二体クラスターRGM kernel を用いた 四体Faddeev-Yakubovsky 方程式

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二体クラスターRGM kernel を用いた 四体Faddeev-Yakubovsky 方程式 京大理 藤原義和 1. 導入 2. 二体 RGM kernel を用いた四体 Faddeev-Yakubovsky方程式 同種 4 boson 系の Faddeev-Yakubovsky方程式 Faddeev redundant components 5. 4 boson 系: 4d’ 系と 4 系への応用 6. まとめ 2008.6.4. Colloquium 1

核子を点粒子として扱い、簡単な有効相互作用を用いて ほぼ正しく核構造、核反応が記述されるのは何故か? 1.8 fm for 0 核子サイズ  0.8 fm 原子核物理における素朴な疑問 核子を点粒子として扱い、簡単な有効相互作用を用いて ほぼ正しく核構造、核反応が記述されるのは何故か? それには (いくつかの) 前提がある、それを無視して単純に推論すると、思いがけない落とし穴に陥る場合がある・・・ (自戒の念をこめて) ここで議論すること 3 OCM (北大グループや肥山さんの計算) , 4 OCM (船木 et al. ) では大きな(斥力の) 3 力、4 力が必要, その起源は何か?  核力における 3 体力のヒント? 2 3 4 threshold S. Oryu Y. Suzuki, D. Baye macroscopic model semi-microscopic model  microscopic model 8Be  7 MeV present model  14 MeV RGM, GCM, ... 12C 3 力: 3  4  12 MeV 4 力:  15 MeV by Funaki 16O

枠組み: 2 体クラスター RGM kernel を用いた 3 体, 4 体クラスター Faddeev-Yakubovsky方程式  phase shift を再現するような有効 2 体力: Minnesota 3-range force Volkov No.2 force etc. 3 系 Phys. Rev. C70, 024002 (2004), Few-Body Systems 34, 237 (2004) Phys. Lett. B659 (2008) 160; Phys. Rev. C76, 054003 (2007) 3 体にまたがる反対称化の効果  2 MeV 程度の引力 4 系ではどうか? 大きく overbound する  > 30 MeV compact すぎ rms radius  2.0 – 2.2 fm vs. exp. 2.7 fm 予想された結果? D.M. Brink and E. Boeker Nucl. Phys. A91, 1 (1967) 多分 3 体, 4 体クラスター間にまたがる反対称化の効果は小さい。しかし、有効相互作用の問題がある。 問題は単純ではない。いくつかの視点が必要。

2, 3, 4 を通じて, rms radius と EB を同時に 再現する様な有効相互作用は存在しないのか? Itagaki et al., Prog. Theor. Phys.94 (1995) 1019 Descouvemont et al., J. Phys. G25 (1999) 933 1. 反対称化の効果 (3 RGM, 4 RGM との比較によって可能)     Pauli 原理の dual role (玉垣 PTP Supplement 52, 1972)      healing を通じた一体場の形成の論理 (G-行列理論)       damped inner oscillation (構造的斥力)  clustering を加速    Wigner の spin-isospin supermultiplet と空間 SU3 対称性 (00) の特殊性 2. 有効相互作用の問題 tensor force の役割: 重い核ほど中心力引力への2次の繰込みが減少    RGM では Majonara mixture parameter u (Minnesota force) or m (Volkov force) で調整。しかし、これは odd force の強さの調整で別物。 Hasegawa-Nagata-Yamamoto force の  が対応。  クラスターの崩れと LS 力の役割。特に, 3 で重要。(Itagaki) 3  クラスターの広がりパラメータの選択: 自然な の広がりでO.K.か? 基底状態と励起クラスター状態との一貫性? 2, 3, 4 を通じて, rms radius と EB を同時に 再現する様な有効相互作用は存在しないのか?

多クラスター Faddeev-Yakubovsky方程式の満たすべき要件 変分法 (h.o. basis, SVM, Gauss 展開法, 等) と (同一のinput で) 同じ結果を与える。 現象論的2 体クラスター間ポテンシャルではなく, 構成粒子間の 2 体力から出発して RGM kernel を作る  Pauli forbidden state u は “クラスター相対運動に対する直交条件” として自然に出る。… 2 体RGM kernel を用いた対直交条件型 (堀内型) OCM 例えば2, 3, 4 と通して議論できる。 Induced 3-body force (3 クラスターにまたがる反対称化の効果) や 2 クラスター間力の off-shell変換の効果 (エネルギー依存性を除去したことによる 1/ N の効果, 等) を議論できる。 … 核力における Vlow-k や SRG 変換に対するヒントを与える? 2体クラスター間にパウリ禁止状態があるときの Faddeev redundant component が適切に処理できて、方程式が実際解けること。3体は簡単だが、4体以上では自明でない。…) √

4 case i<j |ui,j ui,j|ψ=|ψ in |ψ  [4] Projection operator onto the (pairwise) Pauli-allowed state  = 0 : パウリ許容  Þ = |ψ ψ |    > 0 : パウリ禁止  |ψ= (1/) i<j |ui,j ui,j|ψ  : 4-cluster OCM using energy-independent VRGM : 4-cluster Faddeev-Yakubovsky equation using RGM T-matrix Cf. Non [4]-symmetric trivial solutions in the 4α system are removable. (Faddeev redundant components)

4 体同種 Fermion/Boson 粒子系の Faddeev-Yakubovsky 方程式 p3 q3 12 3 (12s12)I12  Imax= 6 12+3+4, 12+34+  (sum)max by A. Nogga, Ph.D. thesis

