜1.0μm 花粉:30μm

室内の測定は、浮遊粉じん(RSP:約10μm以下)と 微小粒子状物質(PM2.5)の測定結果はほぼ同じ 浮遊粉じん(RSP)測定器 (柴田科学、LD-3K、PDS2) PM2.5測定器 (TSI,AM510)

微小粒子状物質(PM2.5)に基づく 室内環境基準の設定要望と最新のデータ 微小粒子状物質(PM2.5)と浮遊粉じん(RSP) 室内のPM2.5とRSPの併行測定の結果はほぼ同じ PM2.5のWHO空気環境評価基準は25μg/m3 中国から飛来するPM2.5濃度は数十μg/m3 わが国のRSP評価基準(0.15mg/m3)は高すぎる 受動喫煙はPM2.5曝露 飲食店等のサービス産業の職業的なPM2.5曝露 室内RSP評価基準の引き下げの必要性 PM2.5による粉じん曝露評価の必要性

WHO Air Quality Guidelines. Global update 2005 年間曝露で人体に影響のない濃度:PM2 WHO Air Quality Guidelines. Global update 2005 年間曝露で人体に影響のない濃度:PM2.5として10μg/m3以下 年平均 PM10 (μg/m3) PM2.5 (μg/m3) 住民への健康影響 暫定目標1 70 35 PM2.5として35μg/m3以下:  住民の死亡率が指針値  (10μg/m3以下)より15%上昇 暫定目標2 50 25 PM2.5として25μg/m3以下:  住民の死亡率が暫定目標1よりも  6%減少する 暫定目標3 30 15 PM2.5として15μg/m3以下:  住民の死亡率が暫定目標2よりも  6%減少する 指針値 20 10 PM2.5として10μg/m3以下:  心臓・呼吸器系疾患、肺癌による  住民の死亡率が上昇しない

WHO Air Quality Guidelines. Global update 2005 24時間曝露で人体に影響のない濃度:PM2 WHO Air Quality Guidelines. Global update 2005 24時間曝露で人体に影響のない濃度:PM2.5として25μg/m3以下 24時間平均 PM10 (μg/m3) PM2.5 (μg/m3) 住民への健康影響 暫定目標1 150 75  住民の死亡率が5%上昇する 暫定目標2 50  住民の死亡率が2.5%上昇する 暫定目標3 37.5  住民の死亡率が1.2%上昇する 指針値 20 25  住民の死亡率が上昇しない年平均値  と24時間平均値の関係に基づく濃度

環境省 2009年9月9日告示 微小粒子状物質(PM2.5)に関する基準値 1年平均値が 15μg/m3 以下であり、かつ、 1日平均値が 35μg/m3 以下であること。 ★

偏西風、季節風に乗って日本へ、数十μg/m3 沖縄県HPより転載 在中国日本国大使館HPより転載

日本の室内の浮遊粉じん濃度の基準値(0.15mg/m3)は高すぎる(甘い)           「室内環境と健康」の歴史的回顧ー室内環境基準値の誕生までー 入江建久 2007年 Vol.10 No.2 室内環境 昭和40年代に定められた 室内の環境基準は、 当時の公害防止を目的 とした環境基準を参考に 決めた値で、現在の日本 に当てはめるべきではない

日本のサービス産業の 受動喫煙は危険なレベル、 微小粒子状物質(PM2 日本のサービス産業の 受動喫煙は危険なレベル、 微小粒子状物質(PM2.5)濃度が WHO基準の15~20倍 全席喫煙の喫茶店=371μg/m3 店内平均PM2.5濃度   371μg/m3 屋外 屋外

アジア7ヵ国、サービス産業の受動喫煙比較で最悪 Secondhand smoke exposures in indoor public places in seven Asian countries(Int J Hyg Environ Health. 213, 348-351, 2010) 中国 ③インド ①日本 ②韓国 マレーシア パキスタン スリランカ 受動喫煙防止法のない国は全て高濃度 日本のサービス産業のPM2.5濃度は幾何平均濃度:135μg/m3、ワースト1 WHO Air Quality Guidelines (24hの基準値:25μg/m3)より6.4倍高い危険なレベル

規制対象の大型店舗(100m2以上)で「分煙」を 選択した店舗では、エアカーテンがあっても効果なし 喫煙席 禁煙席 ガラス壁で喫煙席を分離、 出入口にはエアカーテン

規制対象の大型店舗(100m2以上)で「分煙」を 選択した店舗では、壁・ドアで仕切っても効果なし 喫煙区域をガラスの壁で分離しているが、  ドアの上が空いており、 禁煙席にもタバコ煙が拡散 PM2.5平均濃度 喫煙席:315μg/m3 禁煙席:  65μg/m3

横浜市、カフェ: 排気風量が不足&自動ドアで 隔離しても漏れを防止できず。 喫煙室に閉じ込めると内部は劣悪。 喫煙席 自動ドア PM2.5最高:700μg/m3 禁煙席

飲食店等:短時間しか滞在しない利用者よりも、 毎日数時間を過ごす、従業員の受動喫煙(PM2.5曝露)こそ深刻な問題 禁煙区域 喫煙区域 胸元に センサー 接客時の受動喫煙 吐出煙 副流煙

神奈川条例で全席禁煙化、従業員の受動喫煙もゼロ 改装前後の同じ場所 &従業員の個人曝露 を測定

WHO国際がん研究機関は、 タバコ煙の64種類の発がん性物質を特定

国道2号線沿い、神戸市内のPM2.5は受動喫煙が なければ10μg/m3以下の良好な状態(2012年7月) 引き下げの基準案 ①環境省基準:15μg/m3(年間)                    35μg/m3(24h) ②「屋外よりも低い濃度」

微小粒子状物質(PM2.5)に基づく室内環境基準の設定要望 わが国の室内空気基準は昭和40年代の大気汚染を防止するための環境基準に基づいて設定されているため、測定対象粒子も基準値も現状にあわない 室内空気環境についても環境省と同様、PM2.5による測定とその基準値の採用(もしくは、「屋外よりも低い濃度」という評価基準)が望ましい。 室内環境に関しては、従来のRSP用の粉じん計を用いてもほぼ同じ結果であることから、まずは、評価基準の引き下げが必要であると考えられる。