Faddeev redundant components 1) Y-type 座標における 3体部分系の redundant component : (1+P)|uf=0 2) 2体 - 2体の H-type 座標における core exchange type の redundant component : (1+P)|uu=0 3) genuine 4体系の redundant component :      we can prove   trivial solution

4) modified Faddeev-Yakubovsky equation :     for identical 4-boson systems

4d’ case 4 case isospin 自由度を無視した 4 の模型 d’ d’ RGM の parameter (Pauli forbidden state: (0s) only) v = v0 e-r2(1+Pr)/2 (pure Serber) with  = 0.46 fm-2  = 0.12 fm-2, v0 =  153 MeV (151  152 MeV で bound) S. Saito, S. Okai, R. Tamagaki and M. Yasuno, Prog. Theor. Phys. 50 (1973) 1561 4 case  RGM の parameter (Pauli forbidden state: (0s), (1s), (0d) ) Volkov No.2 m=0.605, b=1.36 fm (=0.27 fm-2) (Baye’s parameter) E2= 1.105 (0.252) MeV red: with Coulomb E3= 7.391 (2.307) for Ntot=60 E4= 38.96 (25.77) for Ntot=20 vs. -39.15 MeV (Faddeev) M. Theeten et al., Phys. Rev. C76, 054003 (2007)

4d’ energy and rms radius v = v0 e-r2(1+Pr)/2 (pure Serber)  = 0.12 fm-2,  = 0.46 fm-2, v0 =  153 MeV 4d’ energy and rms radius Faddeev-Yakubovsky (6-6-3 mesh) h.o. variation (total quanta Ntot) sum max E4d’ (MeV) KE (MeV) Rc (fm) rms (fm) 0.100 5.160 14.79 14.90 2 0.099 5.033 14.89 4 0.768 23.67 5.362 5.645 6 6.872 81.98 1.891 2.589 8 7.012 83.53 1.875 2.577 10 7.088 83.41 1.879 2.580 12 7.089 Ntot max E4d’ (MeV) c(00) KE (MeV) Rc (fm) rms (fm) 6 0.416 1 52.25 2.339 2.932 8 1.604 0.941 63.44 2.130 2.768 10 4.485 0.914 67.55 2.116 2.758 12 5.481 0.879 74.14 2.002 2.671 14 6.181 0.857 77.34 1.980 2.655 16 6.466 0.842 80.08 1.938 2.623 18 6.628 0.836 81.10 1.935 2.621 20 6.689 0.832 81.85 1.923 2.612 22 6.726 0.829 81.50 1.948 2.631  summax = 6 で大きく変化する : [(20)(20)](02)(20):(00) のため h.o. basis : convergence is very slow E3d’ =  0.417 MeV (Ntot=60) : small E2d’ = 0.05 MeV (Ntot=100) v0 =  (151  152) MeV で bound

4 energy and rms radius Volkov No.2 m=0.605, b=1.36 fm Faddeev-Yakubovsky (4-4-2) h.o. variation (red: with Coulomb) sum max E4 (MeV) KE (MeV) R (fm) rms (fm) 4.21 15.51 3.67 3.95 2 4.16 15.20 3.69 3.96 4 6.53 20.71 3.27 3.57 6 7.28 23.10 3.07 3.40 8 11.56 43.08 2.71 10 15.82 66.39 2.19 2.62 12 39.06 142.33 1.57 2.13 14 39.15 141.80 Ntot E4 (MeV) c(00) KE (MeV) R (fm) rms (fm) 12 34.14 1 184.98 1.38 2.00 19.99 14 37.04 0.964 160.34 1.48 2.07 23.47 0.958 158.60 1.49 16 38.27 0.935 150.87 1.53 2.10 24.90 0.924 148.05 1.54 2.11 18 38.76 0.917 145.95 1.55 2.12 25.50 0.901 142.43 1.57 2.13 20 38.96 0.907 143.39 25.77 0.888 139.37 1.59 2.15 largely overbound summax=12 で大きく変化する [(40)(40)](04)(40):(00) のため b を大きくとって rms radius を大きくしても overbinding は不変 (rms)exp= 2.7100.015 fm E2= 1.105 (0.252) MeV E3= 7.391 (2.307) for Ntot=60 Cf. S. Oryu, H. Kamada, H. Sekine, T. Nishino, and H. Sekiguchi, Nucl. Phys. A534 (1991)221

まとめ 2体クラスターRGM kernel を用いた 4 体Faddeev-Yakubovsky方程式を解くことにより, 4d’ 系と 4 系の基底状態の結合エネルギーと平均 2 乗半径を計算した。結果は、3 体までの実験値を出来るだけ再現する有効核力で 大きく overbound する。また、rms radius は小さすぎる。 J force 3 RGM (micro) E (MeV) rms(fm) our 3 E (MeV) rms (fm) our 4 01+ MN (u=0.947) 11.6 2.18 9.42 2.17 V2 (m=0.605) 4.53 2.50 2.33 2.68 26 2.2 MN (u=0.912) 7.27 2.25 4.90 2.27 47 2.0 V2 (m=0.593) 2.41 4.73 2.52 MN (u=0.931) 9.57 2.21 V2 (m=0.582) 9.99 2.35 2.42 exp. 2.48 14.44 2.71 Present results ! M. Theeten et al., Phys. Rev. C76, 054003 (2007)  RGM is u (or m) independent. b = 1.36 fm ( = 0.27)